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動脈・静脈の病気の原因・症状・治療

公開日: : 最終更新日:2015/12/26 心臓・血管の病気

動静脈瘻の概略や原因について

血液は動脈から毛細血管を通り静脈へ流れるのが普通ですが、動脈と静脈の間に異常な連絡通路(短絡路)ができて、血液が毛細血管を通らずに動脈から静脈へ直接流れることをいいます。
動静脈瘻には、出生時に形成されている先天性動静脈瘻と、生まれた後に形成される後天性動静脈瘻とがありますが、先天性動静脈瘻はまれです。
後天性動静脈瘻は、並行して流れている動脈と静脈が損傷を受けた場合にできることがあります。
たとえば、ナイフや弾丸による貫通性のけがの場合で、動静脈瘻はすぐに生じることも、2~3時間後に生じることもあります。

動静脈瘻の症状について

動脈の強い圧力まま静脈に流れ込むため、もともと丈夫ではない静脈が拡張してふくらみ、場合によっては静脈瘤のような状態になることもあります。
さらに、拡張した静脈の方が抵抗なく流れるために血圧が低下し、心臓はより多く血液を送り出さなければならなくなり、心臓に負担がかかり、左心室が肥大して心不全をおこすことがあります。
毛細血管側は血液量が減るために、冷感、痛み、チアノーゼがあらわれます。

動静脈瘻の治療法について

短絡路の瘻孔が小さい場合は、コイルを留置してふさぐ治療がおこなわれます。
瘻孔が大きい場合は、縛ったり、切除する手術がおこなわれます。

動脈硬化の概略や原因について

動脈硬化症の原因・症状・注意点・改善法をご覧下さい。

大動脈炎症候群の概略や原因について

大動脈炎症症候群は、現在は高安動脈炎(たかやすどうみゃくえん)と呼ばれています。
大動脈を中心とした太い血管に炎症が起きて、その結果血管が狭くなったり、逆に拡張したりする病気です。

1908年に眼科医の高安右人(たかやすみきと)博士が報告しました。
大動脈のみではなく、全身のさまざまな血管に炎症が起こるのが特長です。
腕の血管に炎症が出ると、脈が取れなくなることから、「脈なし病」と呼ばれていたこともあります。

この病気は、炎症が体のどこの血管に出るかによって、あらわれる障害の程度が大きく異なるために、治療法も一人一人異なるという特徴があります。
全国で約5000人程度の患者がおり、男女比は1:9で女性に圧倒的に多い病気です。
そのなかでも、10代から20代にかけて発病する女性が多いですが、男性は年齢に関係なく発症します。

大動脈炎症候群の原因

高安動脈炎の原因は未だに不明です。
自己免疫疾患である膠原病(こうげんびょう)の一つのタイプと考えられていますが、なぜ病気があらわれるのかはわかっていません。

まれに母娘や姉妹で発病する人がいることから、なんらかの体質が影響している可能性はあるものの、遺伝する病気ではありません。
それまでの生活や環境との関連は見いだせません。

大動脈炎症候群の症状

大きな血管に炎症が起きて、全身の症状が引き起こされます。
初診でよく見られる症状は、手のしびれ・疲労・脈なしが約70%、だるさや違和感が約65%です。
血管が詰まることで、高血圧になることもよくあります。

血管が炎症を起こすせいで、全身に合併症が起こります。
難聴や耳鳴り、歯痛、炎症性の腸炎、腎不全のほか、心臓の病気である冠動脈狭窄(狭心症、心筋梗塞)、大動脈弁閉鎖不全も起こります。
最初は風邪に似た体調不良を訴える患者が多いです。

全身の部位にでた症状にしたがって、合併症の治療を行い、炎症を沈静化させることを目的とします。
長期にわたって注意が必要な病気です。

大動脈炎症候群の検査

診断は、基本的に画像診断と血液の検査によります。
画像診断では、血管の状態をみるカテーテル血管造影法などが長く使われてきましたが、CTやMRIでも十分な情報を得る技術が進歩しています。

炎症の様子を見ることのできるPET検査では、血管の壁の様子について有効な情報が手に入ります。心臓に病変のある場合では、超音波(エコー)を定期的に行う必要があります。
血液検査では、体のどこかに炎症が起こると値が上がるCRPを手がかりにして判断します。

大動脈炎症候群の治療

一般的に、血管の炎症は長い時間をかけておさまっていくケースが多いです。
ただし、一度傷ついた血管のうちでは、元に戻りにくいものもありますので、治療を継続することが大切です。
治療の基本は副腎ステロイド剤であるプレドニンというお薬を服用することです。

副腎ステロイド剤を2~4週間をめどにしっかりと服用し、様子を見ながら徐々に量を減らしていきます。
通常は少量の薬を長期間内服することで、病気の再燃を防ぎます。
プレドニンは優れた抗炎症薬ですが、高安動脈炎を完治させるものではありません。

また、副腎皮質ホルモンですので、副作用を伴います。
副作用については、すでによく知られていますので、理解しながら服用してください。
感染症にかかりやすくなったり、糖尿病になりやすくなったりしますし、ニキビや顔が腫れるなどの症状も出ます。

しかしながら、こういった副作用は徐々に飲む薬の量を減らすことでコントロールできますので、決して急に服薬を中止してはいけません。
プレドニンで効果が十分出なかったり、副作用が強く出る場合には、免疫抑制剤をすすめられる場合もあります。
高安動脈炎では、高血圧や弁膜症などを併発することがよくあります。

これらの疾患には、それぞれ適したお薬を服薬して対応します。
血管のバイパス手術や心臓弁膜症の手術が必要な患者さんもいますが、ごく一部です。

炎症がおさまっていて、かつ合併症がひどくなる前に手術をする必要があります。
大動脈瘤(血管にできるこぶ)が大きくなると手術することもあります。

大動脈炎症候群の生活

妊娠・出産は、安全に出産しているケースが多いです。
ケースバイケースで総合的に判断するので、主治医とよく相談してください。
血管の炎症はやがておさまりますが、合併症が残る場合がほとんどです。

高安動脈炎の人は動脈硬化になりやすいので、一般的な注意が必要です。
高血圧が残る場合も多いですし、定期的な血液検査と画像検査は必要になります。

抗血小板薬(アスピリンなど)は、血栓症の発生を防ぐ観点から、長期にわたって飲み続けるほうがよいとされています。
服薬は、自己判断で中止してはいけません。
必ず医師に相談してください。

免疫・アレルギー疾患をやさしく解説」より引用

大動脈解離の概略や原因について

大動脈の中膜の変性、壊死のために大動脈壁のうち、内膜から中膜にかけて裂け目が生じ、血液が流入することで大動脈が真腔と偽腔(解離腔)の2つに分かれてしまった状態です。
真腔はもともとの血流空間のことで、内膜と外膜の間にできた空間を偽腔と呼びます。
解離をおこした部位に瘤を形成すると、解離性大動脈瘤と呼ばれます。
発症後2週間以内のものを急性大動脈解離と呼び、それ以降のものは慢性大動脈解離と呼ばれます。
原因は高血圧、動脈硬化、マルファン症候群、大動脈炎症候群などがあげられます。

大動脈解離の症状について

突然、強烈な胸痛や背部痛がおこり、解離が広がるにつれて痛みが下方向に移動していきます。
解離の部位や進展によりさまざまな症状や病変がおこります。
めまい、意識障害、けいれん、大動脈弁閉鎖不全、心筋虚血、左右の腕の血圧差、脳虚血症状、腎虚血症状、脊髄虚血症状、腸管虚血症状などがみられます。
解離腔が破裂すると、心タンポナーデをおこし、突然死することもあります。

大動脈解離の治療法について

急性大動脈解離は発症48時間以内に50%が死亡、14日以内の死亡率は80%です。
まず、痛みを除去し、血圧をコントロールしたあと、上行から弓部大動脈に裂け目がおこるA型解離は、緊急手術(上行大動脈置換術、上行弓部大動脈置換術)をおこないます。
下行大動脈に裂け目がおこるB型解離は、降圧治療で経過観察をしますが、状態によっては緊急手術(下行大動脈置換術)をおこなうこともあります。

大動脈縮窄症の概略や原因について

心臓から出ている大動脈の一部がくびれたように細くなって、血液の流れを妨げる病気で、先天性のものと後天性のものとがあります。
先天性では左鎖骨下動脈が枝分かれする部分に接して下行大動脈が狭くなっています。
重症の心臓の先天異常を合併している場合は、心不全で6ヶ月以内に死亡することがあります。
大動脈縮窄だけのときは、発育には支障なく、10~20歳になって気づくことが多いようです。
後天性では思春期の女性に多くみられ、動脈壁の炎症によっておこり、胸部大動脈の下部から腹部大動脈にかけておこることが多くなっていますが、炎症の原因は不明です。
血液が縮窄部で抵抗を受け、その部分より心臓に近い中枢部の血圧が上昇し、逆に抹消の血圧が低くなるのが特徴で、そのために、上半身の血圧が高くなり、下半身の血圧が低くなります。

大動脈縮窄症の症状について

先天性は呼吸や脈が速い、母乳やミルクの飲みが悪いなどの症状があらわれます。
動悸が運動時にとくにあらわれ、上半身の血圧が高いことから頭痛、めまい、顔のほてり、紅潮がみられ、反対に足が冷え、長く歩くと下肢が疲れやすいなどの症状がおこります。

大動脈縮窄症の治療法について

先天性では正常な血管どうしをつなぐ血行再建術をおこないます。
成人の場合では、血管の狭窄部分の前後の血圧の差が30mmHg以上あれば、血行再建術をおこないます。

バージャー病(閉塞性血栓血管炎)の概略や原因について

手足の細い動脈に炎症がおこり、そこに血栓ができて、血管の内腔をふさぐ病気です。
20~40歳代の喫煙者に多くみられますが、原因は不明です。
末梢の細い血管が詰まり、微小循環障害が強く出るのが特徴で、手指の動脈や足指の動脈におこりやすくなっています。
喫煙の影響で、血管内皮の障害や血液がかたまりやすくなったり、免疫異常による血管の炎症が原因ではないかと考えられています。

バージャー病(閉塞性血栓血管炎)の症状について

虚血のために、手足のしびれ、手足の冷感、手足の皮膚蒼白、筋萎縮、脱毛、間欠性跛行、手足の潰瘍や壊死がおこります。

バージャー病(閉塞性血栓血管炎)の治療法について

まずは、進行を止めるためにも禁煙をおこないます。
血管拡張薬、抗血小板薬、抗凝固薬などを使用しながら、冷える部分には保温をおこないます。
間欠性跛行などに対しては、運動療法を加え、血管攣縮を防ぐ交感神経ブロック、詰まった部分を迂回させるバイパス手術がおこなわれたりします。

急性動脈閉塞症の概略や原因について

動脈が血栓などで詰まり、血流障害がおこる病気で、塞栓症と血栓症があります。
動脈塞栓症は心臓や動脈瘤の中でできた血栓が、手足などの末梢の細い動脈まで流れて詰まらせるもので、不整脈の心房細動や心臓弁膜症などにともなっておこることが多くなっています。
動脈血栓症は手足などの動脈が、動脈硬化、動脈炎、悪性腫瘍、外傷などの原因で血流が悪くなって血栓が生じ、末梢の細い動脈に詰まることをいいます。
全身のどの動脈でもおこりますが、腹部大動脈から下肢動脈の分岐部にかけたところに多く発症します。

急性動脈閉塞症の症状について

四肢の痛み、脈拍消失、皮膚蒼白、知覚鈍麻、運動まひ、むくみ、皮下出血などがみられます。
詰まる血管が太いほど重症で、主幹動脈が詰まるとショックをおこします。

急性動脈閉塞症の治療法について

血流が止まるので、6~8時間以内に血流を再開させないと大きな障害が残ります。
血栓溶解薬や抗凝固薬を用いるとともに、バルーンカテーテル、アテレクトミー、バイパス手術、経皮的血管拡張術などで血流を再開させます。

深部静脈血栓症の概略や原因について

脚から血液が心臓に戻るときには、脚の筋肉のポンプ作用により、大部分が深部静脈を通って流れていきますが、この深部静脈の中で血液が凝固して血栓となって、深部静脈の内腔を詰まらせる病気のことをいいます。
原因は病気などで長期間寝こんでいる人や長時間飛行機などに乗っていて動かなかったりする場合におこりやすくなります。
ほかに、腸骨静脈圧迫症候群、けが、水分欠乏状態、薬剤の使用、検査や手術などにより静脈に傷がついた、先天的な体質などの原因も考えられます。

深部静脈血栓症の症状について

突然、脚が腫れ、痛み、軽い発熱、皮膚が赤紫色になることがあります。
血栓の飛遊により、心臓を経て肺動脈に流れ込んで血管を詰まらせると、呼吸困難や胸痛がおこって死亡することもあります。

深部静脈血栓症の治療法について

症状が軽ければ、血栓溶解薬や抗凝固薬を使用します。
症状が強ければ、血栓溶解療法に加え、脚を少し上げて就寝するなど安静を保ちますが、場合によっては、カテーテルをつかって血栓を取り除く治療をすることもあります。

下肢静脈瘤の概略や原因について

静脈には血液が逆流しないように弁がついていますが、この静脈弁の機能不全がおこり、下肢の表在静脈の血液が滞り、血管が拡張、伸展、蛇行し、血管が浮き上がってみえるものです。
手足の静脈には、深部を流れる静脈(深部静脈)、表面を流れる静脈(表在静脈)、これらを結ぶ交通枝の3系統があり、表在静脈と交通枝の弁の異常がおもな原因ですが、深部静脈に血栓ができる深部静脈血栓症に合併して静脈瘤ができることがあり、これを二次性静脈瘤といいます。
ほかに加齢により静脈壁がもろくなったことや30~40歳代の女性に多くみられることから、性差の関係などが考えられます。
また、肥満の人や長時間の立ち仕事をする職業の人にも多くみられます。

下肢静脈瘤の症状について

脚がむくみ、だるさを感じたり、突っ張ったりします。
睡眠中のこむら返り(ふくらはぎの筋肉のけいれん)がおこることもあります。
進行すると、うっ滞した皮膚に褐色の色素沈着がおこり、放置すると湿疹ができてかゆみがおこり、さらに進行してしまうと潰瘍になります。

下肢静脈瘤の治療法について

症状が軽ければ、就寝時に足を少し高くしたり、弾性包帯や弾性ストッキングを使用します。
症状が強ければ、硬化療法、ストリッピング術、弁の手術などをおこないます。
二次性静脈瘤では、血栓を溶かすか除去する治療をおこなうこともあります。

胸部大動脈瘤の概略や原因について

横隔膜より上にある大動脈にできる動脈瘤(大動脈の一部がこぶのように膨らんだ状態)です。
こぶ(瘤)の多くは徐々に拡大していき、こぶの壁はうすくなり、やがて破裂します。
原因は動脈硬化によるものがほとんどで、ほかにマルファン症候群、大動脈炎症候群、巨細胞性動脈炎、突発性中膜壊死、ベーチェット病、川崎病、梅毒、外傷などがあります。

胸部大動脈瘤の症状について

通常、症状はあらわれませんが、食道や気管支が圧迫された場合には、嚥下障害、声がれ、咳、呼吸困難などがみられることがあります。
こぶの中にできた血栓がはがれた場合、脳梗塞や腸間膜動脈閉鎖症による腸管壊死、手足の動脈塞栓症などをおこすことがあります。
破裂すると、激しい胸痛がおこり、背中や肩に痛みが放散することもあります。
血圧の急激な低下によってショック状態をおこし、死亡することもあります。

胸部大動脈瘤の治療法について

直径5~6cm、あるいは1年に5mm以上拡大している場合には、手術をおこないます。
手術は、原則として人工血管置換術をおこないます。

慢性静脈不全症の概略や原因について

脚から血液が心臓に戻る血液の流れ(還流)におこった障害が、慢性化して脚に血液がうっ滞することでおこる病気です。
静脈血栓症の後遺症としてあらわれる場合や下肢静脈瘤が慢性化しておこる場合もありますが、多くは深部静脈血栓症からおこります。
深部静脈血栓症の経過が悪く、狭窄があったり、側副血行路の状態も悪く、弁不全をおこしたりして逆流をおこしたりすることで、脚に血液がうっ滞し、慢性静脈還流障害となります。
静脈血栓後遺症ともいい、慢性静脈不全症の原因でもっとも多いものです。

慢性静脈不全症の症状について

下肢の腫脹、浮腫、疼痛、静脈瘤、色素沈着、皮膚硬結、湿疹、潰瘍などがあらわれます。

慢性静脈不全症の治療法について

脚を右房の高さよりも上に挙上する、弾性包帯や弾性ストッキングを使用する。
閉塞している部分をバイパスする血行再建術や、弁不全をおこしている不全弁の形成術などをおこなうこともあります。

閉塞性動脈硬化症の概略や原因について

腹部大動脈の末梢側、四肢の主幹動脈、下肢の中等度の太さの動脈におこる動脈硬化症の慢性閉塞性疾患の総称で、動脈硬化により動脈の内腔が狭まり、血流が悪くなるものです。
50歳以上の男性に多くみられ、危険因子(喫煙、メタボリックシンドローム、糖尿病、高血圧、脂質異常症、高尿酸血症など)をもつ人には好発します。
狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、腹部大動脈瘤などを併発することがあります。

閉塞性動脈硬化症の症状について

足の血行が悪くなり、しびれや冷たい感じがおこり、ゆっくりと進行していきます。
障害があらわれた足の疼痛、間欠的跛行、虚血性潰瘍、蒼白、皮膚温低下などがみられます。

閉塞性動脈硬化症の治療法について

まずは、危険因子の改善をおこないますが、抗血小板薬、抗凝固薬、血管拡張薬、降圧薬などを使用することもあります。
薬物療法とともに、歩行や運動訓練もおこないますが、症状が改善しない場合は、経皮的血管拡張術、人工血管移植術、血栓内膜剥離術などをおこないます。

腹部大動脈瘤の概略や原因について

横隔膜より下の腹部大動脈にできた動脈瘤(大動脈の一部がこぶのように膨らんだ状態)です。
大動脈瘤のなかでいちばん多いもので、両側の腎動脈の分岐部より下がよく発生します。
さらに、両側の脚へ分岐する血管が瘤化したり、閉塞や狭窄を合併することがあります。
こぶ(瘤)の多くは徐々に拡大していき、こぶの壁はうすくなり、やがて破裂します。
原因は動脈硬化によるものがほとんどで、男性に多く、年齢が高くなるほど多くなります。

腹部大動脈瘤の症状について

症状がないことがほとんどで、こぶが大きくなって、神経や骨を圧迫すると腹痛や腰痛を訴えることがあり、痛みが強くなってくると破裂がちかづいている可能性があります。
破裂すると、激しい腹痛がおこり、腹腔内出血や後腹膜血腫を生じ、血圧の急激な低下によってショック状態をおこし、死亡することもあります。

腹部大動脈瘤の治療法について

直径4~5cm以上の大きさがあれば、外科治療で人工血管置換術をおこないます。
動脈瘤が小さいか、手術ができない場合は、経カテーテル式ステントグラフト内挿術をおこなうことがあります。

上大静脈症候群の概略や原因について

心臓にもどってくる静脈の2本のうちの1本で、頭部、頸部、手や腕といった上半身の静脈血を右心房にもどす1本の太い静脈(上大静脈)が、何らかの原因で狭窄や閉塞をおこして還流障害があらわれるものです。
原因は肺がんなどの胸部の悪性腫瘍によるものと、胸部大動脈瘤の圧迫によるものがあります。
ほかに、悪性リンパ腫などの縦隔腫瘍、ベーチェット病なども原因になります。
また、カテーテルを長期間静脈に留置する留置カテーテルによって、静脈内に血栓ができてしまうことがあります。

上大静脈症候群の症状について

頭頸部の腫脹感、起坐呼吸、咳嗽、顔面のむくみ、上肢の腫脹、静脈の拡張、チアノーゼ、鼻出血、脳浮腫、頭痛・めまい・意識障害などがみられます。

上大静脈症候群の治療法について

原因となっている病気の治療をおこないます。
外科的治療では、血栓を取り除く手術やバイパス形成術がおこなわれることがあります。
肺がんが原因で上大静脈症候群がおこった場合には手術ができないことがあります。

肺塞栓症の概略や原因について

一般的に脚の静脈にできた血栓(深部静脈血栓)が、静脈壁からはがれて血流にのり、肺動脈の血管をつまらせて、肺組織に障害をおこすことで、急性肺塞栓症といいます。
肺動脈の血流が滞ると、肺動脈圧と右心室圧の急激な上昇がおこり、右心室が拡大をおこすとともに、左心室には充分な血液が入らず、血液が全身に流れにくくなります。
さらに、肺でのガス交換ができなくて、血中酸素濃度が低下してさまざまな症状がおこります。
慢性肺血栓塞栓症は、長い間肺動脈内に血栓があって、慢性的に肺の血圧が高くなっており、徐々に症状が悪化してきて、やがて軽い労作時にでも症状があらわれるようになります。
原因はその人の血液の状態にもよりますが、長い間脚を動かさない状態にある場合などに血栓ができやすくなります。

肺塞栓症の症状について

突然の呼吸困難、全身倦怠感、胸部痛、失神などがあらわれます。

肺塞栓症の治療法について

急性肺塞栓症は特徴的な症状がなく、診断が難しい病気といわれていますが、治療開始が遅れると非常に危険なので、迅速な診断と治療が求められる病気です。
血液をかたまりにくくする薬(抗凝固療法)と、血栓を溶かす薬(血栓溶解療法)を使用します。

血栓性静脈炎(静脈血栓症)の概略や原因について

静脈の内壁に傷や炎症がおこり、そこに血栓ができることをいいます。
皮膚の表面にある表在静脈でおこるものを血栓性静脈炎と呼び、皮膚の深いところの深部静脈でおこるものを静脈血栓症(深部静脈血栓症)と呼んでいます。
下肢や骨盤静脈にできることが多く、深部静脈にできる血栓と違ってはがれにくく、血栓が肺動脈をふさぐ肺動脈塞栓症などを引きおこすことはありません。
原因はカテーテルや静脈注射を長期間入れたままにしているとおこりやすくなります。
ほかに、バージャー病、ベーチェット病、膠原病などでも静脈炎をともなうことがあります。

血栓性静脈炎(静脈血栓症)の症状について

静脈の上の発赤、圧痛、疼痛、腫脹、発熱などの症状がみられます。

血栓性静脈炎(静脈血栓症)の治療法について

患部に湿布をして冷やし、痛みには鎮痛薬を服用して安静にします。
症状が長引くときは、抗血小板薬や抗凝固薬などを使用しますが、場合によってはカテーテルによる血栓除去術をおこなうこともあります。

レイノー病 /レイノー症候群の概略や原因について

手足の細い動脈が寒冷刺激や精神的ストレスなどで、急にけいれんをおこして血流障害をきたし、手足の指が真っ白になることをレイノー現象といい、刺激が解消してしばらくすると元にもどります。
この原因が不明なものをレイノー病と呼び、原因となる病気があって、その症状がおこるものをレイノー症候群と呼んでいます。
レイノー病は症状が冬季のみにあらわれ、比較的若い女性に多くみられます。
レイノー症候群は膠原病、全身性エリテマトーデス、多発性筋炎、関節リウマチ、振動工具などの使用などが原因になります。

レイノー病 /レイノー症候群の症状について

手指におこることが多く、皮膚の蒼白、冷感、しびれ、知覚鈍麻などがあらわれ、悪化すると皮膚の色が白から青紫になり(チアノーゼ)、さらに進行すると赤くなって(毛細血管の充血)、元にもどりにくくなります。
痛みがある人とない人がいますが、重症化すると指先が壊死することがあります。

レイノー病 /レイノー症候群の治療法について

身体や手指の保温に努め、冬季には女性ホルモン剤、カルシウム拮抗薬、抗血小板薬、血管拡張薬などを使用することもあります。
禁煙やストレスをためないようにすることも重要ですが、原因疾患がはっきりしている場合は、その治療をおこなっていきます。

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