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ニパウイルス感染症の原因・症状・感染経路・治療・予防・検査など

公開日: : 最終更新日:2016/05/06 感染症, 人獣共通感染症


マレーシアやバングラデシュで広がったウイルス性の脳炎です。
ブタの尿や分泌物から感染して、急性脳炎の症状が出ます。
1999年に見つかった新種のウイルスであるニパウイルスによる感染症です。
感染すると重症の脳炎を起こします。

ニパウイルス感染症の原因

コウモリを自然宿主とするウイルスです。
マレーシアでは、森林を切り開いて養豚場をつくる場合が多く、このウイルスがブタ、そしてヒトへと感染して起こります。
ウイルスに感染したブタに接触したり、血液や排泄物を触ったりすることで、ヒトの体内にウイルスが入りこむことが原因です。

ニパウイルス感染症の症状

インフルエンザに似た症状からはじまります。
発熱、頭痛、めまい、嘔吐など、急性脳炎の症状です。
50%以上の患者に意識障害、脳幹機能不全などがあらわれます。
半分以上の患者が死亡したり、重篤な後遺症が残る、予後の悪い病気です。

ニパウイルス感染症の感染経路

自然宿主のコウモリからブタへ、ブタからヒトへと感染します。
したがって、患者の多くが養豚場で仕事をしている人です。
ただし、インド、バングラデシュの流行からは、コウモリからヒトに感染する場合や、ヒトからヒトへ感染する場合もあると考えられます。

ニパウイルス感染症の予防

日本では、ウイルス発見以後、感染の例はありません。
感染地域に旅行する場合は、呼吸器の病気を起こしたブタなどの動物に接触しないようにすることが必要です。
ワクチンはありません。

ニパウイルス感染症の治療

対症療法が基本になります。
急性脳炎の治療と同様です。
リバビリンが実験的には有効ですが、臨床での治療の関しては不明です。

ニパウイルス感染症の検査

髄液や血液からウイルスが検出された場合は、ニパウイルス感染症と診断されますが、臨床症状からは、他のウイルス性脳炎と区別ができません。
ウイルスの分離や血清中の抗体の反応など、実験室で行なわれる検査が必要になります。

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