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胃酸・胃粘膜・蠕動運動=胃の働きを詳しく!

公開日: : 最終更新日:2016/04/13 胃・食道の病気

胃の働きを詳しく!

胃の働き

胃には大きくわけて4種類の働きがあります。

口にしたものを一時的に貯蔵する

食べたり飲んだりしたものは胃からすぐに十二指腸へと送られるわけではありません。
十二指腸の消化の進行に応じて、順次胃は口にしたものを送る仕組みになっているのです。
全部の内容物が十二指腸へと送り込まれるまでのあいだ、一時的に貯蔵しておく機能が胃にはあります。
1.5~2.5リットル程度の内容物を貯め込んでおくことが可能とされています。
一度の食事で摂ったものは、食後約10分で胃から十二指腸へと送られはじめます。
その後、数時間を費やして全ての胃の内容物は十二指腸へと送られます。
なお、食べ物には栄養が含まれていますが、糖質、脂質、たんぱく質には十二指腸へと送られるスピードに差があります。
最も時間が短いのは糖質、次がたんぱく質、最も長くかかるのは脂質となっています。
糖質で2時間~3時間程度かかりますが、そのほかの栄養は倍以上の時間をかけて十二指腸へと送られます。
脂っこい食事をたくさん摂ったあとは胃が重い感覚を覚える人が多いですが、十二指腸へと送られるスピードが遅いのが原因なのです。
なお、水分は一時溜め込まれるということはほとんどなく、そのまま十二指腸に流れていくことになります。

口にしたものと胃酸を混合

胃は胃酸や消化酵素のペプシンを分泌し、食べたり飲んだりしたものと混合させます。

口にしたものの消化

胃酸と胃の内容物を混合するのと同時に、胃の蠕動(ぜんどう)運動により内容物をドロドロのやわらかい粥(かゆ)状にします。
こうして胃の内容物は少しずつ十二指腸へと送られることになるのです。

口にしたものの殺菌

胃には殺菌作用があり、胃酸が内容物に含まれているバクテリアを殺菌してくれます。
ほかにも胃酸は食べ物や飲み物を摂取した際に侵入してきた細菌を撃退します。
それから、体に必要のない物質を嘔吐することにより排出させる働きも胃がこなしているのです。

胃酸の働き

口にしたものの消化を行うために胃で分泌される消化液のことを胃液といいます。
この胃液の中には塩酸が含まれているのですが、これを胃酸と呼んでいるのです。
胃酸はpH1~1.5ほどの強酸性を示し、一度の食事で500~700mlほど、1日あたり1,500~2,000mlほど分泌されます。
このような特徴を持つ胃酸ですが、大きくわけて3種類の働きがあります。

口にしたものを溶かしやわらかくする

前述したように、胃酸はpH1~1.5程度の強酸性を示します。
この強力な酸と、胃から分泌される消化酵素のペプシンにより、胃の中は酸性の状態に維持されているのです。
強い酸の力により、口から摂取した食べ物などは溶けてやわらかくなり、どろどろの粥(かゆ)状になります。
これにより食べたり飲んだりしたものの消化がサポートされるのです。

細菌やウイルスの殺菌や有害物質の分解

胃酸は私たちが口にしたものの消化を助けてくれるだけでなく、健康を保つ上で重要な役割も担っています。
細菌やウイルス、有害物質が体内に侵入することで、感染症などの病気を引き起こすリスクがあります。
これら細菌やウイルス、有害物質の全てというわけにはいきませんが、胃酸は殺菌を行ったり、分解を行ったりしてくれるのです。

口にしたものの腐敗を防止する

胃酸には強力な殺菌作用がありますが、これが食べたり飲んだりしたものの腐敗を防いでくれます。
口にした時点では清潔な状態であっても、胃の内容物が胃の中の温度や食品に付着した雑菌により腐敗する可能性があります。
腐敗した内容物は体に害を及ぼす恐れがあるわけですが、胃酸が雑菌をやっつけてくれるのです。

胃酸が胃を溶かす心配はない?

強力な酸で食べ物を溶かす胃酸ですが、胃を溶かしてしまわないのかと心配する人が少なくありません。
胃液には胃酸や消化酵素のほかに粘液があり、この粘液が胃を保護するためのバリアを張ってくれています。
これにより胃酸が胃を消化してしまうというトラブルを避けることが可能となっているのです。

胃粘膜の働き

胃粘膜の働きと、正常な働きを阻害する要因について解説します。

胃液の分泌を行う

胃粘膜には胃小窩(いしょうか)と呼ばれる小さい穴がたくさんあいています。
この胃小窩から胃液が分泌されるのですが、胃液には強い酸性を示す塩酸(これを胃酸と呼ぶ)や、消化酵素であるペプシン、胃を守る粘液が含まれています。
胃は通常、胃小窩により分泌された胃液で満たされた状態になっているのが特徴です。

胃粘膜の防御機構

胃酸は強力な酸性を示し、食べ物を溶かす作用があります。
この胃酸により胃自体が消化されてしまわないのは、胃粘膜が消化を防ぐ物質を分泌しているからなのです。
胃を保護する物質としては胃粘液のほか、酸性とは逆の性質であるアルカリ性の物質、粘膜の細胞を守る物質が挙げられます。
さらに、胃粘膜は酸や老廃物を取り除くことも可能なのが特徴です。
これらの働きを胃粘膜がすることで、自らが分泌した胃酸によりダメージを受けることを阻止しているというわけです。

胃液のバランスが崩壊すると危ない

胃の中の塩酸や粘液は通常、量のバランスがちょうどよく保たれています。
しかしながら、粘液が少なくなり塩酸が多くなるとバランスが崩壊し、胃粘膜が傷害を受けることになってしまうのです。
原因としてはストレス、アルコール、タバコ、香辛料やカフェインが多量に含まれている刺激物などを挙げることができます。
それから、慢性的な睡眠不足や食事を抜くことで空腹の時間が長くなるのも、バランスを悪くする原因といえるでしょう。
なお、胃粘膜傷害の原因になるもののことを攻撃因子と呼び、胃粘膜を保護するものを防御因子といいます。

生活習慣を改善し胃粘膜を守る

前述したように、胃粘膜の状態は生活習慣を深い関わりがあります。
食生活などに注意することで攻撃因子を増やさないようにし、防御因子が負けてしまわないようにすることが大切です。
胃粘膜がダメージを受け続けると胃の病気の原因にもなりますので、いまから対策をはじめましょう。

蠕動運動

蠕動運動(ぜんどううんどう)とは何か、どのような役割をするのかなどについて取り上げていきます。

胃の蠕動運動とは?

胃には筋層と呼ばれるところがあります。
ここの筋肉が繰り返し収縮することにより起こる動きを蠕動運動といいます。
胃の真ん中あたりで蠕動運動が発生しますが、これにより形成されるくびれが出口のほうへと進行していくような動きを見せます。
なお、蠕動運動は胃の出口の幽門へと向かうに従って強くなるのが特徴です。

蠕動運動により起こること

胃の蠕動運動により、口にしたものがすり潰されることになります

胃はほかに攪拌運動(かくはんうんどう)も起こしますが、これと一緒になって口にしたものをこねて混ぜ合わせます。
さらに胃から分泌される塩酸である胃酸や消化酵素であるペプシンが食べ物の消化を促します。
結果、口にしたものは細かくどろどろの粥(かゆ)状になります。
これらの働きが一体となって行われることにより、胃の内容物が徐々に十二指腸へと送られていくのです。

蠕動運動の阻害要因

胃では一定のリズムで蠕動運動が起こっていますが、複数の原因によりこのリズムが狂ってしまったり、動きが鈍ったりします。
まず、リズムを乱す原因ですが、過度に熱かったり冷たかったりする飲食物を摂るのはよくありません。
こうしたものを摂ると胃の収縮が起こり、蠕動運動のリズムに狂いを生じさせることになるからです。
また、蠕動運動に限った話ではなく胃自体が一定のリズムで動いていることから、食事を抜くこともいけません。
規則正しい食事を三食しっかり摂っていないと、蠕動運動のリズムがおかしくなる原因になるでしょう。
それから蠕動運動の動きが鈍る原因ですが、加齢やストレスを挙げることができます。
蠕動運動が鈍ることで、胃の内容物の消化に時間を要するようになります。
リズムの乱れや動きの低下は、ほかにも胃の症状の原因にもなりますので、くれぐれも注意しましょう。

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