*

三種混合ワクチン(DPT)について詳しく説明しています

公開日: : 最終更新日:2015/12/26 予防接種・ワクチン


三種混合ワクチン(DPT)とは、ジフテリア、百日咳、破傷風の混合ワクチンのことです。それぞれの病気の英名から頭文字を取ってDPTと呼ばれています。複数の病原体に対する混合ワクチンとしては代表的なものであり、そのため三種混合ワクチンというとこのDTPのことを指していることがほとんどです。
日本の場合、DTPのほかにMMRというワクチンが新三種混合ワクチンと呼ばれており、それぞれ区別されていますが、1993年以降MMRは使われておらず、あまり混同することはないと思われます。

三種混合ワクチン(DPT)が対応する病気について

ジフテリア

ジフテリア菌の毒素による上気道の粘膜感染症です。感染部位はさまざまで、鼻や皮膚、目、生殖器などに分類でき、腎臓や脳、目の結膜、中耳などが侵されることがあります。保菌者の咳などで飛沫感染します。
症状としては、のどの痛み、咳、筋力低下、激しい吐き気などです。また神経麻痺や心筋症を発症することもあります。
治療には血清や抗生物質が有効です。心筋症を起こした時は心臓への負担が大きいため、安静にして突然死への警戒が必要となります。

百日咳、

グラム陰性桿菌による急性の呼吸器感染症。患者の90%はワクチンが出回っていない発展途上国の小児です。
ただし、ワクチンが普及している地域の場合、ワクチンが効いているあいだに自然感染することもないために追加免疫が得られず、成人になってからかかってしまうケースが増えています。そのため、先進国などでは成人の罹患率が増えています。こうしたことから、日本でも散発的な流行が全国で発生しています。
痙攣性の咳を特徴とし、夜間には発作が起きやすく、嘔吐やチアノーゼ、肋骨骨折、失神、中耳炎の併発などの症状を伴います。体力が激しく消耗するため、程度が激しい場合は入院が必要です。また、生後半年以内の乳児の場合、咳による呼吸困難から肺炎や脳症を起こすこともあります。

破傷風

土の中に生息する破傷風菌が、怪我の傷口から侵入することで発症します。小さな傷でも発症するため、ワクチンなどで抗体がないと誰でも感染する可能性があります。
症状としては、強い肩こり、口が開きにくくなり舌がもつれ会話に支障が出る、顔面の引きつりといった前兆からはじまり、筋肉の麻痺やけいれんを引き起こします。
症状が進むと、喉が狭まり呼吸困難になり、筋肉の硬直による全身が弓なりに反るほどの強烈なけいれん発作により背骨の骨折を伴いながら、死にいたります。
この病気の恐ろしいところは、症状が起きるのが筋肉のみであるため意識は鮮明なことで、死ぬまでの痛みをあますところなく感じ苦しめられることです。
死亡率は50%であり、新生児では80~90%になります。

三種混合ワクチン(DPT)の特徴と接種のタイミング

三種混合ワクチンでは、ジフテリアと破傷風に対してはトキソイドが、百日咳に対しては成分ワクチンが、それぞれワクチン成分として使用されています。
日本では、1949年よりジフテリアワクチンの予防接種が行われ、1958年に百日咳を加えた二種混合、1964年から1968年にかけて、三種混合ワクチンとして接種されるようになりました。
しかしながら、1975年に百日咳ワクチンについて当時使われていた不活化ワクチンの副作用による事故があったために接種が停止され、1981年から成分ワクチンに切り替えられることで復活しています。この成分ワクチンへの移行は、世界的に見ても早い時期の実施となりました。
1994年、予防接種法の改正により定期接種が行われるようになり、2012年からは三種混合ワクチンにポリオワクチンを加えた四種混合ワクチンを接種させています。

接種時期としては、まず1期初回接種として生後3ヶ月から1歳までのあいだに、3~8週明けて3回行います。ついで、1期追加接種として初回の1年から1年半後に1回接種します。
さらに2期として、ジフテリアと破傷風のDTワクチンを11歳くらいのときに接種します。

関連記事

定期接種と任意接種とは

予防接種の種類にはおおまかにわけて「定期接種」と「任意接種」があります。 これら2つはわけられ

記事を読む

なぜ予防接種を受けるの?

予防接種はなぜ受けることが推奨されているのでしょうか。 感染症には、かかった人の年齢や体力、免

記事を読む

Hib(ヒブ)ワクチンについて詳しく説明しています

Hib(ヒブ)ワクチンというのは、インフルエンザ菌b型に対するワクチンです。インフルエンザという

記事を読む

小児肺炎球菌ワクチンについて詳しく説明しています

小児肺炎球菌ワクチンとは、肺炎レンサ球菌による感染症に対するワクチンです。肺炎レンサ球菌は、乳幼

記事を読む

水痘ワクチン(水ぼうそう)について詳しく説明しています

水痘ワクチンは、水痘、または水ぼうそうと呼ばれる感染症のワクチンです。 水痘とはどんな病気

記事を読む

同時接種と混合ワクチンについて

乳幼児などに予防接種を受けさせたい場合、気になるのは接種のスケジュールです。 乳幼児期からかか

記事を読む

違う種類のワクチンを接種する際の接種間隔

予防接種のワクチンは、それぞれ予防できる病気に違いがあります。 そのため、予防したい病気が多い

記事を読む

インフルエンザワクチンについて詳しく説明しています

冬 になると風物詩のように流行するインフルエンザ。冬になると学校や医療施設、介護施設での集団感染と

記事を読む

BCGワクチンについて詳しく説明しています

BCGワクチンというのは結核に対するワクチンであり、日本人の場合は子どもが受ける予防接種の一つと

記事を読む

予防接種(ワクチン)の種類と特徴

予防接種のワクチンにはさまざまな種類と特徴があります。 どのようなワクチンがあり、どのような特

記事を読む

妊娠高血圧症候群を詳細に:原因,症状,検査,治療など

妊娠高血圧症候群とは 妊娠高血圧症候群(にんしんこうけつあつしょうこうぐん)

細気管支炎を詳細に:原因,症状,検査,治療,予防など

細気管支炎とは 細気管支炎(さいきかんしえん)は、主に生後18ヶ月未満の子ど

漂白剤誤飲を詳細に:症状,対処法,応急処置,治療,予防など

漂白剤誤飲とは 漂白剤誤飲(ひょうはくざいごいん)とは、洗濯用やキッチン用の

上腕骨顆上骨折を詳細に:原因,症状,検査,治療など

大人と比較して、子どもに多い骨折の種類に上腕骨顆上骨折(じょうわんこつかじょうこっ

キーンベック病(月状骨軟化症)を詳細に:原因,症状,検査,治療など

キーンベック病(月状骨軟化症)とは キーンベック病(きーんべっくびょう)とは

→もっと見る

PAGE TOP ↑