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尿毒症の原因・症状・検査・治療

公開日: : 腎臓の病気・人工透析


尿毒症(にょうどくしょう)とは、尿中に排泄される必要のある毒素が体内に溜め込まれてしまっている状態のことをいいます。
急性腎不全や末期の慢性腎不全の状態で、腎臓の機能が限界まで低下していることから、適切な処置を施さなければ命を落としてしまいます。
なお、どの程度腎機能が低下しているのかといいますと、100%中10%以下にまで下がっているのです。
健康な状態の腎臓というのは老廃物の排泄、体液や電解質のバランス調整、体内の酸性・アルカリ性のバランス調整、ホルモンの産生・不活性化といった役割を担っています。
腎機能が極度に下がった尿毒症では、もはやこれらの生命維持活動に必要な役割を腎臓が果たすことは不可能になっているのです。

尿毒症の原因

尿毒症の状態に陥る原因としては、腎臓機能の低下を挙げることができます。
急性腎不全により腎機能が低下し尿毒症になることもあれば、末期の慢性腎不全になったために尿毒症になることもあるのです。
なお、割合としては末期腎不全患者が尿毒症になるほうが高いといわれています。
腎臓の機能が低下すると、体にとって不要な物質が排泄されず、体内へと蓄積されていくことになります。
尿毒症に陥る物質が溜め込まれることによって、いろいろな影響が体に及ぼされるようになるのです。

尿毒症の症状

尿毒症はさまざまなところに症状を引き起こすのが大きな特徴です。
筋肉に引き起こされる症状としてはけいれんがあり、神経系の症状としては抹消神経痛や知覚異常が挙げられます。
皮膚に引き起こされる症状としては、かゆみ、尿毒素斑点(はんてん)、変色が起こります。
なお、変色は黄褐色になるのが特徴です。
そのほか、骨に起こる症状もあり、骨折、発育障害、異所性石灰化が挙げられます。
そして消化器系の症状も起こり、悪心、嘔吐、口内炎、食欲不振、体重低下、味覚不良、潰瘍(かいよう)、出血がみとめられます。
また、性の機能に関する症状も引き起こされることもあり、勃起不全、精子濃度低下、無月経になる人がいます。
なお、尿毒症の初期症状としては、疲労感、倦怠感、思考力低下、浮腫(ふしゅ)、肺水腫などを挙げることができます。

尿毒症の検査と診断

尿毒症の診断のためにおこなわれる主要な検査の一つとしては、血液検査を挙げることができます。
仮に尿毒症の状態に陥っている場合には、クレアチニンや尿素窒素の数値がかなり高くなる高窒素血症(こうちっそけっしょう)になっているのが特徴です。
さらに酸性血症(さんせいけっしょう)といい、動脈の血液中の二酸化炭素が多くなる状態にもなっています。
ほかにも腎生貧血(じんせいひんけつ)といって、尿毒症だと貧血の状態に陥っていることも少なくありません。
なお、数値に関しては、リンは数値が上昇していますが、カルシウムは下降しており、ナトリウムに関しては下降しているか異常がないかのいずれかの数値を示します。
そのほか主な検査方法としては尿検査があり、尿中のたんぱく質、血液、老廃物の量などを調べますが、尿毒症になっていれば異常を示します。
これら以外の検査法方法としては、画像検査などが選択されることもあります。

尿毒症の治療の方法

腎臓機能の低下により陥ってしまう状態のため、原因となるものの治療をおこなうことが優先されます。
なお、劇的な回復が困難な病気により尿毒症に陥っている場合には、人工透析の治療を受けなくてはいけません。
ただ、必ずしもすぐに透析療法を選択しなくてはいけないわけではなく、保存的療法をおこなうことにより時期を遅くすることは可能です。
保存的療法としておこなわれるのは食事療法や薬物療法です。
食事療法ではエネルギー量をしっかりと確保しながら、たんぱく質、塩分、水分などのコントロールをします。
薬物療法では、適宜降圧剤や利尿薬などが使用されることになるでしょう。
保存的療法では対処できない状況に追い込まれたら、人工透析の治療が選択されることになります。

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