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小児肺炎球菌ワクチンについて詳しく説明しています

公開日: : 最終更新日:2015/12/28 予防接種・ワクチン


小児肺炎球菌ワクチンとは、肺炎レンサ球菌による感染症に対するワクチンです。肺炎レンサ球菌は、乳幼児の肺炎の原因としてはインフルエンザ菌に次ぐものであり、また全身感染症や中耳炎を引き起こします。

肺炎レンサ球菌が引き起こす細菌性髄膜炎

小児肺炎球菌ワクチンの接種は、肺炎よりも細菌性髄膜炎への対策としておこなれています。
肺炎になると、その原因となる細菌が血液中に感染してしまうことがあります。本来、血液の中には細菌は存在しないものであり、その感染により全身に細菌が広がってしまいます。これが、肺炎レンサ球菌の全身感染や中耳炎などの原因となります。
その中でとくに恐ろしいのが、中枢神経に細菌が感染してしまう、細菌性髄膜炎です。
細菌性髄膜炎は症状の進行が極めて早く、死亡リスクもあります。発熱や嘔吐、頭痛、意識障害、けいれんなどを引き起こし、ひどいときには発症から24時間での死亡例もあります。

こうした全身感染は、とくに乳幼児に多く見られます。
中耳炎を例にとると、乳幼児は耳管が短く菌がいる喉や鼻からの距離が近いため、大人に比べると菌が中耳へと侵入しやすくなっています。このような、乳幼児ならではの身体の小ささが、全身感染にいたりやすい要因のひとつです。
また、免疫についても、乳幼児特有の事情があります。
生後まもない乳児は、母親から受け継いだ抗体で肺炎レンサ球菌の感染を防いでいます。しかしながら、この抗体は生後数ヶ月から急速に減少し、自力で同様の抗体をつくることができるようになるのは4歳ころです。そのため、生後数ヶ月から4歳ごろまでは肺炎レンサ球菌に対して無防備になってしまいます。

小児肺炎球菌ワクチンの特徴と接種時期

小児肺炎球菌ワクチンとしては、ファイザー製薬による「小児および高齢者用肺炎球菌ワクチン」が市販されています。肺炎レンサ球菌は細菌性髄膜炎などの炎症を引き起こすため、それを予防するため乳幼児への接種を行います。
日本では、2013年より定期接種となり、自己負担が無償化されています。
さらに2013年よりより予防できる範囲の広いワクチンへと変更されており、高い予防効果を実現しています。

小児肺炎球菌ワクチンは生後2ヶ月から6歳未満、計4回の接種を行います。
標準的なスケジュールでは、それぞれの接種には27日以上の間隔を開け、3回目の接種を1歳未満までに実施。3度目の接種から60日以上の間隔を開け、生後12~15ヶ月までに4回目を行います。
事情によりスケジュール通りの接種ができなくても、5歳未満であれば定期接種の対象となることがありますので、もよりの医療機関に相談するようにしてください。
いずれにしても、効率よくかつ子どもにとっていい時期に予防接種ができるように、なるべく早く医療機関に相談しましょう。

小児肺炎球菌ワクチンの副反応

ワクチン接種後、一定期間に副反応がみられることがあります。また、ワクチン接種で体力が落ちるなどし、病気になりやすくなったり、気づかなかった病気が発見されたりすることもあります。なるべくそうしたことにないように、予防接種は子どもの生育具合や健康状態を把握し、適切な時期を狙って行います。そのためにも、余裕のあるスケジュールを組めるように早めに医師に相談します。

小児肺炎球菌ワクチンの副反応としては、37.5℃以上の発熱があります。発熱は接種当日か翌日に起こり、2日くらいで沈静化する事がほとんどです。もし熱が長引く場合は、医師に相談しましょう。
また、ワクチン接種で発熱したことがある場合でも、次の接種で発熱するとは限りません。また、その逆もしかりです。

ワクチン接種後によくあるのが、注射した箇所が赤く腫れたり硬くなったりすることです。通常は数日で消えますが、1ヶ月腫れが残ることもあります。あまりに腫れが大きい場合など、心配であれば医師に相談してください。

小児肺炎球菌ワクチン接種後の入浴

ワクチンの接種後は、今では一般的には入浴可能とされています。とくに乳幼児は身体を清潔にするのが大切ですから、入浴させたほうが良いでしょう。
ワクチンの副反応については、予防接種実施後に接種を受けた医療機関に一定時間待機し様子をみることで対処されています。何事もなく帰宅できた場合は、ひとまずは激しい副反応の心配ないということです。
ただし、慣れない外出や注射の恐怖、ワクチン接種などで疲れていることや、副反応として熱が出ることがあることから、なるべく手早く入浴させるようにします。
もちろん、熱が出たり疲れが激しかったりする場合は、入浴を控えて休ませてください。

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