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アルコール依存症の原因・症状・合併症・診断・治療のまとめ

公開日: : 精神・心の病


現代はストレス社会といわれていて、ほとんどの人が何かしらのストレスを感じながら生活しています。

ですがこのストレスを上手に発散することができている人は、残念ながらごく少数です。

アルコールの力によってストレスを発散しているという人も多いのですが、飲酒習慣が一定のラインを超えてしまうと、アルコール依存症というものになってしまいます。

このサイトでは普通の社会生活をすることもできなくなるほどにおそろしい面を持っているアルコール依存症についてよく理解し、予防と治療などについても紹介します。

アルコール依存症の原因

アルコール依存症の原因は、体質や環境によって人様々です。

必ずしも大量の飲酒を繰り返したからといって、皆がアルコール依存症になるわけではありません。

相対的には、アルコール依存症はだらしない性格の人が依存症になるのではなく、まじめな会社人間や主婦などが多いようです。

生真面目でストレスを貯め易い人が、ストレスのはけ口として飲酒を続ける傾向がある為だと言われています。

●社会人の場合、仕事・地域・家庭でのストレスやうつ症状
●女性の場合、出産、育児、嫁・姑問題、DVなど
●高齢者の場合、家族関係、孤独、目標喪失など

一度、飲酒にのめり込むと、どんどん飲酒量が増えていずれ、アルコール依存症になってしまいます。

本格的なアルコール依存症が発症するには、男性なら1日5合の日本酒を5年間飲み続けるのが目安となります。

女性だとそれよりも早く、1日3合の日本酒を3年間といわれています。

アルコール依存症の症状

アルコール依存症とは、自分の意思によって飲酒をコントロールすることができなくなるものです。

アルコールを摂取することによって精神的や肉体的な薬理作用があると感じているために、飲酒行動を繰り返してしまう精神疾患でもあります。

アルコール依存症となることには、習慣性飲酒が深く関係していると考えられています。

元から毎日お酒を飲んでいたわけではないという人が、何かをきっかけにして毎日飲むようになるということもあります。

すると次第にそれまで酔っていたアルコールの量でも酔うことができなくなっていき、酔うために飲酒量を増やしていきます。

これを耐性の形成といい、この流れに合致している人がすべてアルコール依存症であるというわけではないのですが、何かのきっかけで飲酒量が増えていくといつの間にか依存症に陥っているという危険もあります。

自分の意思で飲酒をコントロールすることができているうちは依存症ではないのですが、量が少なくても飲酒量を制御することができないのであれば、アルコール耐性が弱い体質ということになります。

断酒をすると禁断症状が現れる場合もあるため、そのため完全にお酒をやめることができないという人もいます。

身体にアルコールが残っていないと落ち着かない、社会的な問題を起こしてしまう、家族とのトラブルを起こすといったこともあります。

それがまたストレスになり、その精神的苦痛を和らげようとして飲酒を繰り返すケースもあります。

アルコール依存症の症状としておもなものには、体内にアルコールがある状態でなければ気が済まなくなる連続飲酒症状、アルコールの摂取を中断するとさまざまに生じ禁断症状ともいわれる離脱症状があります。

離脱症状には動悸や手指のふるえ、呼吸数の増加、発汗などの自律神経症状、強い焦燥感や落ち着きのなさ、怒りっぽくなるなどの情動障害、場所や時間がわからなくなるなどの意識混濁などがあり、その最終段階として幻覚症状も現れます。

幻覚症状としては幻聴として、意識がはっきりしているにもかかわらず、実際には存在しないはずの自分を呼ぶ声や自分について批判する人の声などが聞こえてきます。

また、そういった声のために殺される、狙われているなどといったように実際はあり得ないことを確信するなどの被害妄想や追跡妄想も現れます。

具体的にはカエルやネズミなど、小動物や虫の幻覚を見ることが多くなっています。

実際に経験した人が目にしたものはさまざまであり小さな虫が一面を這っているように見える、騎馬隊が迫ってくる、ラップ現象のように光が光る、背丈ほどの観葉植物が人に見えて動き出す、部屋の隅から小さな大名行列が出てくるなどといった例もあります。

アルコール幻覚症は急激に発症するものであり、大部分は数日から数週間のうちには消失するのですが、慢性的に続くこともあります。

幻覚症状があると不安や恐怖のあまり、自傷行為や他害行為などといった問題行動につながるケースもあるため、特に注意しなければなりません。

脳に起こる事

アルコールを大量に摂取すると身体にはさまざまな影響が出てくるようになり、脳も例外ではありません。

アルコール依存症の脳の症状としてよく聞かれるものが、認知症になりやすいということです。

これは、アルコールを大量に摂取することで脳全体の萎縮が進み無関心、倦怠感のほか日常生活において日付や場所がわからなくなるなどといった痴呆の症状が現れることも関係しています。

脳が萎縮する症状としてはほかにも、ウェルニッケ・コルサコフ症候群というものがあります。

急性症状をウェルニッケ脳症、慢性状態をコルサコフ症候群といいます。

この病気は、体内でチアミンというビタミンB1が不足することによって起こるものです。

チアミンが不足すると、軽度から重度の意識障害や眼球運動障害などが起こります。

また小脳のはたらきが悪くなり、手足を思うように動かすことができなくなる小脳失調も併発する場合があります。

そのまま放置すると、生命を落とすことにもなりかねません。

いずれも大量のアルコールを摂取することによって、チアミンの吸収が阻害されるために起こる症状です。

脳の前頭葉が萎縮すると判断力や思考力が低下するため頑固になる、疑い深くなるなどといったように性格まで変わってしまう場合もあります。

脳の記憶を司る海馬のはたらきが低下すると、記憶力がにぶり物忘れもひどくなります。

アルコール依存症の脳の症状によって、人間が生活していく上での重要な機能も破壊されてしまうことがあるのです。

診断基準

アルコール依存症の診断基準としてはおもに、世界保健機関が作成したICD-10の依存症候群が用いられています。

またアメリカ精神神経学会が作成したDSM-IV-TRも、アルコール依存症の診断基準としてよく使われています。

現在アルコール依存症の診断基準についてはともに、改訂作業が進められています。

過去の1年間にこれらの3項目以上が同時に1ヶ月以上続いたか、繰り返された場合に依存症であるとして診断されます。

ICD-10
・飲酒への強い欲望または強迫感:常にお酒を飲みたい、お酒が無いと不安
・飲酒のコントロール障害:今日はお酒を飲まない、1杯で止めるなどが守れない
・離脱症状:手の震えや発汗、動悸などが現れる
・耐性の証拠:酒量がエスカレートしていく
・飲酒中心の生活:家庭や仕事に支障が出ても飲酒優先
・支障があるにも係わらずアルコールを飲む:病気が酷くても飲まずにいれない

DSM-IV-TR
過去の12ヶ月にどこかのタイミングで、これらの3項目以上が出現した場合にアルコール依存症であると診断されます。
・飲酒コントロール障害:今日はお酒を飲まない、1杯で止めるなどが守れない
・飲酒コントロールの失敗:禁酒、節酒を決めたが守れなかった
・離脱症状:手の震えや発汗、動悸などが現れる
・耐性の証拠:酒量がエスカレートしていく
・飲酒中心の生活:家庭や仕事に支障が出ても飲酒優先
・飲酒時間の長期化:アルコールが抜ける間が無い
・支障があるにも係わらずアルコールを飲む:病気が酷くても飲まずにいれない

いずれも診断は基本的に医師により行われます。

その他には、新久里浜式アルコール症スクリーニング(新KAST)といったものもあります。

CAGEテストでは、4項目に自分が当てはまっているかどうかを見ます。

飲酒を減らそうと思ったことがある、飲酒を批判されて腹をたてたことがある、飲酒に罪悪感を持ったことがある、朝酒や迎え酒を飲んだことがあるといううちの2項目以上に当てはまれば、アルコール依存症であると判断されます。

新久里浜式スクリーニングではこまかく項目が分かれていて、普段の生活習慣からアルコール依存症であるかどうかを判断するもので、男性版と女性版に分かれているのが特徴です。

女性のアルコール依存症の現状

近年は、女性にアルコール依存症が増加してきていて問題になっています。

女性のアルコール依存症については女性ホルモン、体重、体内にある水分量などの関係もあって、男性よりも依存症になるまでの期間は短いということが判明しています。

女性ですと飲酒が習慣になってから、男性に比較しておよそ半分という期間でアルコール依存症になるのです。

飲酒にともなって生じる肝臓の障害も男性に比べて少量のお酒で、しかも短期間で症状が悪くなるとされています。

国民健康・栄養調査の結果によると飲酒習慣を持っている女性の数は、少しずつ減ってきています。

しかしながら週に1回以上の飲酒習慣があり、1日に3合以上を飲んでいる女性は、20代から50代の各世代でそれぞれ増加しているのです。

特に30代から40代にかけて、増加傾向が顕著になっています。

お酒が好きな女性が増えている背景のひとつとしてキッチンドリンカーが注目されていて、これは主婦が家事や育児の合間にお酒を飲んでクセになってしまうという現象です。

また、女性の飲酒についてひと昔前ほど陰湿なイメージはなくなってきていて、オープンにお酒を楽しむようになってきています。

子育て世代の主婦が集まって、食事を楽しみながらお酒で乾杯するといった光景も、珍しくなくなってきています。

仕事をしている女性も増えたことでストレスからお酒を飲む、お酒を通じたコミュニケーションをとるといったことも多くなっていて、アルコール依存症につながる要因は増えているのです。

高齢者のアルコール依存症の現状

社会の高齢化が進むにつれて、高齢者のアルコール依存症といった問題が深刻になってきています。

何十年も仕事を続けてきて、定年退職してからアルコール依存症で苦しむようになるというケースが増えているのです。

仕事をしているうちは仕事を中心とした生活のリズムがあるものの、時間が余ってしまう定年後の生活では何をして良いのかもわからなくなりがちです。

特に仕事一筋だったという男性ですと、地域とうまくかかわりを持つことができないことも多く、そこで孤立してしまうこともあります。

そしてこれといった趣味もないということになると、アルコールに溺れてしまうことも多いのです。

アルコール依存症になると、自分ではお酒の量をコントロールすることができなくなってしまいます。

アルコールがなくなることで気持ちがいらだち、手足は震えるなどの離脱症状が起こってしまうためにまた飲んでしまうという人も少なくありません。

高齢者のアルコール依存症については、体力が落ちているために離脱症状が治まりにくいという傾向もあります。

足腰も不安定になっているため倒れやすくなり、認知症や肝臓疾患などといった疾患を併発する危険も高くなります。

高齢者のアルコール依存症を予防するためには、仕事をしているうちから趣味を持っておくほか職場以外の人間関係を築いておくことも効果的です。

退職後の第二の人生までを考えておくことが、大切であるのです。

今や高齢者のアルコール依存症は、介護の現場においても深刻な問題になっています。

うつ病の関係

アルコール依存症とうつ病の関係は深く、アルコール依存症の3人に1人はうつ病でもあるとされています。

うつ病である患者さんのうちアルコール依存症を併発している人も、50%から60%になっているとされています。

うつ病の人は悩みを抱えていて、抑うつ気分や不眠症を解消するためにアルコールを飲む傾向があります。

飲む量が増えると日常的に飲むようになりますが、アルコールは気持ちを昂ぶらせるだけでなく、落ち込ませることにもなります。

うつ病の兆候がある人がお酒を飲むことで、うつの症状を悪化させるという悪循環にもなるのです。

アルコール依存症である人が大量に飲酒をすることで、抑うつ気分を強めているケースもあります。

アルコールに依存している人は周囲との人間関係が破綻するなど、社会においても難しい状況に陥ることがあります。

そのような状況から、うつ病を発症することになります。

アルコール依存症とうつ病はお互いが誘発し合い、症状が悪化すると自殺のリスクも高まります。

それぞれ単独でも自殺のリスクは高い病気ですが、併発することでさらにリスクが高くなるのです。

飲酒は絶望感や孤独感などを増強するほか、自分に対しても攻撃的になります。

お酒を飲むことで、死にたい気持ちを行動に移すきっかけをつくることにもなってしまいます。

アルコール依存症とうつ病を併発した場合には断酒が必要であり、お酒をやめることは簡単ではありませんがうつ症状にもアルコールが影響しているため、うつ状態の改善につながります。

アルコール依存症の合併症

アルコール依存症は、最後は死に至る病ですが、それまでには身体の各部位の疾患を招きます。

一般には、内臓疾患を思われるでしょうが、脳の萎縮や精神的疾患も大きくでてきます。

●精神疾患面:記憶障害・幻聴・妄想・錯乱・アルコール依存症意識障害など
●脳への疾患:脳の萎縮・末梢神経炎・前頭葉機能障害・アルコール痴呆など
●内臓疾患:脂肪肝・肝炎・肝硬変・胃潰瘍・膵炎・腹水・心筋症など
●がん:食道がん・肝臓がん・大腸がんなど

そして、これも合併症といえるか解りませんが、アルコール依存症は、社会的地位・財産・家庭などすべてを失い、あなたの人生だけでなく、大切な家族の人生までも破壊してしまう恐ろしい病気なのです。

「もしや」と思った時はまず保健所へ

現在の日本国内に、アルコール依存症を発症している人は推定で230万人程度がいます。

この数字から見ると、お酒を飲んでいる人のおよそ26人に1人がアルコール依存症であるということになります。

特に女性は体格や女性ホルモンの関係もあって、男性に比べると少量の飲酒でもアルコール依存症になってしまう危険が高くなっています。

アルコール依存症の治療は入院治療が中心になっていますが、いきなり病院へ行く前に、自分が本当にアルコールへ依存しているのかどうかを判断してもらう必要もあります。

アルコール依存症の相談先としてもっとも身近にあり、足を運びやすい場所は各地の保健所です。

多くの保健所で、お酒の害に関する相談を無料で実施しています。

また都道府県単位、政令指定都市にも設置されている精神保健福祉センターでも精神障害者の福祉増進を図るといった目的でアルコールや薬物、ギャンブルへの依存に関して無料で相談することができます。

また、依存に苦しむ人やその家族、関係者を支援する団体もあり、依存症の症状だけでなくそれを取り巻く家族問題についても相談に応じています。

アルコール依存症であると判断された場合には、専門の治療施設が紹介されるサービスもあります。

アルコール依存症は決して、1人で克服することのできるものではありません。

家族や専門機関による力も必要ですから1人で問題を抱え込まず、まずは第一歩としてアルコール依存症の相談先をしっかり見つけることが大切です。

患者を持つ家族にとって強い味方

自助グループとは、何かしらの困難や問題に対して同じ悩みを持っている人同士が集まり、お互いに助け合っていくためのグループです。

その問題の専門家に運営を委ねるのではなく、自分たちで独立して活動するというところが特徴です。

自助グループは、アルコール依存症の自助グループに端を発しています。

アルコール依存症の自助グループである「AA」が生まれたのは、1935年6月10日でした。

有能な証券アナリストが大恐慌の中ですべて失い、若い頃から続いていた飲酒でぼろぼろの状態になっていました。

その後彼は入退院を繰り返しながら、最終的にはお酒を断つことができたのです。

その半年後に仕事がうまくいかず、週末を田舎で過ごさなければいけないことになったため、ここでまたお酒を飲みたいという欲求に駆られます。

それを救ったのは、主治医が自分の体験を断酒に苦しんでいるほかの人へ返してはどうかと提案した言葉でした。

そこで同じように断酒で苦しむ仲間を見つけ、自分自身の体験を語ったのです。

そして他人に自分の体験を語ることによって、もう一度酒浸りの生活に陥る危機から脱することができたのです。

それと同時に、話を聞いた相手もお酒を断つことに成功しました。

すべてのはじまりは、2人の出会いからです。

その後のAAには、いろいろな危機がありながらも全世界へと広がっていきました。

そして、着実にアルコール依存症から回復する人が生まれていっています。

共依存からの脱却

共依存関係は、お互いがお互いに依存し合って自立することのできない状態です。

アルコール依存症と共依存関係は特に夫婦関係で見られ、アルコール依存症の旦那さんに対して世話をする奥さんという関係が目立ちます。

旦那さんは奥さんに多くの迷惑をかけているのですが、奥さんは旦那さんを世話することに自分の価値を見出しているという状態です。

問題を起こす人とその人を支える人という関係については、問題を起こす人は誰かに解決してもらうことで自分の世話をしてもらおうとします。

その人を支える人は、問題を解決することで自分の価値を得ようとします。

アルコール依存症に巻き込まれたかたちとなる奥さんは、被害者でもありますがある意味では共犯者としても必要とされています。

自分の価値を見出すためにそのような相手が必要であるというということで、自己喪失の状態であるともいうことができます。

共依存の関係はアルコール依存症から回復する機会を失うだけでなく、共依存に巻き込まれている人にまでもストレスや精神的な異常などを引き起こしてしまいます。

アルコール依存症の共依存関係から抜け出すには、旦那さんが自分の問題として責任を持って解決し、自立する必要があります。

ですが解決してくれる奥さんがいると自分で解決する必要性に迫られないため、問題を解決する側の奥さんも旦那さんから離れる必要があります。

援助されないことには見捨てられた気持ちを抱くことにもなりますが、自分の人生は自分で切り拓いていくしかないと気づくことが、共依存からの脱却につながります。

自分自身の置かれている状況を受け入れることが、大切です。

家族の対応

アルコール依存症は、本人だけの問題ではありません。

一緒に暮らしている家族も無関係でいることはできませんから、家族全体がその影響を受けることになります。

アルコール依存症から立ち直るためには本人がアルコールを断つことはもちろん、家族もその回復に協力することが必要です。

アルコール依存症になった本人を責めてしまう家族は多いのですが、責められた人はかえって、飲酒に走る傾向があります。

ですが、いつも家族が失敗したことの尻拭いをしていると、本人は自分の飲酒に問題があると気づきません。

本人を治療へ向かわせるためにはまず、本人が自分で飲酒は悪いことであると認識しなければなりません。

アルコール依存症の家族を支援するにあたってはまず、アルコール依存症を治す専門医療機関を受診するようすすめることが必要です。

家族会や断酒会というものがあり、同じような悩みを持っている家族も多くいますから、参加して相談に乗ってもらうことです。

どうしても家族は社会から取り残されてしまいがちですから、家族会や断酒会などにも積極的に参加し、自分たちのあり方などを学ぶことも必要です。

そして、断酒することがができれば問題はなくなるというわけでもありません。

1週間から1ヶ月、1年といったようにお酒を飲まない期間が続いていたとしても、その間に少しでも飲酒してしまえば依存症が簡単にぶり返してしまい、そこに治療の難しさがあります。

だからこそ、家族の支えは必要不可欠なのです、もしアルコール依存症によって崩れてしまった家族関係ならば、ぜひ修復し、家族としてお互いに理解し合い、家族としての絆をもう一度強くして下さい。

本人にとっても家族にとっても幸せな毎日が戻ってくるよう、お互いを大切にすることが不可欠です。

一緒に暮らしている家族も無関係でいることはできませんから、家族全体がその影響を受けることになります。

アルコール依存症から立ち直るためには本人がアルコールを断つことはもちろん、家族もその回復に協力することが必要です。

アルコール依存症になった本人を責めてしまう家族は多いのですが、責められた人はかえって、飲酒に走る傾向があります。

ですが、いつも家族が失敗したことの尻拭いをしていると、本人は自分の飲酒に問題があると気づきません。

アルコール依存症の家族を支援するにあたってはまず、アルコール依存症を治す専門の病院を受診するようすすめることが必要です。

断酒会というものがあり、同じような悩みを持っている家族も多くいますから、参加して相談に乗ってもらうことです。

本人だけでなく、家族もアルコール依存症について勉強することが求められます。

そして、断酒することがができれば問題はなくなるというわけでもありません。

アルコール依存症によって受けた被害を忘れず、本人に対して嫌悪感が残ったままですと、また本人がアルコール依存症へ戻ってしまうことにもなります。

アルコール依存症によって崩れてしまった家族関係は、修復する必要があるのです。

家族としてお互いに理解し合い、家族としての絆をもう一度強くしなければなりません。

本人にとっても家族にとっても幸せな毎日が戻ってくるよう、お互いを大切にすることが不可欠です。

アルコール依存症の治療

アルコール依存症の治療方針としては、多くの場合で入院治療が選択されます。

毎日の日常生活ですと、お酒は身近にあるものです。

そこで入院すれば24時間にわたってしっかりした治療を受けることができますし、専門医が身近にいますから安心感もあります。

実際の治療は導入期、解毒期、リハビリテーション期というステップに分けられます。

導入期ではまずアルコール依存症が病気であるということを認識し、医師や家族らからのはたらきかけによって意欲を持って治療へ取り組んでいくための動機づけなどが行われます。

次に解毒期では、実際に断酒を開始します。

治療に対する動機づけをさらに強化するとともに離脱症状や臓器障害、合併精神疾患といった診断や治療を進めていきます。

離脱症状が3週間程度で治まっていき、体調が落ち着いてくると断酒していくための精神療法も始まります。

そして心身ともに健康がある程度回復した段階までなると次の段階としてリハビリテーションが開始されます。

飲酒に対する考えや行動を基本から見直すために精神療法が行われ、創作活動やレクリエーション活動を中心とした集団活動プログラムに参加するなどして、退院してからの日常生活を送るために訓練を積んでいきます。

退院すれば終わりというわけではなく、アルコール依存症は再発の危険も常にともなうものです。

退院後のアフターケアとしても家族らによる協力のもとで定期的な通院、抗酒薬の服用、断酒会やアルコール匿名会などといった自助グループへの参加を継続していくことが重要です。

作業療法

アルコール依存症の作業療法は、アルコール依存症からのリハビリとして行われています。

作業療法という名前はつけられていますが、特に何かしらの決まったことをするというものではありません。

また作業療法をすることで、完全にアルコール依存症が治るというものでもありません。

ですが作業療法をしている間は、アルコールのことを忘れて作業に没頭することができます。

まさにアルコールのことは忘れて何かをしているということが、アルコール依存症の作業療法の目的です。

作業療法は病院などで実施されていて、定期的に参加している人が多くなっています。

決まったことがあるわけではありませんから、自分の得意としていることで時間を過ごします。

絵を描く人もいれば楽器を演奏する、何かを作るといった人もいます。

または、話をすることで時間を過ごす人もいます。

ビデオ鑑賞やカラオケ、炊事遠足などといった行事が行われることもあります。

好きなことに没頭している間はアルコールのことを考えることもありませんから、アルコールに手をのばそうという気持ちにはなりません。

アルコールに対する意識が薄れますから、作業療法は非常に効果的です。

それとともに手を使う仕事ですから、脳の機能低下も防ぐことができます。

頭と手を使うことでストレスも解消されますから、アルコールをやめたストレスがなくなります。

こういった作業療法は、古くから多くの医療機関で取り入れられています。

入院治療

お酒は健康増進の効果もあるものですし、コミュニケーションをとる手段のひとつでもあります。

自分の体調やアルコールに対する耐性を自覚して節度のある飲み方をすれば問題はないのですが、朝からずっとお酒を飲み絶えずアルコールを欲しがるなど、自分でアルコールの量をコントロールすることができなくなるとアルコール依存症になってしまいます。

放置していると重症化し、最悪は死に至る危険もあるおそろしい病気です。

また家庭内暴力や子どもへの虐待、離婚、職場放棄、事故や犯罪の引き金にもなってしまいます。

このような状態へ至る前に、必要があればアルコール依存症の入院治療を受けなければなりません。

アルコール依存症に完治ということはないのですが、入院治療を受けてリハビリが重ねられれば十分に回復する病気です。

アルコールを絶つことによって、心身に現れていたさまざまな障害や体調不良なども改善します。

アルコール依存症で入院治療が行われるいちばんの目的は、断酒です。

アルコールがない生活のリズムをつくることによって、血中にアルコールのない状態が正常であるということを身体も覚えていきます。

お酒をやめることで体調は良くなる、気分が良い、生きる気力ややる気が出てきたなどといったように、身体にとって良いことを認識させるのです。

また、入院することで家族の精神的な負担が和らげられることにもなり、破たんしていた家族関係が修復されるという例もあります。

アルコール依存症の入院治療には保険が適用されますから、3割の費用負担で治療を受けることが可能です。

症状にもよりますが入院期間は3ヶ月程度であり、それからは通院治療となります。

投薬治療

アルコール依存症に用いられる薬については、さまざまな種類があります。

アルコール依存症から離脱しようとするときに意識障害が見られる場合は、抗不安薬や抗精神病薬が使用されます。

離脱にあたって、実際には存在していない小さな虫が這いまわっているように見えたとすると、それは幻覚症状です。

抗精神病薬の種類としてはハロペリドール、リスペリドンなどがあります。

薬を飲み続けることで、幻覚症状や離脱症状は抑えることができます。

幻覚症状などがなければ、こういった薬を用いることはありません。

また、アルコール依存症の再発を防ぐために用いられるものが抗酒薬です。

抗酒薬の種類としてはシアナマイド、ノックビンなどがあります。

アルコールを摂取するとアセトアルデヒドを発生するのですが、抗酒薬を飲んでいるとアセトアルデヒドを分解することができません。

その結果として頭痛や吐き気、動悸などといった不快な症状が身体に現れるため、抗酒薬は身体が飲酒を拒否するようにする目的で使用するのです。

ですからアルコール依存症を改善する薬というよりも、再発を防ぐための薬という位置づけです。

アルコール依存症は非常に再発しやすいものであるため、薬は継続して飲み続けなければ、不快な思いをしたことも忘れてまたお酒に溺れてしまいます。

実際に薬を渡されても飲まないでお酒を飲んでしまう人がいますし、そういった人はアルコール依存症を再発しています。

薬を飲み続けてこそ、アルコールから離れることができるのです。

再発防止のポイント

アルコール依存症という病気のおそろしいところは、1ヶ月や2ヶ月で完治させることができないという点です。

断酒を1週間も続けることができれば、身体の調子が良くなってきます。

倦怠感もなくなり食事が進むようになり、夜も安眠することができるようになります。

変化がもっとも顕著に現れるのは精神的な面であり、表情が明るく変わって他人とのコミュニケーションも円滑になっていきます。

しかしながらこのような時期にお酒をわずかにでも飲んでしまうと、依存症に陥っていたときの症状は一瞬にして戻ってきてしまうのです。

アルコール依存症の再発は、簡単に起こってしまいます。

再発を防止するためには、「HALT」に気をつけることが良いとされています。

ひとつめの空腹(Hunger)は食事もとらずにお酒でエネルギーを補給していたため、空腹であるときにアルコールを求めてしまうということです。

空腹となったときに口へ入れることのできるものを常備しておき、空腹は避けるようにします。

ふたつめの怒り(Anger)は、ストレスが怒りにつながり飲酒へ結びつくということです。

怒りの感情は否定せず、まわりの人へ話すことで発散するようにします。

みっつめの孤独(Loneliness)は、怒りと同じように孤独感が募ることからお酒に走ってしまうということであり、コミュニケーションの不足も起因しています。

同じ悩みがある仲間を見つけることで、相互理解によって充実感が得られれば飲酒衝動も抑えられます。

そして疲労(Tiredness)が再発のきっかけになることも多く、疲れたからお酒を飲むということです。

スポーツや温泉など疲れを癒す方法を見つけ、ストレスがなくなることで再発の防止につながります。

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