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アスペルガー症候群の症状や特徴などを詳しく

公開日: : 精神・心の病


アスペルガー症候群は言語による会話能力があるにもかかわらず、自閉症と同じようなコミュニケーション、こだわり、かかわりに関する障害が現れる発達障害のことです。

アスペルガー症候群の原因は現在の医学をもってしても、まだ明確にわかっていません。

そのユニークさが個性として認められる状況下であれば良い人間関係を維持することもできるため、少しでも適応を良くするためにはできるだけ早期に診断されることが望ましくなります。

こちらでは、正しい理解に役立つ情報を取り上げていきます。

アスペルガー症候群の診断基準について

アスペルガー症候群については、何らかの判定基準がなければ診断することができません。

そのため、現在はアメリカ精神医学会が作成した「DSM-IV(精神疾患の診断・統計マニュアル第4判)」、WHOの「ICD-10(疾病および関連問題の国際統計の手引き)」を使って診断することが一般的です。

アスペルガー症候群の診断基準としては、対人的相互反応の質的な障害が認められることを前提としています。

具体的にはまず対人相互反応を調整する見つめ合うことや表情、姿勢、身振りなどといった非言語的行動の使用に関する顕著な障害が挙げられます。

また、発達の水準に相応する仲間関係をつくることができないというケースもあります。

さらに楽しみや興味、達成感を他人と分かち合おうと自発的に求めないことや対人的、情緒的相互性が欠けていることも含め、少なくともふたつが認められると診断基準を満たします。

行動や興味、活動の限定的、反復的、常同的な様式に関しては、何かしら該当することがあれば明らかになります。

強度や対象が異常なほどに限定された興味だけに熱中していること、特定の機能的でない習慣や儀式にこだわりがあること、常同的で反復的に手や足をばたつかせる、ねじ曲げるなどの衒奇的運動が見られること、物体の一部に持続的に熱中することが対象です。

そして障害が社会的、職業的などの面で著しい障害を引き起こしていること、著しい言語の遅れはないこと、認知の発達や年齢に応じた自己管理能力などには遅れがないこと、ほかの広汎性発達障害や統合失調症の基準を満たしていないことも、アスペルガー症候群の診断基準となります。

アスペルガー症候群の症状

アスペルガー症候群の疑いがある場合には、基本的に精神科で診断がなされます。

社会性の障害やコミュニケーション能力の問題、想像力やこだわりなどといった診断基準のほか学校、職場、家庭での様子や本人、家族が感じていることなども鑑みて診断されることになります。

大人については、アスペルガー症候群を診断することのできる病院があまりありません。

不安障害、うつ症状、強迫性障害などといった二次障害が発症していることから、アスペルガー症候群の発見につながるという場合が多くなっています。

しかしながら二次障害の診断が前面になってしまい、アスペルガー症候群が発見されないという事例もあります。

アスペルガー症候群では独特な言葉の理解や使い方がある、相手の行動や表情から気持ちを察することが難しい、行動パターンが決まっていてこだわりも強いといったことが特徴になっています。

味覚、聴覚、嗅覚、視覚、触覚という五感にアンバランスさがなければ、アスペルガー症候群である可能性は低くなります。

また、アスペルガー症候群の人が学習面や運動面の発達に問題を抱えているということはありません。

言葉も流暢で計算能力にも問題はなく、走ることや跳ぶことなども一般的な水準には達しています。

アスペルガー症候群の症状としては、言葉は出るものの他人との会話で流れを読むことができません。

相手の気持ちを理解する、求められていることを察するといったことは非常に困難であり、会話はちぐはぐなものになりがちです。

言葉の深い意味を理解することができず、他人からの希望や指示を察することもできないため、運動機能に問題はなくてもスポーツですとチームプレイをすることが難しくなります。

予定外のことには対応することができず、見通しを立てることもできません。

学校や職場、社会などで人と接していくには、多くの問題があるのです。

小児のアスペルガー症候群の特徴

アスペルガー症候群は発達障害の一種ですが、病気ではありません。

その特性は、人の気持ちや感情を理解しにくいというところにあります。

そのため人とのコミュニケーションをとりにくいことが往々にしてあり、社会から孤立してしまうこともあるのです。

アスペルガー症候群であっても言語や知能の発達には遅れが見られないため、これまで幼児期のうちに発見されることはあまりありませんでした。

近年になって、幼児期から見られる特徴が少しずつわかってきています。

小児のアスペルガー症候群の特徴としてはひとり遊びを好む、他人とのごっこ遊びが広がりにくい、同じ遊びを繰り返す傾向が強い、行動がパターン化していて融通は利かないといったことなどが挙げられます。

保育園や幼稚園に通っているとほかの子どもに対する関心があまりない、集団で遊ばない、保育士の言葉を理解することができないなどといった特徴も見られます。

アスペルガー症候群である子どもは人ごみや騒音を苦手としていて、選択的注意の能力が十分ではありません。

そのため、必要な情報を選んで注意するということも得意ではないのです。

ですから人ごみや大きな音がする場所は嫌っていて、人ごみにいるとさまざまな音が同時に耳へ入ってきてしまいます。

歩いている人の靴音や車の騒音などもすべて耳へ入ってきて、混乱してしまうのです。

またアスペルガー症候群である子どもは、運動や知能の発達こそ正常であるものの、他人と円滑に過ごす能力である社会性の発達に遅れがあるため、スムーズな人間関係を築くことができません。

周囲の大人としては社会性の発達障害という意味を理解した上で、子どもがつらい思いをしないような対策を考えなければなりません。

大人のアスペルガー症候群の特徴

大人のアスペルガー症候群の特徴としては想像力をはたらかせるという作業が難しいため、すぐに発想を転換することが苦手です。

予定外のことがあると戸惑い、会話の裏を読むことができず全体像もつかむことができません。

交渉事は苦手としていて、喜怒哀楽がないとして誤解されがちでもあります。

選択的注意や、ふたつのことを同時にすることもできません。

こういったことから急な予定の変更があったというときには対応することが難しく、応用力にも欠けることとなります。

また、アスペルガー症候群である人は数字や漢字などといった普遍的なものに対して安心感を持ち、一方変動するものに対して強い不安を感じます。

言葉は事実を伝達するだけのツールであり、そのために相手の言葉は文字通りに受け取ることしかできず、たとえ話や皮肉は通じません。

さらに細部へ集中することで、全体像はとらえにくいというところがあります。

アスペルガー症候群の人が仕事をしていて業務効率が悪い理由は、全体像を把握しなければならない場面でこまかいことに集中しすぎてしまうためです。

仕事相手との交渉でも、通常は相手の様子を見ながら次の一手を繰り出すという場面は往々にしてあるものですが、アスペルガー症候群である人は他人の顔や目線などに対して関心がありません。

そのため相手の目を見て気持ちまで探るということがうまくできず、なかなか交渉をまとめるといったことは難しいところがあります。

アスペルガー症候群の女性の特徴

アスペルガー症候群は、男性に多い症状です。

女性は特徴がわかりにくいということもあって、アスペルガー症候群であることに気がつかない場合もあります。

アスペルガー症候群の女性は、言語能力が高い人に多く見られます。

話をすることも普通の人より得意であるため、対人関係が苦手であるというイメージもありません。

対人関係の問題が見えにくいだけに、アスペルガー症候群であることがほかの人からもよくわからないのです。

外見上に問題はないのですが、アスペルガー症候群の女性は内面でかなり苦しんでいます。

自分では満足していないため、苦しみながら周囲に適応しようと努力しているのです。

いくら話し上手に見えても、本人からすると自分の障害をカバーする目的で話す行動に出ているという人も多く、実際は話すことに苦痛も感じています。

ほかの人とコミュニケーションをとることで不安を感じ過食や飲酒、うつ、不安といった症状が現れて精神科を受診する人も少なくありません。

またアスペルガー症候群である女性は、結婚生活や育児に問題を抱えていることも多くあります。

人の気持ちを理解することが難しいため、子どもの気持ちもくみとることができず、子育てに行き詰まってしまう人が多いのです。

ママ友との付き合いもうまくいかず、大事な情報を共有することが難しくもなります。

自分の問題が、子どもの情緒や行動に影響を及ぼしてしまう可能性もあります。

アスペルガー症候群であると、育児にも人の助けを欠かすことができません。

発症率から見るアスペルガー障害の特徴

アスペルガー症候群の発症率は、全体で見ると1,000人に対して3人から4人という割合になっています。

女性が1に対して男性が4から6という割合になっていますから、男性が女性よりも多くなっています。

調査によっては、男性の発症率が女性の10倍になるとされている場合もあります。

ただ、女性でも診断まではされていないとしても、対人関係で悩みを持っている人が多くいます。

発症率は男性が圧倒的に多いものの、アスペルガー症候群の特徴を持っている女性の数は実際にいわれているよりも多いのです。

アスペルガー症候群の特徴として言葉や知能の遅れはないのですが、対人関係に問題が生じる傾向はあります。

中には知的な遅れがなく言葉も流暢であるという人がいますから、実際にアスペルガー症候群の発症率は、自閉症より高いとも見られています。

アスペルガー症候群の対人関係が苦手であるという特徴は、成長とともにわかりやすくなっていきます。

幼児期には一人遊びを好み同じ遊びばかり繰り返すなどといった症状が見え始め、保育園や幼稚園に入るとあまりほかの子どもと遊ばないことがわかってきます。

大人になっても友人関係を築くことは難しく、暗黙のルールや冗談がわからないという人も多くいます。

特定のものに興味が集中し、特殊なものを収集する人もいます。

それでも知的な発達には遅れがないため、見逃してしまうことも多いのです。

発症率は低いのですが、女性も小さなうちから様子を見ることが大切です。

アスペルガー症候群と遺伝の関係

アスペルガー症候群の原因については親からの遺伝が関係しているという報告もありますが、アスペルガー症候群と遺伝の関係について解明されてはいません。

報告の内容は両親にアスペルガー症候群の病歴があれば、その子どもにもアスペルガー症候群が発症する場合はあるということです。

しかしながらアスペルガー症候群が発症する原因として、家庭環境が原因であるという説もあります。

もしこれが本当であれば、同じ環境で育てば親子で行動が似てしまうため、遺伝したかのように感じられるのではないかとも考えられます。

ですがアスペルガー症候群の原因は家庭環境にあるという説も、医学的な根拠のあるものではありません。

アスペルガー症候群であると診断された場合に、自分の子育てが悪かったとして必要以上に悩む必要もないのです。

子どもに対してどのように接するかを考えることが、大切です。

アスペルガー症候群と遺伝の関係についても現在のところ、医学的な裏付けはありません。

両親にアスペルガー症候群の病歴があって子どもにも発症する場合があるという事実だけで、遺伝が関係していると確定することはできないのです。

そのほかアスペルガー症候群の原因として、脳の機能障害が原因であるという説もあります。

最近は実験データなどもそろってきていて、日本国内ではこの説が有力になっています。

脳の機能障害が原因であるという可能性は高まってきていますが、まだ確定的であるとまで判断することはできません。

アスペルガー症候群の対応の仕方

アスペルガー症候群は一般的に自閉症として分類されることが多く、特に3種類の障害が多く見られます。

ひとつは人との適切な関係づくりが苦手であり、非常に難しい状態でもあるために多くは孤立してしまう傾向があります。

相手の表情や声の大きさ、抑揚などから意図を読み取ることが難しく、また相手が嫌な思いをするかもしれないという事に気がつきにくいといった事もあって、なかなか良い人間関係を築くことができません。

関係してコミュニケーションの障害も顕著なものであり、言語の発達が遅れているというわけではないものの、年齢からすると違和感のある会話や冗談が通じないという状況も目立ちます。

さらには、会話が一方的になるということも多くあります。

もうひとつ、想像力の障害もアスペルガー症候群に特徴的なものであり、特定の事柄に強い関心を持つ一方で全体像をとらえる事は苦手としていて、興味は収集癖となって現れるようなことが多く見られます。

特に固定された習慣を守ることや新しく受け入れることに対して強いこだわりがあり、カタログ的な知識への興味が強く見られる傾向もあります。

このような症状を持つアスペルガー症候群の対応の仕方としては、何といっても発達障害であるという事をよく理解しなければなりません。

普通の人であれば出来て当たり前の事とであっても、出来ないからといって強く責めるような事は避けなければなりません。

そのほかで対応の仕方として気をつけなければならない点は、言葉の裏側にある意味を理解することはできないことをよく理解しておく必要があるということです。

言語能力自体には問題がありませんから、嫌みを言うなどすればその言葉通りに理解されます。

つまり、アスペルガー症候群への対応としては、曖昧な言い方をしない事で正常なコミュニケーションを図る事ができるということもできます。

アスペルガー症候群の治療

アスペルガー症候群は一般的に社会生活を送る上で、ハンディキャップになりやすいものです。

アスペルガー症候群の治療として望ましいとされている方法は、知能や言語の発達が正常であるため、訓練を通じて改善につなげていくということです。

言語の発達や知識には異常がありませんから、病気であるとして理解されにくいところがあり、個性としてとらえられていることも少なくありません。

ですが、人との交流は社会生活を送るにあたって基本的なことであり、必要不可欠なものです。

一般的には、社会的に孤立して自分の能力を発揮することができなくなるようなことにはならないように治療を受けることが望ましいところです。

心理療法と並行してストレスのケア、ケースバイケースによる服薬が行われます。

アスペルガー症候群であると自分の気持ちを他人に伝えることが非常に難しく、しかもその場の雰囲気を読むことが不得手です。

そのため相手のことを誤解しやすく、反対に相手からの誤解を受けやすくなります。

訓練している期間も人間関係のフラストレーションが生じやすくなるため、ストレスへの対策をすることが大切です。

その際に気持ちの落ち込みが大きい場合、不安症状が顕著に出ている場合については抗うつ薬や抗不安薬なども用いての服薬治療も必要とされます。

そしてアスペルガー症候群の治療においてもっとも根本的なものは、周囲の人による理解とサポートです。

適切な環境づくりによって、治療効果も期待することができるようになってきます。

アスペルガーの有名人

現在や歴史上において、アスペルガーの有名人は少なくありません。

アスペルガーに見られる特徴のとして特定のものに対する強いこだわり、規則的なものや順序だったものへの興味が挙げられます。

こうした特徴から特定の分野に対する集中力や深い知識を持つようになり、突出した能力を発揮し普通とは違った視点から独特の世界観を築くなどして活躍している人も多くいます。

「スター・ウォーズ」などの作品で有名なスティーブン・スピルバーグ監督は、自らアスペルガーであることを公表しています。

また翻訳家としてだけでなく、著作や講演などでアスペルガーとして独特の世界観を語るなどの活躍をしているニキ・リンコさんも、アスペルガーである有名人の一人です。

そのほか歴史上の人物でも、アスペルガーであるといわれている有名人は少なくありません。

ルネサンス期を代表する芸術家であるレオナルド・ダ・ヴィンチ、「第九」などで有名な音楽家のベートーベン、「ひまわり」を描いた画家のゴッホらです。

また白熱電球や蓄音機を発明したエジソン、相対性理論を発見したアインシュタインらもアスペルガーであったといわれています。

アスペルガー症候群はその特性から、コミュニケーションを必要とする場面や臨機応変な対応は苦手です。

ですがそういったことをそれほど必要としない場面でたとえば芸術家や作家、ゲームクリエーター、ライター、評論家などといった分野であれば、こだわりの強さや独特の視点を活かして成果をあげる可能性も秘めているのです。

アスペルガーと障害年金

近年、発達障害でも障害年金の認定事例が出ていることから、発達障害のひとつであるアスペルガーと障害年金の関係が注目されています。

障害年金は厚生年金や国民年金、共済年金に備わっている公的年金のひとつです。

心身に障害を負っても安定した生活を送ることができるよう、働くことや日常生活を送ることに困難があると認定された場合に支給されるものです。

初診日要件、初診日に年金保険へ加入している加入要件、保険料納付要件を満たしていて、定められている障害等級に該当していることが、受給のための要件となります。

アスペルガーを含む発達障害については、2011年6月に厚生労働省から「発達障害の認定基準」が発表され、障害年金の認定に向けて道筋がつくられました。

その基準によれば、発達障害の特性である社会性やコミュニケーション能力が足りないことによって、どれだけ日常生活や労働に困難が生じるかを総合的に判断し、障害等級が認定されます。

おおむね日常生活への適応が困難で常時援助が必要とされる場合は1級、日常生活への適応に援助が必要であれば2級、働くことに著しい困難があれば3級ということになります。

精神障害者保健福祉手帳を持っている場合、その等級と障害年金の等級が必ずしも一致するわけではありませんから注意しなければなりません。

また、アスペルガーは発達障害の中でも知的な遅れがないことを含め、見た目だけではわかりにくい障害であるため、適切な診断や認定が難しいといった側面もあります。

アスペルガー症候群の就労支援

アスペルガー症候群であって社会へ出て働くとなると、自分に合う仕事を1人で見つけることにはかなりの難しさがあります。

アスペルガー症候群の就労支援というものがありますから、まずは職業能力について知る必要があります。

自分では得意であると思っていることであっても、周囲の人からは理解されないかもしれません。

また他人との付き合いが苦手ですから、大勢の中で自分がどのような位置に立つべきであるのかもわかりません。

アスペルガー症候群の就労支援では、検査によって職業能力を判定してくれます。

職業適性検査で自分の向いている仕事がわかりますし、発達の偏りについて調べるための発達検査もあります。

知的発達や障害の診断には、知的能力検査もあります。

その上で就労支援の担当者やカウンセラーが面接し、相談にも乗ってくれますから、そこで自分を第三者的に評価することが可能です。

自分が苦手なことや得意なこと、これからしたいことについての目標も定めることができますから、まずは検査してもらうことが大切です。

障害者職業センターや発達障害者支援センターも利用して、仕事を見つけることにつながります。

障害者職業センターでは人材募集をしている企業の紹介、働くにあたっての実習や訓練もしています。

自分だけで何もわからないままに仕事を探しても自分に合う仕事を見つけることは困難ですし、合わない仕事を選んで失敗すれば劣等感にもつながってしまいます。

まずは自分を知ること、そして自分に合った仕事を見つけてもらうことです。

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