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萎縮腎の原因・症状・検査・治療

公開日: : 腎臓の病気・人工透析


萎縮腎(いしゅくじん)とは、腎臓が硬くなり、縮小してしまった状態のことをいいます。
正常な状態の半分以下にまで萎縮が起こってしまうのが特徴です。
様子を顕微鏡を使って調べてみると、尿細管上皮(にょうさいかんじょうひ)や糸球体(しきゅうたい)が縮小しているほか、糸球体の血管が詰まり代謝が正常におこなわれない状態に陥っています。
さらに腎臓に存在する間質(かんしつ)を調べると、繊維組織と結合組織の増加が認められ、尿細管や糸球体を覆い隠すような状態になっていたり、圧迫して潰したりしています。
仮にこの状態を招いてしまった場合には、腎臓の機能が失われてしまい、血中クレアチニンや尿素窒素の数値がはね上がり、命を脅かすほど深刻な状態に陥ります。
高血圧が原因の動脈硬化、末期の腎炎、糖尿病などにより腎萎縮を招くリスクがあるほか、原因が不明の腎萎縮も存在します。
なお、これらの中で最も割合が高いのは糖尿病からなる萎縮腎だといわれています。
糖尿病により腎臓の血管が障害されることにより、腎臓が硬化し縮小した状態になるのです。

萎縮腎の原因

高血圧に由来する動脈硬化や末期腎炎、糖尿病の症状として萎縮腎の状態になることがあります。
萎縮腎自体は外傷などにより腎組織へと血液がいきわたらなくなり、これにより酸素や栄養が足りなくなった結果、腎組織や細胞が壊死(えし)することで引き起こされます。
ひとたび壊死してしまった腎臓は、健康だった頃の状態に戻ることはありません。
しかしながら、腎臓は2個ありますので、いずれか一方の腎臓が壊死してしまったとしても、もう一方の腎臓に異常がない場合には、命を落とすことにはなりません。

萎縮腎の症状

萎縮腎の状態になると、多尿の症状が引き起こされるようになります。
これは尿の量が多くなる症状のことをいいますが、2,000cc以上と通常の1,000~1,500ccよりかなり多いことがわかります。
なお、日中より夜のほうが排尿量は多くなるのが特徴で、眠ったあとも何度も排尿しなければいけなくなるのです。
したがって、頻尿も主な萎縮腎の症状の一つであるといえるでしょう。
そのほかの症状に関しても尿関連が多く、排尿時に痛みを感じたり、血尿が出たりもします。
高血圧による症状もあり、頭痛、めまい、動悸(どうき)などが引き起こされたり、脳出血、心臓衰弱、網膜炎、尿毒症など別の病気を招くリスクも増大するのです。
さらには腎臓病により引き起こされる症状もあり、悪心(おしん)、嘔吐、疲労感、貧血などが挙げられます。

萎縮腎の検査と診断

健康な状態の腎臓というのは、成人がこぶしを握った程度のサイズで、重量は1個150g程度あります。
しかしながら、萎縮腎の状態に陥っている人の腎臓は、正常な人の腎臓の半分近くまで縮小してしまっているのです。
萎縮腎であるかどうかはこの縮小した状態を確認してみなければわかりませんが、そのために選択される検査方法は腹部エコー検査やCT検査となります。
これらの検査をした結果、縮小が認められれば萎縮腎の状態に陥っているという検査結果が出るでしょう。

萎縮腎の治療の方法

重症化した萎縮腎に関しては、腎臓を除去する手術を行うことで対処することが可能です。
ただ、これは一方のみが萎縮腎の状態に陥っているケースで選択できることであり、両側が硬く小さくなっている場合には、人工透析の治療を選択しなくてはいけません。
また、この場合は腎移植による治療方法を行うことも有効とされています。
そのほか、腎不全が一緒に引き起こされている患者に対しては、腎臓の摘出手術を行わなくてはいけません。
尿毒症の場合は透析療法が選択されることとなり、症状に対しては抗生物質の投与が行われます。
なお、萎縮腎の治療では食事のコントロールも重要で、食事療法としてたんぱく質の摂取の制限をしなくてはいけません。

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