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消化器の検査でわかる事

公開日: : 検査・健康診断・人間ドッグ

上部消化管X線造影検査(胃透視)でわかる事

上部消化管X線造影検査とは

上部消化管X線造影検査とは、液状の造影剤(硫酸バリウム)を服用して上部消化管をX線撮影する、いわゆるバリウム検査のことです。
上部消化管は、食道、胃、十二指腸を指し、これらの臓器に異常がないか調べるために行われます。通常はバリウムに加え、胃を膨らませる発泡剤を使った「二重造影法」が行われることから、「X線二重造影検査」とも言います。
胃が膨らむことでバリウムが胃の内壁にしっかり付着すると同時に発泡剤から発生した炭酸ガスが黒っぽく写ることによって白いバリウムがより鮮明に写し出され、病変を見つけやすくなります。

検査方法

胃腸の動きや分泌物を抑える注射を打ち、まずはバリウムを少量服用して撮影します。
次に発泡剤を服用して撮影し、残りのバリウムを飲んでから再度撮影。バリウムを胃の中にまんべんなく行き渡らせ、隅々まで観察できるように撮影中はX線透視台の角度や体位を変えながら行います。
検査時間は10~15分程度です。

この検査で分かる病気

胃ガン、食道ガン、十二指腸ガン、胃炎、胃ポリープ、胃潰瘍、食道炎、食道潰瘍、食道静脈瘤、十二指腸潰瘍など。

注意事項

検査前日の夜から絶食し、当日は喫煙も禁止されます。
バリウムは少しずつ飲むと喉につっかえるので、一気に飲むのがポイントです。発泡剤を飲んだ後はゲップが出そうになりますが、撮影終了まで我慢してください。
検査後2時間は車や自転車の運転を控え、水分を多く摂るようにしましょう。妊娠中および妊娠の可能性がある人、緑内障、不整脈、前立腺肥大、薬物アレルギーがある人は必ず医師に申告してください。

上部消化管内視鏡検査でわかる事

上部消化管内視鏡検査とは

上部消化管内視鏡検査とは、先端に小型カメラが付いた管を口から挿入し、食道、胃、十二指腸の内部を観察する、いわゆる胃カメラのことです。上部消化管X線造影検査でガンや腫瘍が疑われたときの精密検査として行われます。
鼻から挿入する「経鼻内視鏡検査」と区別するために「経口内視鏡検査」と呼ばれることもあります。

検査方法

胃腸の動きや分泌物を抑える注射を打ち、スプレー式の麻酔薬を喉に噴射します。体の左側を下にして横たわり、マウスピースをくわえて直径7~10mmの管(ファイバースコープ)を喉の奥に挿入します。
テレビモニターで映像を見て、病変が確認されたときは、その部位の組織や細胞を採取する「生体組織診断」や「擦過細胞診」を行います。ポリープがあった場合は、その場で切除します。
検査時間は10~15程度。
生体組織診断や擦過細胞診を行った場合は、胃の中に止血剤を散布し、20分ほど安静にします。

この検査で分かる病気

上部消化管(食道・胃・十二指腸)のガン、潰瘍、炎症、ポリープ、静脈瘤など。

メリット

病変の大きさや形などがはっきりと分かり、早期の小さなガンの発見も可能です。
また、細胞診などで詳しく調べることによって確実な診断結果が得られ、治療方針を決めたり、治療効果を確かめることができます。

デメリット

管の先端が喉を通るときに痛みや苦しさを感じることがあります(通過後はほとんど苦痛になりません。)。
「検査前日の夜から絶食」「検査後2時間は運転を控える」「緑内障、不整脈、前立腺肥大、薬物アレルギーがある人は事前に申告する」などの注意事項があります。

経鼻内視鏡検査でわかる事

経鼻内視鏡検査とは

経鼻内視鏡検査とは、先端に小型カメラが付いた管を鼻から挿入し、食道、胃、十二指腸の内部を観察する検査です。
口から挿入する上部消化管内視鏡検査(経口内視鏡検査)だと先端のカメラが喉の奥に接触し、咽頭反射を起こしてしまう人が多いのですが、経鼻内視鏡検査は喉に触れることなく入るので嘔吐感や窒息感の心配がありません。
挿入する管(ファイバースコープ)は、経口内視鏡検査より細い直径5mmほどの極細径内視鏡を使用します。

検査方法

キシロカインという麻酔薬をスプレーで鼻腔に噴射します。
(ゼリー状のキシロカインを塗ったカテーテルを鼻腔に挿入することもあります。)体の左側を下にして横たわり、左の鼻の穴からファイバースコープを挿入します。
検査時間は5~10分程度です。

この検査で分かる病気

上部消化管(食道・胃・十二指腸)のガン、潰瘍、炎症、ポリープ、静脈瘤など。

メリット

経口内視鏡検査のような挿入時の苦痛がなく短時間でスムーズに行えるので、体への負担が大幅に軽減されます。
挿入する極細径内視鏡は刺激が少なく、胃の動きを止める注射が必要ないので、検査直後でも普段どおりに車などの運転ができ、緑内障、不整脈、前立腺肥大、薬物アレルギーがある人も行えます。

デメリット

検査前日の夜から絶食する必要があります。
管の直径が細い分、内部を照らす光の量が少ないため経口内視鏡検査と比べて画像の精度が低く、少し見えづらくなります。鼻の粘膜が傷つき、鼻血が出ることがあります。
鼻腔が狭い人や鼻の粘膜が腫れているときは受けられない場合があります。

ピロリ菌検査でわかる事

ピロリ菌検査とは

ピロリ菌検査とは、ピロリ菌の有無を調べる検査です。
主に、胃潰瘍・十二指腸潰瘍を繰り返す人に対してピロリ菌が再発に関与しているかを調べるために行われます。ピロリ菌とは、胃の粘膜に住みつき、胃の壁を傷つける細菌のこと。
通常、胃に入った細菌は胃酸で殺菌されるため生息することさえできませんが、ピロリ菌は胃の中の尿素をアンモニアに変えることで、自らが住みやすい環境を作ることができます。アンモニアは強アルカリ性なので、弱酸性の胃酸を中和し、胃酸が持つ殺菌作用を抑制しているのです。
これまでピロリ菌による疾患は胃や十二指腸の潰瘍とされてきましたが、最近では胃ガンにも関係していると考えられています。
検査は大きく分けて、内視鏡を使わない方法と使う方法が、それぞれ3種類ずつあります。

内視鏡を使わない検査

「尿素呼気試験法」は、尿素が入ったカプセルを服用し、吐き出した息に含まれる二酸化炭素の量を測定します。
ピロリ菌が尿素をアンモニアに変えるときは二酸化炭素が発生するので、服用前と後を比較し、服用後に二酸化炭素が増えていれば陽性です。「抗体法」では採血を行い、ピロリ菌と戦う抗体が血中に含まれているか、「抗原法」はピロリ菌の抗原が糞便中に含まれているかを調べます。
いずれも抗体、抗原が検出されれば陽性です。

内視鏡を使った検査

腫瘍を直接調べると同時に、胃の粘膜を採取します。
採取した胃粘膜からピロリ菌を培養する「培養法」、ピロリ菌が尿素を分解する酵素(ウレアーゼ)を調べる「迅速ウレアーゼ法」、顕微鏡でピロリ菌を観察する「組織鏡検法」があります。

胃液分泌機能検査でわかる事

胃液分泌機能検査とは

胃液分泌機能検査とは、胃液の分泌量や成分を調べる検査です。
胃液は食べ物を消化するときに胃から分泌される体液のことで、その中には、胃に入り込んだ細菌やウィルスを殺菌する塩酸(胃酸)や栄養吸収などを行うタンパク分解酵素(ペプシン)といった酵素が含まれています。通常、胃液の分泌量は体内で調整され、酵素のバランスも保たれているのですが、胃に何らかの異常があると、分泌量の増減や酵素の変動が起こります。

検査方法

早朝の空腹時に、口または鼻から細いチューブを挿入し、胃の中まで達したら胃液(基礎分泌液)を採取します。
これを約1時間の間、10分おきに行います。次に、胃液の分泌を活発にする刺激ホルモン剤を投与し、同じようにチューブを挿入して胃液(刺激分泌液)を採取します。
こちらも約1時間の間、10分おきに行います。採取後は、胃液の基礎分泌量、最高分泌量、基礎酸分泌量、最高酸分泌量、色、臭い、酸度(pH値)などを調べます。

判定方法/この検査で分かる病気

胃液の量が基準値より多い場合は、胃の出口が狭くなる「幽門狭窄」、少ない場合は「胃がん」や「慢性胃炎」など。
胃液の色が黒ければ「胃ガン」、血液が混ざって赤くなっていれば「胃潰瘍」など。鼻にツンとくるような酸味のある臭いがすれば「胃炎」や「胃潰瘍」、悪臭と感じる臭いであれば「胃ガン」や「幽門狭窄」など。
胃液の酸度が高い(胃酸過多)場合は、「胃潰瘍」「十二指腸潰瘍」「ゾリンジャー・エリソン症候群」、低い場合は「胃炎」や「悪性貧血」などの疑いがあります。

ガストリン検査の基準値やわかる事

ガストリン検査とは

ガストリン検査とは、血中の「ガストリン」濃度を測定することで、胃液分泌機能の背景因子を調べる検査です。
「ゾリンジャー・エリソン症候群」を診断する際には、胃液の酸度を測定する胃液分泌機能検査と合わせて必ず行われます。
ガストリンとは、胃の出口付近にある幽門粘膜と十二指腸粘膜の中の細胞で生成される消化管ホルモンの一種。食べ物に含まれるアミノ酸やアルコールが入ってきたときや胃の中のpH値が上昇するなどの刺激によって分泌されます。
ガストリンには胃酸の分泌を促す作用があり、胃酸にはガストリンの分泌を抑える作用があるため互いにバランスをとり合うことで双方の分泌量が調整されています。一方、ゾリンジャー・エリソン症候群とは、ガストリンを大量産出する腫瘍(ガストリノーマ)が、すい臓や十二指腸の壁にできる病気のこと。
このガストリノーマが大量のガストリンを作り出すと胃酸が大量に分泌され、胃酸過多を引き起こしてしまいます。

検査方法と基準値

早朝の空腹時に採血を行い、血中のガストリン値を測定します。
基準値:40~140pg/ml

判定方法/この検査で分かる病気

高値を示した場合、ゾリンジャー・エリソン症候群の可能性が高くなりますが、それを確証づけるためには、CTや内視鏡検査によって腫瘍(ガストリノーマ)の有無を確認する必要があります。その他、ガストリン濃度が基準値より高ければ「副甲状腺機能亢進症」「萎縮性胃炎」「胃潰瘍」「悪性貧血」などが考えられます。
ただし、胃炎、胃潰瘍、悪性貧血の場合は低値を示すこともあります。

ペプシノーゲン検査の基準値やわかる事

ペプシノーゲン検査とは

ペプシノーゲン検査とは、2種類の「ペプシノーゲン」値を比較することで主に胃ガンのスクリーニング(ふるい分け)を行う検査です。
ペプシノーゲンとは、胃粘膜から分泌されるタンパク分解酵素(ペプシン)の前躯体で血清中に含まれており、胃の中の、どの部分で作られるかによって「ペプシノーゲンⅠ」と「ペプシノーゲンⅡ」に分けられます。通常は、およそ3:1の比率で存在していますが、胃粘膜に萎縮などの異常が起きて胃酸分泌量が減少するとペプシノーゲンⅠも低下し、ⅠとⅡの比率が変わってきます。
そのため、ペプシノーゲン値を測定し、Ⅱに対するⅠの割合を調べることで胃粘膜の萎縮や炎症の有無、萎縮の度合い、胃液の分泌機能などが分かります。

検査方法

採血を行い、ペプシノーゲンⅠとⅡの数値をそれぞれ測定します。

判定方法

ペプシノーゲンⅠ値が70以上、ⅠとⅡの比率が3以上であれば陰性(正常値)。
Ⅰ値が70未満、比率が3未満の場合は陽性。
Ⅰ値が50未満、比率が3未満の場合は中等度陽性。
Ⅰ値が30未満、比率が2未満の場合は強陽性と診断されます。

この検査で分かる病気

胃ガン、萎縮性胃炎、ピロリ菌感染、胃、 十二指腸潰瘍など。

メリット

この検査で出た数値は胃検診のスクリーニングの基準値に使用されることから採血による胃ガン検診として注目されています。
ピロリ菌感染でも高値を示し、きちんと除菌されれば正常値になるため除菌治療効果の確認にも有用です。

デメリット

ガンを直接検出するわけではないので、胃粘膜萎縮を伴わない未分化ガンは見逃されてしまいます。

超音波内視鏡検査でわかる事

超音波内視鏡(EUS)とは、先端に超音波ブローブが付いた内視鏡を使い、消化管およびその周辺の臓器を内側から観察する検査です。
消化管の腫瘍の有無や大きさ、浸潤の度合い、周辺のリンパ節腫大などを調べる際に行われます。
胆のうポリープなどは通常、腹部超音波検査で診断されますが、十二指腸から直接観察することで、はっきりと良性・ 悪性の判定ができるため超音波内視鏡検査も合わせて行われることがあります。

検査方法

通常の内視鏡検査と同様に、胃腸の動きや分泌物を抑える注射を打ち、スプレー式の局所麻酔薬を喉に噴射します。
体の左側を下にして横たわり、マウスピースをくわえて喉の奥にファイバースコープを挿入し、超音波を当てて観察します。
ブローブと病変部位の間を超音波が通りやすくするために消化管に水を入れてから病変に近づけたり、ブローブに薄いゴムを巻き、その中に水を入れた状態で行います。

この検査で分かる病気

消化管(食道・胃・十二指腸・大腸・胆のう・すい臓など)のガン、潰瘍、炎症、ポリープ、胆石など。

メリット

通常の超音波検査や内視鏡検査では見えにくい病変もしっかり確認することができます。
粘膜下の状態も分かるので、ガンの深達度を調べる際にも役立ちます。

デメリット

通常の内視鏡検査で使用するファイバースコープより太いものを使い、検査時間も長いため、挿入時の苦痛や体への負担が大きくなります。
「検査前日の夜から絶食」「検査後2時間は運転を控える」「緑内障、不整脈、前立腺肥大、薬物アレルギーがある人は事前に申告する」などの注意事項があります。

カプセル型内視鏡検査でわかる事

カプセル型内視鏡

カプセル型内視鏡とは、小型カメラが内蔵されたカプセルで消化管内部を観察する新型内視鏡検査です。
主に、原因不明の消化管出血が見られた際に行われます。
従来の内視鏡検査とは違い、チューブを通す必要がないためこれまで観察が困難だった小腸まで見ることができます。かねてから海外で研究・ 開発が進められてきたもので、日本では2007年に承認。
現在、オリンパス社とギブン・イメージング社の小腸用カプセル内視鏡が認可され、保険も適用されています。

検査方法

一般的な錠剤より一回り大きい、直径1cmほどのカプセルを水と一緒に飲み込みます。
消化管に入ったカプセルは蠕動運動によって移動しながら内部を撮影し、無線で体外の受信機に画像データを送信します。受信機が内蔵されたベストを着用しなければいけませんが、撮影中は仕事や家事など、普段どおりの生活が可能です。
カプセルは使い捨てになっており、約8時間の撮影後、排便時に自然排出されます。

メリット

通常の内視鏡検査のような苦痛がなく、麻酔も使用しないため体への負担が大幅に軽減されます。
胃カメラや大腸カメラでは分からない消化管出血を調べることができ、特に小腸の病変発見に有用です。

デメリット

腸管狭窄の疑いがある人や、クローン病と確定された人は、カプセルが排出されない可能性があるので受けられません。
カメラ向きなどを調整できないため、上手く観察できない部位が出てきます。病変部位の組織採取や治療はできず、観察のみとなります。
ただし、最近ではカメラコントロールや体液採取が可能になるよう開発が進められているようです。

ダブルバルーン内視鏡検査でわかる事

ダブルバルーン内視鏡検査

ダブルバルーン内視鏡検査とは、小腸内部の観察を目的とした検査です。
先端に伸縮調整可能な風船(バルーン)が付いた内視鏡を使用します。これまで小腸は、数mもの長さで曲がりくねっているうえに口腔からも肛門からも遠い消化管の中央に存在するため、従来の内視鏡では調べることができない「暗黒の臓器」とされていました。ところが、ダブルバルーン内視鏡とカプセル型内視鏡の登場により、状況は一変。
この2つが実用化されたおかげで、以前は異常が起こりにくいと思われた小腸に様々な疾患が隠れていることが明らかになりました。

検査方法

静脈麻酔を行い、口腔または肛門から内視鏡スコープを挿入します。
挿入場所は病変が疑われる部分によって決められ、小腸全体を観察する場合は口腔と肛門の2回行われます。
小腸に入ったら、内視鏡の先端に付いた2つのバルーンを交互に膨らませたり、しぼませながら内部を観察します。

この検査で分かる病気

小腸腫瘍、小腸狭窄、腸結核、腸閉塞、クローン病など。

メリット

胃カメラや大腸カメラでは判断できない消化管出血などが分かります。
カメラ向きを自在にコントロールできるので、カプセル型内視鏡よりも詳しく調べることができ、病変部位の組織採取、ポリープの切除、止血を行うことも可能。
カプセル型内視鏡検査を受けられない腸管狭窄やクローン病の人も受診できます。

デメリット

通常は検査入院となります。
肛門から挿入する場合は当日の朝、口腔から挿入する場合は前日の夜から絶食します。
スコープが腸に入るときやバルーンを膨らませたときに鈍痛を感じることがあります。

便潜血反応検査でわかる事

便潜血反応とは

便潜血反応とは、肉眼では確認できない少量の血液が、便の中に混入していないかを調べる検査です。
消化管にガンや腫瘍ができると病変部位から出た血が便に混ざることがあり、それが診断の手がかりとなるのですが、わすかな出血だと目で見ただけでは分かりません。そこで、便潜血反応では薬による血液検出で消化管疾患を診断します。
検査方法は、試験紙で色素変化を見る化学的な方法もありますが、主に行われるのは、血中のヘモグロビンに反応する試薬を使った免疫学的な方法です。
化学的潜血反応は上部消化管、免疫学的潜血反応は下部消化管の血液検出に適しています。

検査方法

採取した便の数箇所に棒を差し込み、それを専用容器に入れて医療機関に持参します。
少量出血は1回の検査だと陰性になることが多いので、通常はこれを数回行います。

この検査で分かる病気

消化管(食道・胃・十二指腸・大腸)のガン、潰瘍、ポリープ、静脈瘤、痔、胆石、大腸憩室、クローン病など。

メリット

大腸ガンの前駆病変とされる大腸ポリープのスクリーニング(ふるい分け)に重要な検査であり、大腸ガンの初期検査として有用です。2日連続の検査で、進行ガンは90%、早期ガンは50%発見できるという報告があり、便潜血反応検査を定期的に受けている人は、大腸ガンによる死亡率が7割下がるとも言われています。

デメリット

口内の出血や鼻血が便に混ざることもあるので陽性反応が出たからといって、消化管出血と断定することはできません。
再検査でも陽性となった場合は、X線や内視鏡による精密検査が必要になります。

注腸X線検査でわかる事

注腸X線検査とは

注腸X線検査とは、造影剤のバリウムを肛門から注入し、大腸全体(盲腸・結腸・直腸)をX線撮影で写し出す検査です。
「大腸X線検査」や「下部消化管X線検査」とも言います。一般的には、肉眼で血便が確認されたときや、便潜血反応で陽性だった場合の精密検査として行われますが、最近では大腸ガンを早期に発見するために血便などの症状が見られなくても行われることがあります。

検査方法

検査前日の3食は検査用のスープを飲み、夜に下剤を服用して大腸の中を空っぽの状態にしておきます。
当日、腸の運動を抑える注射を打ち、体の左側を下にして横たわります。
ゼリー状の麻酔薬を肛門に塗り、管を挿入してからバリウムを注入します。次に空気を注入して大腸を膨らませ、検査台ごと回転させたり体位を変えてバリウムが大腸全体に行き渡ったら下腹部にX線を照射して撮影します。
検査時間は15分程度です。

この検査で分かる病気

大腸ガン(結腸ガン・直腸ガン)、大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎、大腸結核、大腸憩室、クローン病など。
大腸は白く写し出され、ガンやポリープがあると黒っぽい影ができます。ガンが進行している場合は、腸の内腔が狭くなってリンゴの芯のような形になるアップル・コアサインが見られます。
大腸憩室は、腸壁に白い出っ張りが写し出されます。

注意事項

妊娠中および妊娠の可能性がある人はX線の影響で胎児が被爆する危険があり、緑内障、不整脈、前立腺肥大、薬物アレルギーがある人は、腸の動きを抑える注射を使用できないので、必ず医師に申告してください。

下部消化管内視鏡検査でわかる事

下部消化管内視鏡検査とは

下部消化管内視鏡検査とは、先端に小型カメラが付いた管を肛門から挿入し、大腸(盲腸・結腸・直腸)の内部を観察する検査です。
「大腸内視鏡検査」や「大腸ファイバースコープ検査」とも言います。便潜血反応や注腸X線検査で疑われた病変を詳しく調べるために行われることが多く、大腸検査の確定診断に用いられます。

検査方法

注腸X線検査と同様に、検査前日の3食は検査用のスープを飲み、夜に下剤を服用して大腸の中を空っぽの状態にしておきます。
(当日の朝から絶食し、検査前に下剤を服用したり浣腸を行う場合もあります。)腸の運動を抑える注射を打ち、ゼリー状の麻酔薬を肛門に塗ります。
肛門にファイバースコープを挿入し、大腸の粘膜を観察していきます。病変が確認されたときは、さらに詳しく調べるためにその部位の組織を採取する「生体組織診断」や細胞を擦り取る「擦過細胞診」を行い、ポリープがあった場合は、その場で切除します。

この検査で分かる病気

大腸ガン(結腸ガン・直腸ガン)、大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎、大腸結核、大腸憩室、クローン病など。

注意事項

便秘症の人は数日前から食事制限が必要な場合があります。
ファイバースコープを挿入するとき、腹部に鈍痛を感じることがあります。その際は、なるべく腹部に力を入れないように呼吸するのがポイントです。
痔を患っている人は検査を受けられないことがあります。緑内障、不整脈、前立腺肥大、薬物アレルギーがある人は、腸の動きを抑える注射を使用できないので、必ず医師に申し立ててください。

仮想大腸内視鏡検査でわかる事

仮想大腸内視鏡検査とは

仮想大腸内視鏡検査とは、CT装置で大腸を外から撮影し、コンピューター処理によって内部を観察するバーチャル検査です。
実際に挿入するわけではないので、肛門からカメラを入れることに抵抗がある人も安心して受けることができます。内視鏡で大腸を写し出したような画像が得られ、体への負担も少ないことから手軽で安全な大腸内視鏡検査として注目されています。

検査方法

下部消化管内視鏡検査と同様に、検査前日の3食は検査用のスープを飲み、夜に下剤を服用して大腸の中を空っぽの状態にしておきます。
当日、腸の動きを抑える注射を打ち、肛門にチューブを通して空気を入れます。うつ伏せと仰向けの2方向からCT撮影を行った後、コンピューターで画像を処理して大腸の粘膜を観察します。

この検査で分かる病気

大腸ガン(結腸ガン・直腸ガン)、大腸ポリープなど。

メリット

検査時間は5~10分程度、撮影自体は1分ほどで終了します。
従来の大腸内視鏡検査の欠点である、麻酔による副作用、挿入時の苦痛、腸を傷つけたり破れるといった偶発症などの恐れは一切ありません。ガンやポリープの有無を調べることができるので、大腸ガンのスクリーニング(ふるい分け)に有用です。

デメリット

性能は、直接的に観察する内視鏡検査に比べるとやや劣り、5mm以下の小さな病変や早期ガンの発見は困難になります。
組織採取などで詳しく調べることができないので、確定診断には、内視鏡を挿入する通常の内視鏡検査が必要です。緑内障、不整脈、前立腺肥大、薬物アレルギーがある人は、腸の動きを抑える注射を使用できません。

直腸診検査でわかる事

直腸診とは

直腸診とは、肛門に指を入れて直腸を調べる検査です。
「直腸内触診」や「直腸指診」、「直腸内指診」とも言います。
直腸下部にできやすいガンやポリープの有無を指の感触で確認します。また、男性の場合は直腸の壁越しに前立腺に触れることで前立腺の大きさや硬さ、左右の位置、凹凸などを調べることができます。
前立腺の大きさは超音波検査の方が正確に調べることができますが、前立腺肥大症の診断に関しては直腸診の方が確実です。

検査方法

診察台に上がり、通常は膝を曲げて横向きに寝転がります。
前立腺を調べる場合は仰向けになり、膝を胸につけるように足を持ち上げる仰臥位(開脚屈伸)で診断することもあります。なるべく肩の力を抜き、排便時のように軽くいきんで肛門の筋肉を緩めたところで医師の指が挿入されます。

この検査で分かる病気

大腸ガン(直腸ガン)、大腸ポリープ、前立腺ガン、前立腺肥大症など。
直腸に硬い膨らみや出っ張りのようなものができていると大腸ガンか大腸ポリープ、前立腺が硬く、凹凸ができていると前立腺ガン、前立腺が大きくなっていると前立腺肥大症が疑われます。

メリット

痛みなどはほとんどなく、検査は1~2分で終了します。
装置や器具を使った検査よりも手軽にでき、なおかつ有用性の高い検査です。

デメリット

直腸の反対側に前立腺ガンがある場合は確認できません。
ガンやポリープの確定診断には、内視鏡検査にて生体組織診断や擦過細胞診を行う必要があります。肛門に指を入れられるということに抵抗を感じる人が多いようです。

直腸鏡検査でわかる事

直腸鏡検査とは

直腸鏡検査とは、直腸鏡という専用器具を肛門から挿入し、直腸下部の状態を直接的に観察する検査です。
主な流れとしては、血便が見られたり便潜血反応で陽性だった場合に直腸診を行い、そこでも異常が見られた際、さらに詳しく調べるために直腸鏡検査を行います。直腸診が指の感触だけでガンやポリープの有無を調べるのに対し、直腸鏡検査ではそれらを直接見て確認するので、より正確に診断することができます。
ただ最近は、血便が確認された場合、内視鏡を使って調べるケースが多くなり、直腸鏡が用いられることは少なくなってきています。

検査方法

診察台の上で仰向けになり、膝を曲げ、肛門が上を向くようにお尻の位置を高くします。
直腸鏡と肛門の両方に潤滑剤を塗り、肛門に直腸鏡を挿入します。直腸鏡は長さ10~20cm、太さは人差し指くらいの筒型になっており、先端が丸みをおびているので、直腸診と同様に軽くいきんで肛門の筋肉を緩めれば簡単に入ります。
完全に挿入できたら内筒をゆっくりと引き抜き、ライトを当てながら直腸内部の様子を観察していきます。

この検査で分かる病気

直腸ガン、直腸ポリープ、潰瘍性大腸炎、アミロイドーシスなど。

メリット

痛みなどはほとんどなく、検査は数分で終わります。
医療機関によって異なる場合もありますが、通常は食事制限や下剤を服用する必要がないので内視鏡検査よりも楽に行えます。

デメリット

直腸鏡は金属製であるため、挿入時に冷たく感じることがあります。
また、肛門に異物が入るということに抵抗を感じる人が多いようです。

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