*

単純性腎嚢胞の原因・症状・検査・治療

公開日: : 腎臓の病気・人工透析


単純性腎嚢胞(たんじゅんせいじんのうほう)とは、血液のろ過や尿の産生の役割を担っている腎実質に、嚢胞と呼ばれる液体が詰まっている袋が形成される病気のことをいいます。
嚢胞は左右いずれかの腎臓にのみ、ごく少数だけ形成されることが多いのですが、左右の腎臓に数多く形成されるケースもあります。
嚢胞には嚢胞液と呼ばれる液体が詰まっていますが、徐々にサイズが大きくなっていくという特徴があります。
巨大化が進むごとに腎実質が圧迫されるのではないかと思われますが、仮に大きくなったとしても腎実質に障害を起こすことはありません。
したがって、単純性嚢胞腎を引き起こしたとしても、腎機能が低下することにより起こる腎不全(じんふぜん)にはいたらないのです。
また、自覚症状がないことが多いため、別の病気で画像検査を受けた際に単純性腎嚢胞が発見されることが珍しくありません。
なお、単純性腎嚢胞は20歳代など若年層の人に起こる割合は低く、男女では男性に起こる割合が高いといわれています。

単純性腎嚢胞の原因

腎臓に嚢胞が形成される病気としては、ほかに多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)がありますが、この病気は遺伝により引き起こされるのが原因です。
これに対し、単純性嚢胞腎に関しては、遺伝により引き起こされないというのが特徴です。
ただ、遺伝が原因ではないものの、先天性の病気であるという見方はされています。

単純性腎嚢胞の症状

たいていのケースでは、単純性腎嚢胞を引き起こしたとしても、これといった症状が引き起こされません。
しかしながら、嚢胞のサイズが大きい場合には、圧迫症状を自覚することがあるほか、胃腸の不調が起こることもあります。
また、腎盂(じんう)よりの場所に嚢胞が形成された場合には、水腎症(すいじんしょう)を招くリスクが増大します。
水腎症になった場合には、腎臓の機能の低下を招く恐れがあるでしょう。
そのほか引き起こされることがある単純性腎嚢胞の症状としては血尿があるほか、高血圧が合併するケースもあります。
さらに、合併症としては、嚢胞の中に血液が溜め込まれる出血性嚢胞などがありますが、この出血性嚢胞に関しては外傷が原因で起こることが多いといわれています。

単純性腎嚢胞の検査と診断

単純性腎嚢胞は腎がんと共に引き起こされたり、腎がんが嚢胞に変わることがあるため、悪性腫瘍と区別するためにも検査をおこなわなくてはいけません。
単純性腎嚢胞かどうかを調べるための検査方法としては、造影剤を使用しての腎臓レントゲン検査、超音波検査、MRI、CT、血管造影、嚢胞穿刺をする組織診断などが挙げられます。
これらの検査が組み合わされる形でおこなわれ、悪性腫瘍と区別し単純性腎嚢胞と診断が下されることになるのです。

単純性腎嚢胞の治療の方法

検査を受けた結果、単純性腎嚢胞と診断が下された場合、これといった症状がないようであれば経過観察だけで事足ります。
しかしながら、単純性腎嚢胞の症状が引き起こされている場合には、適切な治療をおこなわなくてはいけません。
たとえば嚢胞が巨大化し、腎臓の圧迫症状が引き起こされている場合に治療しなければいけないのですが、嚢胞の中に詰まっている液体と無水エタノールを交換したあと、再度回収する治療が選択されることになります。
なお、嚢胞液を抜き取る際には、背中からカテーテルを挿入する形になります。
この治療方法により、カテーテルの挿入時に穿刺痛(せんしつう)があらわれたり、熱が上がったり、顔が赤くなったりしますが、大したことはありません。
また、嚢胞液を抜くだけでよいのではという人もいるでしょうが、それだけではまた症状が引き起こされるリスクがあるのです。
なお、嚢胞液は通常透明なのですが、不透明な場合には細胞診などをおこなうことになります。

関連記事

人工透析の流れと問題点!メリットとデメリットを知ろう

人工透析とは 人工透析とは腎臓に疾患を抱える方への治療方法です。 人工的に肝臓の役割を担うと

記事を読む

腎機能低下とは・・・皆さんは具体的にわかりますか?

腎機能低下とは、言葉通り人間の臓器の一つである腎臓がその役割を正常に果たすことができなくなった状

記事を読む

腎下垂・遊走腎の原因・症状・検査・治療

腎下垂・遊走腎(じんかすいゆうそうじん)とは、腎臓が正常な範囲を超えて下がる状態のことをいいます

記事を読む

腎臓病、透析の人が食事で注意すべき5つの事

水分の摂取 人工透析を行っているのであれば血液透析、腹膜透析に関わらず水分の摂取は十分に気をつ

記事を読む

薬物療法:低下した腎臓のはたらきを補う薬

腎臓病になると多少なりとも腎機能が低下した状態になります。 この低下した機能をカバーするた

記事を読む

水腎症の原因・症状・検査・治療

水腎症(すいじんしょう)とは、尿路がふさがる障害により腎盂(じんう)や腎杯(じんぱい)が広がるの

記事を読む

腎血管性高血圧症の原因・症状・検査・治療

腎血管性高血圧症(じんけっかんせいこうけつあつしょう)とは、病気などが原因となり発症する二次性高

記事を読む

腎臓の異常は、どのようなことから気付くことが多いのでしょう

腎臓の病気は、尿やむくみの症状で気付くことが多いでしょう。 尿に関する異変としては、まず血

記事を読む

人工透析とシャント。シャントの合併症や注意点

人工透析とシャント(ブラッドアクセス) 人工透析の血液透析を受ける場合には腕の血管から器械へ血

記事を読む

無症候性たんぱく尿の原因・症状・検査・治療

無症候性たんぱく尿(むしょうこうせいたんぱくにょう)とは、持続的にたんぱく尿が出る病気のことをい

記事を読む

肝のう胞を詳細に:原因,症状,検査,治療など

肝臓は、右の肋骨(ろっこつ)の下に位置する人間の臓器では最大の臓器であり、体重の約

習慣流産を詳細に:原因,症状,検査,治療,予防など

習慣流産とは(概要) 妊娠中に何らかの原因によって胎児が死亡し、妊娠が継続できな

ギランバレー症候群を詳細に:原因,症状,検査,治療など

ギランバレー症候群(ぎらんばれーしょうこうぐん)とは、進行性の筋力低下や感覚異常が

ジアノッティ症候群を詳細に:原因,症状,検査,治療など

ジアノッティ症候群とは ジアノッティ症候群(じあのってぃしょうこうぐん)とは

食道がんを詳細に:原因,症状,検査,治療,予防など

食道がん(しょくどうがん)とは、消化器官の一種である食道に形成される悪性腫瘍のこと

→もっと見る

PAGE TOP ↑