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腎性骨異栄養症の原因・症状・検査・治療

公開日: : 腎臓の病気・人工透析


腎性骨異栄養症(じんせいこついえいようしょう)とは、骨に障害が発生する病気のことをいいます。
慢性腎臓病(まんせいじんぞうびょう)の影響により起こるのが特徴で、原因によりさまざまな種類があり、それを総称したものを腎性骨異栄養症と呼んでいるのです。
種類としては大きくわけると繊維性骨炎(せんいせいこつえん)、骨軟化症(こつなんかしょう)、無形成骨(むけいせいこつ)を挙げることができ、これらが組み合わされた混合型の腎性骨異栄養症も起こることがあります。
腎不全を伴い、長期の透析療法を受ける人に起こりやすい合併症であることから、透析骨症(とうせきこつしょう)という別名もあります。

腎性骨異栄養症の原因

腎性骨異栄養症は種類別に異なる原因によって引き起こされるのが特徴です。
線維性骨炎、骨軟化症、無形成骨があり、それぞれに原因があります。
まず、線維性骨炎ですが、これは腎不全により血中カルシウムやリンのバランスがおかしくなり、活性型ビタミンD3が欠乏することにより、副甲状腺ホルモンが過剰分泌し、骨の吸収や形成に異常が生じることにより発生します。
次に骨軟化症ですが、これには複数の原因があり、一つは活性型ビタミンD3の不足が挙げられます。
そのほかには、腎不全によりアルミニウムを体外へと排出することができず、骨に沈着して起こるアルミニウム骨症により、骨が石灰化することも原因になります。
そして、無形成骨の原因ですが、過度の副甲状腺ホルモンの分泌抑制により起こりやすくなると指摘されています。
ビタミンD3、カルシウムの摂り過ぎ、糖尿病をもっている人、年齢が高い人がこの状態に陥りやすいといわれています。

腎性骨異栄養症の症状

繊維性骨炎、骨軟化症、無形成骨は個々に引き起こされる症状に多少の違いがあります。
繊維性骨炎の症状としては、咳(せき)、骨の痛みや関節痛、骨折しやすいなどが挙げられます。
骨軟化症については、腰や背中、足の痛み、関節痛、筋力低下、筋力低下に伴う歩行障害、骨折しやすいなどが主な症状となります。
無形成骨の症状は、血管や皮下などにカルシウムやリンの結晶が沈着する異所性石灰化(いしょせいせっかいか)によるものかどうかははっきりとしていませんが、骨折しやすいなどの症状が起こります。

腎性骨異栄養症の検査と診断

腎性骨異栄養症かどうかを調べる方法は、概ね共通しているのが特徴です。
繊維性骨炎、骨軟化症、無形成骨かどうか確かめるためには、血液検査と画像検査の方法が選択されます。
血液検査でカルシウムやリンの値などを調べたり、画像検査により骨の状態を調べたりするのです。
これらの検査が診断にも役立てられ、さらには治療方針の決定に有効なのです。

腎性骨異栄養症の治療の方法

腎性骨異栄養症には繊維性骨炎、骨軟化症、無形成骨がありますが、治療法法はそれぞれ異なります。
まず、繊維性骨炎を治療する方法ですが、透析療法をはじめているかどうかによって違いがあります。
していない患者に対しては、活性型ビタミンD3が欠乏していることから、製剤で投与する方法が選択されます。
透析療法をしている患者については、活性型ビタミンD3投与のほか、カルシウム感受性受容体拮抗薬やリン吸着薬も追加して使用していく形になるでしょう。
次に骨軟化症の治療に関してですが、活性型ビタミンD3の不足がありますので、製剤を内服する治療がおこなわれます。
さらに腎臓の機能が低下し、アルミニウム排出ができず沈着する恐れがありますので、アルミニウムを含有した胃腸薬を使わないことも治療する上で重要です。
そして、無形成骨の治療ですが、ビタミンD3やカルシウムの過剰摂取が原因となって引き起こされることから、繊維性骨炎や骨軟化症のようにビタミンD3製剤は使用しませんし、カルシウムを摂ることもしません。
また、高リン血症にはカルシウムを含有していないリン吸着薬の塩酸セベラマーを使った治療方法が選択されることになるでしょう。

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