*

緑内障の原因・症状・治療について

公開日: : 最終更新日:2017/05/17 目の病気 , , ,

緑内障の原因

緑内障の原因・症状・治療について

緑内障は、日本では失明原因の1位であり諸外国においても失明原因の上位に位置します。
緑内障は、眼圧の異常のために、視神経が障害され視野が狭くなる病気で、一度障害を受けた視神経は、それ以上に回復する事はないので最終的には失明に至る事もある大変恐い病気です。

緑内障の日本における有病率は、40歳以上では5%といわれ、実に20人に一人の割合で患者がいる計算になります。
また、若年化・増加傾向にあるといわれております。

現在、緑内障は治療法の進歩によって、早期発見、早期治療することで「発病=失明」という病気ではなくなっています。
緑内障は、中々症状を自覚しにくい病気ですので40歳を過ぎたら、たまには時間を作って病院で検査を受けてみると安心です。

緑内障とは…

眼球には防水という液体で栄養が運ばれます。毛様体で防水はつくられ、後房から角膜と虹彩の間にある前房へ流れ、シュレム管から眼外の血管へ排出されています。
房水が循環される事で眼球内の圧力を一定に保っています。この圧力の事を眼圧といいます。

緑内障は房水の排水がとどこおる事でおこる病気です。排水がとどこおると眼圧が上昇し視神経を圧迫し委縮させていきます。
この事で脳からの情報が分断だされる為視野がだんだん狭くなっていき最悪の場合には失目にいたる事もあります。

視神経は一度ダメージをうけるともとにはもどりません。
緑内障は眼圧を下降させる事で進行を抑える事ができますが完治する事はありません。

緑内障は自覚症状もあまりないまま進行するケースもありますので、40歳を過ぎたら定期的に眼底検査を受けておくのがいいといわれています。緑内障は遺伝での発症の可能性もある病気なので血縁者にいる場合は特に注意する必要があります。

緑内障の症状とは…

緑内障には大きく分けて慢性型と急性型があります。それぞれの緑内障の症状は違います。
慢性型初期では自覚症状はほとんどありませんが、病状が進行してくると目が痛みかんすんでくるなどの眼精疲労を感じ、それと同時に視力低下や視野狭窄などがおこります。

視野狭窄は緑内障の症状としては良く知られているものですが、鼻側から視野が欠けるのが特徴の為、普段両目でものを見ているとこうした異常に気付きづらくなります。視野が欠けている事に気付く時は進行がかなり進んでいる場合が多いです。
眼圧が高いと診断された事のある人は日頃から見え方に注意しておく必要があります。

急性型の緑内障の症状は目の症状よりも激しい全身症状をおこす事が多いです。
激しい頭痛、腹痛、嘔吐などの症状がおこり、目にも激しい眼痛、結膜充血、瞳孔拡大視力低下などが起こります。
急性型は発症してから48時間以内に治療しないと失明のリスクが高くなるといわれています。
激痛などの異常を感じた場合はすぐに治療を受けるようにしましょう。

緑内障の種類について

緑内障の種類は慢性型と急性型に分かれていて、房水の流れが滞る場所の房水の出口の隅角の部分やシュレム管に状態によって症状が違ってきます。緑内障の種類は次のようなものがあります。

慢性型開放隅角緑内障は房水が流れるシュレム管が詰まり房水の排出が悪くなる事で眼圧が高くなっていきます。
緑内障の多くはこのタイプです。
慢性型閉塞隅角緑内障は防水が排出される隅角がもともと狭く、房水の出口が塞がっている為排水がうまくでず慢性的に眼圧の高い状態がつづきます。慢性型は徐々に進行してくので大半の人がある程度症状が進行してから気付く事が多いです。

急性型閉塞隅角緑内障は水晶体と前房の間にある上の虹彩が後ろから押され隅角を塞いでしまう事によって房水が目の中にたまってしまいその為、急激に眼圧が高くなり激痛がおこります。すぐに眼圧を下げる治療をしないと失明の可能性もあります。
緑内障の種類は慢性型と急性型に分かれていますが、慢性型の人は急性型を起こしやすいので日頃からの注意が大切です。

原因が特定しにくい

緑内障の直接的原因は房水の排水がうまくできず眼球内の眼圧が高くなってしまう事ですがなぜ排出がうまくできなくなるのか?となると原因が特定しにくいのです。原因はない訳ではありません。

確かにシュレム管が詰まっていたり、隅角が最初から狭くなっていたりすることなどにより房水の排出が困難になるとわかっています。
しかしなぜこのような状態になるのか?となるとこれが原因でという明確な原因が特定しにくい病気です。

近視や低体温、冷え性、低血圧、頭痛持ちの方などが緑内障になりやすいと言われています。
低体温、冷え性、低血圧は血流の悪いのが神経系にダメージを与えると言われています。
また遺伝的なものも要因になりえると言われています。

ですがこれらの要因をもっている人が必ずしも緑内障を発症する訳ではありません。
このように原因が特定しにくい病気だからこそ少しでも違和感がある方や、要因とされるものを発症されている方は検査をしておいたほうがいいでしょう。

正常眼圧緑内障

眼圧が正常なのに緑内障と同じ症状がでるものを正常眼圧緑内障といいます。緑内障患者の7割の人が正常眼圧緑内障であるとも言われています。症状は同じですが発症の原因はまったく違います。
緑内障は房水の排出がうまくいかずおこるものですが、正常眼圧緑内障は視神経に栄養をおくる毛細血管の血流が悪いや視神経そのものが弱いなどと言われています。

ですがはっきりとした原因はわかっていません。
治療は手術をおこなう場合もあるようですが、まずは薬物療法で眼圧をさげ病状の進行を抑えていきます。
正常眼圧緑内障は緑内障とは違い急に進行する事はなく、眼圧も正常の為発見が遅れる事が多いので失目する事もありえます。
また一度失った視野は回復しないので早期発見、早期治療が大切です。

40歳から急増傾向にあるので40歳を過ぎたら年に一度検査を受けておくのもいいでしょう。
検査は眼底写真とコンピュータ視野検査でほとんど発見可能なようです。
時間も20分くらいで終了します。

検査の方法について

緑内障の検査は数種の検査を組み合わせおこなわれています。主な検査の方法は眼圧検査、眼底検査、視野検査、隅角検査です。
眼圧検査では目に一定の圧力を外から加え、その押し返す力を調べます。検査で眼圧の基準値10~21mmHgを超えると緑内障が疑われます。

眼底検査では検眼鏡や眼底カメラを使い眼球の内壁の組織を調べます。外側から目の奥に特殊な光をあて観察し、眼圧が高いと視神経の中央がへこみ白く変色します。
この検査の方法は緑内障だけでなく糖尿病、高血圧、高脂血症、脳内血流動態異常などの全身疾患の合併症の症状もわかります。
視野検査では測定装置で視野の広さや欠損部を測定します。

検査の方法は視野を一点に合わせその周辺の指標がどのくらいまで見るか測定します。
隅角検査では特殊なコンタクトレンズを装着して、細隙灯顕微鏡で房水の排出口の隅角の状態をみます。
最近では緑内障のもっとも初期の段階を測定できる神経線維層厚測定という検査の方法もあります。

治療について

緑内障の治療は閉塞隅角緑内障、開放隅角緑内障や慢性型、急性型とで違ってきます。
ダメージを受けた視神経を回復する治療方は現段階ではまだありません。
閉塞隅角緑内障には房水口の前房隅角を広げて房水の流れを良くする点眼薬と房水の分泌を抑える点眼薬を使用します。
それと伴に房水の排出をうながす内服薬を服用します。

開放隅角緑内障には房水の量を抑える点眼薬を使用します。これで効果がえられない時は房水の排出をうながす点眼薬を2~3種類併用しさらに内服薬でも促進をうながします。
慢性型の緑内障の治療はこれらの点眼薬と内服薬で眼圧を下げて進行を抑えながら経過を観察します。それで効果がない場合は手術をおこないます。

急性型の緑内障の治療は点眼薬や注射、点滴、患部の冷却で眼圧を下げ、症状が落ち着いてから手術をおこないます。
急性型は早く眼圧を下げ視神経へのダメージを少なくする事が大事です。
手術は視神経のダメージを治すものでなく房水の流れをよくするためのものです。

漢方による治療

緑内障は房水の排出が悪くなる事によって房水の量が増え眼圧を高くする病気です。
漢方による治療では緑内障の原因である増えた房水を減らすという考え方から水毒の漢方薬を服用します。

漢方薬で使用される薬は八味地黄丸、柴胡加竜骨牡蛎湯、牛車腎気丸、桃核承気湯、などが良いと言われています。
八味地黄丸、牛車腎気丸は白内障の薬としても使用します。増えた房水を尿に流すことで眼圧を下げると言われています。

効果は2週間くらいであらわれると言われますが、すぐに服用をやめず1年間くらいは続けなくてはならないようです。
漢方による治療は副作用がほとんどないと言われますが、一つの漢方薬は数種類の生薬からできています。
この成分である生薬が体質にあわず副作用を起こす場合もあります。

また他の病気で漢方薬を服用している場合は成分の生薬が重複している事もあり、この場合過剰摂取になり副作用をおこす事もあるので注意が必要です。専門医に相談しながら服用するのが大切です。
増えた房水を利尿する事で眼圧を下げると言われています。

鍼灸による治療

鍼灸による治療は緑内障の原因とされる眼圧を下げ視野狭窄や病状の進行を遅らせるには有効と言われています。
ですが急性型の治療は無理なようです。鍼灸による治療方法は眼の周辺のツボで眼球の血流を改善し、後頚部、背部の治療で頭部への血流を改善します。

そして四肢にあるツボで局部だけでなく体全体の治療をします。このことにより眼圧をある程度下げることができるようです。
緑内障を完治させる事は無理ですが、薬物治療と併用させる事でより効果があるようです。
実際に薬物治療との併用を奨励している鍼灸院もあるそうです。

また鍼灸による治療は冷え性や肩こり、眼精疲労にもいいと言われているので全身の血流の改善にも役立ちます。
鍼灸による治療は薬物治療のように比較するデータがないので個人差のある治療ですので治療を受ける側も理解が必要でしょう。
ですが効果があると言われているのも事実ですので治療を試してみることも良い事でしょう。

抗がん剤による治療

緑内障の最新治療として抗がん剤による治療があります。この治療は抗がん剤の細胞の増殖を抑える効果を利用し組織の癒着を防ぎます。
主に使用されている抗がん剤はマイトマイシンCです。緑内障の手術は目の内側に排水路作る為に穴をあけます。手術で開けた穴は時間と伴に癒着し塞がってしまうのです。

開けた穴に抗がん剤を10分ほど付着させ洗い流す事で癒着を防ぎ、手術の効果を長く続かせる事ができるようになりました。
そのことで慢性緑内障の8割以上の人が眼圧を正常値にまで下げる事ができるようになったと言われています。
局所に少し使用するだけなので副作用はないとされています。

ですがまれに抗がん剤による治療では時間がたってから結膜が薄くなり破れてしまう事があります。
破れた結膜は再手術でもどりますが、失明につながる場合もあります。抗がん剤による治療は良い効果を上げていますがリスクもある事を理解しておく必要があります。

手術について

緑内障は最初は眼圧を下げる為に薬物治療をおこないますが、効果がみられず病状が進行してしまった場合は手術になります。
緑内障の手術にはレーザー繊維柱帯形成術がおこなわれます。

手術は目詰まりを起こしている繊維柱帯にレーザーをあて房水の流れをよくします。
短時間でおこなえる手術ですが効果があまり得られない事が多いようです。

レーザー手術で効果が得られない時は隅角繊維柱帯切開術や隅角繊維柱帯切除術をおこないます。
隅角繊維柱帯切開術は目詰まり起こしてる繊維柱帯の一部を切開し房水の流れを良くします。
合併症のリスクは少ないですが、術後時間と伴に眼圧を下げる効果が薄れ再手術になる場合もあります。

隅角繊維柱帯切除術は虹彩の根元と繊維柱帯を切除して新たな房水の通り道をつくります。緑内障の手術の中では最も有効と言われています。
隅角繊維柱帯切開術より長い時間効果が期待できますが穴を開けた部分が癒着し塞がってしまうケースもあり再手術が必要になる事もあります。最新の緑内障の手術では開けた穴に抗がん剤を使用し癒着を防ぐといった方法もとられています。

予防方法のご紹介

緑内障は自覚症状がないまま進行していく事が多い病気です。ですが最新の治療では早期発見、早期治療によって日常生活に支障のない視力を維持する事ができるようになりました。一番の予防方法は定期的に検診を受ける事です。

生活習慣の改善は緑内障に限らず健康面においてもよい予防方法でしょう。
糖分の摂りすぎ、血液がドロドロ、眼精疲労、運動不足、ストレスは緑内障となんだかの関係があると言われています。
特にドロドロ血の改善は、血行を良くし眼圧の上昇を防ぐ予防につながります。

食事面では眼圧を下げる働きがあると言われているビタミンB6,C,Eを摂り、コッテリしたものは控えるようにしましょう。
またタバコやカフェイン、寝不足も健康面から言ったら体に良くありあません。

せっかく良い予防方法を実践しても長く続けなくては意味がありません。
これは緑内障だけに限らず健康全般に共通して言えることですから、継続しておこなうことが大切です。

日常生活での注意点

最初から別の疾患からの緑内障でない限り緑内障のはっきりした原因を特定するのは非常に困難です。
生活習慣の改善など予防するためにできる事はありますが、はっきりとした原因が特定できていない現状では、これがいけないというような日常生活での注意点はあまりないのです。
しかし緑内障を発症してしまったら症状を抑えるため日常生活での注意点はしっかり押さえることが大切です。

緑内障は完治しません。しかし治療は現状維持のためにかかせないものです。
生活面で特別に注意する事はありませんが上手に緑内障と付き合っていく為にも医師の指示に従い薬を処方されている場合は、点眼薬なら1日の使用回数や時間帯、複数の点眼薬を併用している時は順番や1種類ごとに空ける時間などを守る事が大切です。
また薬で副作用が起こる事もあります。

この場合自己判断せず必ず医師に相談しましょう。
緑内障は一生自己管理が必要な病気ですから、このような日常生活での注意点は怠らず規則正しい生活をし体に負担かけない事が悪化を防ぐ為にも大切な事です。

病気と上手につきあう

緑内障は完治する病気ではありません。しかし現在医療技術の進歩によって治療をおこなえば生涯日常生活に支障のない視力を維持していけるようになりました。

緑内障は初期の段階では自覚症状もほとんどない為、通院や毎日の点眼治療が面倒になり途中でやめてしまう人もいるようです。
しかし治療をやめてしまうと確実に少しずつ緑内障は進行してゆきます。
さらに進行してからまた治療では遅いのです。

生涯にわたって治療が必要なので根気よく治療していく事が病気と上手につきあう上で大切です。
以前なら緑内障は失明する可能性が高いと思われていましたが、今は早期発見、早期治療をすれば失明する事はほとんどなくなりました。
ですから必要以上に神経質にならず、前向きに治療に取り組むことで病気と上手についあう生活ができます。

病気と上手につきあうと言うと難しく考えがちですが、確かに毎日の薬など面倒な事もあります。
ですが常に病気を気にするのでなく、今まで通りの普通の生活を送る事が上手につい合う事になるのではないでしょうか。

薬について

緑内障の薬は、緑内障の種類や症状によって1種類から始め、作用の違う2~3種類を組み合わせて使用します。
現在主に使用されている点眼薬には次のものがあります。
β遮断薬プロスタグランジン関連薬炭酸脱水酵素阻害薬副交感神経作動薬これらの点眼薬はどれも眼圧を下げるのに効果があります。
最近もっと多く使用されているのがβ遮断薬で副作用も少ないとされています。

ただ副作用として徐脈、うっ血性心不全、呼吸困難、気管支けいれんなどがあり、心臓病や喘息がある人には使用できません。
プロスタグランジン関連薬では角膜障害や、結膜の充血、虹彩や皮膚の色素沈着と睫毛多毛症が起こるとされています。

炭酸脱水酵素阻害薬は同種の内服や点眼薬に比べ眼圧を下げる効果弱いですが副作用の少ない薬です。
副交感神経作動薬は現在ではあまり使用されていません。

緑内障の薬には内服薬もありますが、副作用が強くでる事が多い為、点眼薬を使用する事が多いようです。
他の治療薬の中には緑内障に悪影響をあたえるものもあるので、緑内障の薬を服用している場合は注意が必要です。

関連記事

目の下のくまの症状

目の下のくまの症状・原因や予防・治療は?

目の下のくまは、疲れてみえるだけでなく、年齢より老けて見える原因にも なります。年齢を問わず、

記事を読む

目のかゆみの症状

目のかゆみの症状・原因や予防・治療は?

目がかゆくなる原因はいろいろありますが、かゆくて目をこすると結膜や角膜を傷つけるので、かゆみが続

記事を読む

まぶたの痙攣(けいれん)の症状

まぶたの痙攣(けいれん)の症状・原因や予防・治療は?

まぶた(目)の痙攣とは、目の周りの筋肉の瞼(まぶた)がピクピク痙攣することで、自分の意志とは関係

記事を読む

白内障の原因

白内障の原因・症状・治療法・手術

目の病気には、多くの病気がありますが、その中でも特に白内障という病気が近年、急増しているようです

記事を読む

敗血症を詳細に:原因,症状,検査,治療,予防など

敗血症とは 敗血症(はいけつしょう)とは、血液中に細菌やウイルス、真菌(しん

妊娠高血圧症候群を詳細に:原因,症状,検査,治療など

妊娠高血圧症候群とは 妊娠高血圧症候群(にんしんこうけつあつしょうこうぐん)

細気管支炎を詳細に:原因,症状,検査,治療,予防など

細気管支炎とは 細気管支炎(さいきかんしえん)は、主に生後18ヶ月未満の子ど

漂白剤誤飲を詳細に:症状,対処法,応急処置,治療,予防など

漂白剤誤飲とは 漂白剤誤飲(ひょうはくざいごいん)とは、洗濯用やキッチン用の

上腕骨顆上骨折を詳細に:原因,症状,検査,治療など

大人と比較して、子どもに多い骨折の種類に上腕骨顆上骨折(じょうわんこつかじょうこっ

→もっと見る

PAGE TOP ↑