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A型肝炎ワクチンについて詳しく説明しています

公開日: : 最終更新日:2015/12/26 予防接種・ワクチン


A型肝炎ワクチンは、A型肝炎ウイルスに対する免疫をつけるワクチンであり、病気の予防に役立つのはもちろんのこと、おもに海外渡航の際に接種が必要となるものです。

A型肝炎とはどんな病気?

A型肝炎は、HAV(A型肝炎ウイルス)が原因となるウイルス性肝炎であり、多くの場合は1度きりの発症で終わります。それは、回復後に強い免疫が得られるからです。つまり、1度かかって回復してしまえば2度目はない病気なのですが、感染力が比較的強い病気であるため注意が必要です。自分が良くても、周囲の他人に幅広く感染させてしまう可能性が高いのです。また厄介なことに、潜伏期間が1ヶ月あるため、未発症のまま感染を広げてしまう可能性が高いです。

しかしながら、感染力が高いといっても、我々が日本国内で普通に生活していて、A型肝炎にかかったという話はあまり聞かないと思います。それは、A型肝炎の感染力が衛生状態と大きな関連性があるからです。これは、感染して症状が収おさまったあとでも、数週間は糞尿にまじりウイルスが排泄されるからで、そうしたものの始末ができていない環境では、A型肝炎ウイルスは広まりやすくなるのです。

一方、日本では人口が密集する大都市では上下水道が完備されており、料金未払いでも滅多なことでは停止しません。地方であってもそれなりには下水道が敷設されており、山間部でも簡易下水道がひろまっています。そうでない地域では、し尿処理業者が動いており、日本国内で生活する上では一定水準以上の衛生環境は保たれています。
これは生活の豊かにするためでもありますが、最も重要な目的としては不衛生な環境による伝染病の流行を防ぐためです。こうした、国や行政の努力により、日本国内では不衛生な環境による伝染病の蔓延はほとんど考えなくてもよいレベルに抑えられています。
そのため、日本に住むぶんにはA型肝炎にかかる心配はあまりないのですが、海外では話は別です。衛生環境が劣悪な地域では、とりわけ乳幼児による感染が非常に多いのです。

そうした土地に日本人が渡航する場合は、あらかじめA型肝炎ワクチンの接種が必要となります。とくに、日本では衛生環境の良さからA型肝炎にかかったことがある人が少ないために抗体を持っていない人が多く、外からうっかりウイルスを持ち込んだ場合、集団感染に発展する可能性があるからです。
日本人の場合、戦後生まれの世代はA型肝炎の抗体を持っていない人が多いため、流行地への渡航により感染するケースが少なくありません。

A型肝炎ワクチン接種のタイミング

A型肝炎ワクチンは、A型肝炎という病気の性質上、海外渡航するか、または海外の人を受け入れるかの際に、国が接種を要求するケースが多いです。
たとえば、アフリカや南米の熱帯地域など、A型肝炎の感染例が見られる地域です。こうした国では、入国してきた外国人がA型肝炎に感染しないよう、入国前のワクチン接種を要求してきます。また入国の際に要求されなくても、学校に入学するときに接種を要求されることもあります。
こうした国では、予防接種証明書の提示によりワクチン接種をしていることを示す必要がありますので、渡航の際に予めワクチンを接種し、証明書を用意しておかなければなりません。
また、ワクチン接種が要求されていなくても、予防接種を受けてからの渡航には意味があります。A型肝炎は日本では感染しにくい病気ですが、渡航先で感染リスクがある場合には、帰国後にウイルスを周囲の人に感染させないためにも、予防接種をしておくことが推奨されます。
海外転勤の多い企業では、従業員に対してこうした予防接種を受けさせています。

A型肝炎ワクチンの接種についてですが、やろうと思ってすぐにできるとは限りません。準備に時間がかかる可能性がありますし、またワクチンの仕組み上、接種後に体調を崩す可能性もあります。
日本の場合、A型肝炎ワクチンは2~4週間のあいだに2回に分けて接種します。そして、その半年後に3回目の接種をすれば免疫が強化され5年間は効果が続くといわれています。
つまり、A型肝炎ワクチンの接種が必要な場合、最低でも1ヶ月は時間が必要となります。
そのため、海外渡航の予定がありワクチン接種が必要な場合、なるべく早く医療機関や検疫所に相談する必要があります。また海外転勤の指示も、ワクチンの接種を考えたスケジュールで調整しなければいけません。

A型肝炎ワクチンの摂取方法と料金

A型肝炎ワクチン接種方法は、医療機関において皮下注射により行われます。2回から3回の接種が必要ですので、その都度医療機関に出向いて注射してもらうことになります。

料金については、接種を行う医療機関やワクチンの種類により異なります。多くの場合は、1回あたり6,000~10,000円のあいだにおさまっており、これを最低でも2回、できれば3回繰り返すことになります。最大で30,000円となれば、1~2泊程度の宿泊費用にも匹敵するでしょうから、それなりに経済的余裕がある人でないかぎりは、かなり重い出費となります。
仕事での海外渡航の場合は雇用者がワクチン代も負担するでしょうが、もしも旅行など遊びで渡航する場合は、予防接種にかかるお金についても別途考慮しておく必要があります。ホテル代がなくなるなどといって予防接種を無視していると、病気リスクが高まるだけでなく、そもそも入国ができないといった事態になりますので、しっかりとワクチンの接種を受けるようにしましょう。

予防接種を受けることができない人

日本製A型肝炎ワクチンは、16歳以上でなければ接種できません。それ以下の場合は安全性や投与についてのやり方などは定められていません。
もし海外渡航の可能性がある場合、若年者に関しては本当に渡航が必要なのかも含めて、考慮が必要となります。
ただし、2013年3月より国際A型肝炎ワクチン(エイムゲン)については16歳未満への接種が可能となりました。必要であれば、ワクチンの種類を問い合わせるようにしましょう。

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