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分離不安障害の特徴や症状、治療・予防などについて

公開日: : 精神・心の病

分離不安障害の原因・症状

わたしたちは生まれた時点で自立しているのではなく、はじめは母親や父親に依存しながら生活していきます。
そして、大人へと成長するにつれて、依存してきた母親などから分離・自立していきます。

乳幼児から学童期は最初の自立がはじまることが多いですが、依存対象との物理的・心理的分離によって不安を感じやすくなります。
このことを分離不安と呼び、これにどう対処していくかが重要となります。
うまく自立ができないと、依存対象者がいないだけで分離不安反応が生じて、身体的にも精神的にもさまざまな症状があらわれることになります。
そういった症状を総じて分離不安障害と呼びます。

分離不安自体は小児にはきわめてあたり前の感情で、依存対象はいずれ戻ってくるということがわかれば自然と不安は消えます。
保護者が子供の不安にきちんと理解を示して、あたたかい対応をすることがここでは重要とされています。
しかし、この時期に不安の克服がきちんとなされないことがあります。
そういった場合、子供によっては分離不安がいつまでも残ったり、再び不安がおそってきたりすることで、障害となってしまうことがあります。

分離不安障害が多くあらわれるのが幼児期から学童期前半ですが、子供が不安を直接的に訴えることは少ないとされています。
身体的に見られる症状としては、吐き気や頭痛、腹痛などの自律神経系のものがほとんどです。
さらに、過度な甘えやおもらし、おねしょや乱暴をするといった、問題行動が見られることもあります。
年齢が上がるにつれてあらわれにくくなりますが、無気力や抑うつ、怒りといった精神症状によって不登校に陥るケースもあります。

分離不安障害である子供は依存対象から引き離されると、過剰な苦痛を感じてしまいます。
そのため、対象から離れたくないと、泣いたり騒いだりすることがあります。
ここで親が不安そうなそぶりを見せると、子供にも伝わってしまうので対処には十分気をつけなければいけません。

分離不安障害の治療・予防方法

分離不安障害は親が子供の不安に理解を示し、きちんと受け止めるということを継続すれば、症状はあらわれなくなることがほとんどです。
治療としては、年少児には遊戯療法、年長児には認知行動療法などの精神療法が行われます。

また、家族療法や親に向けたカウンセリングなども、同時に進められていくこともあります。
不安が強く症状が悪化している場合は、抗不安剤などの処方が検討されます。
ただし、幼児に薬物の投与はできるだけ避けた方がいいので、まずはほかの方法が試されることが多いでしょう。

分離不安によるトラブル解消には、親子関係の見直しが必要となります。
親の心を落ち着かせて、家庭内の人間関係をよりよいものにかえていくことが分離不安障害の治療において大切なことだと言えます。

具体的な指導としては、子供と離ればなれになる際はできるだけ短く終わらせること、子供の抵抗に対してはなんでもないように受け流すといったことがアドバイスされます。
また、親以外の大人、つまり子供が幼稚園の先生や学校の先生などに愛着がもてるようにサポートすることも重要です。

分離不安障害は発症年齢が小学校に進学するタイミングよりも早くても遅くても、回復に時間を要すると言われています。
また、分離不安障害が悪化して不登校になってしまうと、事態は深刻となっていると見られるので、早急な治療が必要となります。
通学がしばらく困難だと判断されたら、少しずつ学校にいる時間を増やしていくといった段階的な方法が有効だとされています。

治療がうまくいったとしても、休日の後などにはまた症状があらわれてしまうことがあります。
できるだけ親と離ればなれになることに耐性をつけるためにも、休み中であっても一時的に離れるなど対応していくことが大切です。

また、家庭環境が子供に与える影響は無視できません。
常に家庭内の人間関係の平和を保ち、両親が穏やかに過ごすようにしましょう。
それが分離不安障害を予防する上で、大切なポイントとなります。

分離不安障害の検査・診断方法

分離不安障害と一言でいっても、その症状や程度は人によって大きく異なります。
分離不安障害の診断では、まずそれを明らかにしていくことからスタートします。
そういったことを確認するために、医師は親や子供を対象としてさまざまな角度から問診を行っていきます。

そして、あらわれている症状の確認をして、分離不安障害であるかどうかを判断していきます。
たとえば、両親など愛着をもつ人から離れなければいけなくなると過剰な苦痛を幾度も感じるか、愛着をもつ人物を失うことを過剰に恐れるか、何らかのアクシデントによってその人物から引き離されるのではという不安が常にあるか、といったことが基準となります。
そういった確認をひとつひとつしていき、当てはまる内容が多いようなら分離不安障害と診断されます。

分離不安障害の診断では、DSM-Ⅳ(アメリカ精神医学会)などの診断基準が採用されることもあります。
それから、身体的異常が見られるかどうかも、医師によって確認されます。
また、診断が正しいかどうか確認するために、新たに検査が行われる場合もあります。

両親が子供にどう対応しているのか、医師によって観察されることもあります。
子供が不安を感じているときに親はどう反応するのか、どんな対処をするのかを見ていきます。
そういった親の対処が分離不安障害にどんな影響を与えているのかを確認することで、今後の治療に役立てることができるからです。

分離不安障害の診断はそれほど難解なものではありません。
しかし、分離不安障害の場合は親子間でトラブルが生じにくいこともあるため、当事者たちが症状に気づかないといったことはよくあります。

分離不安障害を早い段階で発見するためにも、少しでも子供の態度に不安を感じたら、専門家に相談することが望ましいでしょう。
病院によっては診断の基準となるチェックリストをインターネット上に公開しているところもあるので、そういったものを利用するのもおすすめです。

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