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多発性嚢胞腎の原因・症状・検査・治療

公開日: : 腎臓の病気・人工透析


多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)とは、腎臓に嚢胞と呼ばれる液体が入っている袋が形成されてしまい、それが次第に巨大化してくる病気のことをいいます。
嚢胞が形成されるのは、左右いずれか一方の腎臓に限られるわけではなく、両方に形成されることがほとんどです。
また、形成される嚢胞の数は決まっておらず、たくさんできるのが特長です。
腎臓は嚢胞が巨大化するごとに圧迫されるようになり、萎縮した状態になっていきますが、これにともない腎機能が低下していってしまいます。
ある程度まで腎臓の機能が落ち込むと慢性腎不全を引き起こし、最後には尿毒症を招くことにもなります。
日本において多発性嚢胞腎を罹患している人は数万人の規模でいるとされており、大人になって発見されることになります。
なお、男性と女性の比率ではどちらかが極端に高いということはありません。

多発性嚢胞腎の原因

多発性嚢胞腎の大きな特徴として、遺伝により引き起こされるということが挙げられます。
常染色体優性遺伝型と常染色体劣勢遺伝型があり、どちらのタイプの多発性嚢胞腎かで病状は異なります。
なお、常染色体優性遺伝型は成人型という呼称が用いられることもあり、常染色体劣勢遺伝型は幼児型という呼称が用いられることもあります。
常染色体優性遺伝型の多発性嚢胞腎を引き起こしたケースでは、嚢胞が徐々にかたちづくられていくのが特徴であり、成人になってから発病することになります。
一方、常染色体劣性遺伝型の多発性嚢胞腎を引き起こしたケースでは、常染色体優性遺伝型とは逆で発病が急であり、生まれたあとすぐに命を落としてしまうことになるのが特徴です。

多発性嚢胞腎の症状

この病気を引き起こしていたとしても、最初の頃はこれといった症状を自覚することはありません。
多発性嚢胞腎の進行とともに嚢胞が多数形成されると腎臓が肥大し、腹部膨満の症状が起こります。
さらに病気が進むと腎臓の機能が低下していくのですが、これにともなって食欲不振、倦怠感、疲労しやすい、息切れ、たんぱく尿、夜間の多尿などの症状が引き起こされます。
そのほかには、腰の痛みを訴える人や、血尿の症状が起こる人もいます。
また、多発性嚢胞腎になると、合併症として高血圧を引き起こす人が少なくありません。
さらに脳出血なども起こりやすい状態に陥っているため、警戒が必要になるでしょう。

多発性嚢胞腎の検査と診断

多発性嚢胞腎か否かをはっきりとさせるためには、まず症状が引き起こされていること、家族に同じ状態の人や腎不全を患っている人がいないか確認します。
いるということであれば、多発性嚢胞腎の可能性が高いと判断されることになります。
詳しい検査としては、主に画像検査(CT、MRI、超音波など)がおこなわれることになるでしょう。
そして腎臓の状態が多発性嚢胞腎の特徴を示していれば、診断がつくことになります。
あとは超音波検査をおこなうことにより嚢胞が形成されている数を調べたり、血液検査や尿検査をおこなうことにより、腎臓の機能がどの程度のものなのかを明確にします。

多発性嚢胞腎の治療の方法

現状においては劇的に回復する方法が確立されているわけではありません。
腎機能が低下していく病気ですので、これを遅らせるために生活を制限しなくてはいけませんし、食事療法を受けなくてはいけなくなります。
なお、病気が進行してしまい、腎臓の機能の低下が著しい場合には、透析療法を受けなくては生命維持が困難になるでしょう。
また、高血圧を合併することが多いのが多発性嚢胞腎の特徴ですが、高血圧の治療としては血圧をコントロールする必要がありますので、食事療法や薬物療法などがおこなわれます。
ちなみに、高血圧の治療のために使用される薬としてはアンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシン受容体阻害薬が選択されることになるのが一般的です。

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