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白血病の原因・症状・治療・分類などのまとめ

公開日: : 最終更新日:2016/03/01 血液・骨髄の病気

「白血病=不治の病」というのは、今や昔の話。
医学が進歩し、早期に発見できる検査方法や有効な治療法が開発された現代では、白血病は治癒が期待できる病気の一つとされています。
一口に白血病と言ってもいくつか種類があり、進行速度や症状は様々です。
白血病とはどのような病気なのか、どんな症状が出たら白血病を疑うべきなのか。
白血病の原因や種類、症状、検査、治療法など、白血病の知識を分かりやすくご紹介していきます。

白血病とは…

白血病とは「血液のガン」、細かく言えば「血球のガン」です。
血液は、全身の細胞に酸素を運ぶ赤血球、細菌やウィルスと戦う白血球、血管壁に張り付いて止血する血小板といった血球成分と、これらが浮遊している液状の血しょう成分から構成されており、血球は骨の中にある骨髄で作られています。

骨髄内には血球の基となる血液細胞(造血幹細胞)があり、この細胞が遺伝子変異を起こすと、完成前の未熟な白血球が増加し、正常な血球が作られなくなります。
白血球が増殖した血球はそのまま血液中に放出され、異常な血球が混ざった血液は正常に機能できなくなって全身に様々な障害が起こります。
本来のガンは各臓器に発生したガン細胞が臓器の正常な機能を阻害するのに対し、白血病は血液細胞が血球へと変わっていく過程でガン化することにより血液の正常な機能を妨げます。
つまり白血病は、血球がガン細胞のような働きをしてしまう病気なのです。
通常、血液中に含まれる血球の99%は赤血球が占めているため血液は赤い色をしていますが、白血球が多くなると白っぽく見えるようになります。
このことから、白血病という病名がつけられました。
正常な血液細胞は常に分裂を繰り返しており、過剰にならないように自然と死んでいく仕組みになっています。
これを計画細胞死と言うのですが、ガン化した血液細胞には計画細胞死が起こらず、どんどん増殖していきます。
昔は十分な治療法がなかったため、ガン化した細胞が増え続けてやがて死に至る「不治の病」と恐れられていましたが、医学が進歩した現代における白血病は、きちんと治療すれば治せない病気ではありません。

急性白血病とは

白血病には全部で4つの種類があり、病状の進行速度から見た場合「急性」と「慢性」に大きく分けることができます。
急性と慢性の違いを簡単に言うと、細胞が成長しているか、していないか。
血液細胞が、まだ成長しきれていない未熟な細胞からなっているのが急性白血病です。
細胞が未熟であればあるほど、ガン化した血液細胞は急速に増殖していきます。
そのため、急性白血病は症状が激しく現れる上に、進行するのも速く、治療せずに放っていると発病後、数週間から数ヶ月で死に至る可能性があります。
発病当初は進行が緩やかな慢性白血病だったものが急に悪化し、途中から急性白血病のように進行が速くなる「急性転化」が起こることがありますが、この場合は急性白血病に該当しません。
急性白血病は初めから急速に病状が進行していくもので、その後も自然に進行速度が変わることはありません。
急性と慢性を比べると急性白血病患者の方が圧倒的に多く、全体の8割を占めています。
急性白血病は、ガン化した血液細胞のタイプによってさらに「骨髄性」と「リンパ性」に分類されており、それぞれに異なる特徴がありますが、症状の現れ方や治療法は基本的に同じです。
進行が極めて速い急性白血病と診断されたら一刻も早く治療を行う必要があります。
その時にまず行われるのが、ガン化して増殖した血液細胞を薬によって死滅させる化学療法です。
ただし、白血病に伴って感染症などを引き起こしている場合はそちらの治療を優先し、ある程度まで病状が改善してから行います。

慢性白血病とは

慢性白血病は、場合によっては1日単位で進行する急性白血病とは反対に、年単位でゆっくりと進行していきます。
急性白血病の場合、未治療だと数週間から数ヶ月で死に至る危険性がありますが、慢性白血病は治療を受けていなくても数年間生存できることがあります。
また、急性白血病は血液細胞が未熟な細胞からなっているのに対し、慢性白血病は成熟した細胞からなっており、症状の現れ方も穏やかです。
その他、急性との決定的な違いは、血液細胞がガン化しながらもある程度は血球(赤血球・白血球・血小板)が働くことができる点です。
そのため、発病しても血液の機能が完全に失われたりはしません。
初期の段階では自覚症状もほとんどなく、健康診断などの血液検査でたまたま発覚するケースが多々あります。
しかし、末期にまでなると病状は急速に悪化していきます。
慢性白血病は急性と同じく、ガン化した細胞のタイプによって「骨髄性」と「リンパ性」の2種類があり、慢性骨髄性白血病は病期によってさらに「慢性期」「移行期」「急性期」の3つに分類されます。
移行期から急性期へと移り、末期に入っていくことを「急性転化」と言い、急性転化した後は急性白血病と同様に進行が急激に速くなります。
急性転化すると半年以内で死に至るケースが多くなり、急性白血病よりも手に負えない状態となってしまいます。
通常の慢性白血病の主な治療法は、急性白血病と同じくガン化した血液細胞を薬で死滅させる化学療法などが行われますが、慢性骨髄性白血病の場合は急性転化を防ぐための治療が重点的に行われます。

白血病の原因

白血病は、血液中に含まれる血球の基となる造血幹細胞という血液細胞がガン化することによって血液が正常に機能しなくなる病気です。
そもそも何が血液細胞をガン化させるのか、白血病の根本原因については未だ明確には分かっていませんが、現時点では、胃ガンや肺ガンなどと同様に複数の遺伝子異常が原因で発症すると考えられています。
ガンを引き起こすガン細胞は、遺伝子が傷ついて異常を起こすことで計画細胞死(不要な細胞が死んでいく仕組み)が正常に起こらなくなった細胞です。
これと同じように、血液細胞の遺伝子も傷がつくと計画細胞死が起こらなくなり、細胞が増殖し続ける白血病を発症します。
遺伝子異常による血液の病気には、ファンコニー貧血、ダウン症候群、ブルーム症候群などがあり、いずれも白血病を発症するリスクが高くなります。
ただ、これらは生まれつき遺伝子に異常がある先天性の病気であるのに対し、白血病は後天性の病気で、親から遺伝することはありません。
後天的に遺伝子異常が起こる原因としては、放射線、化学物質、薬剤(抗ガン剤)、ウィルス(HTLV-ⅠやEBウイルスなど)が挙げられます。
身近なもので言うと、タバコに含まれる発ガン物質です。
タバコの煙を吸い込むと、口内の粘膜や胃腸から入り込んだ発ガン物質が骨髄へと運ばれていき、その中に存在する血液細胞の遺伝子を傷つけてしまいます。
また、放射線や抗ガン剤も血液細胞の遺伝子に影響するため、ガンなどの治療を受けた後に白血病を発症することがあります。
ちなみに、放射線治療や抗ガン剤治療によって引き起こされた白血病を「二次性白血病」と言います。

白血病の症状

白血病を発症すると、ガン化した血液細胞が増加することによって赤血球、白血球、血小板といった正常な血球が減少します。
それに伴う症状は急性と慢性で異なり、さらに慢性の場合は骨髄性とリンパ性でも少し違いがあります。

急性白血病

主な症状は、全身に酸素を運ぶ赤血球が減少することによって起こる顔面蒼白、全身の倦怠感、動悸、息切れなどの貧血症状。
細菌やウィルスと戦う白血球が減少することによって起こる発熱、のどの痛み、せき、下痢などの感染症状。
血管の壁に張り付く血小板が減少することによって起こる紫斑(内出血)、鼻血、歯肉出血などの出血症状。
また、ガン化した細胞が骨髄内で増殖することによって骨や関節の痛み、その細胞が血管の外へ出ることによって肝脾腫(肝臓と脾臓の腫脹)、リンパ節腫脹、歯肉腫脹、腫瘤(ガン化した細胞の塊り)の形成、脳や脊髄の中まで浸潤することによって頭痛や吐き気が現れることもあります。
ちなみに紫斑、いわゆるアザが白血病の症状であるかを見分けるポイントは、ぶつけた時にできるアザは自然と消えていくのに対し、白血病によるアザはなかなか消えず、他の部位に広がることがあります。

慢性白血病

慢性白血病は進行が遅いため、初期(慢性期)における自覚症状はほとんどなく、現れても疲労感や体重減少といった軽度で不特定な症状です。
病状が進行していくと、肝脾腫やリンパ節腫脹、腹部膨満などが現れます。
慢性リンパ性白血病の場合は、これらの症状に加え免疫力が低下することによって細菌やウィルスの影響を受けやすくなり、溶血性貧血などの自己免疫性疾患を合併することがあります。

白血病の検査と検診

白血病の検査方法には、血液を調べる「血液検査」、骨髄を調べる「骨髄検査」、血液細胞の染色体を調べる「染色体検査」、血液細胞の遺伝子を調べる「遺伝子検査」、肝脾腫やリンパ節腫脹の有無を調べる「CT検査」などがあります。
白血病であるかを診断する際には、自覚症状などの問診、リンパ節や腹部の触診、胸部の聴診といった一般診察から始まり、主に血液検査と骨髄検査が行われます。

血液検査

一般診察で白血病が疑われたら、まずは血液を採取し、顕微鏡で観察します。
調べる内容は、ガン化した血液細胞の有無、血球(赤血球・白血球・血小板)の数など。
白血病は未熟な白血球が増殖する病気であるため、白血球の数が基準値より多く、赤血球や血小板が少なければ白血病の可能性が高いと診断されます。
しかし中には、白血球が増加せず、むしろ減少していたり、血球が少ないにもかかわらず、ガン化した細胞が見つからないケースもあります。
そういった場合は、骨髄検査でさらに詳しく調べます。

骨髄検査・骨髄穿刺

血球が作られている骨髄に針を刺して骨髄液(骨髄内の血液)を採取し、その中に含まれる血液細胞を顕微鏡で観察する検査です。
針を刺す箇所は、胸部の中心にある胸骨、もしくは腰にある腸骨。
調べる内容は、白血球の成熟度、ガン化した血液細胞の有無や数など。
未熟な白血球の数が多ければ白血病と診断されます。

骨髄生検

腸骨の中の骨髄に針を刺して骨髄組織を採取し、薄く切った組織片を顕微鏡で観察する検査です。
必須検査ではなく、必要に応じて行われます。
骨髄の組織ごと見るので、骨髄穿刺よりも詳しく正確に調べることができます。

白血病の治療

白血病の治療法は大きく分けて、化学療法、放射線療法、移植療法があります。

化学療法

寛解導入療法

強力な抗ガン剤を投与し、ガン化した血液細胞を減少させる治療法。
急性白血病では、感染症などを起こしている場合を除き、一番初めに行われます。
完全寛解(完治ではないが、ガン化した細胞がなくなること)を目的としており、これによって、ほとんどの患者は症状が治まります。
ただし、抗ガン剤は正常な細胞にも影響を及ぼすため、吐き気や嘔吐、下痢、脱毛などの副作用が現れたり、患者によっては白血病の症状が悪化することもあります。

地固め療法

第一段階である寛解導入療法で寛解が得られた後、それを確実なものにする(さらに減少させる)ために第二段階として行われる治療法。
地固め療法でも強力な抗ガン剤を使用するため、寛解導入療法と同様の副作用が現れる可能性があります。

維持療法(支持療法、強化療法)

寛解導入療法や地固め療法をサポートするために行う治療法。
寛解の状態維持、再発防止、副作用や症状悪化を抑える薬が投与されます。

放射線療法

放射線を照射し、ガン化した血液細胞を死滅させる治療法。
通常は急性白血病において、ガン化した細胞が脳や脊髄へ浸潤した際に化学療法と併せて行われます。

移植療法

骨髄移植(造血幹細胞移植)

正常な血液細胞が含まれる骨髄を移植する治療法。
年齢が若く、体力がなければ行うことができません。
化学療法や放射線療法の後、ドナーの骨髄を受け入れやすくするために免疫抑制剤を使用してから行われます。
完治が期待できる反面、感染症や合併症のリスクを伴います。

ミニ移植

前処置として行う化学療法や放射線療法の量を少なくする移植療法。
体力のない高齢の患者も行うことができます。

骨髄移植と白血病

骨髄移植とは、正常な骨髄を移植すること。
「骨髄移植」「末梢血幹細胞移植」「臍帯血幹細胞移植」をまとめて造血幹細胞移植と言い、一般的に造血幹細胞移植といえば骨髄移植を指します。
骨髄は骨の中にあり、その中に存在する造血幹細胞から血液の成分を作り出す組織です。
白血病の治療で行う化学療法や放射線療法は、強力な抗ガン剤や放射線を大量に投与・照射することでガン化した造血幹細胞を攻撃し、死滅させることができますが、強力な分、正常な造血幹細胞まで攻撃してしまうため血液を作ることができなくなり、全身に様々な障害を引き起こします。
そこで、正常な造血幹細胞が含まれた骨髄を移植すれば再び血液を作り出せるようになります。
つまり骨髄移植は、正常な造血幹細胞とガン化した造血幹細胞を入れ替えることによって白血病を治すだけでなく、化学療法や放射線療法の後に起こる障害も治療するという2つの目的があるのです。
骨髄移植は、誰の骨髄(造血幹細胞)を移植するかによってさらに2つの方法に分類されます。

自家造血幹細胞移植

事前に患者自身の正常な造血幹細胞を採取・保存しておき、化学療法や放射線療法を行った後に移植する方法。
元々あった細胞を戻す形になるので拒絶反応を起こす心配はありませんが、ガン化した細胞が混入していた場合、白血病が再発する可能性があります。

同種造血幹細胞移植

他の人の造血幹細胞を移植する方法。
提供者(ドナー)と患者の白血球の型(HLA)が一致していることが条件です。
白血病が完治する可能性の高い「フル移植」と移植に伴う合併症などのリスクが少ない「ミニ移植」があります。

小児白血病とは

小児白血病とは、主に2~6歳の子どもに見られる白血病のこと。
子どもが発症する小児ガンの中で最も多く、全体の約40%を占めています。
成人の白血病と同様に、病状の進行速度によって「急性」と「慢性」、さらに、ガン化した細胞のタイプによって「骨髄性」と「リンパ性」がありますが、子どもの場合は急性リンパ性白血病がほとんどです。

原因

成人の白血病と同じく、放射線、化学物質、薬剤、ウィルスなどによる遺伝子異常が原因と考えられています。

症状

初期症状は発熱や下痢など、子どもには珍しくない風邪などと似ていますが、次第に貧血症状が出たり、手足の痛み(骨の痛み)などを訴えるようになります。
発熱を頻繁に繰り返す、鼻血をよく出す、アザが消えない、リンパ節や腹部が腫れるといった症状が見られたら、小児白血病の可能性があります。

検査

成人と同じく、主に血液検査と骨髄検査が行われます。
子どもの骨は柔らかいので、骨髄穿刺による負担は成人に比べて少なくなります。

治療

抗ガン剤を使った化学療法が主となります。
小児の急性リンパ性白血病の治癒率は約80%と高く、成人の白血病よりも予後が良いとされていますが、1歳未満の乳児と10歳以上の子どもの場合は治癒率が下がります。

晩期障害

小児白血病は、発症中よりも治療後に注意しなければいけません。
体の成長途中に白血病を発症し、治療を行うことによって成長障害、神経障害、心機能障害、免疫機能障害などを起こす恐れがあるからです。
これらの晩期障害は必ず出るわけではありませんが、万一、出た場合は早急に対処できるように、治療後も長期的に経過を見る必要があります。

成人T細胞白血病とは

成人T細胞白血病(ATL)とは、ヒトT細胞白血病ウィルスⅠ型(HTLV-Ⅰ)という腫瘍ウィルスの感染が原因となって発症する悪性リンパ腫の一種。
成人T細胞白血病リンパ腫(ATLL)とも呼ばれており、大半が白血病化することから、病名に「白血病」と付けられています。
「成人」と付く理由は、ウィルスの潜伏期間が数十年あるため幼少期に感染しても、症状が出るのは成人期以降だからです。
HTLV-Ⅰキャリア(体内にウィルスを持っている人)は日本で約120万人、世界で約1000~2000万人と推定されています。
日本国内でも九州を中心とした西南日本、紀伊半島、三陸海岸、北海道、世界的にはカリブ海沿岸、南米アンデス、中近東、アフリカなどで多く見られます。

原因(感染経路)

母乳や胎盤を介した母子感染が最も多く、その他は性行為や輸血による感染が考えられます。
ただ、現在では献血時に検査されているため、輸血による感染はほぼありません。
性行為による感染は、精子中のHTLV-Ⅰが原因となるので男性から女性への感染のみとなります。

症状

主な症状は、肝臓・脾臓・リンパ節の腫れ、皮膚の病変、下痢、腹痛、高カルシウム血症による全身の倦怠感、便秘、意識障害など。
また、免疫機能の中心的存在であるT細胞がガン化することによって日和見感染症を合併しやすくなります。

検査

血液検査が主となります。

治療

化学療法や移植療法があります。
しかし、ATL細胞は抗ガン剤が効きにくい性質を持っていることがあり、寛解(ガン細胞がなくなること)が得られたとしてもその後、再発する可能性は非常に高いと言われています。
移植療法の場合も、現時点では有用性が低いとされています。

急性骨髄性白血病とは

急性骨髄性白血病とは

白血病は、病状の進行が速い「急性」と進行が遅い「慢性」に大きく分類され、その中でも骨髄系の細胞がガン化した場合を「骨髄性」、リンパ系の細胞がガン化した場合を「リンパ性」と分けられています。
急性骨髄性白血病は、ガン化した骨髄系の血液細胞が急速に増える白血病です。
白血病は年齢に関係なく発症しますが、急性骨髄性白血病は成人に多く見られます。
血液細胞が未熟な細胞からなっているため、初期の段階から激しい症状が現れ、治療せずにいると数週間から数ヶ月で死に至る可能性があります。
急性骨髄性白血病では通常、血液の形態的な特徴をもとに種類分けする「FAB分類」を用いて治療方針を決定します。
これは、骨髄液の中の血液細胞を調べる骨髄穿刺という検査の結果で分けられます。
FAB分類によって分類される急性骨髄性白血病の種類は以下の通りです。

・M0:急性未分化型骨髄性白血病(最未分化型)
・M1:急性未分化型骨髄芽球性白血病
・M2:急性分化型骨髄芽球性白血病
・M3:急性前骨髄球性白血病
・M4:急性骨髄単球性白血病
・M5:急性単球性白血病
・M6:赤白血病
・M7:急性巨核芽球性白血病 ※芽球とは、未熟な血液細胞のこと

FAB分類では、骨髄内の芽球の割合が30%以上を急性骨髄性白血病と定めています。
しかし、新しい検査や治療法が登場している近年において従来のFAB分類では限界があることから、世界保健機関が新たに「WHO分類」を発表し、そこでは芽球の割合を20%以上としています。
急性骨髄性白血病の治療は、年齢や病型分類によって異なりますが、通常は寛解導入療法から始まります。
ただしM3の場合、初期治療では抗ガン剤ではなくレチノイン酸という薬を服用します。

慢性骨髄性白血病とは

慢性骨髄性白血病とは、骨髄系の血液細胞がガン化し、病状が緩やかに進行していく白血病のこと。
子どもよりも成人、特に中年以降の男性に多く見られます。
急性白血病は芽球(未熟な血液細胞)が増加するのに対し、慢性白血病は芽球から成熟したものまで、あらゆる成熟段階の血液細胞が増加します。
初期のうちは成熟した細胞が多くを占めているので症状は穏やかですが、病状が進行するにつれて芽球の割合が増加していき、末期になると急性白血病のように激しい症状を伴う「急性転化」が起こります。
慢性骨髄性白血病の病期分類は以下の3つです。
・慢性期‥‥芽球の割合は10%未満
・移行期‥‥芽球の割合は10%以上20%未満
・急性期(急性転化期)‥‥芽球の割合は20%以上

慢性期には自覚症状がほとんどなく、移行期からは次第に貧血や出血症状、リンパ節腫脹、脾臓の腫れによる腹部膨満などが現れるようになります。
慢性期の治療では、ガン細胞のみに働きかけるイマチニブという分子標的治療薬が第一に選択されます。
病気がイマチニブに耐性を持ってしまい、薬が効かなくなった場合は同種造血幹細胞移植(他人の骨髄を使った移植療法)が行われます。
イマチニブに耐性を持ち、さらに移植療法も行えない場合にはもともと体内に存在するインターフェロンαというタンパク質を皮下注射します。
急性期に入ると急性白血病に類似した化学療法が行われますが、効果が持続しにくいため、同種造血幹細胞移植が考慮されます。
慢性期には移植療法を行うことで治癒が期待できますが、急性転化してしまうと、その可能性は一気に少なくなります。

リンパ性白血病とは

急性リンパ性白血病とは

急性リンパ性白血病とは、リンパ系の血液細胞がガン化し、病状が急速に進行する白血病のこと。
急性骨髄性白血病が成人に多いのに対し、急性リンパ性白血病は子どもに多く、小児白血病のほとんどが急性リンパ性白血病です。
骨髄性と同様に進行が速く、貧血・感染・出血などの共通した症状が現れますが、リンパ性の場合は特にリンパ節の腫れが頻繁に起こります。
成人が急性リンパ性白血病を発症すると、子どもの患者に比べて治療が難しくなり、急性骨髄性白血病と比べても予後は良くない傾向にあります。
発症原因の大半は他の白血病と同じく明確には分かっておらず、患者の一部にはフィラデルフィア染色体という染色体異常が見られることがありますが、この染色体異常が起こる原因についても明らかになっていません。
フィラデルフィア染色体が存在する急性リンパ性白血病は「フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病」と呼ばれており、こちらは成人に多く見られます。
急性リンパ性白血病であるかを診断する際は主に血液検査と骨髄検査が行われ、治療は寛解導入療法をはじめとする化学療法が基本となります。
ただ、フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病に対する通常の化学療法の効果は低く、予後の改善にはつながりにくいとされています。
そのため、フィラデルフィア染色体の存在が認められた場合は従来の化学療法で用いられる抗ガン剤と、イマチニブという分子標的治療薬(ガン細胞のみに作用する薬)を組み合わせた治療が行われます。
また、フィラデルフィア染色体が陽性の場合は化学療法だけだと治癒が期待できないため、移植療法が行われることもあります。

慢性リンパ性白血病とは

慢性リンパ性白血病とは、リンパ系の血液細胞がガン化し、病状が緩やかに進行していく白血病のこと。
年代・性別的には中年以降の男性、人種的には欧米人に多く、日本人を含め、アジア人には少ない白血病です。
リンパ系の血液細胞とは、正確には小型のリンパ球のことで、ガン化したリンパ球がリンパ節で増殖する場合は「小リンパ球性リンパ腫」または「小細胞性リンパ腫」と呼ばれていますが、一般的には同一の疾患として扱われています。
成熟した細胞(リンパ球)が増加するという点では慢性骨髄性白血病と同じですが、慢性リンパ性白血病は急性転化することがほとんどありません。
そのため、無治療で長期生存できるケースは慢性骨髄性白血病よりも多いようです。
初期症状はあまり見られず、現れても、倦怠感や食欲不振、体重の減少、寝汗といった比較的軽度の症状です。
ただし、患者によっては初期に発熱や肺炎などの感染症状が出ることもあります。
病状が進行すると現れる症状はリンパ節腫脹が最も多く、次いで、軽度の肝脾腫がよく見られるようになります。
また、慢性リンパ性白血病は他の白血病に比べてかゆみや発疹などの皮膚病変が多いことが特徴として挙げられます。
診断は血液検査が基本となり、アメリカ式のRai分類(0~Ⅳ期)、もしくはヨーロッパ式のBinet分類(A・B・C期)を用いて病期が決定されます。
主な治療法は、リンパ球の増加やリンパ節腫脹を抑えることを目的とした化学療法です。
欧米では、治癒が期待できる移植療法を行うこともありますが、移植の副作用による死亡率が高いため、通常は抗ガン剤の投与が続けられます。

多発性骨髄腫とは、骨髄内にある血液細胞の一つ形質細胞というリンパ球がガン化する「血液のガン」です。
ガン化した形質細胞は「骨髄腫細胞」と呼ばれます。
形質細胞は通常、病原菌から体を守る数種類の免疫グロブリン(抗体)をバランスよく作り出しているのですが、この細胞がガン化するとMタンパクという異常な抗体だけが大量に生成され、体に様々な障害が起こります。
骨髄腫細胞は骨髄内だけでなく、体のあらゆるところで腫瘍となって増殖することから病名に多発性と付けられており、骨髄以外で腫瘍化した場合は「形質細胞腫」と呼ばれることもあります。
多発性骨髄腫の症状は、大きく分けて以下の3つです。

骨髄の障害

骨髄内で骨髄腫細胞が増殖すると正常な血液細胞が減少し、血球(赤血球・白血球・血小板)を生成できなくなります。
その結果、動悸や息切れなどの貧血症状、発熱や下痢などの感染症状、鼻血や内出血などの出血症状が現れます。

Mタンパクによる障害

Mタンパクは抗体の一つですが体を守る作用はなく、大量に増えると、病原菌と戦う抗体を減少させてしまうため、感染症にかかりやすくなります。
特に多いのが、肺炎と尿路感染症。
その他にも様々な感染症により、全身の倦怠感、めまい、発熱、むくみ、頭痛、視力障害などを引き起こすことがあります。

骨の障害

背中や腰などの骨の痛みは、多発性骨髄腫の特徴的な症状です。
病状が進行すると骨がもろくなって骨折しやすくなったり、骨からカルシウムが溶け出すことによって意識障害などを伴う高カルシウム血症、背骨の変形によって脊髄が圧迫され、手足のしびれや麻痺、排尿・排便障害を引き起こすこともあります。

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