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腎臓病の食事療法のポイントと注意点のまとめ

公開日: : 最終更新日:2015/05/20 腎臓の病気・人工透析

腎臓病の食事療法:エネルギーは十分に

腎臓病と診断された場合、食事療法に取り組む必要があります。

食品交換表を参考に、医師の指導に従い継続していかなくてはいけません。

食事療法がスタートすると厳しい食事制限がかけられることになります。

いろいろなポイントがありますが、エネルギーに関しては控えることをしません。

逆にしっかりと補給しなくてはいけないのが腎臓病の食事療法におけるエネルギーの摂り方なのです。

エネルギーの摂取量が足りない場合には、タンパク質に影響を及ぼすことになります。

腎臓病の食事療法ではタンパク質も制限することになります。

タンパク質は少なくする必要がありますが、エネルギーを十分に摂っていない場合、エネルギーを確保するためにタンパク質がエネルギー源として使用される形になります。

この現象を異化作用と呼びますが、異化作用により体の中の尿素窒素が増加するという問題を招くことになるのです。

これでは腎臓機能の低下に拍車をかけることになってしまいます。

タンパク質を摂り過ぎると体の中の尿素窒素が増加しますが、エネルギー不足によっても同様のことが起こるのです。

折角タンパク質の摂取量をコントロールしていてもそれが台無しになってしまいますので、エネルギーは十分に摂らなくてはいけません。

エネルギーを十分に摂らなくてはいけないということはおわかりいただけだでしょうが、摂り方には気を付ける必要があります。

カロリーが豊富に含まれている食品ならOKと思うかもしれませんが、食べ物や飲み物、調味料などには他の栄養成分も含まれています。

中にはタンパク質もたくさん含まれている食品がありますので、献立を決める際にはカロリーの表示だけでなく、タンパク質が含まれていないかどうかもしっかりと確かめましょう。

たとえば、甘いお菓子にはカロリーが多く含まれていますが、摂ると同時にタンパク質を摂り過ぎることにもなりますので、制限したほうが良いということになります。

腎臓病の食事療法:タンパク質を減らしましょう

腎機能が低下し、病気になった場合には食事療法を受け、食事制限を受けることになります。

さまざまなものを摂り過ぎないようにしなくてはいけませんが、その中の一つとしてタンパク質を挙げることができます。

どの程度制限するかは医師の指示に従いましょう。

タンパク質に関しては、厳しく制限されることになります。

理由としては、摂り過ぎることで腎臓に多大な負担をかけることになるからです。

具体的にいいますと、タンパク質を余計に摂るとクレアチニン値や尿素窒素のように、腎機能の低下に繋がる物質が増加する原因になります。

また、タンパク質の摂り方のポイントを解説しますので、参考にしてください。

まず、タンパク質はさまざまな食品に含まれているのが特徴です。

何か一品からだけ摂ることはしないで、医師に指示された1日あたりのタンパク質量を、さまざまなものから摂るようにすることが大切です。

また、タンパク質というのは肉類や魚類にとりわけ多く含まれているのが特徴です。

したがって、肉類や魚類にだけ注意していればいいと感じるかもしれませんが、実際には先述した通り、いろいろな食品に含まれているのがタンパク質の特徴なのです。

具体的にいいますと、ご飯やパンにもタンパク質は含まれていますし、野菜やフルーツなどにも含まれています。

このことから、どの食品にどの程度のタンパク質が含まれているのかを確認し、知らず知らずのうちに余計に摂ってしまっていたということにならないよう、くれぐれも気を付けましょう。

また、一口に腎臓病といっても複数ありますが、深刻な状態といえる腎不全患者の場合、タンパク質の制限は厳しさを増します。

具体的にどのぐらいの量の摂取になるのかといいますと、標準体重1kgあたり0.6~0.7gの量にコントロールする形になるでしょう。

その他、タンパク質は量を少なくしますが、エネルギーを十分に摂ることにより、タンパク質を余計に摂ることで起こる尿素窒素の増加を防止する必要があります。

腎不全患者の場合標準体重1kgあたり35kcalのエネルギーを摂らなくてはいけません。

腎臓病の食事療法:塩分控えめ

腎臓病になり食事療法を受けるようになった場合、塩分の摂取量を控えめにしなくてはいけません。

なお、塩分の摂り過ぎは腎臓病の人でなくても腎機能の低下に繋がりますし、高血圧症にもなりかねません。

したがって、腎臓機能の数値や血圧の数値が気になる人も、食事療法での塩分制限に関しては読んでおいて損はないでしょう。

また、腎臓病の人の中には高血圧の人が少なくありません。

この場合にはよりしっかりと塩分制限をする必要があるでしょう。

さて、それでは実際にどのように食塩を制限するのかといいますと、塩分が多く含まれている食品をなるべく避けることが大切です。

漬物、佃煮、干物、ハム、ソーセージ、かまぼこ、はんぺん、茹でうどんなどは食塩を多く含む食品の上位に入っています。

こうした食品が大好きだという人にとっては辛いものがあるでしょうが、腎臓を労わるため控えるに越したことはないでしょう。

また、日頃お味噌汁を摂る機会が多かったという人は、塩分に注意したいところです。

どうしても摂りたい場合は普段の半分の量だけにとどめておくか、なるべくなら摂らないようにするに越したことはありません。

なお、食事療法を始めるほどではないものの、塩分を制限したい人は、減塩タイプのお味噌汁にすると良いでしょう。

また、塩分を制限すると食事がなんだか味気ない感じがするという人が少なくありません。

この場合には酸味をプラスすることにより、塩分を制限した分損なわれた美味しさをカバーすることが可能です。

酸味は酢などにありますので、料理に上手く使用することにより食事を楽しめるようにしましょう。

また、腎機能の低下が深刻化し、腎不全になった場合の患者は、どのぐらいの塩分制限がかけられることになるのでしょうか。

この問いに対しては、1日あたり7g以下に抑えるように指導されることになるでしょう。

これをオーバーするようなことがあると、高血圧や全身浮腫の症状を引き起こす原因になります。

腎臓病の食事療法:カリウムの制限

カリウムの摂取量に関しては、必ずしも制限されるとは限りません。

制限されることがあるとすると、それは腎臓の機能が低下し血中カリウム量が過剰になった場合です。

カリウムの血中濃度が高まると高カリウム血症となり、場合によっては命を落とすことになりかねません。

というのも濃度が上昇すると不整脈が起こり、心停止する恐れがあるからです。

腎臓病の人の場合、高カリウム血症による心停止が死因になるケースが少なくないといわれています。

なお、透析治療を受けている人の場合、カリウムが腎臓から尿中へと排泄されなくなりますので、数値が上昇しやすいといわれています。

以上のことから、カリウムの制限を受けることになったら、しっかりと食事の管理に取り組まなくてはいけません。

まず、カリウムはミネラルの一種なのですが、ほとんどの食品に含まれているのが特徴です。

野菜、果物、肉類、イモ類、海藻類に含まれている量が多いのですが、干しぶどうや干し柿のようないわゆるドライフルーツは非常に多くのカリウムが含まれているため、摂ってはいけません。

カリウムの制限をすることになったら、食品に含まれるカリウムの量をチェックし、献立作りを行いましょう。

また、カリウムは調理方法を工夫することにより摂取量を少なくすることが可能です。

たとえば野菜に関しては炒めたり、煮たり、茹でたりする調理方法を行うと、カリウムを減量することができるでしょう。

それから、カリウムは水に溶ける性質のため、水にさらす方法をとることにより摂取量を少なくすることが可能です。

野菜やイモ類を摂る際には切ったあと下茹でを行い、そのあとは茹で汁をいったん捨てましょう。

茹で汁を捨てたら新しく水を投入し調理を行うと、カリウムの量を減らすことができます。

また、茹でこぼしたあとに調理を進めるというのも、カリウムを減らすコツです。

果物に関してはこうした方法がとれませんが、缶詰にすることで摂取量を少なくすることができますし、食べる量を半分に留めることでも摂取量を減らすことが可能です。

このように上手にカリウム摂取量を制限し、1日あたり2,000mg以下に抑えられるようにしましょう。

腎臓病の食事療法:水分の制限

腎臓病の食事療法では、水分量の制限もかけられます。

ただし、絶対に制限が必要になるというわけではありません。

まず、どのような場合に水分量が制限される形になるのか、この点について説明したいと思います。

腎臓病の場合、腎機能の低下が起こっていますが、むくみの症状がひどい場合、尿量が少な過ぎる場合に水分制限を行わなくてはいけません。

なお、むくみの症状が起こる理由に関しては、腎機能の低下により水分の排泄ができなくなることが原因です。

排泄されない水分が体内に蓄積されてしまい、心臓や肺に水分が溜め込まれた場合には、呼吸困難に陥るリスクがあります。

このような事態に陥らないために、水分の摂取量を調整しなくてはいけないのです。

どの程度の制限になるのかに関しては、腎臓病の状態や尿の量により医師が決めることになるでしょう。

また、単純に少なくすればいいと考えるのは危険です。

というのも、極端に水分制限をした場合には、脱水の状態に陥ることになります。

水分が不足している状態だと、腎臓へと血液が十分に行き渡らなくなり、腎機能の低下に繋がります。

このようなことから、実際に治療を受けることになった際には、指示された量を絶対に守ってください。

また、水分の制限はただ単に飲み物から摂る量が考慮されるだけではありません。

実際に制限することになった場合には、食べ物から摂る水分量も入れて摂取量を調整することになるのです。

食事から摂る水分を少なくしたい場合には、よく水気を切ると良いでしょう。

逆に腎臓病の食事療法においては、水分量を制限しなくてはいけない場合だけでなく摂取を促される場合もあります。

この場合には腎臓の機能が低下しないよう、脱水にならない量の水分を摂らなくてはいけません。

ただ、たくさん摂ればいいということはなく、水分を摂り過ぎることにより低ナトリウム血症を引き起こすリスクが増大します。

したがって、1.5~2lの尿が出る量を目安に水分補給をすることが大切です。

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