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摂食障害の症状や治療法

公開日: : 精神・心の病


こちらでは、『摂食障害』の症状や治療法についてご紹介しています。
摂食障害といえば、主に『過食症』と『拒食症』のことを指す言葉ですが、その本質的な原因は精神的なところにあると言われています。
つまり、症状自体も治療法もデリケートなものですので慎重に対処する必要があるのですね。
そのためには、摂食障害のことを詳しく知っておくことが大切です。
適切な対処をして、効果的に摂食障害を改善できるよう、このサイトで症状や治療法のポイントをつかんでください。

摂食障害とは

『摂食障害』というのは、主に『拒食症』と『過食症』を総称する言葉で、精神的な原因により起こるものです。
他に、「嚥下障害」などの機能的な摂食障害もあるのですが、これらと区別するために『中枢性摂食異常症』と呼ばれることもあり、厚生労働省では「難治性疾患」、いわゆる「難病」に指定されています。
拒食症と過食症というと、まったく正反対のもののように感じてしまいますが、実はこの2つには「極度に痩せたいという願望」や、「肥満に対する過剰な恐怖感」といった共通の原因があることが多いとされています。
実際に、60~70%の確率で拒食症から過食症に移行するような場合もありますので、大きな視点で捉えると、同じ病気で時期によって症状が違っているというふうに考えたほうがいいのかも知れません。
拒食症を細く分類すると、「神経性食思不振症」や「神経性食欲不振症」、「神経性無食欲症」、「思春期やせ症」などがあり、過食症の方は「神経性過食症」や「神経性大食症」、「神経性多食症」、「大食症」などに分類されています。
前述の通り、摂食障害の直接的な原因は「極度に痩せたいという願望」や、「肥満に対する過剰な恐怖感」なのですが、その背景をさらに探っていくと「痩せていないと人に認めてもらえない」などの『対人関係上の恐怖感』があり、それがストレスになっていると言えそうです。
そのため、ひどい場合にはリストカットなどの「自傷行為」や、アルコールや薬物などへの「依存症」などを合併していることもあります。

摂食障害の原因:性格

摂食障害の原因となるものの一つに、その人の『性格』が挙げられます。
摂食障害の直接的な原因は「極度に痩せたいという願望」や、「肥満に対する過剰な恐怖感」などですが、その背景を探っていくと「痩せていないと人に認めてもらえない」という恐怖感が強いというケースが多いようです。
つまり『人の目を気にしやすい』ということですね。
ですから、性格的に人の目が常に気になるような傾向が強ければ、摂食障害になる可能性も高くなってきます。
特に多いのは、「真面目」や「完璧主義」、「努力家」、それに「自意識が強い」という性格傾向で、通常なら良い方向に働くものが行き過ぎてしまい、摂食障害につながってしまうのです。
「真面目」だからこそ標準体重を超えそうなことが許せないとか、「完璧主義」だからこそ特にダイエットの必要もないのに過剰に「努力」してしまうということですね。
また、「ストレスに弱い」ということも、摂食障害になりやすい性格傾向に一つです。
一種の「対人恐怖」にもつながってきますが、常に人の目が気になっているため、「このままでは恥ずかしい」という思いが強く、それがストレスになって摂食障害を起こします。
ストレスが原因の場合は、「自傷行為」やアルコールなどへの「依存症」を併発することも少なくありません。
多少の悩みがあっても、あまり思いつめずに大らかでいられるよう、好きなことをしたり適度な運動をしたりして、常に気持ちをリフレッシュして開放することも必要といえるでしょう。

摂食障害の原因:職場

『職場』の人間関係や仕事上のトラブルなども、摂食障害の原因の一つと考えられています。
仕事をしていれば多かれ少なかれ、何らかのストレスや精神的な負担はあるものですが、これがあまりに大きくなりすぎると「どか食い」などの過食症に走ってしまうということは少なくありません。
ストレスを発散するために好きなものを食べるということ自体は悪くないのですが、それが度を越してしまうと際限がなくなり過食症になってしまうのですね。
それに、ストレス発散で何かを食べる時には、どうしても高カロリーなものを選ぶ傾向が強いですから、ますます身体にも負担がかかってしまいます。
その上、太り過ぎると今度は周囲の人の目が気になり、「何とかダイエットしなきゃ」と思いすぎて、逆に拒食症になってしまうという例も決して少なくはありません。
このように、職場の環境というのは過食症と拒食症の両方の摂食障害につながる要因になるうるものなのです。
基本的にはストレスを溜めないようにするということが対応策になりますので、食べること以外のストレス発散法を見つけて、上手に活用することが大切です。
また、職場の環境が原因で摂食障害になるような場合、基本的に職場の人間関係が『敵』だという意識が強いものです。
もちろん、仕事上では誰かとやりあうような場面もあるかもしれませんが、本来はお互いに協力し合いながら業務を進めていくというのが職場なのですから、そういう面での意識を切り替えることも必要かもしれません。

摂食障害の原因:家庭

摂食障害の原因として、『家庭環境』も大きく関係してくるものです。
一般的に、幼少期に十分な愛情を受けずに育つと精神的にアンバランスになり、そのため摂食障害を起こすということはよくあります。
特に、母親からの愛情を注がれた経験が少ないと、その傾向が顕著に現れるようです。
また、幼少期には目立った問題がなくても、思春期に受けた家族からの影響が原因となるケースもあります。
特に、女性の場合は思春期になると父親との関係がいびつになることも多く、その時に父親が何気なく「太ってるから痩せたほうがいいぞ」というようなことを言ってしまうと、それがキッカケとなって摂食障害になるというのも、よく聞く話です。
思春期の頃は身体にも大きな変化が表れ、どうしても精神的にアンバランスになりやすい時期ですから、その年代の子供がいるという方は気をつけたほうがいいかもしれません。
また、直接的な親との関係だけでなく、父親と母親の不仲や家庭内暴力など、家族全体の関係性がうまくいっていないと、それが心の傷となり摂食障害につながるというケースもあります。
そう考えると、家庭内の人間関係というのは、とても重要なものと言えますね。
また、家族の誰かが摂食障害になってしまうと、特に親御さんなどは、それを治させたいという気持ちで無理に食べさせようとしたり、食事量を制限しようとしたりしがちですが、これが逆効果になることもありますので注意が必要です。
摂食障害は精神的な病気ですから、医師や専門のカウンセラーに指示を仰ぎながら、適切に接していくようにしましょう。

過食症の症状

摂食障害の中でも、度を超えるほどに食べ過ぎるものが『過食症』で、『神経性大食症』と呼ばれることもあります。
過食症の症状というと、単に食べ過ぎることだと思われるかもしれませんが、実はそれだけではすまず、必ずその「代償行為」というものがついて回ります。
具体的には、意図的な「嘔吐」や「絶食」、「必要以上の運動」、それに「下剤」や「利尿剤」などの「薬物」を用いて「下痢」などを起こし、過食のために体重が増加することを防ごうとするのです。
また、過食症の場合には必ずと言って良いほど、自分が過剰に飲食したことを後悔し、「自己嫌悪感」や「無力感」、それに「抑うつ症状」などを起こします。
これらの代償行為や精神的な症状が出ることから『神経性大食症』と呼ばれるわけですが、最悪の場合には自己嫌悪が高じて自殺につながるというケースもありますので、大変怖い病気ということができます。
中には、代償行為がなく、単に食べ過ぎるだけの過食症というものもあるのですが、その場合には体重が増加し、身体に様々な支障をきたしていきます。
代表的な症状としては、「頭痛」や「痙攣」、「虫歯」、「唾液腺膨張」、「耳下腺膨張」、「食道裂孔」、「低血圧」、「動悸」、「不整脈」、「膵炎」、「低血糖」、「耐糖能異常」、「胃穿孔」、「胃痙攣」、「腹痛」、「腹部膨満」、「便秘」、「月経異常」、「吐きだこ」、「骨粗鬆症」、「脱水」、「むくみ」などが挙げられます。

過食症の治療

過食症の治療法には、どんなものがあるのかをご紹介していきましょう。
過食症を表面的なところだけで捉えれば、食べ過ぎるのをやめればいいだけだと簡単に思われるかもしれませんが、その原因となっているのが「幼少期からの愛情の欠如」や「対人恐怖」、「コンプレックス」、「ストレス」などの『精神的な問題』であることがほとんどなので、根治させるのは大変なものです。
ただ、拒食症のように深刻な低栄養状態になることがありませんので、通院で治療を受けるというケースが大半です。
通院治療の場合には、まず「精神療法」が行われますが、この中には「認知行動療法」、「家族・夫婦療法」、「集団精神療法」などの種類があり、必要に応じてふさわしい治療法が適用されます。
しかし、精神療法で効果が見られない場合には「SSRI」などの危険度低い薬物を投与する「薬物療法」が用いられることもあるようです。
さらに、「大食の衝動が強すぎて制御不能な場合」や、「深刻な自殺願望がある場合」、「アルコールや薬物に深刻な依存がある場合」、それに「下剤や利尿薬などの濫用で血中の電解質バランスが大きく崩れている場合」などは、入院による治療が必要なこともあります。
どの治療法が適切かは、医師の指示を仰いで判断するべきですが、いずれの場合でも中途半端に終わらせてしまうと症状が慢性化してしまう可能性があります。
過食症は、適切な治療で完全治癒が期待できるものですから、一度治療を始めたら最後まで続けるようにしましょう。

過食症の合併症

過食症自体が精神的な原因によって起きるものですから、単に食べ過ぎるだけという問題ではなく何らかの精神疾患が同時に見られるものです。
代表的なものとしては「抑うつ症状」が挙げられます。
特に、大食をした後には自己嫌悪に陥り、食べたことをなかったことにするために嘔吐を繰り返すなどの「代償行為」が見られますが、これ自体が精神的な疾患のひとつといえるでしょう。
これがさらにエスカレートしてしまうと、アルコールや薬物などへの「依存症」に発展したり、リストカットなどの「自傷行為」や、時には万引きなどの「反社会的行為」に及んだりすることもあります。
最悪の場合には「自殺願望」を持ち、命にかかわるという可能性もありますので、これらの症状は決して侮ることができないものです。
また、精神的な疾患以外にも、「頭痛」や「痙攣」を起こすこともありますし、代償行為のために下剤を飲んだりすることによる様々な「消化器系の疾患」も数多く起こります。
他にも「低血圧」や「動悸」、「低血糖」、「胃痙攣」、「便秘」を起こすことや、「不整脈」、「月経異常」になることもあります。
代償行為を繰り返すうちに栄養状態が悪くなり、やがては「骨粗鬆症」に発展する可能性もあります。
より日常的なものでは「虫歯」や「脱水」、それに「むくみ」なども、よく見られる症状です。
これらの症状を過食症の合併症と呼んで構わないでしょう。
この合併症が、さらに次の病気の呼び水になってしまうということもありますから、出来る限り症状が深刻にならないうちに適切な治療をしておきたいものです。

拒食症の症状

拒食症

『拒食症』というのは、正式には『神経性食欲不振症』と呼ばれるもので、食べることへの恐怖感や罪悪感と言った、精神的な原因によって発症するものです。
ダイエットなどで食事制限をすることは、よくあると思うのですが、これが行き過ぎると拒食症になるわけですね。
最初は軽いダイエットのつもりではじめたものが、いつの間にか強迫観念にとらわれてしまい拒食症へと発展するということも少なくはありませんから、誰もが気をつけたほうがいい病気なのかもしれません。
拒食症の具体的な症状は、食べることや太ることに対する極度の恐怖感と、それによる体重の減少です。
体重の目安としては、年齢と身長に基づいて割り出される「適正体重(平均体重)」から15%以上も下回ると、拒食症と診断される可能性が高くなります。
もちろん個人差はありますが、見た目には十分に痩せているのに、本人はもっと痩せたいという願望を持っているのであれば、拒食症ということができるでしょう。
拒食症になると、人から見れば十分に痩せていても、自分では「まだ太っている、もっと痩せなきゃ」という妄想にも似た強迫観念がつきまとい、自分の体重が正常なのかどうかを判断することができなくなるようです。
当然、低栄養状態になりますから「貧血」なども起こしますし、女性であれば「無月経」や「骨粗しょう症」の危険性もあります。
一度、拒食症になると、普通に食事をすること自体が難しくなりますので、入院するなどして専門医の治療を受けることも必要となるでしょう。

拒食症にの治療

拒食症になると、極端な減量のために低栄養状態に陥っているケースがほとんどですから、まずはそれを改善する必要があります。
そのためには、体重がどのくらい減少しているのかにもよりますが、概ね入院治療が必要となるでしょう。
目安としては、標準体重よりも15%以上も下回っていれば拒食症とみなされますが、標準体重より30%以上も下回っているようなら、緊急入院ということになります。
拒食症になると、胃腸も萎縮してしまっていることがほとんどですから、いきなり通常の食事をさせることは身体に急激な負担をかけることになります。
そこで、入院してからは症状に合わせて、摂取カロリーや食事の回数などが決められ、そのスケジュールに沿って無理のない栄養補給が行われます。
中には、病院食を摂りながらも嘔吐や下剤などで無理な排出をする人もいるので、そのようなことがないように観察しながら、目標体重まで増加させるようにしていきます。
栄養状態が回復してくると、身体的な症状は改善していきますので、一定の基準を満たせば退院ということになるのですが、中には退院後にも拒食症を再発するというケースもあるようです。
そうならないように、『心のケア』を行なっていくことも重要で、通院治療を続けることや、専門のカウンセラーに相談すること、それに家族や周囲の人が拒食症を理解して適切に接していくことなどが、本来的に重要な拒食症の治療ということになるでしょう。

拒食症の合併症

拒食症には様々な合併症があります。
そもそも、拒食症は精神的な原因によって起きるものですから、「うつ病」をはじめとした「精神疾患」は、もっとも多い合併症ということができるでしょう。
これにより、最悪の場合には「自殺」にまで発展することも少なくありません。
その上、拒食症の場合は摂取カロリーが極端に少なくなってしまいますから、身体的な症状も数多く発症します。
まずは「栄養失調」ですね。
食べないわけですから栄養を摂取することができず、生命活動な必要なエネルギーも不足してしまいます。
そうなると、身体はできる限り消費カロリーを抑えようとするのですが、その結果「低血圧」にもなります。
すると、必要な血液が全身に回りにくくなりますから「冷え性」なども起こりますし、内蔵なども弱ってしまうものです。
さらに、筋肉や脂肪もどんどん減っていきますから、特に寒さには弱くなり、全体的に生命力の乏しい身体になってしまいますね。
他にも、「貧血」や「無月経」、「骨粗しょう症」などを併発することも珍しいことではありませんし、低栄養状態が深刻な状態なってしまえば、そのために生命に危険が及ぶということも十分に考えられます。
その上、身体のエネルギーが不足すると「無気力」にもなりやすいですから、前述の精神疾患などともリンクしてくることになります。
このように拒食症には、精神面でも身体面でも様々な合併症が存在していますので、ダイエットなどを行う時には、それが適切な範囲のものなのかどうかを十分に注意する必要があるのです。

運動への状態

一般的に、適度な運動は身体に良いものとされていますし、実際に無理のない範囲で運動を習慣化することは、心身ともに良い影響が期待できるでしょう。
摂食障害においても、拒食症で極端に体重も体力も落ちている時にはおすすめ出来ませんが、医師の指導のもとで適度な運動を取り入れることは効果的だと思われます。
ただし、ここにも落とし穴があり、身体に良いのは『適度』で『無理のない範囲』の運動ということを忘れてはいけません。
摂食障害の中でも、過食症を患っている場合は、食べ過ぎたカロリーを消費させるために、度を越した運動をしているという人もいるのです。
これは、特に男性に多いようですね。
運動には健康的なイメージがありますが、あまりに極端な運動で食べ過ぎたことをなかったことにしようとするのは、一種の「代償行為」になります。
つまり、嘔吐や下剤などで食べたものを出す代わりに運動していることになりますから、これも一種の病的な症状になるわけです。
もちろん、一流のアスリートなどであれば、圧倒的な運動量をこなすことが必要でしょうし、その運動量を支えるためのエネルギーとして大量の食事も必要となってきます。
ですが、一般の人がアスリート並みの運動量をこなしているのであれば、これも摂食障害の一種と見なされることになるでしょう。
何事も、「過ぎたるは及ばざるがごとし」といわれるとおり、適度に行うということが大切です。
「痩せたい」という思いに過剰にとらわれてしまって、見境がなくならないよう、くれぐれも気をつけておきましょう。

摂食障害とうつ病の関係

摂食障害そのものが、精神的な原因によって起こるものですから、合併症として「うつ病」を併発することは多いものです。
最近では、摂食障害とうつ病の関係についての研究もかなり進んできていて、この2つの間には、かなり密接な関係があるということがわかってきているようです。
実際に、うつ病患者に投与される「抗うつ薬」は、過食症の患者にも効果があると言われています。
また、この2つの症状では、ストレスを感じると分泌される「コルチゾール」というホルモンが、正常な場合よりも多く分泌されているのです。
このことからも摂食障害とうつ病は、生化学的異常の類似性が高いということが分かります。
強いストレスを感じる状態が長く続くと、うつ病になることは想像しやすいところですが、同様にホルモンのバランスが崩れてしまうことで摂食障害も起きるのではないかというのが、今のところの有力な意見のようです。
ただ、摂食障害が原因となってうつ病が発症するのか、逆にうつ病になったことによって摂食障害を起こすのかということについては、ケース・バイ・ケースですので一概には言えないようですね。
ハッキリしていることは、この2つの病気は併発しやすいものだということです。
そして、どちらにもストレスが大きく関係していますから、できる限りストレスを溜め込まないように気をつけておくことが大切といえるでしょう。
好きなことを楽しむ時間を十分にとることや、気分転換に旅行に出かけるなど、気持ちをリフレッシュする工夫をすることが、摂食障害とうつ病を予防する効果的な方法と言えそうです。

家族の対応

摂食障害が精神的な原因によって起きるものだということは、何度もお伝えしているとおりですが、それだけに実際に摂食障害を発症すると、なかなか本人の努力だけでは完治させることが難しいものです。
そこには周囲の人の理解、特に家族からのサポートがどうしても必要です。
なかでも、摂食障害になったのが、まだ若いお子さんであれば、親御さんの理解とサポートはとても大きな力となります。
特に意識してほしいのは、『摂食障害が病気である』ということ。
今では、摂食障害という言葉も浸透してきていますが、少し前までは「単なる甘え」とか「気持ちの問題」などと軽く考えていた人も少なくありませんでした。
家族がそのように考えて接したり、放置したりしたために摂食障害が悪化し、その結果、本人も家族もより苦しむことになったという例も、予想以上に多いものなのです。
特に、いわゆる真面目な性格の人ほど摂食障害になる傾向も強いですので、家族からの理解が得られないとますます傷ついてしまいます。
そのようなことがないように、家族の方は『摂食障害が病気である』ということを十分に意識しておいてほしいものです。
ただ、家族がどのように対応すればいいのかがわからないという場合も多いと思います。
実際、摂食障害はデリケートな病気ですから、家族の対応にも慎重さが求められます。
迷う場合には、専門医やカウンセラーの指示を仰ぐことも必要でしょう。
また、同じように摂食障害で苦しんでいる家族のコミュニティなどもありますから、そういうところに参加することで発見できることもあると思います。

摂食障害と薬物療法

摂食障害の治療法として、『薬物療法』が用いられることもあります。
摂食障害の中でも、過食症に有効とされている薬は『選択的セロトニン再取り込み阻害薬』とも呼ばれている『SSRI(SelectiveSerotoninReuptakeInhibitors)』というものです。
日本で認可されているSSRIには「フルボキサミン」や「パロキセチン」、それに「セルトラリン」というものがあり、実際に広く用いられています。
ただ、これらは「抗うつ薬」として開発され、用いられているものですので、直接的に過食をコントロールする薬というわけではないのですが、摂食障害とうつ病には共通点も多いため、SSRIの投与が過食症の改善にもつながるようです。
他にも「スルピリド」や「クロミプラミン」、「マプロチリン」、「トラゾドン」などの薬もあり、摂食障害のタイプによって適したものが投与されています。
拒食症患者の場合は、体重が減少してしまうことがあるので、体重回復を待ってから慎重にSSRIが投与されるようです。
特に、栄養状態が悪く、さらにうつ病を発症しているような場合には薬の副作用も出やすいと言われていますから、まずは栄養状態の改善が最優先事項といえるでしょう。
SSRI他にも「気分安定薬」である「リチウム」や「バルプロ酸ナトリウム」、「オクスカルバゼピン」、「ガバペンチン」などがあり、アメリカなどでは「シブトラミン」や「トピラマート」などの薬も投与されているようです。

入院治療が必要な場合

摂食障害において入院治療が必要な場合というのは、主に拒食症に見られます。
目安となるのは、標準体重を15%以上も下回っているかどうかで、標準体重より30%以上も下回っているようなら、緊急入院の必要が出てきます。
拒食症の場合は、体重減少に伴い「体調不良」や「意識障害」、「低血糖」、「歩行が困難」、「衰弱」など、明らかな身体的な問題が出てきますので、まずはこれらを改善するために入院治療が必要となるのです。
また、体重減少がさほどではなくても、「うつ状態」がひどいときや「自傷行為」が見られる時、さらには「自殺願望」が強くなっているような場合にも入院治療が行われます。
逆に、過食症の場合には、拒食症のような栄養不良はありませんので、通院治療で十分なケースが多いようです。
ただし、あまりにも過食がひどく、自分では食べたいという欲求をコントロールすることが極端に難しいような場合には、入院して食事を管理してもらうというケースもあります。
また、過食症の代償行為として下剤の乱用などをしていると、それによって体内に必要なカリウムやナトリウムが失われる「電解質異常」を起こすこともありますので、その場合にも入院治療が行われます。
拒食症でも過食症でも、身体的な症状が比較的軽く、患者本人の治療意欲が高いのであれば通院治療で十分なケースも少なくはありません。
ですが、摂食障害は本人の治療意欲が低いことが多いですので、やはり入院治療が必要となるでしょう。

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