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耳鳴りの種類・原因・治療についてのまとめ

公開日: : 耳の病気, 耳鳴り


耳鳴りの原因としてはメニエール病や中耳炎、外耳道炎、突発性難聴、更年期障害などといったさまざまなものが考えられます。

耳鳴りを治療するためには原因を突き止め、正しい治療をすることが必要です。

治療法としては薬物療法やTRT治療などがあり、生活習慣から耳鳴りを予防することもできますから、耳鳴りと飲酒や喫煙、ストレスとの関係について考えることは大切です。

こちらでは耳鳴りになる原因や関連する病気などについても、紹介していきます。

耳鳴りの種類

一般的に耳鳴りの聞こえ方は「ピー」、「キーン」といった音が聞こえてきて、しばらくすると消えていくというものであり、これは決して異常なことではありません。

耳鳴りの全体像を正確に示す医学的な根拠はまだないのですが、耳鳴りというものは人間が生理的なバランスをとろうとする目的で、一時的に聞こえるものとして考えられています。

ですが耳鳴りが一時的なものとして消えるものでなく、常に聞こえていて精神的にも大きなストレスになるというほどであると、それは問題です。

耳鳴りの音にも種類があって一般的な音と「ピー」といった電子音、双方を合わせた3つの音が大半を占めています。

そのほかに「シャー」といった空間音、「ゴー」といったジェット音のようなもの、はっきりとしたメロディーや歌声が聞こえるという人もいます。

耳鳴りの種類を区分すると他覚的、生理的、病的というものがあります。

他覚的な耳鳴りは耳の周辺にある筋肉や関節、血流の音が聞こえるものです。

生理的な耳鳴りは、防音室などといったように音がまったくしない場所で聞こえてくるものです。

そして病的な耳鳴りは鼓膜や中耳など、耳には異常がないものの、セミの鳴き声のような音などといった特定の音がうるさくなっていくものをいいます。

病気や肩こりが関係しているといったように因果関係がある程度明確であれば、それぞれの要因が解消されることによって自然となくなっていきますが、ストレスなどの心理的な要因が関係していると、過度な緊張が症状をひどくするようなこともあるのです。

耳鳴りの音の種類

耳鳴りの音の種類はさまざまであり、その中でも「ジー」、「チー」といったセミの鳴き声のような音、「キーン」という金属音のような音、「ピー」という電子音のような音が多くなっています。

そのほかの音としては「ブーン」という重低音、「シャー」という空間音、「ゴー」という低い風切り音、「ジャー」という水流音、「ブクブク」という痙攣音、「ガンガン」という拍動性の音、「ピロピロ」という異次元音、音楽のようなメロディ音などもあります。

耳鳴りの音を大きく分ければ高音のもの、低音のものになります。

高音の「キーン」という音は、老人性の難聴にともなって起こることが多くなっています。

また、脳の状態に問題があると考えられ疲れやストレス、突発性難聴の初期症状、脳梗塞の予兆であることなども考えられます。

疲れが原因となっている場合には調子が回復するとともに耳鳴りもしなくなるため、それほど気にする必要はありません。

場合によって病気の予兆という可能性も考えられますから、長い期間にわたって耳鳴りが続く場合は早めに病院を受診することが望ましくなります。

それに対して「ゴロゴロ」などといった低い音の耳鳴りは、耳に何かが詰まっているような感じにもなります。

メニエール病や耳管狭窄症、耳管開放症、中耳炎、突発性難聴、外耳道疾患、外耳道炎症などが原因として挙げられます。

疾患を特定するためには耳鼻科を受診しなければならず、特定された上で治療を受ければ耳鳴りの症状も回復していきます。

耳鳴りの原因

メニエール病

耳の病気で、メニエール病はめまいを起こすことが知られているものです。

メニエール病の症状は、突発的な回転性のめまい発作が起こることが特徴的になっています。

周囲の風景が急に回り出す、立ち上がったときに急なめまいがしてしゃがみ込んでしまうなどといったことが数十分から数時間にわたって続くこともあり、反復します。

発作が繰り返される間隔は不規則であり、毎日のようにめまいが続くときもあれば週に1回や月に1回、少ない例で年に数回という場合もあります。

まためまいが激しい場合には、嘔吐してしまうようなケースもあります。

メニエール病の症状はそのほかに耳鳴り、耳の閉塞感、圧迫感、難聴といったものもあります。

耳鳴りですと比較的低い音が聞こえるということがあり、メニエール病と耳鳴りそれぞれのメカニズムについてはまだわかっていません。

内耳がむくむことと関連して、どのような原理で耳鳴りとしての音が出るようになるのかもわかっていません。

同じような発作を反復することがメニエール病の特徴であり、何度も発作を繰り返しているとめまいが治まっても、耳鳴りや難聴は残ってしまいます。

そしてさまざまな症状を繰り返すことによって、聴力が徐々に低下していくこともメニエール病の特徴です。

発作を繰り返していくほどに悪化する進行性の病気ですが、悪化のスピードが急速なものになる場合もありますから注意しなければなりません。

現代社会においては人間関係などの不安でストレスを抱えるという人も増えていて、メニエール病になる人が増加する傾向にあります。

中耳炎

中耳炎とは、中耳が耳管を経由して細菌感染することによって発症する中耳の炎症です。

多くは強い痛みのある急性中耳炎であり、耳管の長さが短い子どもに感染するケースが多くなっています。

また大人でも花粉症や鼻炎などを理由として鼻をすする回数が多い場合、鼻やのどの風邪を起こしている細菌から影響されて発症する場合があります。

中耳炎の症状としては耳の内部に痛みを生じるほか耳鳴り、聴力の低下、それにともなう頭痛やめまいなども挙げられます。

慢性の中耳炎ですと治療に長い時間がかかる一方、急性中耳炎であれば処方箋にもとづく正しい治療を受けることで、ほとんどは2週間前後で完治します。

中耳炎による以外にも耳鳴りにはストレスや過労、老化などといったさまざまな原因が考えられます。

耳鳴りが起こった場合には、原因をはっきりさせるためにも病院を受診することがいちばんです。

耳鳴りが一時的に引き起こされているものでなく、回数も時間も長いという場合には中耳炎であることが考えられます。

耳鳴りだけで中耳炎を疑う必要はありませんが、そのほかにも耳の聞こえが悪くなっている場合、耳の内部が痛いという場合などは発症の可能性が高いため、治療をしなければなりません。

中耳炎の症状が悪化すると内耳炎になってさらなる炎症が引き起こされるとともに、耳鳴りやめまいも悪化する可能性があります。

症状が悪化することによって、難聴などの後遺症が残してしまう可能性も生じるのです。

外耳道炎

外耳道は耳の入り口から鼓膜まで、つまり耳の穴のことをいいます。

外耳道には汗腺の一種である耳垢腺があり、ここで耳垢が生成されています。

耳垢が生成される部分は耳の入り口から、外側の3分の1だけです。

外耳道の皮膚が自浄作用として生成しているものでもあり、奥から外側へ向かって送られていき、外耳の外に出ていくようになっています。

外耳道炎はその名の通り、外耳道に起こる炎症のことです。

外耳道炎の症状と治療については症状として外耳道の痛みやかゆみ、耳だれなどがおもに起こります。

場合によって耳の詰まった感じや耳鳴り、難聴が起こるほか、まれに食事をするときに耳と咽喉の中間あたりが痛むこともあります。

原因はおもに、細菌感染による炎症です。

そのほとんどは耳かきや綿棒によるすり傷やかき傷から細菌が侵入し、感染を起こしています。

初期の症状はかゆみでありかゆいからかく、かくからかゆいという繰り返しによって痛みや耳垂れにつながっていくという悪循環によって、炎症が悪化していきます。

外耳道が健康な状態であって炎症が軽度な状態であれば、多くの場合はそのまま放置していても自然に治ります。

ですが1日から2日が経過しても症状が良くならない場合には、耳鼻科での治療ということになります。

外耳道炎の一般的な治療法としては外耳の消毒や抗生剤、副腎皮質ステロイド薬をふくんでいる軟膏の塗布、抗生剤の服用で大体が治ります。

真菌や外耳道湿疹の合併、悪性外耳道炎などがあると難治性である可能性もあるため、注意しなければなりません。

更年期障害

耳鳴りは、自律神経の乱れによって発症することもあります。

その背景としては、過労やストレスといった日常的なことが原因になっている場合もあります。

軽い症状であれば安静にしていることで改善されますが、治まらないようであれば耳鼻科を受診することが必要です。

耳鼻科では、耳鳴りが内耳疾患によるものであるのかどうかの診察が行われます。

このとき内耳に異常がなければ更年期障害や自律神経失調症の疑いもあり、婦人科の受診をすすめられる場合もあります。

更年期障害は、40代から50代になると女性を中心に発症するものです。

耳鳴り、ほてり、動悸、頭痛、肩こり、めまいなどといったさまざまな症状が現れます。

更年期障害は自律神経やホルモンバランスの乱れを原因としているものですが、更年期を過ぎれば症状は自然に治まっていきます。

ですが日常生活に支障をきたすほど体調が悪化してしまう場合もあり、専門的治療が必須となります。

更年期障害の治療としてはホルモン補充療法が効果的であるとされているものの、耳鳴りやめまいの症状をさらに悪化させてしまう場合もあることが難点です。

また漢方薬が効果的である場合もあり、更年期障害が改善されればそれにともなう耳鳴りも自然に治まっていきます。

更年期障害による耳鳴り自体に深刻な問題はなく、特別な心配をする必要はありません。

ただし耳鳴りが続くことでストレスが増してしまうこともありますから、そういった場合には治療を受けることで精神的な安定を期待することができます。

飲酒・喫煙

飲酒・喫煙と耳鳴りの関係は無視することのできないものであり、耳鳴りが大きくなってしまう原因のひとつとして喫煙や飲酒が挙げられます。

飲酒や喫煙は特別な行為というものでもありませんが、タバコについては煙の中にたくさんの有害物質が含まれています。

その中でも循環器系に作用する物質としてニコチンや一酸化炭素、一酸化窒素などがあります。

特にニコチンが血中へ入ってしまうと、交感神経の末端からカテコールアミンが遊離してしまいます。

その結果として血小板が固まりやすくなり、内耳血管の酸素がなくなってしまうという事態になるのです。

これらの作用は内耳リンパ液の組成に影響を与えてしまうものでもあり、音を感受する感覚細胞には異常な刺激を与えてしまうことになります。

一方、アルコールには抑制をなくしてしまう作用があります。

お酒を飲むことによって聴覚系の抑制が解かれ、耳鳴りが大きく感じられるようになるとされています。

ただ、悪いことばかりではありません。

耳鳴りが気になっていてなかなか寝つくことができないといった人に対しては、お酒を飲むことで眠くなることから、適度な飲酒によってリラックスして睡眠が誘導されるというところでメリットもあります。

特に十分な睡眠をとることのできた次の日に耳鳴りが小さくなっているという傾向があれば、少量の飲酒が悪いということもありませんから、飲む量に十分気をつけてしばらくは試してみても良いでしょう。

突発性難聴

突発性難聴は突然にまったく前ぶれもなく耳が聞こえなくなる、聞こえにくくなっているという病気です。

ほとんどの場合では、片方の耳だけに起こっています。

厚生労働省が指定している特定疾患にも含まれている難病のひとつであり、いつ誰が発症するのかもまったくわからない病気であるため、病気については十分に理解しておく必要があります。

症状が軽い場合には自然に治ることもあるのですが、とにかく発症すればすぐに治療を受けなければなりません。

発症した日から1週間以内に治療を始めれば、ほとんどの場合は完治に至ります。

発症して1ヶ月もすると症状が固定してしまうため、放置していると完治させることがとても難しくなります。

一般的に感音難聴の治療は困難であるのですが、突発性難聴については正確な診断とできるだけ早いタイミングでの適切な治療によって治すことができます。

突発性難聴は50代から60代で発症することが多かった中、最近は10代や20代でも発症するという事例が増えてきています。

また、女性の発症率も高くなってきています。

原因はウイルスとする説もありますが、多くはストレスが原因であるとされています。

なお治療を受けた後の後遺症として、耳鳴りやめまいが起こることもあります。

聴力は戻って耳鳴りだけが残ってしまうという場合もあるのですが、ほとんどの場合で聴力が完全に戻らず、耳鳴りも残ってしまうということになります。

突発性難聴と耳鳴りの関係もわかっていないため、現代の医療において耳鳴りを完全に治療する方法はありません。

耳管狭窄症

風邪が治りかけているときに耳が詰まってきているような感覚を覚えることは珍しくありませんが、これは耳管狭窄症の症状です。

鼓室は鼓膜の奥にある小さな空間であり、細い耳管によって鼻の奥とつながっています。

普段は閉じている耳管ですが、唾を飲み込むときやあくびをするときには開きます。

そうすることによって、鼓膜の中と外で気圧が同一になるよう調整しているのです。

ただ風邪やアレルギー性鼻炎になると、耳管粘膜の腫脹や粘りのある鼻水によって耳管がふさがれた状態になってしまいます。

すると唾を飲み込むなどしても耳管が開かなくなり、気圧の調整をすることができずに鼓室内では気圧が下がった状態となります。

それによって鼓膜は内側へ押し込まれたようになり、低い耳鳴りがするほか詰まって聞こえが悪くなるなどの耳管狭窄症となるのです。

耳管狭窄症の症状が出ている場合には鼻水を取り除いてきれいにした上で、霧状にした薬を鼻へ入れる治療であるネブライザーが行われます。

その上で成人ですと細い管、子どもにはゴム球を使って鼻から耳へ空気を送り、気圧のバランスを取り戻す治療が行われます。

症状が軽ければ一度の通気でも良くなりますが、良くなった状態を安定させるためには何度かの通気加療を行わなければなりません。

耳の詰まっている感じが1日中続く場合や耳鳴り、めまいなどの症状もあるときには突発性難聴などの病気も考えられますから、早めに耳鼻科を受診する必要があります。

ストレス

耳鳴りとストレスには、密接な関係があります。

耳鳴りもうつ病も、原因として過剰なストレスがかかわっているのです。

ストレスの影響は、心身の双方に現れます。

また、自律神経が乱れるとさまざまな身体の不調が起こるようになり、耳鳴りもそのひとつです。

生理的な耳鳴りはストレスや寝不足、疲れによって生じるものであり、数分のうちには症状が治まるようになっています。

音は「キーン」という感じであり誰にでも見られるもので、大きな問題はないのですが、あまり頻繁に起こるようであれば注意しなければなりません。

耳に原因がある耳鳴りとしては低音難聴や突発性難聴などといったように、耳の病気がかかわっています。

低音難聴ですと「ボー」、「ゴー」といった低い音が聞こえ突発性難聴ですと「キーン」、「ジー」などといった音がします。

身体で耳以外の部分に原因がある場合もあり自律神経失調症や低血圧、高血圧、肩こり、頭痛などが関係しています。

この場合には、「ボー」といった音が鳴ります。

ストレスによって自律神経や女性ホルモンのバランスが崩れていると、内耳のリンパ液が溜まってむくんだ状態になります。

そのために耳が圧迫され、「ボー」や「ゴー」といった低音の耳鳴りがして音も聞こえにくくなってしまうのです。

治療法としてはストレス対策として抗不安薬や睡眠導入薬などが使われるほか、水分代謝の調節も行われます。

生活のリズムを落ち着かせることでも、改善につながります。

運動

耳鳴りには、高齢となっていくにつれて引き起こされやすいというイメージがありました。

ですが最近は、若いうちからでも耳鳴りの症状が現れるようになってきています。

原因のひとつとして考えられているものが運動不足であり、運動をまったくしていなければ筋肉が徐々に退化していき、血液やリンパの流れが悪くなります。

耳鳴りには血液やリンパの流れが大きく関係しているとされていますから、運動することによって改善されれば、良好な状態へ戻すことができます。

毎日適度な運動をすることによって身体のコンディションを良い状態で保つことができ、実際に肩や首の筋肉がほぐれたというだけで耳鳴りの症状が改善されたというケースもあるのです。

しかしながら運動不足である人が激しい運動をしても、筋肉痛になってしまって不快な症状へつながります。

耳鳴りを改善するためには自分のペースで運動することが理想的であり、ウォーキングなどの有酸素運動が効果的です。

ウォーキングは身体へかかる負担も少ない運動ですから、高齢であっても気軽に実践することができますし、気分をリフレッシュするためにも適しています。

ただ耳鳴りと運動に関連性はあるものの、適度な運動をしていれば絶対に耳鳴りが改善されるというわけではありません。

とはいっても症状を悪化させている要因のひとつであることは間違いありませんから、耳鳴りが起こっている背景としてのストレスを緩和させるといったように、間接的なかたちでも運動は役立つことになるのです。

難聴

耳鳴りは日本人のうち10%、高齢者については30%が感じているともされています。

高齢者の3人に1人という割合からしても、特別に珍しい現象であるわけではないと考えられます。

また、耳鳴りを感じている人の80%は難聴であり、逆に難聴である人のうち50%に耳鳴りがあるというデータもあります。

耳鳴りと難聴が関係しているということも、よくわかります。

耳鳴りは耳だけでなく、脳の重い病気が原因となって起こる場合もあります。

さらに突発性難聴やメニエール病などといったように、早期の治療が必要とされる病気の症状である場合もあります。

耳鳴りが起こって1日以上にわたって続いていれば、耳鼻咽喉科での対応が重要になります。

慢性化している場合であっても、急に耳鳴りの音が大きくなったといったときなどに放置していてはいけません。

耳鳴りも難聴も耳疾患の代表的な症状であり、どちらも外耳から中耳、内耳、大脳の聴覚中枢に至るまで、どこに障害があっても生じる症状です。

耳鳴りは明らかな音がない状態で音の感覚を感じるものであり、音がないにもかかわらず耳鳴りが生じるメカニズムはわかっていません。

また、検査法や治療法も確立されていません。

耳鳴りの多くは何らかの難聴にともなって発生し、症状によっては内耳にあって音を聞くセンサーとしての役割を果たしている有毛細胞が傷ついてしまっています。

有毛細胞の異常が耳鳴りの発生にかかわっていることは、間違いありません。

耳鳴りを引き起こす病気

耳鳴りを引き起こす病気などの原因としては、さまざまなことが考えられます。

病気ではなく加齢によって起こるものが老人性難聴であり、症状としては個人によって程度や進行の度合いも大きく異なります。

また、ストレスの影響を受けやすい自律神経失調症や薬の副作用による薬剤性内耳障害といったものもあります。

耳そのものが原因になっている場合、外耳の病気としては外耳炎やラムゼイ・ハント病などがあります。

外耳炎は、耳かきや爪などで外耳道に傷がついてしまうことから発症します。

ラムゼイ・ハント病は帯状疱疹ウイルスに感染したことで耳の周辺や外耳にヘルペスが生じるものであり、それにともなって耳鳴りの症状が起こります。

内耳の病気ではメニエール病や突発性難聴、内耳炎、鼓膜炎などがあります。

メニエール病は自律神経失調症と同じようにストレスが原因であるとして考えられていて、その症状がめまいをともなうこともよく知られています。

また、内耳から脳へつながっている聴神経に腫瘍が生じる脳神経腫瘍もあります。

腫瘍は良性のものですから、がんと違って転移する心配などもありません。

ただし腫瘍が大きくなり、ほかの神経や脳を圧迫するようになるとほかにもいろいろな症状が現れます。

さらには脳の外傷によるものや脳腫瘍、脳出血などといったように脳を原因とする病気も、耳鳴りを引き起こすものです。

このうち年齢にともなう自然現象や外耳炎などは、自分で防ぐこともできるものです。

音響外傷による耳鳴り

音響外傷による耳鳴りは、大きな音を聞いた後で耳がふさがったように感じ、その症状が良くなった後に耳鳴りや難聴などといった症状が現れるものです。

これは一時的な症状として自然になくなっていくこともあるのですが、消失せずに障害として残ってしまうこともあります。

音響外傷による耳鳴りの原因は一定以上の大きな音を瞬間的、継続的に聞いたことから聴覚の細胞が損害を受けてしまっていることです。

コンサートや爆発音などの大音響、射撃などの銃声音、耳にヘッドホンをして大きな音量で聴く音楽などが、代表的なものとして挙げられます。

そのほか職業上の関係で大きな音を継続して耳にする場合にも、慢性の音響外傷になる場合がありますから注意しなければなりません。

耳鳴りなどがあって音響外傷であると認められた場合には、早期の段階で内耳の神経損傷に対して治療を始めることが大切です。

そうでなければ症状が固定されてしまうことも多々あるため、違和感を覚えた時点で耳鼻咽喉科に行って検査を受ける必要もあります。

実際の治療においては副腎皮質ステロイド薬などが使用されることになりますが、症状が慢性化してしまった後ですと、同じ薬剤でも改善効果をそれほど期待することができなくなってしまいます。

早期に治療を始めることが、症状を改善させるためにはいちばんの方法です。

難聴が深刻になっていくといったこととならないように、最善の方法を検討しなければなりません。

耳鳴りと頭鳴の違い

耳鳴りと頭鳴の違いについては、根本的に解明されていないところも少なくありません。

症状として、耳から独特な音がする状態であることは同じです。

現代医学でも、耳と脳内の関連性についてはいまだ不明な点が多くあるのです。

音が聴こえる耳の箇所やその聴こえ方によって、耳鳴りか頭鳴を起こしているのかという区別をつけることはできます。

頭鳴は両耳に不快な音が発生し、特徴的な高音や金属を叩くような音が続く症状です。

こめかみの周辺や後頭部などのさまざまな場所から特徴的な音がするという人も多く、症状には個人による大きな違いもあります。

その症状が日常生活にも少なからず影響を与えやすく、頭痛やめまいといった症状のほかに不眠、食欲不振といったことにもつながりやすくなっています。

そのため、頭鳴の症状を自然に治るものとして放置することは危険です。

頭鳴が起こっている場合には脳組織に異常が生じている可能性も高く、できるだけ早期に診断を受けなければ危険も大きくなってしまいます。

大脳の側頭葉付近にある聴覚野の異常、脳内を流れている血流量の悪化も頭鳴を引き起こしている原因として考えられるのです。

一般的な耳鳴りの症状としては、一般的に片耳だけから高い音が聴こえます。

耳の内部で異常が発生していることから、不快な音が発生しているのです。

耳の病気だけでなくストレスも原因として考えられ、さまざまな心身の不調を発信するサインにもなっています。

耳鳴りの治療

マスカー療法

耳鳴りは状態がひどくなると、日常生活に支障をきたす原因となる場合もあります。

原因としては耳の病気に加え、さまざまな体調不良から発生するということも少なくなく、なかなか完治しにくいケースもあるものです。

耳鳴りの症状を完治させ、また和らげる方法としてマスカー治療と呼ばれる治療方法があります。

マスカー治療のメカニズムは、耳元で響く耳鳴りに適当なノイズ音を合わせて聴くというものです。

脳内においてノイズ音と耳鳴りの波長を合わせようとするはたらきを活用し、耳鳴りの症状を抑えて治療していきます。

耳鳴りを起こしている部分に向けてマスカー治療専門装置を装着し、一定時間にわたってノイズ音を流します。

耳鳴りの音量と比較して80%にあたるノイズを発生させ、脳をこの音に慣らしていくことで、次第に症状も和らげていきます。

治療を受ける人に個人差もありますが、治療を受けた6割前後の人は、耳鳴りの症状が改善されたというデータもあります。

マスカー治療を受ける前には、ピッチマッチ検査によって耳鳴りの度合いを測定します。

125ヘルツから12,000ヘルツという音声周波の音を流し、種類別に集めた音声で鳴りが引き起こす周波数などの情報を調べます。

そこから耳鳴りの音に近いものを選び、判断することになります。

そのほかの方法では、連続周波数ピッチマッチ検査というものもあります。

発生させる音を変化させながら、耳鳴りに近い音についてくわしく調べていきます。

薬物療法

耳鳴りの薬物療法でまず使用されているものが、血流の改善によって代謝機能を向上させる薬です。

脳と内耳の血流を良くすることで内耳のはたらきや代謝を活発化させ、改善していきます。

また神経のはたらきや血流を改善するために、ビタミン剤もよく用いられています。

特にビタミンEやビタミンB12が、効果の高い栄養成分としてよく利用されます。

さらに顎関節症や筋肉の緊張、痙攣を原因として起こる耳鳴りに対しては、筋弛緩剤が使用されることもあります。

肩こりによる耳鳴りの治療にも、効果を発揮します。

そのほか脳や神経系統の異常によって生じる耳鳴りには、てんかん用の薬を使用するケースがあります。

てんかん薬にはほかの薬と相互作用を起こしやすい性質を持つものも多いため、注意しなければなりません。

長期の服用が必要になる場合も多く眠気、吐き気、発熱などといった副作用が現れる場合もあるため、十分な体調管理も心がける必要があります。

ストレスなどの精神的な要因によって耳鳴りが発症している場合には、抗うつ剤や抗不安剤が効果的です。

こちらも長期にわたる服用で効果が得られていく場合は多く、独断で量を増減させるほか、使用を中止することも危険です。

耳鳴りで睡眠不足に至る場合もあるため、睡眠導入剤も活用されています。

睡眠導入剤は眠りを誘発する薬ですから、もちろん運転する前や仕事中に服用することは控えなければなりません。

西洋医学による内服薬が多い中で、漢方による治療も行われています。

TRT療法

一口に耳鳴りといっても突発性難聴やメニエール病、加齢性難聴などにともなう耳鳴りというように、さまざまなケースがあります。

それらに対する治療法としてはおもに音響療法、心理療法、TRT療法、薬物療法といったものがあります。

耳鳴りのTRT療法は簡単にいうと、耳鳴りの原因になっている音を排除するのではなく、耳鳴りを意識しないようにさせるという順応治療です。

たとえば日常生活において、冷蔵庫やエアコンといった家電製品は常に生活音を発しています。

そういった生活音は耳に届いているのですが、普段からあまり気になるということはありません。

実は意識的に聞こうとすれば聞こえるはずですが、脳でこれらの音を無視しているのです。

TRT療法はこの原理を応用しているものであり、耳鳴りの音を冷蔵庫やエアコン音のように気にならない音として感じるよう慣らしていくことで、最終的には意識しないようにします。

TRT療法に対しては、対象とされる人の適性があります。

慢性的に症状があること、本人にしか聞こえない耳鳴りの症状があること、耳鳴りに関係する疾患がないこと、日常生活への影響が高いことなどが条件となります。

治療の効果については個人差こそありますが、1ヶ月から3ヶ月のうちには現れ始めます。

それから症状が一進一退しながら少しずつ改善していって、十分な順応が得られるまでには1年から2年ほどがかかります。

時間はかかりますが、薬物療法と違って副作用が起こることもありません。

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