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皮膚糸状菌症の原因・症状・感染経路・治療・予防・検査など

公開日: : 最終更新日:2015/09/23 感染症, 人獣共通感染症


皮膚糸状菌症は人獣共通感染症に分類される病気で、人や犬、猫などに感染します。
動物と接することが多い人にとっては危険な感染症のひとつなので、知識をもっておくことは大切です。
ここでは症状や治療法について紹介します。

皮膚糸状菌症の症状

犬や猫が皮膚糸状菌症に感染すると、顔や耳、四肢の一部に円形の脱毛が生じます。
その範囲は少しずつ広がっていき、脱毛した箇所の毛をつまむと容易に抜けてしまいます。

そして、その周囲にかさぶたやフケなどが確認できるようになります。
症状が悪化すると、分厚いかさぶたに変化して丘疹があらわれることもあります。
脱毛した箇所を掻きむしるような行動を、犬や猫がとることもあります。
ウサギやモルモットは脱毛が顔面からはじまることがほとんどのため、早期に発見することができます。

腹部など目立たない場所から脱毛がはじまる場合は、見つけにくいため発見が遅れる傾向にあります。
人間が感染すると、菌が付着した箇所に赤みが生じ、人によっては水ぶくれのような状態になってしまいます。
症状は皮膚の層のなかでも浅い箇所で生じることが多く、動物と同様に感染個所は円形状となります。
注意しなければいけないのが、人間の場合、感染した場所によって、病気の名称が変わるということです。
もっとも一般的な名称が白癬菌で、これはいわゆる水虫の原因菌のことです。

一般的な水虫の症状をイメージするとわかりやすいですが、患部はかゆみをともなうただれが生じることもあります。
ほかにも、頭部白癬頭部に生じたものは「しらくも」「ケルズス禿瘡」、爪白癬手の爪・足の爪に生じたものは「爪水虫」、股部白癬股に起こるものは「いんきん」、体部白癬被髪頭部・手・足・股以外に起こるものは「たむし」などと呼ばれます。
体のあらゆる場所に感染する可能性があるため、やっかいな菌のひとつと言えます。

皮膚糸状菌症の感染経路

皮膚糸状菌は毛髪や爪を構成する物質であるケラチンを栄養源とします。
そのため、生きるために生物の爪や毛、角層に生息します。
皮膚糸状菌を発症する原因で多いのが、接触感染です。
菌を有するウサギや犬、猫などの動物を通じて、人間に感染します。

触れたり、抱いたりするだけでも感染してしまうことはあるので、ペットを飼っている人は注意が必要です。
人間に感染すると、そこを拠点として感染は加速度的に広がっていきます。
人間が感染源となった場合も、動物の場合と同じように接触感染することになります。
たとえば、家族で共通のバスマットをつかっている場合、家族の誰かが皮膚糸状菌が足に感染してしまって水虫になってしまったら、ほかの家族にも感染は広がる可能性があります。
感染者の足にある菌がバスマットに付着し、それを介して家族に感染が拡大していきます。
また、あまり例のないことですが、土壌を介して感染する場合もあります。

菌の増殖は健康状態に問題がなければ、体のもつ機能によって抑制することができます。
しかし、身体的・精神的ストレス、天候などの影響によって、体のもつ免疫力が大きく低下している場合があります。
その状態で感染すると菌の働きを押さえ込むことができずに、発症してしまうことが多々あります。
菌をもっていても体の機能によって押さえ込んでいる状態を不顕性感染、免疫力が下がったことで菌の増殖を許してしまうことを日和見感染といいます。

皮膚糸状菌症の治療

犬や猫への治療では、抗真菌薬の内服、あるいは抗真菌薬入りローションを塗ることで症状を抑えます。
抗真菌薬というのは、菌を死滅させる働きをもつ薬のことで、皮膚糸状菌症の治療には欠かせません。
細菌は抗真菌薬入りのシャンプーもあるので、それをつかって洗う場合もあります。

治療を行うときには、あらかじめ患部とその周辺の毛を刈り取って、薬剤が塗りやすい状態にしておきます。
人間への治療も同様に抗真菌薬の外用が基本となります。
もっともいいとされているのがテルビナフィンという薬ですが、カンジダ感染が除外できないケースではエコナゾールもしくはシクロピロックスが用いられるのが一般的です。

外用薬は医療機関以外でもドラッグストアなどでも売られています。
頭皮や爪への感染、長期的な外用薬治療を控えたほうがいい場合、治りにくい皮膚感染などがある場合は、経口薬が用いられます。
経口薬はドラッグストアで販売していないので、医師の処方箋が必要になります。

皮膚糸状菌症の予防

動物の場合は、ほかの動物からの感染を避けることが予防をするうえで大切となります。
それには、ほかの動物とできるだけ接触しないように、飼い主が気をつける必要があります。
猫の場合は家のなかのみで飼育するようにして外出させないようにしましょう。
犬は散歩などで外に出る機会が多いので、より注意が必要です。

散歩中にはできるだけほかの犬と接触しないように気をつけましょう。
人間が野良猫などほかの動物にさわることも避けるべきです。
触った動物が菌を保有していたとしたら、人間を介して自分のペットが感染してしまう可能性があります。
もしも触ってしまった場合は、石鹸をつかって手を洗うようにします。

皮膚糸状菌は石鹸をつかえば簡単に洗い流せるため、常に清潔な状態を保っていれば、少しくらい菌が付着したとしても感染のリスクを低下させることができます。
手を洗う場合は洗い残しがないように、時間をかけてていねいに洗い落とすことが重要です。
特に毛が抜けているといったような感染症が疑われる症状が見られる場合は、できる限り近づかないようにしましょう。

人間が皮膚糸状菌症を発症している場合も同じで、むやみに感染を拡大させないようにペットやほかの人との接触は控えるようにしましょう。
皮膚糸状菌症の発症や悪化を防ぐためには、免疫力を保てるような生活を心がけることも大切です。
良質な睡眠をとる、栄養バランスの優れた食事を心がける、ストレスをためこまないようにするなど、免疫力を低下させない生活を送るようにしましょう。

皮膚糸状菌症の診断

皮膚を擦過して水酸化カリウム液に包埋した顕微鏡標本をつくることで、菌糸の有無を確かめます。
培養するかどうかは、部位や状態によって判断されます。

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