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パスツレラ症の原因・症状・感染経路・治療・予防・検査など

公開日: : 最終更新日:2015/09/26 感染症, 人獣共通感染症


パスツレラ症は主に犬や猫を介して感染する人獣共通感染症のひとつですが、この感染症の存在はほとんど明らかになっていませんでした。
しかし、最近では日本で感染する人が増え、犬や猫から感染する感染症のなかでは、多いもののひとつと言われています。
このパスツレラ症はどういった症状で、どう対処していけばいいのでしょうか。

パスツレラ症の症状

パスツレラ菌に感染すると、早ければ数時間ほどで噛まれた箇所が赤く腫れ上がります。
それにともなって痛みや発熱といった症状があらわれ、リンパ節が腫れることもあります。
パスツレラ症となると噛まれた箇所が炎症状態となりますが、その炎症は皮下組織のなかに拡散します。

噛まれた場所が関節付近の場合は、関節炎が引き起こされることもあります。
骨に達するような深い傷の場合は、骨髄炎が生じます。
免疫が低下している状態で発症すると重篤化して、骨髄炎や敗血症などが起きて死に至ることもあります。

パスツレラ菌を吸い込むことで感染した場合は、気管支炎や肺炎、副鼻腔炎などを発症します。
気管支拡張症患者、あるいはコントロール下にない糖尿病患者、悪性腫瘍患者、HIV感染者など、免疫機能に問題がある人が感染した場合は、重篤な状態になりやすいので、十分気をつける必要があります。

パスツレラ症の感染経路

パスツレラ菌は猫や犬の保有率が高く、猫のほぼ100%、犬の75%が口腔内常在菌としてもっています。
この菌は経口あるいは経皮感染などの直接感染で、媒介昆虫の存在はありません。
犬や猫に噛まれる、あるいは引っかかれてできた傷によって感染します。

猫の場合は爪をなめることもあるため、爪にも菌が潜んでいることが多々あります。
犬や猫に噛まれることが多いのが手ですが、その場合は感染症を発症しやすく、なおかつ重症化しやすい傾向にあると言われています。
口移しで餌をやるといった行為でも感染しますが、場合によっては飛沫感染もあります。

免疫力が弱っているお年寄りや糖尿病患者などが、自宅で飼っている犬や猫と過剰なスキンシップをすることで感染するケースが増えているので、免疫力が低下している人はペットと適切な距離を保つ必要があると言えるでしょう。
飛沫感染の場合は犬や猫がくしゃみをしたときに菌が空気中を舞い、それを人間が吸い込むことで感染します。

パスツレラ症の治療

噛まれて感染した場合はできるだけ早い段階で、抗生物質の投与をする必要があります。
早めに適切な薬を選択して、初期治療を充実させることでその後の経過に好影響を与えます。

数ある抗生物質のなかでもセファロスポリン系やクロラムフェニコール、ペニシリン系、テトラサイクリン系などが特にこの症状に有効だとされています。
猫に噛まれて感染した場合は合併率が高いため、症状が見られなくても、予防的処置として抗生物質が投与されることがあります。
抗生物質を投与することで、ほとんどの症状が改善し、重症化を食い止められることがわかっています。

犬や猫に噛まれるかひっかかれるかした場合は、応急処置として傷口を石鹸でしっかり洗浄するか、傷口を消毒するようにしましょう。
傷を負った箇所に痛みを伴う腫れが見られる場合は、医療機関で診察を受ける必要があります。

パスツレラ症の予防

パスツレラ症を予防するには、猫や犬に噛まれたりひっかかれたりしないよう注意することが第一です。
ペットと同じ食器をつかう、もしくは口移しで餌を与えるといった行為も感染の原因となるので、避ける必要があります。
犬や猫に触れたあとに、手洗いやうがいをすることもパスツレラ症予防に有効です。

猫の場合は爪を清潔に保ち、定期的に切るようにしましょう。
特に乳幼児がいる家庭は、感染のリスクが高いのできちんと爪を切ることを習慣づけましょう。
犬は愛情表現の一環として、飼い主の口元をなめることが多々あります。
その状態を受け入れると、犬はうれしくなってどんどんその行為が増長します。
それを防ぐには、おすわりやお手を習得させてなめようとしたらすぐにおすわりをさせる必要があります。

それでも言うことをきかない場合は、無視することで罰を与えましょう。
おすわりといっても言うことをきかなかったら、すぐに立ち上がって存在を無視します。
少しつらいかもしれませんが、無視することで犬は学習して口元をなめることはよくないことだと気づくことになります。
何度か繰り返すことで、口をなめることはしなくなるでしょう。
上手にできた場合は、きちんとほめるなどして適切なしつけをすることが大切です。

特に免疫不全などの基礎疾患、肝障害、糖尿病などの病気を抱えている人は感染によって重篤な状態になる恐れがあるので、十分に注意しなければいけません。
パスツレラ症は免疫力が低下している状態だと感染しやすいので、普段の生活を見直すことも大切です。
免疫力の低下を防ぐために、普段の食事で必要な栄養素をバランスよく摂取すること、ストレスフリーの生活環境を整えることで、感染のリスクを低下させることができるでしょう。
また、かかりつけの医師がいる場合は、パスツレラ症を発症した場合にすぐに対応してもらえるように、あらかじめペットを飼っていることを伝えておくようにしましょう。

パスツレラ症の検査

パスツレラ症の検査では、噛まれるかひっかかれるかした箇所から膿汁を採取します。
そして、膿汁に含まれる菌の分離同定が実施されます。
この方法は一般的な臨床検査機関で分離培養ができます。

パスツレラ症は人畜共通感染症なので、獣医微生物を取り扱っている大学などの機関でも血清学的検査を行うことができます。
犬や猫に噛まれたりひっかかれたりして感染した場合は、皮膚科関連の症状が見られる場合があり、そういった観点からも診断が行われることがあります。

パスツレラ菌は犬や猫の常在菌なので、大多数の犬や猫に見られます。
そのため、ペットの噛まれた場合も、ペットを対象とした検査は無意味なので行われないのが一般的です。

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