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痔の原因・症状・手術・治療法など

公開日: : 最終更新日:2018/04/01 , , , ,

痔の原因
ここでは、痔について原因や症状・治療や手術の方法・薬や食事など痔についての情報を詳しく説明しています。

痔は、人間が四足歩行から二足歩行になった事で、人類から切り離せなくなった病気と言われ、日本では3人に1人が患っているとも言われている病気です。

痔は、患部の場所が場所だけにどうしても恥ずかしいというのが先にたって、自己判断で市販薬による治療や放置してしまう人が多く、結果として状況を悪化させる場合が非常に多いようです。

このサイトでは、痔に関する原因や症状。
治療や手術の方法などについて詳しく説明していますので、ご参考にしていただきなるべく早く病院で診て貰って下さい。

痔とは…

痔は、体のデリケートな部分の病気なので、人に相談しにくい病気ですが、日本人に多く、3人に1人は経験のある病気だそうです。
意外とポピュラーな痔とは、どのようなものでしょうか。

痔とは、肛門付近に出来る出来物・傷の総称の事です。痔の種類は、症状・タイプ別に、分類されます。
排便中に、痛み・違和感を感じたり、便の中に血が混ざるようでしたら、要注意です。

また、おしりに詰まった残便感があったり、肛門付近に腫れ・出来物を感じたら、痔の疑いがあるので、直ちに専門病院へ行きましょう。
単に肛門の病気と軽視しないで、肛門科の専門医にきちんと診てもらい、再発しないためにも、しっかり治療しましょう。

便秘やお尻のうっ血は、痔になる危険行為です。
毎日の食事に、食物繊維を多く取り入れ、水分をまめに補給するなど、排便を優しく促す習慣を付けて下さい。

毎日使う大切な体の部分だからこそ、清潔に健康に、心配なくすっきり過ごしたいですね!

痔の種類について…

痔とは、肛門周辺に出来た出来物や傷です。
一口に痔と言っても、痔の種類は多種多様です。
細かく分類すると、大きく三つに分ける事が出来ます。

一般的に、痔核(イボ痔)、裂肛(切れ痔)、痔ろう(肛門周囲膿瘍)を指し、大人の3人に1人が、痔の病気であるほど、日本人には、ポピュラーで、誰しもが経験のある国民的な病気なのです。

痔の種類の中でも、最も多いタイプの痔核(イボ痔)は、内痔核と外痔核です。
痔核の種類が、二つに分かれます。

特に内痔核の患者が多く、肛門の内側にできた出来物をいいます。

裂肛(切れ痔)は、肛門付近が、排便中のいきみや、便の硬さで切れて出血した状態を言います。

痔ろう(肛門周囲膿瘍)は、発症率の低い、まれな症状で、肛門周辺の化膿による痔を指します。

痔の種類は様々ですが、早期発見・早期治療による対応が、悪化を防ぎ、予防に繋がるので、きちんとした専門機関での診察をお勧めします。
痔の種類を明確にして、正しい治療をしましょう。

内痔核とは

内痔核(ないじかく)とは、一般にイボ痔(いぼじ)とよばれている、肛門の内側にイボ状のはれが生じる病気の痔核(じかく)の一種です。

これに対し、肛門の外側にイボ状のはれが生じる病気のことは外痔核(がいじかく)といいます。
痔核は肛門の病気としては最多であり、男女差はありません。

痔核は肛門まわりの動静脈瘤(どうじょうみゃくりゅう)の一種で、血管と結合組織が肛門の中に盛り上がり、垂れ下がって形成されたものです。

内痔核は痛みを感じる神経の知覚神経(ちかくしんけい)がない直腸側に生じる痔核であり、軽度では痛みの症状を伴いません。

そのため、出血を起こしたり内痔核が肛門の外側へと飛び出してきてはじめて異常を自覚することが多いのです。
軽度という言葉が出ましたが、内痔核にはⅠ~Ⅳ度までの4段階に分類されており、数字が大きいほど重度です。

Ⅰ度の内痔核

内痔核はブヨブヨした状態で、便を出そうといきむことによって膨張し、硬い便があたることによって内痔核を覆っている粘膜が破けて出血を起こします。

出血はトイレットペーパーに付着する程度で少ない場合や、血液がシューッと勢い良く多量に出てくるいわゆる走り痔(はしりじ)のこともあります。

出血の症状は、排便が済んでしまえば止まります。

Ⅱ度の内痔核

内痔核が増加し、便を出すときのいきみによって肛門の外に飛び出してきます。
この肛門の外に飛び出てくることを脱肛(だっこう)といいます。

内痔核が出入りを繰り返していると粘膜の厚みが増し、結合組織が増加してくるため、だんだん破けにくくなり、Ⅰ度の内痔核より出血量が少なくなることもあります。
排便が済んでしまえば内痔核は自然に肛門内へ戻ります。

Ⅲ度の内痔核

内痔核がより大きくなって、指で押さなければ肛門の中に戻らなくなります。
また、うまく戻さなければ一部が飛び出たままになり、血液が滞るうっ血(けつ)を起こして痛みが生じたり、押し戻そうとするときに出血を起こしたりします。

内痔核が飛び出すのは便を出すときだけではなく、重たい荷物を持ったときなどに飛び出すこともあります。

Ⅳ度の内痔核

内痔核を手で押し戻してもすぐにまた飛び出してきて、常に出たままの状態になります。
飛び出してくる内痔核は1個だけのこともあれば、複数個が飛び出てくることもあります。
また、肛門の粘膜も内痔核に引き出されてしまいます。

粘膜が出てくると便がささいなことで流れ出てきて、肛門周囲を汚してしまいます。
この度数の内痔核ではお知りがジクジクして、肛門まわりの皮膚のかぶれ、強いかゆみを伴います。

嵌頓痔核(かんとんじかく)

症状の進行度合いとは無関係に、飛び出した内痔核を指で押しても肛門内へと戻らなくなることがあります。

この異常のことを嵌頓痔核とよび、内痔核の根の部分が肛門を締めるときに使う筋肉である肛門括約筋(こうもんかつやくきん)によって締め付けられてしまい、血液が滞ってしまうものです。

血液が滞ることによって内痔核全体がはれあがり、表面が赤黒い色になります。
また、肛門の外に内痔核が飛び出すときに、強い痛みを感じる肛門の出口付近の皮膚である肛門上皮(こうもんじょうひ)まで同時に引きずり出されてしまう場合もあります。

内痔核は通常、痛みは伴いませんが、嵌頓痔核では患部がひどくはれあがることで、強烈な痛みを感じます。

表皮が破けると多量の出血を起こし、手術を受けなければいけなくなることもあります。
内痔核で強烈な痛みを伴う方は多くの場合、嵌頓痔核が原因になっています。

内痔核の原因

内痔核は肛門の内側にイボ状のはれが生じる病気です。
肛門の病気としては一番多く起こっています。

軽度の内痔核では痛みはなく、出血、内痔核が肛門外へと飛び出てくる症状が出現し、飛び出た内痔核はひどくなると手で戻すことができなくなります。

このような特徴がある内痔核ですが、一体どうして起こってしまうのでしょうか?
以下に内痔核の原因に関する情報をまとめていますので、気になっているという方はぜひご一読ください。

便秘による内痔核

内痔核は肛門に負担がかかることによってできます。
内痔核の一番の原因は便秘です。
便秘を起こすと便が硬くなります。

硬い便を排出することは肛門を刺激し、負担をかける原因になります。
また、便を出すときに無理にいきむことになり、下腹部に力を入れるため、余計に肛門への負担は大きくなります。
便秘は長く悩まされる方が多く、内痔核の一番の原因になってしまうのです。

下痢による内痔核

便秘とは真逆の排便異常といえる下痢。
下痢も内痔核を起こす原因の一つに含まれます。

下痢便は普通便に比べて勢い良く排出されるため、肛門部を刺激して負担が大きくなってしまう原因になります。

姿勢による内痔核

姿勢を変えることなく長時間過ごしていることも問題です。
同じ姿勢で長い時間いると、肛門の血液が滞り負担をかける結果になってしまいます。

飲食物による内痔核

飲酒、辛いものは内痔核のリスクを高めます。
お酒に含まれているアルコールは肛門部分の血液が滞る原因になります。
また、過度な飲酒は下痢を起こし、肛門に大きな負担をかけることになります。

トウガラシ、ワサビ、コショウ、カレー粉といった辛いものも、便を排出するときに肛門に刺激を与えて大きな負担をかけることになります。

そのほかの要素による内痔核

激しいスポーツや力仕事によって、内痔核が生じてしまうことがあります。
妊娠・出産も肛門にかかる負担が大きく、内痔核ができてしまう原因として含まれます。

内痔核の症状

内痔核は便秘、下痢、長時間にわたる同一姿勢、激しい運動・力仕事、妊娠・出産、アルコール・辛いものが原因となって起こり得る肛門の病気です。

この病気が起こった場合には、どのような症状が出現するのでしょうか?
ここではこのような疑問をお持ちの方のため、内痔核の症状について解説させていただきます。

内痔核の症状の出かた

初期は基本的に出血のみで、痛みは生じません。
血液に濁りはなく鮮やかな赤色をしています。

出血量はトイレットペーパーに少量付着する程度のこともあれば、ポタポタとたれてくることや、勢い良くシューッと多量に出てくることもあります。

出血の頻度は最初はひと月に1回だけなど、たまに起こすだけだったのが、1週間に1~2回、毎回の排便時という具合に、内痔核がひどくなると高頻度になります。

程度が進行すると出血だけではなく内痔核が肛門の外へと飛び出してくるようになります。
最初は便を出すときにいきむことによって飛び出して、排便が済めば自然に中に戻っていたのが、だんだん指で押し戻さなければいけなくなります。

さらに進行すると歩く、運動する、せき、くしゃみをする、重いものを持つことなどをきっかけに飛び出し、最終的には常に飛び出したままの状態になってしまいます。

痛みが伴うケース

Ⅲ度の内痔核では、内痔核が大きくなったために、指で押さなければ肛門の中に戻せなくなります。
また、うまく戻さなければ一部が飛び出たままの状態になり、うっ血(けつ)を起こして痛みが出ます。

そのほか、内痔核の進行度合いとは無関係に起こる嵌頓痔核で痛みが伴うことがあります。
内痔核の根の部分が肛門括約筋に締め付けられてしまい、血液が滞ってしまうものです。
血液が滞ると内痔核全体がはれあがり、表面が赤黒い色になります。

また、肛門の外に内痔核が飛び出すときに、強い痛みを感じる肛門上皮(こうもんじょうひ)まで同時に引きずり出されてしまう場合もあります。

嵌頓痔核では患部がひどくはれあがり、強烈な痛みを感じます。
表皮が破けるとたくさん出血し、手術をしなければいけなくなることもあります。
内痔核で強烈な痛みを伴う方の大部分は、嵌頓痔核が原因になっています。

内痔核の検査・診断

内痔核に該当するような出血、肛門外への脱出がある場合、また痛みがある場合には、どうすれば良いのでしょうか?

また、病院に行く場合には何科が良く、内痔核をどうやって調べることになるのでしょうか?
このような疑問をお持ちの方のため、ここでは回答となるような情報を提供させていただきます。

内痔核かもしれないと思った場合はどうする?

肛門より出血を起こしたことに気づいたときには、腸の病気の有無を調べておく必要があります。
鮮やかな赤色の出血イコール内痔核と自分だけで判断せず、一度は医療機関で診てもらいましょう。

出血頻度が低く、内痔核が飛び出しても普段の暮らしに大した支障がなければ、肛門を温水で洗浄し、十分に乾かすことで肛門を清潔に維持し、肛門に負担がかからないように便通を整えて、トイレで長くいきむことはせず、長時間にわたり姿勢を変えない、激しい運動に気をつけ、お酒や香辛料などの摂取を控えます。

たびたび出血する、内痔核が飛び出して痛みを伴う場合には、坐薬(ざやく)、軟膏(なんこう)などの外用薬、内服薬の使用が改善を促します。

こうした方法を実践していても出血がひどく貧血(ひんけつ)を起こしそうな場合、内痔核が飛び出して日常生活に支障をきたしている場合には、外来で適切な処置をほどこしたり、手術を受けたりする形になります。

受診に適した診療科

内痔核を疑うような症状がある場合には、何科に行くのが適切なのでしょうか。
人によってはこのことでどこの病院へ行けばいいのか迷ってしまうこともあるでしょう。

この点に関してですが、内痔核は肛門に起こる病気であるため、肛門科・肛門外科へ行けば診療を受けることが可能です。

また、近くに肛門科・肛門外科がないという方は、外科か消化器外科へ行っても大丈夫です。
診る場所が場所であるため、異性の医師の診療に抵抗を感じる方もいるでしょう。

その場合には、同性による診療を受けることができる医療機関を候補にすると良いのではないでしょうか。
また、恥ずかしいと思い受診をしない方もいますが、医療機関では毎日のように多くの痔の患者が受診しています。

病院のスタッフは病気を診ているだけであり、ほかの、たとえば痔で何か馬鹿にされたりするようなことはいっさいありません。
そのほか、肛門科などに来ている多くの人が同じいわゆる痔主(じぬし)です。
恥ずかしがることなく気軽に受診しましょう。

医療機関へ行く前の準備

病院へ行く前にやっておくと診察がスムーズになることがあります。
どのような症状がいつはじまったのか、これまでにかかった病気や現状で治療中の病気、現在服用中の薬を答えられるようにしておきましょう。

症状は週に1回出血がある、排便のたびに出血する、内痔核が飛び出る、飛び出た内痔核が戻らない、肛門部の痛みがあるといったことが参考になります。

また、いつから症状が出るようになって、いつごろから症状が悪化したのかということもできるだけわかる範囲で答えられるようにしておくに越したことはありません。

服用中の薬に関してはお薬手帳があれば持って行って、別の病気で使っている薬も全部病院側へ伝えます。
ない場合は薬を持参するか、メモにとるなどして行くと答えやすいでしょう。

また、下着をずらして肛門の状態を観察することになるため、着脱しやすい服装で病院へ行くとスムーズです。
排便はしておくことが望ましいのですが、便秘があるなどする場合には、無理に排便しようとする必要はありません。

なお、女性は月経中に受診できるかどうか不安に感じる方もいるでしょう。
この点に関してですが、とくに制限はなく問題なく受診することが可能です。

内痔核を調べる方法

症状などを問診票に書いて提出します。
その情報をもとに、症状や生活習慣などに関する質問が医師によって行なわれます。
問診以外には、視診が行なわれます。
医師が肉眼で肛門の状態を確認します。

肛門鏡(こうもんきょう)という器具を肛門に入れて、肛門をひろげて中の様子を見ることもあります。
ほかには触診も行なわれています。
医師が指を肛門に挿入して状態を探ります。

ゲル状の麻酔薬を指に塗布するため、苦痛を伴うようなことはほぼありません。
ほかには、便中に血液が混じっていないか確かめる便潜血(せんけつ)検査も行なわれています。
この方法によって大腸の異常の有無を知ることが可能です。

そのほか、より詳細な情報を得ることを目的として、バリウムを肛門に流し込み、X線で大腸の状態を見る注腸造影(ちゅうちょうぞうえい)検査や、肛門からカメラが先端に搭載された細長い管である内視鏡(ないしきょう)を挿入し、大腸の粘膜の状態をモニターで確認できる内視鏡検査なども行なわれています。

なお、診察・検査は仕切りのある部屋が行なわれるため、ほかの人に見られてしまう心配はありません。
診察時には穴のあいたシーツやタオルをかけるなどしてくれるというように、配慮がされています。

内痔核の治療

内痔核が起こっていることがわかった場合、医療機関ではどのような処置が行なわれているのでしょうか?
内痔核の治療としては、複数の方法があります。

そして内痔核の治療は、重症度に応じて選択されることになります。
以下に各治療方法の特徴をまとめていますので、この点が気になっているという方は内容をご覧ください。

生活療法

まず、日常生活で注意しなければいけないのは肛門衛生です。
肛門に便などの汚物が残っていると、肛門部に対して刺激となり、肛門の病気を悪化させてしまいます。

排便が済んだあとはトイレットペーパーで、温水で十分に洗浄することを習慣にしましょう。
トイレットペーパーで拭くのは付着した便などを完全に取り除くのではなく、逆に便などを肛門まわりのヒダにすり込む形になってしまいます。

またお風呂では、肛門まわりをお湯で洗浄し、しっかりと乾かしておくことが大切です。
石けんを使用したあとは、しっかり洗い流さなければいけません。

石けんが残っていると逆に患部を刺激してしまう形になります。
肛門衛生以外で注意しなければいけないのは、便秘です。

便秘で下剤だけでどうにかしようとするのではなく、水分や食物繊維を十分に摂る食事療法が重要です。

便意を催したときには我慢せずトイレに行く、朝食を抜かずにしっかり摂ることも、便秘の対策として欠かせません。

下痢も良くありません。
暴飲暴食、過度なアルコール摂取は避けます。

あとの生活療法としては長い時間にわたり同じ姿勢でいない、トイレに長くい続けず早めに切り上げる、無理にいきまないといったことで肛門への負担を避け、香辛料の過剰摂取を避けることも重要です。

薬物療法

保存療法で使用されている薬剤としては、坐薬、軟膏といった外用薬や内服薬があります。
坐薬や軟膏といった外用薬は止血や痛み止めの作用があり、症状を軽減します。

また、排便時に肛門部に負担をかけることなく円滑に排出できるようになります。
内服薬は内痔核をしぼませる、内痔核の血液の循環を改善するもののほか、便秘防止のための緩下剤(かんげざい)も有効です。

硬化療法

出血がおさまらない内痔核に対し、外来でほどこす処置です。
内痔核にフェノールアーモンド油という、血液が固まる薬剤である硬化剤(こうかざい)を注入します。

麻酔をほどこさずに行なうことが可能で、痛みがあまりない治療です。
硬化療法では出血を止めることが可能で、効果は1~2年間にわたり続きます。

ゴム輪結紮(りんけっさつ)療法

内痔核を輪ゴムで縛ることによって血液の流れを止めて、脱落させる方法です。
内痔核が脱落するまで、1週間前後の日数を要します。

外来で麻酔をほどこさずに行なうことも可能で、あまり痛みのない治療です。

凍結療法

液体窒素を使うことにより、内痔核を凍結、壊死させて切り取る治療です。

外来で局所麻酔をほどこすことにより、行なうことが可能です。
再発を招くリスクが高く、今はあまり実施されなくなっています。

レーザー療法

レーザー光線を照射することによって内痔核を固めて縮小させることにより切り取る治療です。
外来で行なうことが可能であり、入院する必要があります。

ただ、レーザー光線をあてたあとしばらくは照射部位のまわりにはれが生じるリスクがあること、再発が多いことには注意が必要です。

結紮切除術

内痔核根治(こんじ)術ともいいます。
結紮は縛ることをさし、治療の名前にあるとおり内痔核を縛って切り取る方法です。
内痔核の重症度とは無関係に行なうことが可能で、再発を招くリスクはほぼありません。

ただ、腰椎(ようつい)麻酔をほどこすことで、術後に頭痛が続くことがあるほか、術後の合併症として出血、感染、排便障害が起こることもあります。
入院ではなく日帰り手術を受けることも可能です。

ジオン注射療法

内痔核にジオンという薬液を注射することにより、固めて縮小させる方法です。
硬化し縮小した内痔核は肛門の外へと飛び出してこなくなります。

麻酔も軽く済み、痛みが少ない、切る必要のない早期復帰が見込める治療方法ですが、再発を招くリスクが高いのが難点です。

また、正しくジオンを扱わなければ直腸を深く傷つける、肛門が細くなる、ひどいはれが生じることがあります。

直腸粘膜環状(かんじょう)切除術(Procedure for Prolapse and Hemorrhoids;PPH)

痛みを感じる神経の知覚神経がない直腸の粘膜をドーナツ状に切除し、内痔核を吊り上げて元の位置に戻します。
直腸の粘膜は内痔核に血液を与える血管と一緒に切除されるため、内痔核はしぼみ、飛び出さなくなくなります。

また、結紮切除術と比較して手術後の肛門の痛みが少ないのも特徴です。
手術は30分もかからず完了し、日帰り手術または短期間の入院で受けることが可能です。
この治療方法の場合、内痔核から快復するまでには約5週間程度の期間を要します。

内痔核の予防

内痔核は肛門の病気としては最多であり、ありふれた病気ではありますが、出血、内痔核が飛び出てくる、痛みを伴うというように、重度であるほどツライ症状が出現する病気でもあります。

そのため、できることなら避けたいと思っている方がほとんどでしょう。
ここでは内痔核の予防について取り上げていますので、参考情報としてお役立ていただければ幸いです。

便秘を予防改善する

不規則なリズムの食事は便通を悪くします。
三食を規則正しい時間に摂りましょう。

便秘の予防改善のため、食物繊維や水分を十分に摂取し、適度な運動をするのがおすすめです。
歩くことによりお腹が揺すられて、腸の活動が良くなります。

下痢を予防改善する

便秘とは真逆の排便異常ともいえる下痢も、血栓性外痔核の原因の一つに含まれます。
アルコール、辛いものは下痢を起こしやすくなるため控えるほか、整腸剤(せいちょうざい)を服用するのも良いでしょう。

排便習慣を見直す

5分間以上のいきみは肛門周囲の血液が滞る原因になります。
内痔核が飛び出しやすくなり、血圧が高まることにもなります。
とくに寒い時期にトイレでいきむのはやめましょう。

また、便意があれば我慢するのは避けます。
我慢すると便が硬くなり、内痔核のリスクが高まります。
残便感(ざんべんかん)がある程度あっても、長々とトイレで座っているのは良くありません。

3分間を基準に切り上げることが大切です。
シャワートイレを使用して肛門周囲を清潔に維持することも効果的です。

お尻の冷えを避ける

お尻の冷えは肛門周囲の血行を悪くします。
入浴することによって温め、血行を良くしましょう。

アルコールや刺激物を控える

お酒に含まれているアルコールは肛門部分の血液が滞る原因になります。
また、お酒の飲み過ぎは下痢の原因になり、肛門に大きな負担をかけることになります。

トウガラシ、ワサビ、コショウ、カレー粉といった辛いものも、便を出すときに肛門に刺激を与えて大きな負担をかけることになります。

同一姿勢を長く続けない

座ったまま長時間い続けることは、肛門周囲の血液が滞る原因になります。
長時間にわたる車の運転、デスクワークは良くありません。
途中で休憩を挟み、座りっぱなしでいることを避けましょう。

外痔核とは

外痔核(がいじかく)とは、いわゆるイボ痔(いぼじ)の一種であり、直腸と肛門の境界である歯状線(しじょうせん)の外側にイボ状のはれが生じる肛門の病気です。

これに対して、歯状線の内側に生じるイボ状のはれのことは内痔核(ないじかく)といいます。
内痔核は痛みを感じる神経である知覚神経(ちかくしんけい)が通っていない場所にできるため、基本的に痛みを感じることはありません。

内痔核は出血によって気づくことが多いのですが、ひどい場合には排便時にイボが肛門の外に飛び出し、炎症などによる痛みが生じることがあります。

これに対して外痔核は、知覚神経が通っている場所にできるため、ほとんどの場合には痛みが生じます。
また、急性の炎症が生じ、血豆(ちまめ)ができる=血液のかたまりである血栓(けっせん)が形成されることで大きくはれ、激しい痛みを伴います。

この血豆ができる外痔核のことは血栓性外痔核(けっせんせいがいじかく)といいます。
血栓性外痔核を起こすと突然に激しい痛みが起こり、排便時だけでなく排便とは無関係に出血を起こすことがあります。

通常、数は1個だけできますが、複数できることもあります。
血栓は吸収されていって、自然に縮み消えてなくなってしまいます。
なお、外痔核は肛門の外側にできるため、さわってみることで簡単にできていることを確認することが可能です。

外痔核の原因

一般にイボ痔といわれている症状のうち、直腸と肛門の境目にある歯状線の外側にできる内痔核。
内側にできる内痔核とは違い、ほとんどの場合ははれに痛みの症状を伴うのが特徴です。
血栓が形成されるとその痛みは激しくなります。

また、ほうっておくと破裂し、出血により身に着けている下着を汚してしまうこともあります。
この外痔核ですが、いったい何が原因で起こってしまう病気なのでしょうか。
このような疑問をお持ちの方のため、ここでは外痔核の原因に関する情報を提供させていただきます。

外痔核は何が原因で起こる病気なのか?

外痔核を起こしてしまう原因は複数あります。
まず、とくに女性では便秘に悩まされている方は多いでしょう。

また、便秘(べんぴ)で便がなかなか出ないため、トイレでいきむことがくせになっている方も多いのではないでしょうか。
この便秘、排便時のいきみが外痔核を起こす原因になってしまいます。

また、便秘とは真逆の排便に関する異常として、下痢(げり)をあげることができます。
この下痢の症状によっても、外痔核は起こってしまいます。

また、肛門部分の血流が悪化し、血液が滞る=うっ血(けつ)してはれることにより、症状が悪化してしまいます。
妊娠中の女性も外痔核を起こすリスクが高まるため注意が必要です。
妊娠中の肛門部分のうっ血だけでなく、出産時の強いいきみもリスクを高めます。

また、うっ血液は長時間にわたって立ったまま、座ったままでいることによっても起こります。
重たい荷物を持ち上げること、激しいスポーツ、冷え、ストレス、疲労も外痔核の原因になるため気をつけなければいけません。

そのほか、香辛料やアルコールの摂り過ぎは、外痔核を悪化させてしまうことに繋がります。
香辛料といわれるとトウガラシをイメージする方は多いでしょう。

トウガラシは多くは体内で吸収されることなく便として体外へと出ていってしまいます。
このため、排便時に便中に含まれているトウガラシの成分が肛門に刺激を加えて炎症を起こしてしまうのです。

また、お酒に含まれているアルコールも炎症を生じさせる物質です。
過度な飲酒は下痢の原因になり、外痔核を悪化させてしまいます。

外痔核は自然に良くなる病気なのか

血液のかたまりである血栓が形成されたあと、その血栓はすぐに溶けはじめます。
血栓は血管内で血液が滞ってできるものですが、溶けはじめると血管が開通して血液が流れるようになります。

塞がっていた血管に血液が流れるようになると、貯留していた血液が出ていくことになり、はれがひいていきます。

はれがひいてくると、それと連動して痛みが軽減されていきます。
血栓性外痔核になると2、3日は激しい痛みが起こりますが、しだいに軽くなっていきます。

肛門の強い痛みが起こるせいで、力を入れようとしても入れられないこともあります。
はれが完全になくなるまでには、ひと月程度の期間を要することもあります。

外痔核の症状

排便時のいきみ、便秘、下痢などさまざまなことが原因となって外痔核は起こります。
外痔核は直腸と肛門の境界である歯状線の外側に生じるイボ状のはれです。

肛門の病気としてはありふれたものですが、外痔核ができることによってどのような症状が起こるのでしょうか。
以下に外痔核の症状に関する情報をまとめていますので、気になるという方はぜひご一読ください。

外痔核で起こる症状

外痔核が生じる肛門の外側にある皮膚には、痛みを感じる神経の知覚神経が通っています。
そのため、外痔核の主な症状のひとつとして痛みをあげることができます。

重たい荷物を持ち上げたときなど、急に腹圧をかけると肛門部分の強い痛みを起こすことがあります。

また、血栓性外痔核の場合、血液のかたまりである血栓が、肛門を締めるときに使う筋肉である肛門括約筋によって締め付けられることにより、激しい痛みを感じます。

通常、1個だけ形成されますが、複数個が形成されることもあります。
形成された血栓が破けることによって出血を起こし、身に着けている下着を汚してしまうこともあります。

内痔核との違い

外痔核は直腸と肛門の境目である歯状線の外側に生じるイボ状のはれです。
一方、内痔核はこの歯状線の内側に生じるイボ状のはれです。

内痔核が生じる部分には知覚神経が通っていないため、内痔核が飛び出してこない限りは痛みを感じないのが普通です。
これに対して外痔核は知覚神経が通っている部分にできるため、痛みを感じます。

外痔核の後遺症

血栓性外痔核のはれがひくことで、はれが生じていた部分の皮膚がたるみとして残ってしまうことがあります。
この皮膚に起こるたるみのことを肛門皮垂(こうもんひすい)といいます。

肛門皮垂はスキンタグともよばれている異常です。
肛門皮垂自体は病気ではありません。
そのため、支障がなければ手術を受ける必要のないものです。

見た目が気になる、かゆみが起こる、排便後に拭くときに邪魔になるなど、支障をきたしている場合には手術で切除することが可能です。

なお、肛門皮垂は切除を行なわない限り自然に消えてなくなることはありません。
切除したとしても、術後のはれがひくと、その部分が再びたるむこともあります。

切除は局所麻酔をほどこすため、手術中に痛みを感じる心配はありません。
また、日帰り手術を受けることも可能です。

外痔核の検査・診断

肛門部の痛みを感じたり、出血を起こしたり、さわってイボ状のはれに気づいたりした場合には、外痔核ができている疑いが濃厚です。
病院へ行こうと思う方は多いでしょうが、何科に行けばいいのか気になっている方もいるのではないでしょうか。

また、医療機関へ行った際には、外痔核かどうかをどのようにして確認しているのかが気になっている方もいることでしょう。
ここではこのような疑問をお持ちの方のため、受診に適した診療科や外痔核を調べる方法を解説させていただきます。

受診に適した診療科

外痔核を疑うような症状が起こっている場合に、何科の門をたたけば良いのかで迷ってしまう方は少なくないでしょう。
外痔核かもしれないと思ったときには、肛門科・肛門外科へ行けば診療を受けることが可能です。

ただ、人によっては近所に肛門科・肛門外科がないということもあるでしょう。
このような場合には、一般外科・消化器外科へ行けば対応してくれます。

なお、異性の医師が診ることが恥ずかしいと思う方もいるでしょう。
その場合には、同性の医師が診療を行なってくれる医療機関を候補にすることをおすすめします。

外痔核を調べる方法

病院へ行った場合、問診といって医師に症状などに関する質問を受けることになります。
事前に問診票に症状などに関する質問に対する回答を記入する場合も多いです。

ほかには、肛門診(こうもんしん)が行なわれています。
外痔核は歯状線の外側にイボ状のはれが生じる肛門の病気です。

このため、肛門鏡(こうもんきょう)といってお尻の穴をひろげる器具で調べる方法や、直腸診(ちょくちょうしん)といって肛門に指を挿入して調べる方法で診る必要のある内痔核とは違い、容易に診断することが可能です。

外痔核はお尻の肉を左右にひろげて、患部を肉眼で見ることでわかります。
血栓性外痔核の場合はよく見ると青黒くなっており、その情報で診断をつけることが可能です。

奥のほうに生じている場合には、指でさわって調べる方法である指診(ししん)が行なわれることもあります。

外痔核の治療

医療機関で外痔核を起こしていることがわかった場合、どのような処置をほどこすことになるのでしょうか。
外痔核による症状と思われる症状に悩まされている方の中には、この点に不安を感じている方もいるでしょう。

ここでは、外痔核の治療に関して取り上げていますので、興味のある方は以下の内容をぜひご覧ください。

重症度別の外痔核の治療方法

イボ状のはれが小さく、痛みもほぼない肛門周囲のしこりのみの状態であれば、手術を受ける必要はありません。
病気に悪影響がおよぶような習慣は避け、坐薬(ざやく)、軟膏(なんこう)を使うことによって、イボ状のはれは消退していきます。

しこりは生じていても大した痛みがなく、出血などの症状がひどくなければ、坐薬や軟膏、生活改善で快復を狙います。
数日が経過してはれ、痛みが軽減されれば、薬剤を使用する治療を続けます。

しかし、はれ、痛みがなかなか解消されなければ、局所麻酔をほどこして患部を切開し、血栓のみ除去する処置をほどこします。
そのほか、しこりがかなり大きく、痛みが激しい場合、内痔核も重なっている場合には、手術を受けることによって解決します。

内痔核も併発していれば、内痔核結紮切除術(ないじかくけっさつせつじょじゅつ)という方法を組み合わせて治療します。
また、ジオン注射という治療方法と外痔核の切除を組み合わせる治療方法も行なわれています。

結紮切除術とは

結紮切除術の結紮は、縛るという意味のある言葉です。
言葉通りこの手術ではイボ痔を縛り、切除する治療方法です。
場合によっては一部を縫い合わせる処置もほどこします。
手術は局所麻酔をほどこして行なうため、手術中に痛い思いをする心配はありません。

また、イボ痔を縛るために使用する糸は遅くとも2週間程度で自然に吸収される糸のため、抜糸の必要や抜糸の際の痛みを感じることもないです。

手術後には数時間で歩くことができ、食事は手術を受けた当日より摂ることが可能です。
お風呂にも術後2日目より入ることができます。

なお、結紮切除術では術後の合併症が起こることがあります。
主な合併症としては腰椎麻酔後頭痛症(ようついますいごずつうしょう)、尿閉(にょうへい)が麻酔が原因となって起こり得るものです。

腰椎麻酔後頭痛は文字通り麻酔後に起こる頭痛で、自然に快復するのが普通です。
尿閉は尿が膀胱(ぼうこう)にたまっているのに排尿することができない状態です。

ジオン注射とは

四段階注射法といって、ジオンという薬液を1個のイボ痔に対して4ヶ所に分割して注射し、しっかりと浸透させます。
これによって、イボ痔を固めて縮小させる効果を得ることが可能です。

切らずに済む治療方法ではあるものの、再発率が高いことが短所としてあります。
また、正しく扱わなければ直腸に潰瘍(かいよう)が形成されたり、肛門が狭まったり、ひどいはれが生じたりするリスクがあります。

肛門皮垂が起こることも

イボ痔のはれがひいたあとに、肛門の皮膚がたるみとして残ってしまうことがあり、この状態のことを肛門皮垂といいます。
肛門皮垂はスキンタグともよばれているものです。

肛門皮垂自体は病気ではなく、治療の必要はありませんが、見た目が美しくない、排便後にお尻を拭きにくい、肛門のまわりがかゆいというように、支障をきたしている場合には手術でとることが可能です。

この肛門皮垂ですが、手術でとる以外に解消する方法がありません。
放置していれば自然に消えるというものではないのです。

また、手術でとっても、術後のはれがひくとその部分がまたたるんでしまうこともあります。
なお、切除は局所麻酔をほどこすため、手術中に痛みを感じる心配はありません。
また、日帰り手術を受けることも可能です。

外痔核の予防

外痔核は痛く、出血で下着を汚してしまうこともあり、苦痛を伴う病気です。
したがって、誰もができることなら経験したくないと思うでしょう。

ここでは、外痔核の予防に関する情報をご紹介しますので、興味のある方はチェックし、実践してみてください。

長く同じ姿勢でいない

長時間にわたって座りっぱなし・立ちっぱなしというように、同じ姿勢でい続けると、肛門の血液が滞りがちになります。
意識してときどき軽い運動をはさむなどして、同一姿勢が長く続くのを避けましょう。

トイレに長居しない

排便は3~5分を目安に切り上げましょう。
出ないときは出るまで粘るのではなく、ひとまず諦めます。
便がまだ残っているような感じがしても、無理やり全部出してしまおうとしてはいけません。

長時間、無理にいきむことによって肛門に負担をかけて、血液が滞ったり出血を起こしたりする原因になります。
排便は便意を催したときだけと決め、無理のないようにしましょう。

便秘や下痢を予防改善する

便秘、下痢は外痔核の主な原因に含まれる症状です。
便秘による硬い便は、外痔核だけでなくいわゆる切れ痔である裂肛(れっこう)を起こす原因にもなりかねません。

また下痢も肛門に刺激を与えたり、細菌感染を招いたりするリスクを高めます。
食物繊維や水分を十分に摂る、アルコールや香辛料などの刺激物を控えるなど、対策をしましょう。
また、歩くことによって腸の活動が活発になり、便秘の予防改善に効果的です。

シャワーだけで済まさない

入浴はシャワーだけでなく、湯船にゆっくりと浸かりましょう。
入浴は肛門を清潔に維持するだけでなく、お尻を温めて肛門の血行が良くなります。

外痔核の原因のひとつである冷えの対策としても効果的です。

朝食は抜かない

いまは朝食を抜く人が多いですが、これをしてはいけません。
朝の時間帯は1日の中で一番、便意を催しやすいためです。

毎日規則正しいリズムで食事をとり、自然に排便ができるようにくせ付けましょう。

無理なダイエットを行なわない

極端な食事制限をしてはいけません。
食事は十分な量を摂ることが大切です。

極端に食事量が減ると、便のかさが増えず、便の量が少ないと便意が起きにくくなり、外痔核の原因である便秘のリスクを高めます。

適切にお尻をケアする

排便後、トイレットペーパーでゴシゴシこするのは良くありません。
肛門のシワ、くぼみの中に便をすり込むことになるほか、皮膚が刺激を受けて外痔核の症状悪化の原因にもあります。
トイレットペーパーは肛門に押し当てるようにして、優しく拭くことが大切です。

また、温水洗浄機能のあるトイレを利用して洗浄するのも効果的です。
温水便座がないという方は、浴室のシャワーを使って洗浄すると良いでしょう。

なお、強すぎる水流は避けます。
そのほか、肛門を洗浄したあとは、十分に乾かすことが大切です。

ストレス・疲労を避ける

ストレスや疲労は血栓性外痔核を起こす要因として含まれます。
十分に睡眠をとること、適度な運動を習慣化する、ゆっくり湯船に浸かる、買い物や旅行を楽しむなど、ストレスや疲労をためこまないような生活を習慣化しましょう。
なお、ストレス発散が目的といっても、暴飲暴食のような不健康な方法は良くありません。

血栓性外痔核とは

痔(じ)は3種類に大別されます。
その3種類というのが、イボのようなはれが生じる痔核(じかく)、肛門の皮膚が切れる裂肛(れっこう)、肛門に膿のトンネルが生じる痔瘻(じろう)です。

痔核は一般にイボ痔、裂肛はきれ痔、痔瘻はあな痔といわれています。
この3種類の痔のうち、痔核には肛門の内側に生じる内痔核(ないじかく)、外側に生じる外痔核(がいじかく)に大別されます。

血栓性外痔核(けっせんせいがいじかく)は、肛門に生じた外痔核の血管内で血流が止まり、血液のかたまりである血栓が形成されて、はれ、痛みが起こるようになる病気です。

肛門にできた血豆(ちまめ)と表現されることもあります。
パチンコ玉やエンドウ豆程度の丸くかたいしこりが生じます。
通常、数は1個ですが、複数生じることもあります。

一見すると白っぽい見た目をしていますが、注意深く見てみると血栓が透けて青黒くなっていることがわかります。
血栓性外痔核は30歳以上50歳未満の患者の割合が高いほか、妊娠後期の女性にもよく起こっているといわれています。

血栓が吸収されてなくなると、自然に小さくなって消失してしまいます。
そのため、手術を受けずに病状が改善していく病気です。

血栓性外痔核の原因

肛門に生じた外痔核の血管内に血栓が形成されたことによってはれ、痛みを伴うようになる血栓性外痔核。
この病気は果たして何が原因となって起こってしまうのでしょうか。

また、この病気では肛門はどのような状態になっているのでしょうか。
ここでは、このような疑問をお持ちの方のため、血栓性外痔核の原因に関する情報を提供させていただきます。

血栓性外痔核を起こす原因

下痢、便秘(べんぴ)でのいきみ、スポーツ、重いものを運ぶ、冷え、飲酒、妊娠、ストレス、疲労、肝臓の病気、内痔核、外痔核といったことが元になって、いきんだときや肛門部に負担がかかったことによって血栓性外痔核は形成されます。

血栓性外痔核の原因にあてはまることを排除しない限り、この病気は何度でも再発するリスクがありません。
再発する場合には、前回と同じ場所に腫れるとは限りません。
また、いったん血栓性外痔核を経験すると癖になってしまうということもないです。

血栓性外痔核での肛門の状態

肛門に血液を送っているのは心臓です。
血液は体中を循環しているわけですが、血栓性外痔核では心臓へと血液が戻っていくための血管の静脈(じょうみゃく)が詰まった状態になっています。
血液は肛門まで届くのですが、心臓に戻ることができないため、血液が貯留してはれあがるのです。

血栓性外痔核の症状

血栓性外痔核はいきむことをはじめとする、肛門に負担がかかることをした際に形成されます。
実際にこの病気が起こった場合には、どのような症状が出現するのでしょうか。

ここでは、血栓性外痔核ができたときに生じる症状について解説させていただきますので、この点が気になっているという方は以下の内容をぜひご一読ください。

血栓性外痔核で起こる症状

外痔核の血管内に血栓が形成されることで、はれ、痛みの症状が出ます。
血栓は形成されるとすぐに溶けはじめ、溶けだせば詰まった状態の血管に血液が流れるようになってきます。

塞がっていた血管が開通することによって、たまっていた血液が出ていくこととなり、はれが落ち着いてきます。
はれが落ち着いてくると、それと連動して痛みも軽くなっていきます。

血栓性外痔核を起こすと2、3日は非常に強い痛みがありますが、しだいに弱まっていきます。
肛門の痛みがあるせいで、力を入れようとしてもそれができないこともあります。
はれが解消されるまでにはひと月ほどの期間を要することになります。

血栓は1個の場合が多いですが、複数形成されることもあります。
それが破けることによって出血を起こす場合があります。

血栓性外痔核の後遺症

血栓性外痔核のはれがひくことにより、はれが起こっていたところの皮膚がたるみとして残ってしまう場合があります。
この皮膚の異常のことを肛門皮垂(こうもんひすい)やスキンタグといいます。
肛門皮垂自体は病気ではなく、支障がなければ手術を受けなくても問題ありません。

なお、肛門皮垂は切除しない限り自然に消失することはないです。
切除しても、術後のはれがひいた部分がまたたるむこともあります。
切除は局所麻酔をほどこして行ない、日帰り手術を受けることも可能です。

血栓性外痔核の検査・診断

急に肛門の痛みが生じた場合、痔を疑う方は多いでしょう。
その痛みは血栓性外痔核による可能性もあるわけですが、何科へ行けば良いのか気になっている方もいるのではないでしょうか。

また、血栓性外痔核はどのような検査を行ない診断を下すのか、知りたいと思っている方もいるはずです。
ここでは受診に適した診療科や血栓性外痔核を調べる方法を解説させていただきます。

受診に適した診療科

肛門の痛みがあり、痔になったかもしれないと思った場合に、何科に行くかで迷ってしまう方もいるでしょう。
この点に関してですが、肛門科へ行けば診療を受けることが可能です。
また、一般外科、大腸外科へ行くことでも対応してくれます。
異性の医師の診療を受けることに抵抗を感じる方は、同性の医師が診てくれる医療機関を探してみると良いでしょう。

血栓性外痔核を調べる方法

医療機関へ行った場合、問診によって症状の確認を行ないます。
ほかには、肛門診(こうもんしん)が行なわれます。

血栓性外痔核は肛門の外側に出ていることが多いため、肛門鏡(こうもんきょう)というお尻の穴をひろげる器具を使ったり、直腸診(ちょくちょうしん)といってお尻の穴に指を挿入して調べる必要のある内痔核とは異なり、容易に診断することが可能です。

お尻の肉を左右にひろげて、血栓性外痔核を直接に見て確認します。
血栓性外痔核ではよく見ると青黒くなっていることがわかるため、そのことで診断を下すことが可能です。

血栓性外痔核の治療

血栓性外痔核を起こしていることがわかった場合、医療機関ではどのような処置がほどこされるのでしょうか。

また、自分でできるケアはあるのでしょうか。
以下に血栓性外痔核の治療に関する情報をまとめていますので、参考にしていただければ幸いです。

血栓性外痔核の治療方法

血栓性外痔核の治療方法として、保存療法をあげることができます。
坐薬(ざやく)の挿入、軟膏(なんこう)の塗布、ひどい場合には抗炎症薬、消炎酵素薬、消炎鎮痛薬を飲みます。

1週間以内ではれ、痛みがとれるほか、ひと月以内に血栓が吸収されて消えてしまいます。
なお、痛みがなければ薬剤の使用は不要です。

血栓が大きく痛みが強い、保存療法でなかなか改善しない、何回も同じ部分にはれが生じる、表面が破けて多量の出血がある……この中にあてはまるものがある場合には手術を受けます。

局所麻酔をほどこして血栓をとりのぞく血栓切除が行なわれます。
血栓切除は外来でわずか3分程度で完了し、日帰り手術が可能です。

そのほか、血栓性外痔核の主な原因の一つに含まれる便秘を起こさないように、食生活や薬の使用方法の指導も行なわれています。

血栓切除後の注意点

できるだけ安静にすることが大切です。
軽い労働程度は可能ですが、長時間の運転、力仕事、長く同じ姿勢でい続けることは避けます。
スポーツ、旅行なども控えなければいけません。

自転車、バイクに乗ることも、十分に状態が良くなるまでは避けます。
排便後は清潔にしておく、辛いもの、アルコールの摂取も控えましょう。
そのほか、血栓切除後の通院も怠ってはいけません。

血栓性外痔核の自己ケア

痛みが一番強くなるのは2、3日で、だんだん軽くなっていきます。
血栓はすぐに溶けはじめ、数週間~1ヶ月で自然に吸収されて消えてしまいます。
坐薬を肛門にさすと刺激で逆に痛みが増したり、はれがひどくなったりすることがあります。

薬の力に頼るのであれば、はれが生じている部分を刺激しないよう、やさしく鎮痛作用のある軟膏を塗布すると良いでしょう。
なお、血栓性外痔核は押すと簡単に中に入ることがあります。
その場合、中におさめておくことで次回の排便まで出てこず、そうしているほうが楽に過ごせることもあります。

しかし、押して中におさまらないことや、すぐ戻ってくることもあります。
このような場合は中から出てきているのではなく、外側にはれが生じているため押しても中におさまりません。
押すことによって痛みやはれが増すことがあるため、いじらないのが無難です。

また、はれに対しては冷やすのが効果的とよくいわれていますが、血栓性外痔核は冷えによって起こることがあり、冷やすことは逆に症状をひどくしてしまうことがあります。

反対に温めることで血行が良くなり血栓が溶けるのが促されます。
また、温めることによって痛みも緩和されます。
入浴のほか、下着の上からカイロで温める方法も効果的です。

ほかには肛門を清潔に維持することも重要です。
入浴時だけでなく排便後も肛門をトイレットペーパーで拭くだけでなく、温水で洗浄します。
洗浄後にはよく乾かしておくことも重要です。

そのほか、肛門に負担がかからないよう、激しい運動を避け、お酒、刺激物の摂取も控えます。
上記のような方法を試みて、ひと月以上が過ぎてはれや痛みがとれない、はれがますますひどくなってくるようであれば、すぐに医療機関へ行きましょう。

血栓性外痔核の予防

血栓性外痔核は非常に強い痛みがしばらく続くため、できれば経験したくないと思う方がほとんどでしょう。
そしてそのような方の中には、予防方法があれば実践したいと思っている方が多いのではないでしょうか。

ここでは、血栓性外痔核の予防について取り上げていますので、気になっているという方はぜひ以下の内容をご覧ください。

便秘の予防改善に取り組む

血栓性外痔核の主な原因には便秘があります。
便秘を防ぐことは、血栓性外痔核を防ぐことに繋がります。
便秘の予防は水分や食物繊維を十分に摂取すること、歩くことが効果的です。

また、便秘とは真逆の排便異常ともいえる下痢も、血栓性外痔核の原因の一つです。
アルコール、辛いものは下痢を起こしやすくなるため控えるほか、整腸剤(せいちょうざい)を服用するのも効果的です。

排便習慣を改善する

いきむことによって血栓性外痔核が起こってしまいます。
排便時にいきむ癖がある方は、その癖をなくしましょう。

便が硬いと裂肛を起こす原因にもなるため、緩下剤(かんげざい)を使うことによって適度に軟い便を維持しましょう。

アルコールを控える

お酒の飲み過ぎは血栓性外痔核のリスクを高めます。
忘年会シーズンを迎えるとこの病気の患者が増えるという医療機関もあります。

お酒好きな人にとっては酷な話かもしれませんが、適性飲酒(ビールは中びん1本分の500ml)を心がけましょう。
また、1週間に2日は休肝日(きゅうかんび)といって、飲酒をしない日を設けましょう。
アルコールを控えることは、肝臓の病気を防ぐためにも効果的です。

十分に休む

疲労は血栓性外痔核の要因に含まれます。
血栓性外痔核以外にも疲労が影響する病気は多くあるため、毎日できるだけ十分な睡眠時間を確保したいところです。

忙しい現代人には難しいかもしれませんが、無理をせずに毎日を過ごすのが理想的です。
睡眠以外では入浴にも疲労を取り除く効果があります。

ストレスを解消する

ストレスは血栓性外痔核の発症に影響する要素の一つです。
ストレスのまったくない生活は不可能といっても過言ではありませんが、ためこまないことが重要です。

適度な運動を習慣化する、買い物や旅行に出かける、友人など気の合う人と楽しく喋る、入浴をするなど、自分なりの方法でストレスを解消しましょう。
なお、ストレス解消のために暴飲暴食など不健康なことをするのはやめましょう。

冷えを防ぐ

冷えは血栓性外痔核の原因として含まれるものです。
冷えというと女性特有と思っている方も多いですが、男性にも起こり得るものです。
入浴するなど体を温める方法で、冷えを避けましょう。

裂肛(切れ痔)とは

裂肛(れっこう)はいわゆる切れ痔(きれじ)のことで、肛門が切れてしまった状態です。
便秘(べんぴ)で便が硬くいきむことにより、肛門に痛みが生じてトイレットペーパーで拭くと血液が付着していたという経験がある方は多いでしょう。

この肛門の痛みや出血は裂肛(切れ痔)で起こることが多く、肛門の病気としてはいわゆるイボ痔(いぼじ)のことをさす痔核(じかく)と共に多く起こっているものです。
性別では女性の割合が高く、中でも20歳以降50歳未満の女性が多くを占めています。

平成23年に実施された厚生労働省の調査では、裂肛(切れ痔)やいわゆる穴痔(あなじ)のことである痔瘻(じろう)の1日あたりの受診患者数は、全部で26,000人というデータが残っています。

非常にたくさんの方が、裂肛(切れ痔)に悩まされているということがうかがい知れます。
裂肛(きれじ)はすぐ良くなるものもあれば、たびたび再発を招いて慢性化し、肛門が狭くなる肛門狭窄(こうもんきょうさく)を起こすものもあります。
肛門狭窄を招くと薬物療法などの保存療法では改善せず、外科療法を受けなければいけません。

そのため、別の肛門に起こる病気と同じく、悪化や慢性化を招くことがないように早期に適切な処置をほどこすことが重要です。
また、医療機関での治療だけでなく、家庭で便秘を改善予防するための取り組みも欠かせません。
なお、裂肛(切れ痔)には急性裂肛(きゅうせいれっこう)、慢性裂肛(まんせいれっこう)、随伴性裂肛(ずいはんせいれっこう)、症候性裂肛(しょうこうせいれっこう)があります。

急性裂肛

急に浅く切れてしまった状態です。
急性裂肛では、便通を改善することや薬物療法などにより、短期間で良くなります。

慢性裂肛

切れた状態が長く続くと、深いところまで傷ついた状態になります。
そして裂肛の外側に肛門皮垂(こうもんひすい)という、肛門まわりの皮膚のたるみが起こったり、肛門の内側に肛門ポリープ(こうもんぽりーぷ)が形成されることがあります。

また、裂肛(切れ痔)から内括約筋(ないかつやくきん)に炎症が生じると、肛門が固く狭まった状態になります。

随伴性裂肛

脱出性裂肛(だっしゅつせいれっこう)という別名もある裂肛のいちタイプです。

肛門の内側に生じるイボ痔である内痔核(ないじかく)や肛門ポリープなどが飛び出てくる異常を繰り返すことで、深くにまで傷がおよんでいるところの側方が引っ張られて破れることで起こります。

随伴性裂肛の痛みは非常に強く、診察が困難になる場合もあります。

症候性裂肛

全身性疾患(ぜんしんせいしっかん)にかかっていることで、その中のいち症状として肛門が切れてしまいます。

主な病気としては梅毒(ばいどく)、クローン病(くろーんびょう)などをあげることができます。

裂肛(切れ痔)の原因

肛門が切れてしまった状態になる裂肛(切れ痔)。
痔核と共になってしまう人が多い、代表的な肛門の病気です。

この裂肛(切れ痔)ですが、いったいどうして起こってしまうのでしょうか。
ここでは裂肛(切れ痔)の原因について解説させていただきます。

裂肛(切れ痔)はなぜ起こってしまうのか?

トイレで硬い便を出すことによって肛門が切れてしまいます。
そのため、便秘に悩まされている方に裂肛(切れ痔)はよく起こります。
切れると強い痛みが走り、排便が終わったあともジーンとした痛みが持続します。

このためにトイレに行きたくなくなり、それによって便秘をひどくしてしまうと、便がますます硬くなり、肛門をますます深く傷つけることになってしまいます。
深い傷があると内括約筋に炎症がひろがり、肛門が固く狭くなった状態になる肛門狭窄を起こします。

そしてますます便秘になって、肛門が切れやすくなるという悪循環が生まれてしまい、病気が進行していってしまいます。

なお、便秘の真逆の状態というと、真っ先に下痢を思い浮かべる方が多いでしょう。
下痢も実は良くない症状で、たびたび下痢を起こしていると傷の治りが悪くなることがあります。

便秘以外の裂肛(切れ痔)の原因

内括約筋というのは、肛門にごく近い直腸部分に存在する筋肉で、排便をしていない状態で肛門を締めている役割を担っています。
この筋肉が過度に緊張することにより、血流量が減少し、切れている部分の治りが悪くなるといわれています。

また、肛門の出口付近にある皮膚の肛門上皮(こうもんじょうひ)が弱いことや、もともと肛門が細いことなども、裂肛(切れ痔)の原因に含まれます。

裂肛(切れ痔)の症状

裂肛(切れ痔)を起こすと、どのような症状が出るのでしょうか。
痛いということはわかっているものの、ほかにも何か症状が起こるのではないかと不安に感じている方もいるでしょう。
以下に裂肛(切れ痔)の症状に関する情報をまとめていますので、気になるという方はぜひご一読ください。

痛み

裂肛(切れ痔)の特徴的な症状は痛みです。
切れるのは肛門の出口付近の皮膚である肛門上皮で、知覚神経があるため痛みを感じます。
肛門が硬い便によって引き伸ばされてしまうことや、便内容の刺激を受けることで痛みが生じます。

排便時に強烈な痛みを感じるだけでなく、排便後に内括約筋にけいれんが生じると、強い痛みが長く持続することもあります。

排便によって強い痛みを感じることに恐怖を感じ、排便を嫌い我慢するようになって、ますます便は硬く、便秘も悪化し、肛門が切れやすくなるという負のサイクルができあがってしまうのです。

出血

裂肛(切れ痔)では、肛門上皮が裂けることによって出血を起こすことがあります。
色はきれいな赤色をしています。

出血の量はトイレットペーパーに付く程度で少ない場合が多いです。
ただし、ポタポタと落ちてくるような量であったり、便器が出血で真っ赤に染まるほど多かったりすることも少なくありません。

肛門狭窄

裂肛(切れ痔)が慢性化すると深いところまで傷ついた状態になります。
そして炎症が内括約筋にまでおよぶと、肛門が固く狭くなります。
そのために排便しにくく、細い便が出てくるようになります。

肛門ポリープ・肛門皮垂

深いところまで達している傷には、汚物が常にたまる状態になります。
すると、炎症が生じている肛門の内側には肛門ポリープが、外側には肛門皮垂ができてきます。
肛門ポリープは排便後に肛門の外へと出てきて、痛みや出血を起こすことがあります。

また、ポリープが大きい場合には絶えず便意を感じることや、ポリープが肛門に出たり入ったりを繰り返すことで、肛門がかぶれてしまい、かゆみを伴うことがあります。
肛門皮垂は肛門まわりの皮膚のたるみであり、大小さまざまです。
大きい場合には異物感、違和感をおぼえることや、拭くときなどに邪魔に感じることがあります。

裂肛(切れ痔)の検査・診断

排便時や排便後の痛み、出血といった裂肛(切れ痔)に該当するような症状がある場合、何科へ行けば良いのでしょうか。
また、医療機関ではこの肛門の病気を起こしていることを、どのようにして調べるのでしょうか。
ここではこのような疑問をお持ちの方のため、受診に適した診療科や裂肛(切れ痔)を調べる方法について取り上げています。

受診に適した診療科

裂肛(切れ痔)を疑うような症状が起こった場合、何科へ行けば診療を受けることができるのでしょうか。
人によってはこの点でどこの病院に行くか迷ってしまうこともあるでしょう。
裂肛(切れ痔)かもしれないと思った場合には、肛門科・肛門外科へ行けば対応してくれます。

近くに肛門科・肛門外科がない方は、外科か消化器外科が候補になります。
裂肛(きれじ)はすぐに良くなってしまうものもあれば、たびたび再発したために慢性化し、肛門が細くなる肛門狭窄を起こすものもあります。

肛門狭窄を起こすと薬物療法などの保存療法で良くなることはなく、外科療法を受けなければいけません。
そのため、悪化・慢性化しないうちに受診することをおすすめします。

なお、女性と男性の両方にいえることですが、医師が異性だと見られることに抵抗を感じる方は多いはずです。
同性の医師による診療を受けることが可能かどうかも、病院を選ぶときの基準になり得るでしょう。

裂肛(切れ痔)を調べる方法

裂肛(切れ痔)かどうかは、問診と視診でわかります。
問診で裂肛(切れ痔)で起こる症状や症状の経過を確認し、視診で肛門を直接に診て状態を確認します。

裂肛(切れ痔)が奥のほうにあって通常の視診での判断ができない場合には、肛門をひろげることにより中の様子を見やすくする肛門鏡(こうもんきょう)という医療器械を使用することがあります。

また、奥のほうに起こっていて見えにくい裂肛(切れ痔)は、直腸診(ちょくちょうしん)という指先を肛門の中へと挿入する方法によって確認することもあります。

そのほか、大腸の内視鏡(ないしきょう)検査を受けたときにたまたま裂肛(切れ痔)が発見されるケースもあります。
内視鏡は先端にカメラが取り付けられた細長いチューブで、体内へと挿入してモニターで中の様子を確認できる検査方法です。

裂肛(切れ痔)の治療

裂肛(切れ痔)を起こしていることがわかった場合、医療機関ではどのような治療が行なわれているのでしょうか。

この点に関してですが、主な治療方法としては保存療法、外科療法、生活改善をあげることができます。
各治療の内容を以下にまとめていますので、参考情報としてお役立ていただければ幸いです。

保存療法

裂肛(切れ痔)の中でも、急性裂肛に対しては、薬物療法が行なわれるのが普通です。
薬物療法では、坐薬(ざやく)、軟膏(なんこう)、軟便剤(なんべんざい)の3種類が使用されています。

坐薬は肛門の中に挿し入れることによって使用し、軟膏は肛門まわりに塗布せず、肛門より注入して裂肛(切れ痔)が起こっているところに直接に塗布します。

こうした薬剤は炎症を抑制したり、出血を止めたりする効果を発揮してくれます。
軟便剤は便を適度に軟くすることにより、便を出すときの痛みを軽くする作用があります。
便の硬さが増して切れやすくなるという、裂肛(切れ痔)の負のサイクルを止めるために効果的です。

外科療法

肛門狭窄が起こっていると、保存療法で改善することができなくなってしまいます。
このような場合の治療では、手術が選択されることになります。

手術は用手肛門拡張術(ようしゅこうもんかくちょうじゅつ)、内括約筋側方皮下切開術(ないかつやくきんそくほうひかせっかいじゅつ)(LSIS)、皮膚弁移動術(ひふべんいどうじゅつ)(SSG)といった方法があります。

どの方法が選択されるかは、肛門狭窄でどの程度の細さになっているかによって違います。
用手肛門拡張術は、切開することなく肛門に指を入れて細くなった肛門をひろげる治療です。
内括約筋側方切開術は、肛門まわり皮膚から細いメスを入れて、内括約筋を浅く切開して肛門の狭まりを解消します。

そして皮膚弁移動術は、肛門皮垂や肛門ポリープの切除後に、内括約筋を一部切開して狭まりを解消し、そのあとで奥の粘膜と肛門の皮膚を縫い合わせて固定する方法です。

手術を受けることによって肛門の狭まりが解消されて、裂肛(切れ痔)が改善します。
なお、肛門狭窄を起こしていない場合でも、肛門皮垂や肛門ポリープがある場合には、切除することが可能です。

生活改善

裂肛(切れ痔)が起こってしまう主な原因は便通の問題です。
便秘、下痢などによって裂肛(切れ痔)が生じたり、治りが悪くなったりするため、再発を食い止めるには食生活や排便習慣の見直しを行なうことが重要です。

そうして便通が整うことによって、裂肛(切れ痔)に悩まされなくなる可能性が高まります。
まずは食生活に関してですが、朝食を抜くことをしない、水分や食物繊維を十分に摂取する、刺激物やアルコールを控えることなどを習慣にしましょう。

次に排便習慣ですが、便意があるときの我慢はやめる、長時間いきむ癖を直すことが大切です。
そのほかの生活習慣としては、入浴はシャワーのみで済ませるのではなく、湯船に入って体を温め、お尻の血液の循環を良くしましょう。

また、心に余裕を持って毎日を過ごすことも大切です。
そのことによってお尻が緊張しないことに繋がるためです。

裂肛(切れ痔)の予防

まだ一度も裂肛(切れ痔)を経験していない方など、この病気を未然に防ぐ方法はないものかと気になっている方もいるのではないでしょうか。

ここでは、裂肛(切れ痔)の予防方法に関する情報をご紹介しますので、興味のある方は以下の内容をチェックし、実践してみてください。

排便習慣の見直しをする

裂肛(切れ痔)を一度も起こしていない方の予防方法は、すでに経験がある方の再発防止方法と変わりません。
便秘の方で、便が硬く長くいきむ癖がある方は多いでしょう。

しかし、無理に硬い便を出すと肛門上皮が切れてしまいます。
そのため、裂肛(切れ痔)の予防のためには排便時に長くいきむのはやめるのが効果的です。

また、便を無理にすべて出し切ってしまおうとするのも良くありません。
3分間を基準としてトイレを出ましょう。

便秘を予防する

裂肛(切れ痔)の主な原因は便秘です。
そのため、便秘を防ぐことが裂肛(切れ痔)を防ぐことにも繋がります。
便秘は食物繊維や水分を十分に摂ること、歩くことが予防に効果的です。

食事や生活の見直しでうまくいかない場合には、緩下剤(かんげざい)を使用することによってほど良く軟い便を維持します。

また、下痢のある方も肛門上皮に強い刺激が加わり裂肛(切れ痔)を起こすリスクが高いです。
アルコールや辛い飲食物は下痢を起こしやすくなるため控えて、整腸剤(せいちょうざい)を使用すると良いでしょう。

痔瘻(肛門周囲膿瘍)とは

直腸と肛門の境界となる歯状線(しじょうせん)には、肛門陰窩(こうもんいんか)という小さなくぼみが8~12ヶ所程度あります。
ここに細菌が侵入するなどし、肛門のまわりに炎症が生じて膿んだ状態のことを肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)といいます。
肛門周囲または奥がはれ、痛みを生じ、発熱や排便障害といった症状が出現します。

この肛門周囲膿瘍の表面が破けると膿(うみ)が排出されるようになり、肛門周囲の皮膚に直腸と直接につながるトンネルのような穴ができた状態が痔瘻(じろう)です。

肛門周囲膿瘍は痔瘻の前段階にあたる病気ということができます。
肛門で、細菌が侵入する穴のことを一次孔(いちじこう)といい、肛門陰窩にあたります。

そして最初に感染した場所のことを原発巣(げんぱつそう)、皮膚から膿が排出される部分を二次孔(にじこう)といいます。
一次孔と二次孔のあいだにできたトンネルのことを瘻管(ろうかん)といいます。

痔瘻は一般に穴痔(あなじ)とよばれている、男性に多い肛門の病気です。
はれ、痛み、膿が出る、出血を起こすといった症状が起こります。
痔瘻、肛門周囲膿瘍は市販薬での改善を期待することができません。

長年にわたり痔瘻の治療を受けないままでいると、トンネルが枝分かれして癌(がん)化する恐れがあります。
この場合、手術を受けて肛門をとる必要があります。

このようなことから、症状が起こった場合には、できるだけ早く医療機関で受診することが重要です。
なお、痔瘻にはⅠ型、Ⅱ型、Ⅲ型、4型の4種類の型が存在します。

Ⅰ型痔瘻の特徴

トンネルが皮下(ひか)、もしくは肛門上皮(こうもんじょうひ)にできており、肛門を締めるときに使う筋肉である肛門括約筋(こうもんかつやくきん)を貫通していない状態です。

Ⅰ型痔瘻は皮下痔瘻(ひかじろう)や粘膜下痔瘻という別名があります。
裂肛で切れている部分に便が詰まって起こることが多く、原発巣が肛門陰窩ではない場合もあります。
別の痔瘻と比較すると少ないタイプの痔瘻です。

Ⅱ型痔瘻の特徴

肛門括約筋には意識して収縮させることが可能な外肛門括約筋(がいこうもんかつやくきん)と無意識に肛門を締めている内肛門括約筋(ないこうもんかつやくきん)があります。

この2種類の筋肉のあいだにトンネルが開通する痔瘻で、筋間痔瘻(きんかんじろう)といいます。
痔瘻の70~80%がこのタイプの痔瘻です。

直腸と肛門の境界である歯状線より下に起こる筋間痔瘻を低位筋間痔瘻(ていいきんかんじろう)、上に起こる筋間痔瘻を高位筋間痔瘻(こういきんかんじろう)とよびます。

また、トンネルが一つだけできている筋間痔瘻を単純型(たんじゅんがた)、複数できている筋間痔瘻を複雑型(ふくざつがた)とよびます。

Ⅲ型痔瘻の特徴

肛門は、骨盤の下にある大きな穴の骨盤下口(こつばんかこう)の真ん中にあります。
排便時、おなかに力を込めて便を体の外に押し出しますが、肛門ごと押し出されてしまうのを防ぐため、肛門をまわりの骨から引っ張り支えている肛門挙筋(こうもんきょきん)があります。

この筋肉は肛門括約筋の奥に存在しますが、トンネルがこの筋肉より下にできるのがⅢ型痔瘻です。
このタイプの痔瘻は、坐骨直腸窩痔瘻(ざこつちょくちょうかじろう)ともいいます。
痔瘻全体のおよそ20%を占めており、そのほぼ総数を男性が占めています。

一次孔は肛門の背側で、便がそこから入ると外肛門括約筋と内肛門括約筋、坐骨直腸筋(ざこつちょくちょうきん)のあいだがひろく、深くて大きい原発巣が生じやすくなります。

この原発巣から外肛門括約筋を貫通し、左右にトンネルができます。
トンネルは片側の場合や両側の場合があります。

Ⅳ型痔瘻の特徴

このタイプの痔瘻は、またの名を骨盤直腸窩痔瘻(こつばんちょくちょうかじろう)といいます。
排便時に便が肛門ごと押し出されてしまうのを防ぐため、肛門をまわりの骨から引っ張り支えている筋肉を貫通して進行するタイプの痔瘻です。
Ⅳ型痔瘻は別のタイプの痔瘻とは異なり、起こることはめったにありません。

痔瘻(肛門周囲膿瘍)の原因

痔瘻と肛門周囲膿瘍の原因は共通しています。
ここでは、痔瘻と肛門周囲膿瘍がどうして起こるのか、どのような方に多いのか解説させていただきますので、気になっているという方は以下の内容をチェックしてみてください。

痔瘻・肛門周囲膿瘍は何が原因で起こる病気なのか

人間の直腸と肛門の境目である歯状線には、肛門陰窩という小さなくぼみが8~12個ほど存在します。
小さなくぼみのため、普通は肛門陰窩に便が入り込むことはありません。
しかし、下痢を起こしていると便が入り込みやすくなり、細菌が侵入しやすくなります。

細菌が入り込んだ際に、付近に傷が生じていたり、体の抵抗力が低下していたりすると、細菌感染によって化膿し、肛門周囲膿瘍の状態になります。

肛門周囲膿瘍で貯留した膿が圧力の少ない場所を浸食していって、トンネル=瘻管となって外へと排出されますが、このトンネルが作り出された状態が痔瘻です。

なお、痔瘻や肛門周囲膿瘍は、一般に切れ痔(きれじ)とよばれている裂肛(れっこう)、クローン病(くろーんびょう)、魚の骨などのとがった異物によって起こることもあります。

痔瘻・肛門周囲膿瘍はどのような方に多い病気なのか

痔瘻や肛門周囲膿瘍は、男性に多い病気です。
ただ男性特有というわけではなく、女性にも起こっています。

また、若い方に多い、中高年に多いという情報がありますが、この違いはデータのとりかたに違いがあるということが、理由として考えられます。

どの年齢が多いというのは一概にはいえませんが、幅広い年齢層に起こっている病気であるということははっきりしています。
ほかには、飲酒をする方に痔瘻が多いといわれています。
アルコールを摂取することによって、下痢を起こしやすいというのが理由と考えられています。

また、体の抵抗力が低下すると細菌感染のリスクが高まります。
したがって、疲れ過ぎていることや、ストレスがたまっていることなど、抵抗力低下の原因にあてはまるような要素が多い方は注意しなければいけません。

そのほか、今は温水便座を使っている方の痔瘻が増加しています。
温水便座を使うことによって肛門内で水が入り込み、下利便と一緒の状態になるのが理由です。

痔瘻(肛門周囲膿瘍)の症状

直腸と肛門の境界にある肛門陰窩に下痢便が入り込み、細菌感染するのが肛門周囲膿瘍や痔瘻の主な原因です。
ほかには裂肛、クローン病、異物によって肛門周囲膿瘍や痔瘻が起こるケースもあります。

このような原因で起こる肛門周囲膿瘍や痔瘻ですが、一体どのような症状が起こるのでしょうか。
以下に肛門周囲膿瘍や痔瘻の症状に関する情報をまとめていますので、参考にしていただければ幸いです。

肛門周囲膿瘍の症状

肛門周囲膿瘍は、膿が貯留した部分がはれ、皮膚表面が赤くなることもあります。
また、膿が貯留すると39℃、症状が強く出るときには40℃以上の高熱が出ます。
激しい痛みを起こすのも肛門周囲膿瘍の症状の一つです。

夜、眠っていることができないほどの強い痛みを感じます。
痛みはさわってしまうことによって強まります。
ただし、深い場所に肛門周囲膿瘍が起こっていると、はれ、痛みに気づきにくく、病気を早く見つけられないこともあります。

肛門周囲膿瘍を起こすと、やがて皮膚が破けて膿が排出されます。
膿が出ることによって、先述した症状はおさまります。

痔瘻の症状

痔瘻の状態になると、排便とは無関係に肛門や痔瘻の出口から膿や分泌物が出続けるようになります。
そしてこのことにより、身に着けている下着が汚くなってしまいます。

痛みが激しくない肛門周囲膿瘍の場合もあるほか、肛門周囲膿瘍が先行せずに痔瘻の状態になることもあるため、下着が汚くなる問題の発見は、痔瘻の早期発見の大きな助けになります。

また、ほかの症状としては膿の刺激により皮膚がただれて、かゆみの症状が生じることがあります。
悪化すれば、出口より便の漏れを起こすこともあります。

また、複数のトンネルが形成されると、肛門の機能に障害が発生して、排便困難の症状や便が細かくなる異常が起こることもあります。

そのほか、鈍い痛みが続く、出血を起こす、はれるなどの症状が起こることもあります。

単純痔瘻(たんじゅんじろう)と複雑痔瘻(ふくざつじろう)

痔瘻には単純痔瘻と複雑痔瘻というわけかたもあります。
単純痔瘻は粘膜や皮下だけにトンネルが生じる浅い痔瘻です。

これに対し、複雑痔瘻というのは、肛門を締める役割を担っている筋肉を貫通する痔瘻のトンネルが生じる深い痔瘻です。

痔瘻(肛門周囲膿瘍)の検査・診断

肛門周囲膿瘍や痔瘻にあてはまるような症状がある場合には、何科へ行けば良いのでしょうか。
また、肛門周囲膿瘍や痔瘻を起こしていることは、病院でどのようにして調べているのでしょうか。

ここではこのような疑問をお持ちの方のため、受診するのに適した診療科や肛門周囲膿瘍や痔瘻を調べる方法について解説させていただきます。

また、痔瘻や肛門周囲膿瘍に気づいた場合にどういう行動をとれば良いのかも記載していますので、興味のある方はあわせてご覧ください。

受診するのに適した診療科

肛門周囲膿瘍や痔瘻を疑うような症状が起こっている状態で、何科を訪れれば診療を受けることができるのでしょうか。
この点が気になり、どこの病院へ行くか迷ってしまう方もいるでしょう。
肛門周囲膿瘍や痔瘻の可能性がある場合には、肛門科・肛門外科へ行けば対応してくれます。

近くに肛門科・肛門外科が開設されている医療機関がない場合には、一般外科・消化器外科で相談します。
また、症状を相談するため、最初にかかりつけの医師のもとを訪れるというのも良いでしょう。

なお、肛門周囲膿瘍や痔瘻は、市販薬を使って治すことのできない病気です。
気になる症状がある場合には放置することなく、できるだけ早く医療機関で受診しましょう。

肛門周囲膿瘍・痔瘻を調べる方法

肛門周囲膿瘍や痔瘻は問診(もんしん)、視診(ししん)、指診(ししん)、双指診(そうししん)、肛門鏡診(こうもんきょうしん)によって起こっているかどうかを判断します。

また、原因によっては治療を行なう前に大腸内視鏡検査(だいちょうないしきょうけんさ)が行なわれています。

問診

問診では問診票に記入した情報をもとに、医師による質問を受けることになります。
症状に関することや、生活状況に関することなど、診断の手がかりとなるような情報を問診で得ることになります。

視診

視診は眼でみる診察方法で、肛門周囲のはれの有無を確認します。
はれを起こしていると、皮膚のシワが消えてしまっていることがあるほか、二次孔より膿が排出されているのを把握できるケースもあります。

指診

指診は指で触れる診察方法です。
人差し指を入れて、その指を回しながら中を圧迫した際の痛みの有無、二次孔からの排膿の有無、肛門括約筋の緊張具合を確認します。
肛門周囲膿瘍を起こしていると、肛門を締めるときに使う筋肉の緊張が弱いことがわかります。

双指診

2本の指で触れる診察方法です。
人差し指と親指を使用します。
人差し指は肛門の中に入れ、親指は肛門の縁に置きます。
そして人差し指と親指で挟み込むことにより、はれ、しこりを確認します。

ほかに、左右の手のうち一方の手の人差し指を二次孔より少し外側にあてて、肛門から外側方向に引っ張り、もう一方の手の人差し指で肛門の縁と二次孔のあいだを触っていくと、トンネルがわかることもあります。

そしてそれがわかることによって、一次孔がどこにあるのか推測することが可能です。

肛門鏡診

肛門をひろげて、中の様子を観察する医療器具である肛門鏡を使って行なわれます。
いわゆる切れ痔である裂肛や、いわゆるイボ痔(いぼじ)である内痔核(ないじかく)が、痔瘻の呼び水になることがあります。

強い痛みが生じる場合、肛門鏡を入れることはできませんが、入れることができた場合には切れ痔やイボ痔が起こっていないか確かめます。
肛門と直腸の境目の歯状線にあるくぼみより膿の逆流が起こっていないか確認することがあります。
逆流を起こしていることがわかれば、一次孔の場所を把握することが可能です。

また、肛門鏡を挿入した状態で、二次孔よりブジーという細い棒を挿入し、ブジーの先端が一次孔から確認できれば一次孔の場所を把握することができて、痔瘻の診断を確定することができます。

大腸内視鏡検査

痔瘻の治療方法としては手術があります。
痔瘻の原因は多くの場合、肛門陰窩に細菌が入り込んでしまうことです。
この原因による痔瘻は、通常の手術で解決することが可能です。
しかし、クローン病によって招いてしまう痔瘻はそうはいきません。

クローン病が起こっていることに気づかす手術を行なってしまうと、傷が回復せずますます悪化するリスクがあります。
クローン病にかかっている方には対しては、通常とは異なる治療方法を選択しなければいけません。

また、潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)を見落として手術をした場合、傷が回復しなくなってしまいます。
潰瘍性大腸炎を起こしている方に対しては、炎症が落ち着いているタイミングで手術を行なわなければいけません。

このような病気の見落としがないように、医療機関では大腸内視鏡検査が行なわれています。
大腸内視鏡検査はカメラが取り付けられた細長く柔軟な管を体内に挿入し、カメラがとらえた映像をモニターで確認する検査です。

肛門周囲膿瘍・痔瘻に気づいた場合にすること

肛門周囲膿瘍を疑うような症状が起こっている場合には、すぐに医療機関へ行って、切開をして膿を排出させることが重要です。
受診が恥ずかしいということでただただ耐えたり、市販の鎮痛剤でやり過ごしたりしようとするのは良くありません。

膿がひろがり、病状を悪く複雑化して治療が難しくなるリスクがあります。
病院へ行くまでの応急処置としては、肛門部分を冷やすのが効果的です。
お風呂に入るなどして温めるのは良くありません。

温めると一時的に痛みが軽くなる効果はありますが、その後は余計に化膿をひどくする原因になります。
痔瘻は手術を受けなければ解決しない病気であり、病院で選択されるのは手術が普通です。

すぐに医療機関へ行けない、手術を受けるために入院することができない場合には、下痢に警戒しなければいけません。
下痢は痔瘻を起こすだけでなく、症状を悪化させる原因となるため、飲酒、暴飲暴食をするのは禁止します。

肛門部を温水で洗浄しきれいにしておくことは、痔瘻の快復はできないものの、痔瘻によって起こる症状の軽減には有用です。

痔瘻(肛門周囲膿瘍)の治療

肛門周囲膿瘍や痔瘻を起こしていることがわかった場合、どのような治療が行なわれているのでしょうか。
ここでは肛門周囲膿瘍や痔瘻の治療方法について取り上げていますので、気になるという方は以下の内容をぜひご一読ください。

肛門周囲膿瘍の治療方法

肛門周囲膿瘍を起こしている場合、すぐに切開して膿を排出させます。
肛門周囲の皮膚、または直腸肛門内の粘膜を切り開いて、貯留した膿を排出させます。
切開を行ない、しっかりと膿の出口を作った段階で抗生剤、鎮痛剤を使用します。

続いて外来で経過観察を行ない、痔瘻ができてしまった場合には手術を受ける形になります。
抗生剤の投与によって膿瘍がなくなり、快復することも、可能性は低いものの起こり得ます。

痔瘻の治療方法

肛門周囲膿瘍の痛みは、切開を行なって膿が排出されると共に楽になります。
しかし、肛門周囲膿瘍の処置を行なっても、多くの場合は痔瘻になってしまいます。

排膿の処置をほどこしても、痔瘻の原因となる細菌の侵入口である肛門陰窩は残っているためです。
そのため、痔瘻は手術を受ける以外に解決する手段がありません。

手術を受けなければ再び膿が蓄積したり、はれが生じたりして、痛みで苦しむことになってしまうことになります。
また、トンネルが枝分かれして複雑な痔瘻になってしまい、治療が難しくなります。

長年にわたりこのような複雑な痔瘻を治さずにいると、癌化してしまうリスクがあります。
癌になった場合には、手術を受けて肛門と直腸をとるしかなくなり、人工肛門を作るほかなくなります。
また、癌ということで、命に関わる恐れもあります。

そのため、痔瘻の段階で手術を受けて、解決しておくことが重要です。
痔瘻の手術は複数の方法があり、以下に特徴をまとめています。

切開開放術(せっかいかいほうじゅつ)

トンネルを切開し、膿の出入口をすべて切除します。
その後、傷の左右を縫い合わせて固定し、術後は下から自然に肉が盛り上がるのを待ちます。
いくつもある手術方法の中で、再発率については一番低く、1~2%とされています。

日帰り手術を受けることが可能な場合もあります。
切開開放術は単純痔瘻に対して行なわれることが多く、短期入院手術も可能です。
ただし、複雑痔瘻でこの手術を行なうことにより、肛門の形がいびつになり便漏れが生じるリスクが上昇します。

括約筋温存術(かつやくきんおんぞんじゅつ)

くりぬき法ともよばれている手術です。
トンネルを肛門の外側の穴からくりぬいていって。入り口を縫合して塞ぐ治療方法です。

複雑痔瘻に対して行なわれることが多く、変形が生じるリスクが低い方法です。
ただし、再発リスクが高く、10~20%で再び起こってしまうといわれています。
また、1週間ほどの日数を退院までに要することになります。

シートン法(しーとんほう)

切開開放術を行なうことにより、変形してしまう恐れのある複雑痔瘻に対して選択されるケースが多いです。
トンネル部をくりぬき、くりぬいた場所にシートンという特殊なゴムをかけます。
体はゴムを異物として追い出そうとするため、次第にゴムが浅くなってきます。

ゴム輪が浅くなり緩んでくると、締めなおしをする処置がほどこされます。
緩んでは締めなおしてを繰り返すうちに、やがて自然にゴムが脱落し、痔瘻が解決します。
ゴムが通った場所は自然に繋がり元の状態に戻るため、変形が生じることはまずありません。

再発リスクは3%程度と低く、変形を招く確率も低い、さらには短期入院での手術も可能な治療方法です。
ただし、ゴム輪が脱落して快復するまで時間を要し、そのあいだゴム輪をかけておくことが気になるという短所があります。

クローン病による痔瘻の治療方法

細菌感染による痔瘻は、手術で解決することが可能です。
しかし、クローン病によって起こる痔瘻は、痛みや膿の排出などの苦痛を、日常に支障をきたさない程度まで改善し、維持していくことが治療の狙いとなります。

クローン病による痔瘻は直腸の潰瘍より瘻管ができて起こります。
細菌感染による痔瘻より複雑になる傾向があります。
このタイプの痔瘻は膿を掃除をすることによって除去し、膿が貯留しないように掃除したところに特殊チューブを通します。

改善を促すためにインフリキシマブを点滴投与するケースがあります。
チューブはしばらくあいだ通したままの状態にし、膿の再貯留を防ぎます。
瘻管が浅くなり炎症がとれると、チューブを取り除くことが可能です。

異物による痔瘻の治療方法

魚の骨をはじめとするとがったものが原因となって、肛門周囲膿瘍や痔瘻を招くことがあります。
異物が肛門に刺さることによって、肛門周囲膿瘍や痔瘻を招いてしまいます。
異物による痔瘻に関しては、異物と膿をすべて除去してしまえば、快復することが多いです。

痔瘻の予防は可能なのか

痔瘻は肛門陰窩に便が入り込むことによって起こります。
下痢を起こしていて便が液状になっていると、便が肛門陰窩に入り込みやすく、痔瘻を起こすリスクを高めます。
そのため、下痢を予防することが痔瘻の予防としては有効と思われます。

しかし、痔瘻はわずか1回の下痢症状だけで起こってしまうことがある病気です。
また、下痢に日常的に悩まされていないような人にも、痔瘻が起こることは珍しくありません。
痔瘻を起こすリスクを高める要素は排除するに越したことはないのですが、100%予防することができるとは限らない点は、頭に入れておく必要があるといえるでしょう。

日本人と痔

痔の病気は、日本だけではなく、世界的にもポピュラーな珍しくない病気ですが日本人の痔主率は、世界的にも上位です。
外国人より、日本人の痔主率が高いのは、日本人の痔に対する意識が、恥ずかしいものという気持ちが強いからです。
殆どの日本人が、市販薬や自然治癒で自宅で治そうとして、悪化させてしまうのです。

外国人の痔に対する意識は、恥ずかしいという認識よりも、違和感・痛みがあるからすぐ治そうと病院に行くので早期対処ですぐに良くなるそうです。
そういった、考え方・意識の違いが、大きなポイントになります。
早期に治療するかしないかで、悪化を防ぎ、早く治すことが出来るのです。

日本人特有の我慢強い性格が、痛みに耐え動けなくなるギリギリまで、病院へ行かないので悪化という事態を招くのです。
決して我慢せずに恥ずかしい病気という認識を捨てて早期対処で病院へかかりましょう。
痔の種類によっては、手術しないと治らないものもあるので手遅れにならないよう気を付けま

痔の治療薬

痔の治し方として、薬による治療があります。
痔の治療薬は、あくまでも症状を抑える事が目的です。
患部の痛みを和らげることや、炎症を抑えることが主な役割です。

硬い便で便秘になりがちな人には便を軟らかくする薬も処方されます。
痔の治療薬というのは、症状を軽減するだけで痔自体を完治させることは出来ません。
多く使われる薬として塗り薬があります。

塗り薬は、軟膏タイプ・クリームタイプと二種類あり肛門入口付近に出来たいぼ痔や切れ痔に有効です。
これは、直接患部に塗るタイプですが、肛門に薬を挿入して使う注入タイプもあります。
内痔核に効果的な治療薬は坐薬です。

肛門内部に出来る痔に対して直接患部に薬が届くため良く効きます。
挿入後、じわじわ溶けて効果を発揮します。
痔の治療薬は、外用薬だけではなく内服薬も併用することが多いです。
便を軟らかくする薬や痛みや腫れ・炎症をとる薬などです。

肛門付近の洗浄・殺菌・消炎効果のある外用液体の薬も発売されていて痔の予防に効果を発揮します。
痔の治療は、薬だけでは治りません。
薬を併用して症状を軽減させながら基本的な生活習慣や食事内容を改善しましょう。

痔と間違いやすい病気

おしりの違和感や肛門周辺の痛みを痔だと思い込み自分で治そうと病院へ行かないケースは、他の病気だった場合とても危険です。
痔と間違えやすい病気の種類をご紹介しましょう。
大腸ガン・直腸ガンの初期症状に、下血・血便があります。

トレットペーパーに血が付いたから切れ痔だと思われがちです。
大腸ガン・直腸ガンは症状のない病気なので症状を感じるようになった頃にはガンが進行している怖い病気です。
イボ痔と間違えられる病気に尖圭コンジロームがあります。

肛門内や付近に小さなイボが出来る病気です。
潰瘍性大腸炎の症状は、血の混じった下痢を繰り返します。
特定医療疾患に認定されている程、難しい病気で再発を繰り返します。

直腸で起きた炎症が、大腸全体に拡大し潰瘍やただれが出来る病気です。
肛門や大腸・直腸に出来たポリープも痔と間違いやすい病気です。
ガンに移行しやすいため、悪性はもちろん良性でも切除する必要があります。

他にも、膿皮症・毛巣瘻・クローン病・皮膚びらんなど痔と間違えやすい病気は沢山あります。
自分で痔だと判断せずに専門医のちゃんとした判断をもらいましょう。

痔と食事の関係

痔にならないためのお勧めの食べ物・食事をご紹介します。
毎日、口にするものなので痔と食事の関係を知って便秘にならない排便生活を送りましょう。
便秘になるのは、硬い便と腸の動きの悪さからです。

硬い便にならないためには、野菜を多く食べましょう。
食物繊維の多い野菜は、根菜類やまめ類いも類です。
繊維は、便を軟らかくしてお通じを良くする優れた性質があります。

また、海藻類も繊維で出来ています。
果物の糖質の中にあるペクチンという成分は、便を適度に固める作用があります。

ペクチンは、下痢を繰り返す切れ痔になりやすい人に良いとされます。
ペクチンは、特にリンゴに多くお勧めです。

香辛料は、控えましょう。トウガラシなどに入っているカプサイシンは、ダイエット効果がある程、発汗作用があり血流を良くします。
しかしトウガラシのような刺激の強い香辛料は、消化分解されないため皮膚や粘膜に触れた際、痛みを感じます。

痔と食事の関係は、とても密接ですぐに効果と結果が出てしまう大事な見直しポイントです。
関係を良く学び痔にならない生活、痔を悪くしない生活を心掛けましょう。

痔とタバコやアルコール

痔主になってしまったら控えなければならないものにタバコとアルコールがあります。
タバコもアルコールも、大好きな人には、関係を断つことは大変な事でしょう。
しかし、痔との関係を知って痔に良い生活を心掛けましょう。

タバコには、ニコチンや一酸化炭素が含まれています。
この成分は、自立神経を刺激し血管を収縮させる作用があります。
結果、肛門周辺の血流を悪くしてしまい、うっ血を起こします。

肛門には非常に多くの毛細血管があるので、うっ血状態はとても痔には良くないのです。
痔の時には、アルコールは避けた方が良いと言われるのには、血行を促進して動脈の血流は、良くなりますが静脈は血流が悪くなり結果うっ血するのです。

アルコールは、炎症を引き起こす成分もあります。また、大量に摂取すると、便が緩くなりすぎ下痢を起こします。
下痢は、粘膜を傷付けるため痔の悪化・再発に繋がります。
痔主の人は、大好きなタバコとアルコールでも痔との関係は最悪なのでこれを機に止める・断つ努力をしましょう。

痔改善の為の生活習慣

痔になってしまったら、どのような生活を送ればいいのか悩むでしょう。
痔にとって良い事・悪い事を良く知って痔改善の為の生活習慣を考えましょう。
食生活では、食物繊維の多い食事を心掛けましょう。

また乳酸菌は、腸内活性・整腸作用があるため便通に良い食事です。
硬い便が、便秘になり強い無理ないきみが痔に繋がります。
毎日食べる食事は、痔改善の為の生活習慣に効果的なものでしょう。

タバコやアルコールは、血管収縮作用があるため、うっ血を起こします。
悪化させる強い原因となるので控えたいものです。
痔にとって体を冷やすことも良くありません。

血液循環が悪くなると、うっ血を起こします。
冷え症の人は、手足・お腹が冷えない対策をしお風呂に入ってしっかりと体の芯から温めてください。
また、免疫低下も痔を悪化させる原因になります。

切れ痔の場合、細菌の侵入が怖いので、しっかりと、免疫を上げる生活をして細菌から身を守りましょう。
そのためには、たっぷり休息・睡眠をとり体を休めることが大切です。
痔改善の為に出来る、生活習慣を守って症状の緩和を目指しましょう。

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