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ナルコレプシーの特徴や症状、治療・予防などについて

公開日: : 最終更新日:2018/04/11 精神・心の病

ナルコレプシーとは

ナルコレプシー(なるこれぷしー)とは、就寝時間ではない日中に、とつぜん耐えられないほどの激しい眠気に襲われてしまう病気です。

ナルコレプシーは過眠病(かみんびょう)の一種で、「居眠り病」とも呼ばれており、イギリス人医師のトーマス・ウィリス氏によってはじめて報告されました。
1880年にはフランス人医師のジャン・ジェリノー氏によって、フランス語で「眠り」を意味する「narco(ナルコ)」と「発作」を意味する「lepsy(レプシー)」から、ナルコレプシーと名づけられました。

ナルコレプシーは主に、10~20歳代前半の発症率が高く、とくに14~16歳の思春期の発症率が最も高いという特徴があります。
また、40歳以上の中年期に発症するケースは非常にまれです。

男性と女性のどちらに多いのかについてですが、ナルコレプシーの発症率に男女差はなく、2,000人に1人の割合で発症しますが、日本国内での発症率は600人に1人と世界で最も発症率が高いという特徴があります。

しかし、ナルコレプシーは本人の自覚症状がない場合が多いほか、社会生活において「だらしない」「やる気がない」と周囲の人に思われやすいこともあり、医療機関で確定診断を下されるまでに何年も要する場合が少なくありません。

ナルコレプシーを発症する原因は長らく不明とされてきましたが、近年の研究によって脳内の視床下部から分泌される神経伝達物質のオレキシンが原因のひとつであると判明しました。

オレキシンは睡眠と覚醒状態をコントロールする役割を担っていますが、オレキシンを生成する神経細胞が損傷を受けることで神経伝達に障害が現れ、オレキシンが十分な作用を発揮できずナルコレプシーを発症します。

また、ナルコレプシーの発症原因のひとつとして、HLAと呼ばれるヒト白血球型抗原をあげることができます。
HLAは血液型と同じように型が数万通りもあり、ナルコレプシーを発症したすべての方が、ある特定の型を保有しています。

ナルコレプシーを発症すると、100%の方に睡眠発作(すいみんほっさ)の症状が現れます。
睡眠発作とは、就寝時間ではない日中にとつぜん耐えられないほどの激しい眠気に襲われることで、時間や場所、状況に関係なく毎日現れます。

また、感情がたかぶった際に体がとつぜん脱力する情動脱力発作(じょうどうだつりょくほっさ)や、眠りはじめにリアルな夢を見る入眠時幻覚(にゅうみんじげんかく)、睡眠麻痺(すいみんまひ)と呼ばれるいわゆるかなしばり、夜間の就寝中に何度も目が覚め、熟睡できないといった睡眠障害(すいみんしょうがい)といった症状が出現します。

ナルコレプシーであると確定診断するためには、問診をはじめ睡眠ポリグラフ検査、反復睡眠潜時(せんじ)検査、HLA検査、髄液オレキシン計測検査などを行ないます。
検査によって確定診断が下されると、基本的に薬物療法を行ないながら、生活習慣の改善に取り組みます。

薬物療法では、モダフィニルやぺモリン、メチルフェニデート塩酸塩などの精神刺激薬をはじめ、三環系(さんかんけい)抗うつ薬や睡眠薬を使用し、夜間の睡眠の質を向上させるために、1日の睡眠状況や覚醒状況を睡眠記録表に記録し、医師の指導のもと生活習慣の改善に取り組みます。

ナルコレプシーは、実際に発症していたとしても患者自身では気づきにくく、医療機関で確定診断が下されるまでに何年も要する場合があります。

しかし、初期段階で適切な治療をほどこさなければ社会生活に支障をきたすため、日ごろから規則正しい生活習慣を心掛け、十分な睡眠時間を確保しているにも関わらず日中に睡眠発作が現れる場合には、できるだけ早く医療機関で受診するようにしましょう。

ナルコレプシーの原因

ナルコレプシーの発症原因は長らく不明とされてきました。
しかし、近年の研究によって、神経伝達物質のオレキシンとヒト白血球型抗原(HLA)が原因となって発症することが解明されています。

オレキシン

オレキシンとは、脳内の神経伝達物質であるたんぱく質の一種です。
このオレキシンは、睡眠と覚醒状態をコントロールする役割を担っている神経伝達物質で、視床下部から分泌されています。

オレキシンは1998年に発見された比較的新しい成分で、オレキシンを生成する神経細胞が何らかの原因によって損傷を受けると、神経伝達に障害が現れて、睡眠と覚醒状態を正常にコントロールできなくなることによってナルコレプシーを発症するということが解明されました。

ただし、どうしてオレキシンを生成する神経細胞が損傷を受けるのかについて、くわしいことは現状において解明されていません。

ヒト白血球型抗原(HLA)

ナルコレプシーを発症する原因のひとつとして、ヒト白血球型抗原(HLA)をあげることができます。
ヒト白血球型抗原(HLA)とは、白血球の血液型のことです。
人間の血液にA型、B型、O型、AB型があるように、血液中に含まれる白血球にもヒト白血球型抗原(HLA)という型があります。

ヒト白血球型抗原(HLA)は、長らく白血球のみに存在する型だとされてきましたが、現在では人間のほぼすべての細胞や体液にも存在していることが解明されています。

このヒト白血球型抗原(HLA)は数万通りの型が存在しますが、ナルコレプシーを発症する方の全員がHLA-DR2という型を保有し、HLA-DQ1を保有している方も発症率が高いことが解明されています。

日本人はナルコレプシーの発症率が世界で最も高いという特徴がありますが、これはHLA-DR2を保有する日本人が約30%、HLA-DQ1を保有する日本人が約10%もいることが原因と考えられています。

ただし、HLA-DR2やHLA-DQ1を保有しているからといって、必ずしもナルコレプシーを発症するわけではありません。

ナルコレプシーの症状

ナルコレプシーを発症すると、すべての方に睡眠発作の症状が現れ、さらに情動脱力発作、入眠時幻覚、睡眠麻痺、睡眠障害、自動症(じどうしょう)といった症状が現れます。

睡眠発作

睡眠発作とは、就寝時間ではない日中にとつぜん耐えられないほどの激しい眠気に襲われることで、食事中や会話中など時間・状況・場所に関係なくとつぜん寝てしまいます。
睡眠発作の症状は、夜たっぷり睡眠時間をとっている場合でも毎日現れ、睡眠発作1回あたり数分~20分ほどの居眠りをし、その後、目が覚めると頭がスッキリしたように感じますが、1~2時間ほど経過するとまた睡眠発作が出現します。

この睡眠発作は、ナルコレプシーを発症すると100%の方に現れる症状です。

情動脱力発作

情動脱力発作とは、カタプレキシーとも呼ばれ、大笑いをしたときや怒ったとき、感激したとき、ビックリしたときなど、感情がたかぶった際に体がとつぜん脱力することで、ろれつが回らない、膝が笑う、ひどい場合には倒れてしまうといった症状が現れます。

情動脱力発作は覚醒中に出現する症状ですが、数秒以内、長い場合でも数分以内には回復します。

また、座っているときに情動脱力発作が現れると、周囲の人には気づかれない場合がありますが、患者本人はしっかり発作の感覚を感じるため、情動脱力発作の兆候を感じた際に体の筋肉を意識的に力を入れる、物に掴まるといった対策をとることで、情動脱力発作による怪我を予防することができます。
この情動脱発作は、ナルコレプシーを発症した方のうち、約76%に現れる症状です。

入眠時幻覚

入眠時幻覚とは、睡眠発作や夜間の就寝時の眠りはじめのタイミングで、現実のように感じるリアルな夢を見ることです。

入眠時幻覚では、うなされるほどの悪夢を見る場合が多く、本来は見えないはずのものが見える幻視や幻覚の症状が出現するほか、うなされることによって多汗(たかん)の症状が現れる場合もあります。
この入眠時幻覚は、ナルコレプシーを発症した方のうち、約68%に現れる症状です。

睡眠麻痺

睡眠麻痺とはいわゆるかなしばりのことで、睡眠時幻覚と同様に眠りはじめのタイミングで全身が脱力し、動かせなくなりますが、数分間で自然と治まります。
この睡眠麻痺は、ナルコレプシーを発症した方のうち、約64%に現れる症状です。

睡眠障害

睡眠障害とは、夜間の就寝中に何度も目が覚める、入眠時幻覚や睡眠時麻痺によって熟睡できないといった症状が現れることです。
この睡眠障害は、ナルコレプシーを発症した方のうち、約87%に現れる症状です。

自動症

自動症とは、寝る直前に行なっていた行為を寝ているあいだも行なってしまうことです。
意識がないまま体を動かしてしまい、起きた際に寝る直前に行なっていた行為の記憶がなくなります。

合併症

ナルコレプシーは、日中にとつぜん耐えられないほどの激しい眠気に襲われるため、日常生活に支障をきたして仕事や学力に対する集中力が低下します。

また、うつ病やうつ状態、不安障害、肥満、2型糖尿病(にがたとうにょうびょう)、睡眠時無呼吸症候群(すいみんじむこきゅうしょうこうぐん)などが合併症として引き起こされる場合があります。

このようにナルコレプシーを発症するとさまざまな症状が現れますが、これらすべての症状が現れる方は全体の約10%ほどで、多くの方は睡眠発作といくつかの症状のみが現れます。

ナルコレプシーの検査・診断

ナルコレプシーの検査としては、問診、睡眠ポリグラフ検査、反復睡眠潜時検査、HLA検査、髄液オレキシン計測検査などを行ないます。

問診

問診では日中に現れる症状や頻度、毎日の睡眠時間、睡眠と覚醒のリズムなどを患者から聞き取り、発症時期や発症の有無を確認します。

睡眠ポリグラフ検査

睡眠ポリグラフ検査とは、就寝中の脳波や心電図、筋電図、眼電図、酸素飽和度、呼吸、脈の乱れ、全身の動きを測定すすことで、睡眠の質、障害の有無や程度を確認することができる検査方法です。

睡眠ポリグラフ検査を行なうことで、確定診断を下すことができます。
実際に睡眠ポリグラフ検査を行なう際は、専門の医療機関に1泊入院し、通常の就寝時間に合わせて検査を行ないますが、検査自体は電極やセンサーを全身に取り付けたあと、8時間ほど就寝しているあいだに終了します。

睡眠ポリグラフ検査では、脳が眠りについている状態のノンレム睡眠と、体が眠りについている状態のレム睡眠の回数を確認します。
ノンレム睡眠は、浅い眠りから深い眠りまでを、うつらうつら・すやすや・ぐっすりの3段階に分類します。

レム睡眠は、体が眠っていても脳は覚醒している状態に近いため、夢を見ている状態です。
通常、人間が夜間就寝すると、はじめにノンレム睡眠が訪れ、その次にレム睡眠が訪れます。

このノンレム睡眠とレム睡眠は交互に訪れ、ひと晩に4~6回ほど繰り返します。
これは体の休息よりも脳の休息を優先するためで、明け方の覚醒に向けてレム睡眠が訪れる回数が増えて脳の覚醒を促します。

しかし、ナルコレプシーを発症すると、就寝後15分ほどでレム睡眠が訪れる場合が多く、本来は脳を休息させるためのノンレム睡眠と、脳が覚醒するレム睡眠が同時に訪れることによって、睡眠と覚醒の中間に位置する寝ぼけた状態を引き起こし、睡眠障害を引き起こします。

睡眠ポリグラフ検査では、このノンレム睡眠とレム睡眠が訪れる回数を確認できるため、睡眠障害の有無やナルコレプシーの発症の有無を確認することができます。

反復睡眠潜時検査

反復睡眠潜時検査とは、日中に訪れる眠気の強さやレム睡眠が訪れる回数などを調べることで、ナルコレプシーの発症の有無を確認することができる検査方法で、基本的に睡眠ポリグラフ検査を行なった翌日に行ないます。

実際に反復睡眠潜時検査を行なう際には、1回あたり約20分ほどの睡眠ポリグラフ検査を1日数回、2時間間隔で行ないます。

HLA検査

ナルコレプシーを発症する方の全員が、数万通りもあるHLAと呼ばれるヒト白血球型抗原のうち、HLA-DR2という型を保有しています。

また、HLA-DQ1という型を保有している方もナルコレプシーの発症率が高いため、HLA検査によってHLA-DR2やHLA-DQ1の型を保有しているかどうかを確認することで、確定診断を下す際の重要な手助けとなります。

髄液オレキシン計測検査

髄液オレキシン計測検査とは、髄液中に含まれるオレキシンの濃度を計測する検査方法です。
オレキシンとは脳の視床下部から分泌され、睡眠と覚醒状態をコントロールする役割を担う神経伝達物質で、オレキシンを生成する神経細胞に何らかの障害が発生するとオレキシンの分泌量が減り、睡眠と覚醒状態を正常にコントロールできずナルコレプシーを発症します。

検査の際は、腰の骨に針を刺して髄液を採取し、採取した髄液中に含まれるオレキシンの量を測定します。

実際にナルコレプシーを発症した場合、髄液オレキシン計測検査によって、脳脊髄液中に含まれるオレキシン量の低下が約90%の方に確認できます。

ナルコレプシーの治療

ナルコレプシーの根本的な治療法はありません。
そのため、基本的には対症療法として薬物療法を行ないながら、生活習慣の改善に取り組むことになります。

薬物療法では、主にモダフィニルやぺモリン、メチルフェニデート塩酸塩などの精神刺激薬をはじめ、三環系抗うつ薬や睡眠薬を使用します。

モダフィニル

モダフィニルは、ナルコレプシーの薬物療法で使用する精神刺激薬の一種です。
モダフィニルは覚醒を促す作用に優れており、ぺモリンやメチルフェニデート塩酸塩など、ほかの精神刺激薬よりも依存性が低いため、ナルコレプシーの薬物療法において最初に使用されます。

モダフィニルは、すべてのナルコレプシー患者に使用されますが、心臓病や肝疾患、腎疾患、高血圧、うつ病、てんかん、躁病(そうびょう)、精神疾患を患っている方や高齢者の方には使用することができません。

また、モダフィニルは長期間にわたり服用を続ける必要があるほか、副作用として頭痛、頻脈(ひんみゃく)、唾液の分泌量減少によって口腔内が乾きやすくなる口渇(こうかつ)、食欲不振や胃腸の不快感といった消化器障害、ぐっすり眠れない、就寝中頻繁に目が覚めるといった睡眠障害を引き起こす場合があります。

ペモリン

ぺモリンは、ナルコレプシーの薬物療法で使用する精神刺激薬の一種です。
ぺモリンは脳神経を活性化させる作用に優れており、精神活動を高めることができることから、ナルコレプシーの薬物療法だけでなく、うつ病の薬物療法にも使用されます。

ぺモリンはモダフィニルによる改善効果が十分に得られない場合に使用しますが、高血圧や肝機能障害、腎機能障害が現れている方には慎重に投与する必要があり、不整脈(ふせいみゃく)や狭心症(きょうしんしょう)などの心疾患、重度の肝疾患、てんかん、緑内障(りょくないしょう)、不安症(ふあんしょう)、甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)などを患っている方や、興奮状態または緊張状態にある方に対しては、使用することができません。

ぺモリンは、長期にわたり服用を続ける必要がありますが、効果の持続力に優れているというメリットがあります。
しかし、依存性が高いというデメリットもあり、覚醒作用が強いため、夕刻以降の服用は控える必要があります。

また、ほかの薬と同じく副作用を起こすリスクがあり、唾液の分泌量減少によって口腔内が乾きやすくなる口渇、食欲不振や嘔吐(おうと)、悪心(おしん)、腹部の不快感といった消化器障害、脈拍や心拍の乱れ、めまい、息切れを引き起こす不整脈、頭痛、集中力低下、注意力低下などを引き起こす場合があります。

メチルフェニデート塩酸塩(精神刺激薬)

メチルフェニデート塩酸塩は、ナルコレプシーの薬物療法で使用する精神刺激薬の一種です。
メチルフェニデート塩酸塩は、脳神経を活性化させる作用に優れており、ハッキリした目覚めへと導くことができます。

メチルフェニデート塩酸塩は、モダフィニルによる改善効果が十分に得られない場合や、日中に激しい眠気が訪れることにより社会生活に支障をきたしている方、副作用のためにほかの薬物が使用できない方などに使用します。

ただし、心不全(しんふぜん)などの心疾患、高血圧、てんかん、脳卒中(のうそっちゅう)などの脳血管障害、精神疾患を患っている方や、アルコール中毒や薬物依存に陥ったことがある方には慎重に投与する必要があり、狭心症や不正脈などの心疾患、重度のうつ病、緑内障、甲状腺機能亢進症、運動性チック(うんどうせいちっく)、褐色細胞腫(かっしょくさいぼうしゅ)を患っている方や、極度の興奮状態や緊張状態にある方に対しては使用することができません。

また、メチルフェニデート塩酸塩は速効性と持続性に優れていますが、長期にわたり服用を続ける必要があるほか依存性が高く、覚醒作用が強いため、夕方以降の服用は控える必要があります。

さらに副作用として頭痛、唾液の分泌量減少によって口腔内が乾きやすくなる口渇、嘔吐や食欲不振、悪心、腹部の不快感といった消化器障害などを引き起こす場合があります。

三環系抗うつ薬

三環系抗うつ薬は、主にうつ病の薬物療法で使用する薬物で、ナルコレプシーの薬物療法においては、トフラニールやアナフラニールなどの三環系抗うつ薬を使用します。

三環系抗うつ薬は情動脱力発作や入眠時幻覚、睡眠麻痺などの症状が現れている方に対して使用しますが、妊娠の可能性がある方、妊娠している方、緑内障や尿閉(にょうへい)を引き起こしている方に対しては使用することができません。

三環系抗うつ薬は依存性が低いというメリットがありますが、効果が得られるまでに時間を要するうえに、長期にわたって服用し続ける必要があり、服用中は飲酒を控える必要もあります。

また、副作用として、唾液の分泌量減少によって口腔内が乾きやすくなる口渇や、腸の動きが鈍り便秘や肌荒れ、体の疲労感、肩こりなどを引き起こす場合があります。

睡眠薬

睡眠薬は、ナルコレプシーを発症したすべての方に使用されますが、妊娠している方や授乳している方は医師との相談が必要で、重度の肝機能障害や緑内障、重度の筋無力症(きんむりょくしょう)を患っている方に対しては使用することができません。

睡眠薬は睡眠障害の程度によって使用する期間が異なりますが、症状に合わせて使用することでモダフィニルの使用量を減らすことができます。

実際に使用する睡眠薬としては、ラメルテオン、トリアゾラム、ゾルピデムなどをあげることができ、就寝中に何度も起きてしまう、なかなか寝付けないといった睡眠障害を引き起こしている方に高い効果を発揮します。

ただし、副作用として、睡眠薬が常にないと不安になり眠れなくなるといった薬物依存や、中途半端に目が覚めて歩きまわり会話もしますが、そのあいだの記憶がない朦朧(もうろう)状態を引き起こす場合があります。

生活習慣の改善

ナルコレプシーは、薬物療法と同時に夜間の睡眠の質を向上させるために、生活習慣の改善に取り組みます。
まず睡眠記録表というものを使い、1日の睡眠状況や覚醒状況を記録します。

その後、睡眠記録表をもとに、医師が生活習慣の改善を指導します。
ナルコレプシーは、適切な治療をほどこすことで効果を得るまでに長期を要するものの、徐々に症状が改善されます。

ナルコレプシーを発症すると、100%の方に睡眠発作の症状が現れ、そのほかに情動脱力発作や入眠時幻覚、睡眠麻痺などの症状が現れますが、薬物療法や生活習慣を続けていくうちに情動脱力発作、入眠時幻覚、睡眠発作の順で消失していく場合が多いです。

日中の睡眠発作は、長期にわたり治療を続けることで緩和させることはできますが、完全に消失することは難しく、寛解と悪化を繰り返すことも少なくありません。

また、ナルコレプシーは医療機関で確定診断を受けるまでに数年を要する場合もあり、初期段階で気づきにくい病気でもあります。
しかし、日ごろから生活習慣に気をつけているにもかかわらず、日中に睡眠発作が現れる場合には、できるだけ早く医療機関で受診するようにしましょう。

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