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脳の検査でわかる事や問題点

公開日: : 最終更新日:2015/12/03 検査・健康診断・人間ドッグ

アミロイドイメージング検査でわかる事

アミロイドイメージングとは

アミロイドイメージングとは、PET装置を使って「βアミロイド」を調べる検査です。
βアミロイドは、アルツハイマー型認知症の原因と考えられているタンパク質のこと。実際にアルツハイマー型認知症患者の脳内にはβアミロイドが蓄積されており、この蓄積は、症状が現れる10~20年前から始まると言われています。
つまり、脳内のβアミロイドを調べることによってアルツハイマー型認知症を未然に防ぐ対策ができるのです。そこで使用されるのが、βアミロイドに付着する性質を持った「PIB」という放射線医薬品。PIBが目印となり、βアミロイドがはっきりと写し出されます。PET(ポジトロン断層法)は、画像を鮮明に写し出すことができ、ガン診断にも用いられる撮影装置のこと。
PET検査でも、認知症の前段階である「軽度認知障害」を発見できますが、放射線医薬品を組み合わせたアミロイドイメージングは感度が非常に高く、従来の検査のさらに上を行く超早期診断法として注目を集めています。

検査方法

静脈にPIBを注入し、時間をおいてからPET装置で頭部を撮影します。

メリット

現在はアルツハイマー型認知症に有効な治療薬の開発が進んでいることから、アミロイドイメージングで早期発見し、早期に治療することで症状が目立ち始める前に克服できると期待されています。

問題点・注意点

あくまで原因物質の蓄積を調べる検査であってアルツハイマー型認知症を特異的に診断する検査ではありません。
また、蓄積が確認されたからといって必ずしも発症するわけではなく、何の健忘症状も出ないケースもあります。こういった点を含め、今後さらなる研究が必要とされています。

髄液検査でわかる事

髄液検査とは

髄液検査とは、髄液を採取し、脳や脊髄の異常を調べる検査です。
髄液(脳脊髄液)は、脳室、くも膜下腔を満たす無色の液体で、脳や脊髄は、中にある髄液と外側を覆う骨によって守られています。CTやMRIなどが普及して以降、脳出血や脳腫瘍の診断で髄液検査が行われることは少なくなりましたが、現在でも髄膜炎などの確定診断には欠かせない検査です。
髄液の採取方法は、腰椎穿刺、後頭下穿刺、脳室穿刺などがあり、一般的には腰椎穿刺法が行われます。

検査方法(腰椎穿刺法の場合)

ベッドの上に横向きで寝て、背中を丸めます。
局所麻酔を行った後、腰にある脊柱管に針を刺し、「髄液圧」を測定します。
その後、くも膜下腔まで針を刺し込み、髄液を取り出します。

メリット

脳血管障害をはじめ、中枢神経の感染疾患や脱髄疾患、くも膜下腔ブロック診断などに役立ちます。
最近では、髄液に含まれる成分を調べることでガンが脳や脊髄に転移していないかといった情報も得られるようになりました。

問題点・注意点

麻酔をしていても多少の痛みを感じます。
咳などで力を入れると髄液圧が変わってしまい、正確に測定できなくなります。腰椎穿刺法は、頭蓋内圧が亢進しているときや針を刺す部位に感染症などがある場合は受けられず、これらに当てはまらない場合でも、合併症を伴うことがあります。

この検査で分かる病気

髄膜炎、脳炎、くも膜下出血、脳腫瘍、脳や脊髄の損傷やガン転移など。
髄液圧が高いと、髄膜炎、くも膜下出血、脳腫瘍などが考えられます。
髄液の色が白く濁っていると髄膜炎が考えられ、くも膜下出血の場合は血液が混ざって真っ赤になります。

脳波検査でわかる事

脳波検査とは

脳波検査とは、頭部に電極を装着し、脳波の波形を記録する検査です。脳波は、脳が活動しているときに神経細胞から発生する電気信号のこと。
周波数帯域ごとに、デルタ波、シータ波、アルファ波、ベータ波の4つに分類され、健常者の場合、熟睡時はデルタ波、浅い眠りのときはシータ波、目を閉じてくつろいでいるときはアルファ波、何かに集中しているときはベータ波が多く出ます。脳波検査では、安静時や閉眼時、何らかの刺激を受けたときなどにどの脳波が多く出るかを調べることで、脳の異常が見つかります。
てんかんの診断において最も重要な検査であり、意識障害の程度を調べるときや脳死判定の際にも用いられます。電極は頭皮に貼り付けることがほとんどですが、難治性てんかんの術前検査として、開頭後に装着するケースもあります。

検査方法(頭皮上電極の場合)

外部からの電気信号の影響を受けないように隔離されたシールドルームという検査室で行います。
頭皮に専用のクリームを塗り、電極(通常は21個)を装着します。安静状態から始まって、目の開閉や深呼吸といった指示を受けたり、光や音などの刺激を与えられながら脳波の状態が記録されます。

この検査で分かる病気

てんかん、脳腫瘍、脳挫傷、脳出血、脳梗塞、認知症、意識障害、睡眠障害など。

メリット

比較的リラックスした状態で行えます。
最近では携帯型の脳波計が開発されており、手軽に受けられるようになりました。

問題点・注意点

計測自体は10分程度ですが、横になって安静にする時間を入れると検査時間は約30分。病状によっては1~2時間かかる場合もあります。

SPECT・PET検査でわかる事

SPECT・PET検査とは

SPECTとPETは、どちらも頭蓋骨内部を断層画像化する「核医学検査」です。
核医学検査とは、放射性医薬品(RI:放射性同位元素)を体内に投与し、体から放出された放射線の分布を測定する検査のこと。
CTやMRIが組織の形態観察であるのに対し、核医学検査は生体の機能観察に特化しています。

SPECT(単一光子放射断層撮影)

1方向の放射線を放出するRIを使用します。
CTやMRIでは分からない血流や代謝などの画像情報を得ることができ、脳血管障害の他、心臓病やガンの早期発見に有用です。

PET(ポジトロン断層法)

2方向の放射線を放出する「陽電子放出核種」というRIを使用し、SPECTとは異なる「同時計測法」が行われます。
腫瘍の形や大きさ、病変の活動性が分かるため脳腫瘍の診断に最も有用な検査とされています。また、脳内の糖代謝レベルや酸素消費量の変化などを調べることで、脳機能の障害部位を見ることができ、ガンの診断にも役立ちます。
最近では、PETとマルチスライスCTが一体化した「PET/CT」という装置も開発されています。

検査方法

静脈からRIを注入し、カメラが回転しながら撮影します。

この検査で分かる病気

脳梗塞、脳腫瘍、脳血管障害、狭心症、心筋梗塞、アルツハイマー病、ガンなど。

メリット

脳内の血流が詳しく分かり、血液が流れていない虚血領域を見つけることができます。
SPECTで使用するRIは取り扱いが簡単なので、多くの医療機関で受けられます。
PETでは鮮明な画像が得られ、より正確に診断できます。

問題点・注意点

SPECTは、PETに比べて画像がやや不鮮明。
PETは大掛かりな設備が必要になるため、受けられる医療機関が限られています。
PET/CT装置は2つの検査を一度に受けられる半面、被爆の恐れがあります。

神経超音波検査でわかる事

神経超音波検査とは

神経超音波検査とは、一定方向に強く放射して直進性も高い超音波の性質を利用し、超音波を頸部(首元)や側頭部に当てて反射したエコーを画像化する検査です。頸部には、血液を送る心臓と、脳や顔の組織をつなぐ血管(頚動脈)が複数あり、頚動脈の状態を調べることで頭部血管の異常を見つけることができます。
検査方法は「頚動脈エコー」と「経頭蓋ドップラー」の2種類あります。

頚動脈エコー検査

ブローブという発信機を頸部に当てて超音波を発信し、頚動脈を観察します。
頚動脈の閉塞や狭窄が分かるため、主に動脈硬化を調べる際に行われます。
また、断層画像を撮ることができるので、血管壁の厚みや血管内の状態も分かります。

経頭蓋ドップラー検査

側頭部(こめかみ辺り)にブローブを当てて超音波を発信し、頭蓋骨内部の血管や血流を観察します。
頭部血管の閉塞や狭窄などを調べることができます。

この検査で分かる病気

動脈硬化による脳血管狭窄、血栓による脳血管閉塞など。
血液の流れが速く、血管壁が厚いと、動脈硬化が進行している状態です。

メリット

脳の検査の中では最も安全で手軽な方法です。血管の状態がリアルタイムで分かり、検査は数分で終わることもあります。
頚動脈エコーは、生活習慣病患者の脳疾患や心疾患の予防にも有用。
経頭蓋ドップラーは、くも膜下出血で起こりやすい血管攣縮の早期発見にも役立ちます。

問題点・注意点

鮮明に写し出せるわけではないので、この検査で異常が見られた場合は、さらに詳しく調べるためにMRA検査や頭部血管造影などで再検査する必要があります。

3D-CTA(三次元脳血管造影)検査でわかる事

3D-CTA(三次元脳血管造影)とは

3D-CTA(三次元脳血管造影)とは、静脈から造影剤を注入し、マルチスライスCTの技術を用いて頭蓋骨内部の血管を立体的に写し出す検査です。
造影剤(ヨード造影剤)は、他の組織と異なる写り方をするもので、血管内に注入すると血管の形状がそのまま写し出されます。マルチスライスCTは、短時間で精密な三次元画像を撮影できる進化型CT装置です。
この2つを組み合わせることで血管の状態がはっきりと分かるようになり、CTやMRI検査だと見逃してしまうような脳内血管の異常を発見できます。

検査方法

造影剤の注入は頭部血管造影と同じく注入部分の剃毛、局所麻酔を行い、小さな穴を開けてカテーテルを挿入します。
造影剤を注入後、装置の寝台に仰向けで横たわり、X線を照射して撮影開始です。

この検査で分かる病気

脳動脈瘤、くも膜下出血、血管の狭窄や梗塞による血流異常など。

メリット

微細な血管の診断や経過観察に欠かせない検査です。
脳梗塞の原因となる脳内の動脈硬化を詳しく調べることができ、MRA検査で脳動脈瘤が疑われた際の診断にも役立ちます。また、通常の頭部血管造影は動脈瘤を探しているときに刺激を与えてしまい動脈瘤を破裂させる恐れがありますが、3D-CTAではそのリスクが軽減されます。

問題点・注意点

撮影自体は短時間で済みますが、コンピューター処理に時間がかかります。
3mm以下の小さな動脈瘤の検出は困難になります。X線を使用するので、被爆の可能性があります。
ヨード造影剤は、ヨードにアレルギー反応を起こすと副作用が出ることがあり、「検査3時間前は飲食禁止」「検査後は水分を多く摂る」などの注意事項もあります。

頭部血管造影検査でわかる事

頭部血管造影とは

頭部血管造影とは、血管に造影剤を注入してからX線で撮影し、頭蓋骨内部の血管を調べる検査です。
連続で撮影することによって、血管内を流れる造影剤の動きが分かり、血管の状態がはっきりと見て取れます。現在、頭部血管の検査はCTやMRAが主流となっていますが、血管造影は脳疾患の手術前に血管の状態を詳しく検査したり、脳腫瘍の場合は「腫瘍の近くに重要な血管がないか」などを調べるために行われます。
通常の血液造影の他、「DSA(デジタルサブトラクション血管造影)」とさらに進化した「3D-DSA」があります。

検査方法

造影剤を注入するために細い管(カテーテル)を挿入するので、その部分を剃毛し、挿入用の小さな穴を開けるために局所麻酔を行います。
挿入部分は股関節や肘関節が一般的です。
穴を開けて造影剤を注入した後、X線を当てて撮影します。

この検査で分かる病気

脳動脈瘤、脳梗塞、脳腫瘍、脳血腫、くも膜下出血、脳動静脈奇形など。

メリット

他の検査では分かりにくい毛細血管まで詳しく調べることができ、開頭手術の事前検査に役立ちます。
DSAは、高速撮影で血管のみを鮮明に写し出すことができます。
3D-DSAは、よりリアルな立体画像が得られます。

問題点・注意点

検査に要する時間は、1~2時間。
ヨードが含まれる造影剤を使用するのでヨードアレルギーの人は行えず、「検査3時間前は飲食禁止」「検査後は水分を多く摂る」などの注意事項があります。カテーテル挿入時に痛みを感じたり、造影剤を注入中に気分が悪くなる人もいます。
検査後、カテーテルを挿入した部分の曲げ伸ばしをすると出血や痛みを伴うことがあるので、しばらく安静にしなければいけません。

頭部MRA検査でわかる事

頭部MRAとは

頭部MRAとは、磁気に共鳴しやすい水素の性質を利用して頭蓋骨内部の水素原子核に電磁波を送り、血管のみを立体画像化する検査です。
用いる装置はMRI検査と同じですが、MRA検査では血管に的を絞っており、脳内の血管の状態をさらに詳しく調べることができます。ちなみに、MRIは「磁気共鳴画像法」を意味する英語の頭文字をとっているのに対し、MRAは「磁気共鳴血管画像」の略称です。
血管のみという点を除けばMRI検査と変わらず、縦、横、斜めの全方位から撮影できます。頭部CTIでも血管の様子を見ることはできますが、MRA検査の特徴は、CTIの単純検査よりも詳しく、造影検査よりも安全に検査できるところにあります。

検査方法

基本的にはCTI・MRI検査と同じです。
金属類を外してからMRI装置の寝台に仰向けで横たわり、トンネル状の装置の中に入ったら体を動かさず、撮影が終わるまで待ちます。

この検査で分かる病気

脳動脈瘤、くも膜下出血、脳動静脈奇形、血管の狭窄や梗塞による血流異常など。

メリット

MRI検査と同様に、あらゆる方向から三次元の立体的な断層画像を見ることができ、MRI検査では分かりにくい血管の状態が分かります。
X線を使用するCTI検査と違って放射線被爆の心配がなく、さらに、造影剤を使わなくても鮮明に写し出すことができるので、アレルギー反応による副作用の心配もありません。

問題点・注意点

MRI装置を使用するため撮影中は大きな騒音が鳴り続け、撮影時間も30分ほどかかります。
強い磁気を当てるので、ペースメーカーや脳動脈クリップなどの金属が体内にある人、妊娠の可能性がある人は検査を受けられないことがあります。

頭部MRI検査でわかる事

頭部MRIとは

頭部MRIとは、磁気に共鳴しやすい水素の性質を利用して電磁波を送り、頭蓋骨内部にある水素原子核からの信号をとらえ、さらにコンピューター処理によって、その断面を画像化する検査です。
主に脳梗塞や脳腫瘍などの病変の場所・形・広がりを特定する際に行われます。縦、横、斜めの全方位的に、骨を除いた断層画像を撮影できます。
三次元画像で見られるなどの点でCT検査と共通する部分はありますが、CTでは得られない情報もあります。

検査方法

基本的にはCT検査と同じで、金属類を外し、寝台に仰向けで横になり、ドーム状の装置に入って撮影が開始したら動かず静かに待ちます。

この検査で分かる病気

脳梗塞、脳腫瘍、脳動脈瘤、動静脈の奇形、多発性硬化症など。
梗塞でダメージを受けた部分は白く写ります。

メリット

CT検査のような放射線被爆の心配がなく、頭蓋骨が邪魔になることもないので、骨に隠れた部分まで鮮明に写し出すことができます。
解析度も優れていて細部の再現能力が高く、あらゆる方向から正確に頭蓋骨内部を確認できます。脳梗塞の場合、CT検査だと発病から2~3日経っていなければ分からないのに対し、MRI検査では発病の数時間後には分かるので、脳梗塞の早期発見に有用です。

問題点・注意点

検査時間が長く、撮影に30分ほどかかる上に、撮影中は工事現場のような大きな騒音が鳴り響いて気分が悪くなる人もいます。
(ただ、最近ではこの騒音もかなり改善されてきているようです。)また、磁気を使用するため、心臓ペースメーカーや脳動脈クリップなど体内に金属がある人は検査を受けることができません。

頭部CT検査のでわかる事

頭部CTとは

頭部CTとは、頭にX線を当てて撮影し、コンピューター処理によって頭蓋骨内部を輪切りにした断層画像を写し出す検査です。
脳内の血管の状態、腫瘍の有無や場所などを調べる際に行われます。そのまま撮影する「単純検査」と、造影剤を注射して撮影する「造影検査」があり、造影剤を使うことで、より正確に診断できます。
最近では、従来のCTを進化させた「ヘリカルCT」や「マルチスライスCT」という装置を導入する医療機関が増えています。

検査方法

頭部に身につけている金属類は事前に外しておき、寝台に仰向けで横になります。
トンネル状の装置の中へ寝台が移動し、撮影位置が合わせられます。このとき技師が位置を調整するので、撮影が終わるまで動いてはいけません。
X線が照射されて頭部を撮影した後、寝台が元の位置に戻ったら検査終了です。

この検査で分かる病気

脳出血、くも膜下出血、脳梗塞、脳腫瘍、外傷による脳挫傷や血腫など。
出血や腫瘍は白く、梗塞は黒く写ります。

メリット

脳内の出血、骨の形状などが詳しく分かります。ヘリカルCTは、通常よりも高速で撮影でき、連続撮影も可能なので、高精度の三次元画像で立体的に見ることができます。マルチスライスCTは、さらに短時間(撮影自体は約10秒)で、より精密な三次元画像が得られます。

問題点・注意点

X線を使用するので、場合によっては被爆する恐れがあります。また、骨に囲まれた部分は画質が低く、小さな異変を見逃す可能性があります。造影検査の場合は「検査の3時間前から飲食禁止」「検査後は水分を多く摂る」などの注意事項があり、造影剤で過敏症を起こすと副作用が現れることもあります。

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