*

膿腎症の原因・症状・検査・治療

公開日: : 腎臓の病気・人工透析


膿腎症(のうじんしょう)とは、腎臓の腎盂(じんう)や腎杯(じんぱい)に尿が蓄積する水腎症(すいじんしょう)に細菌感染が付随し、腎実質(じんじっしつ)へと感染が拡大することで、ここを覆っている袋の内部に膿が溜め込まれた形になる病気のことをいいます。
過去にこの状態に陥る原因として多かったのは結核によるものでしたが、いまではまずありません。
なお、いまは腎結石(じんけっせき)により感染を招くことで膿腎症の状態に陥るケースの割合が高くなっています。
この膿腎症を引き起こすと敗血症(はいけつしょう)を招くリスクがあり、早期に治療をおこなわなければ命を落とすことにもなりかねません。

膿腎症の原因

以前であれば膿腎症の原因というと結核菌の感染によるものが大多数を占めていました。
しかしそれはもう過去の話であり、いまこれが原因で起こる膿腎症は少なくなっているのです。
この頃、原因として多くなっているのは腎結石による感染です。
これは腎臓に結石がつくり出されてしまう病気のことです。
また、主な原因としてはほかにも腎盂・腎杯に尿が蓄積されて起こる水腎症が挙げられるほか、尿が通過するところに結石がつくり出される尿管結石によっても膿腎症は起こります。

膿腎症の症状

膿腎症の状態に陥ると、腎臓の機能が落ち込みます。
このことから尿がスムーズに排泄されなくなり、腹部膨満(ふくぶぼうまん)の症状があらわれます。
さらに臓器が体の内側から圧迫されることから、お腹の痛みも自覚症状として起こるでしょう。
そして、尿路感染症によるものであれば高熱の症状のほか、全身のだるさ、食欲低下、腎臓部分の痛みなどの症状が認められます。
また、膿が蓄積される病気が膿腎症ですが、膿のせいで尿の色が濁る症状も起こります。
そのほか、膿腎症になると敗血症を招くリスクがあり、仮になってしまった場合にはただちに治療しなければ死亡してしまう恐れがあります。

膿腎症の検査と診断

膿腎症の主な検査方法には尿検査があります。
実際に検査をしてみて膿腎症になっている場合には、細菌や膿がかなりあることが尿検査でわかります。
それから、主な検査方法の一つには血液検査もあります。
膿腎症になっている場合には血液沈降速度が速いことがわかるほか、白血球が多くなっていることもわかるのです。
こうした検査から、炎症が生じているということが明確になります。
そのほか、膿腎症の検査方法としては、超音波検査やCT検査といった画像診断がおこなわれます。
これらの検査をおこなうことで、腎盂・腎杯が拡張していることがわかり、腎実質が萎縮していることがわかります。
そして、必要に応じて排泄性尿路造影(はいせつせいにょうろぞうえい)が選択されることがあります。
これは造影剤検査の一種ですが、この検査方法により腎盂の腫大(しゅだい)が確認できますが、腎臓の機能が落ち込んでいる場合、造影剤の体外への排泄がおこなわれなくなります。

膿腎症の治療の方法

膿腎症の状態に陥っている場合には、最悪の事態になることも想定されるため、すぐに入院しなくてはいけません。
その上で、抗生物質を使用しての薬物療法がおこなわれる形になります。
また、水腎症がどうして引き起こされたのか、特定することも一緒におこなわれるでしょう。
軽症の人の場合であれば、この抗生剤の使用だけで治療を済ませられるケースもあります。
しかしながら、薬による治療が功を奏さず、全身の症状が改善しない患者に対しては、腎臓内の膿を排出するための手術がおこなわれます。
方法としては内視鏡を使用し、カテーテルを挿入するもののほか、超音波の画像をたよりに腎臓まで針を刺し込み、膿を吸い出すものがあります。
上手くいけば全身倦怠感の症状が軽くなります。
そのほか、抗生物質や手術療法により状態がよくならず、腎機能が著しく低下しているような状態に陥ると、最終的には腎摘出を選択しなくてはいけなくなります。

関連記事

単純性腎嚢胞の原因・症状・検査・治療

単純性腎嚢胞(たんじゅんせいじんのうほう)とは、血液のろ過や尿の産生の役割を担っている腎実質に、

記事を読む

急性腎炎症候群の原因・症状・検査・治療

急性腎炎症候群(きゅうせいじんえんしょうこうぐん)とは、腎臓の糸球体(しきゅうたい)に異常が起こ

記事を読む

腎機能低下とは・・・皆さんは具体的にわかりますか?

腎機能低下とは、言葉通り人間の臓器の一つである腎臓がその役割を正常に果たすことができなくなった状

記事を読む

腎臓の異常は、どのようなことから気付くことが多いのでしょう

腎臓の病気は、尿やむくみの症状で気付くことが多いでしょう。 尿に関する異変としては、まず血

記事を読む

薬物療法:低下した腎臓のはたらきを補う薬

腎臓病になると多少なりとも腎機能が低下した状態になります。 この低下した機能をカバーするた

記事を読む

慢性腎不全の原因・症状・検査・治療

慢性腎不全(まんせいじんふぜん)とは、腎臓の機能が低下していく病気のことをいいます。 腎臓病を

記事を読む

多発性嚢胞腎の原因・症状・検査・治療

多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)とは、腎臓に嚢胞と呼ばれる液体が入っている袋が形成されてし

記事を読む

腎臓の健康維持の為の食事の注意点

腎臓病は自覚症状に乏しいため、気付いたときにはかなり悪くなっていたということが少なくありません。

記事を読む

腎下垂・遊走腎の原因・症状・検査・治療

腎下垂・遊走腎(じんかすいゆうそうじん)とは、腎臓が正常な範囲を超えて下がる状態のことをいいます

記事を読む

巣状糸球体硬化症の原因・症状・検査・治療

巣状糸球体硬化症 どんな病気(概要) 巣状糸球体硬化症(そうじょうしきゅうたいこうかしょう)と

記事を読む

遺伝性出血性末梢血管拡張症(オスラー病)を詳細に:原因,症状,検査,治療など

遺伝性出血性末梢血管拡張症(オスラー病)とは 遺伝性出血性末梢血管拡張症(オ

精巣損傷を詳細に:原因,症状,検査,治療など

精巣損傷とは 精巣(せいそう)は睾丸(こうがん)ともいい、下腹部の陰嚢(いん

日光角化症を詳細に:原因,症状,検査,治療,予防など

日光角化症とは 日光角化症(にっこうかくかしょう)とは、太陽光などの紫外線を

汗疱を詳細に:原因,症状,検査,治療など

汗疱(かんぽう)とは、手のひらや手指、足の裏に小さい水疱(すいほう)が多発する病気

不整脈を詳細に:原因,症状,検査,治療,予防など

不整脈とは 健康な心臓は一定間隔の規則正しいリズムで動いており、1分間で60

→もっと見る

PAGE TOP ↑