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クリプトスポリジウム症の原因・症状・感染経路・治療・予防・検査など

公開日: : 最終更新日:2016/02/09 感染症, 寄生虫症


クリプトスポリジウム症はクリプトスポリジウム原虫による感染症です。

このクリプトスポリジウム症は世界のあらゆる地域にみられ、日本国内でも確認されています。
その特徴について、ここではまとめます。

クリプトスポリジウム症の症状

クリプトスポリジウム症による症状は感染から7~10日後にいきなりあらわれます。

腹部疝痛とともに、すさまじい量の水様性下痢が起こります。

嘔吐や吐き気、筋力低下、発熱、食欲不振などの症状がみられることもあります。

主な症状である下痢の程度は人によって異なりますが、1日数回~数10回に及ぶケースもあります。

症状は数週間つづくことが多いですが、自然に治ることがほとんどです。

症状がある程度おさまったあとも、オーシストと言われる原虫の生活環におけるステージのひとつが糞便排出とともにみられることもあります。

発展途上国などでは小児が無症状性のオーシスト排出されるケースもしばしばあります。

免疫力が低下していると症状は少しずつあらわれます。

下痢の程度は軽いものから重いものまでいろいろで、エイズを発症している人は1日におよそ11~15リットルの水溶性便が排出されます。

基礎疾患である免疫不全が治らない限り、感染が継続してたくさんの難治性下痢が一生つづくこともあります。

免疫不全の人の場合、腸がもっとも多い感染部位ですが、ほかの臓器に感染するケースもあります。

呼吸器や胆管、胆嚢などの感染が、現在では確認されています。

免疫力が低下していると、たくさんの水様便や失禁によって死亡に至ることもある、危険な感染症と言えます。

アメリカでは大きな水道事故によって40万人が感染した事件が起こりました。

日本国内でもおよそ100人が感染に至った集団感染事例が2回報告されており、水道の安全性を保つことはクリプトスポリジウム症予防について大切だと言われています。

集団感染など特殊な事例を除外すれば、日本国内での届け出件数は1年間で10例ほどと、それほど多くありません。

また、海外から帰ってきた人たちに感染が確認されることもあります。

クリプトスポリジウム症の原因

クリプトスポリジウム症はクリプトスポリジウムという原虫によって引き起こされます。

これは胞子虫類に属す原虫で、人間や鳥、牛などに感染することがわかっています。

牛や豚にはクリプトスポリジウム・パルバムなどが感染します。

人間への感染の多くも、クリプトスポリジウム・パルバムで、感染の危険性については欧米に代表される先進国で人間の抗体陽性率が40~50%、発展途上国ではもっと高まると推定されます。

人間の多くは感染しているとも言えますが、発症後に状態が落ち着いても再度感染することもあります。

家畜の多くも感染していると言われ、飼育農家の感染率は高いことが予想されます。

クリプトスポリジウムは世界中の動物や人間に感染しますが、その原因のほとんどは人糞あるいは動物の糞で汚染された水や食べ物を口にすることだと言われています。

また、この寄生虫が付着したものや人、土などに触れることで、感染するケースもあります。

クリプトスポリジウム症は、衛生状態が悪化した開発途上国に居住する小児の下痢の原因として頻繁にみられます。

こういった地域を訪れた人が感染することも、少なくありません。

免疫力に問題がある場合、特にエイズを患う人はクリプトスポリジウムに感染しやすく、悪化・長期化することが多いと言われています。

クリプトスポリジウムの卵とも言えるオーシストはとても丈夫で、アメリカでも地表に多くみられます。

この寄生虫は冷凍しても死滅せず、飲み水やプールでつかわれる一般的な濃度の塩素でも死ぬことはありません。

クリプトスポリジウムは直径5μmと小さく、人間への感染が確認されたのは1976年です。

有機肥料や放牧場などから水が汚染され感染していきますが、人間への直接感染や家畜から感染、人間から人間への感染など、その感染経路はさまざまです。

集団感染の多くは水道水によるものだと言われています。

動物の糞尿などによって水道のおおもとである水源が汚染され、塩素への耐性があるために多くの人が感染にいたります。

こういった経緯での集団感染は、症例として報告されています。

クリプトスポリジウム症の診断

糞便に抗酸性オーシストが確認されれば、確実な診断となりますが、一般的な糞便検査法は精度があまり高くありません。

オーシスト排出はタイミングによっては確認されない場合もあるため、いくつかの糞便検体が不可欠となります。

いくつかの種類の濃縮法によって、収率は増えます。

クリプトスポリジウムのオーシストは位相差顕微鏡検査、あるいはチール-ネールゼン染色変法、キニヨン染色変法での染色によって明らかとなります。

腸生検によって上皮細胞内のクリプトスポリジウムの有無が確認できます。

糞便中のクリプトスポリジウム抗原を見つけるELISAは、オーシストの顕微鏡検査よりも確実だといわれています。

クリプトスポリジウム症の治療

感染経路のひとつである家畜へのクリプトスポリジウム症を完治させるための治療薬は存在せず、下痢の対症療法として生菌製剤や整腸剤、補液などが用いられます。

感染を避けるためには、1ヶ月未満の講師はカーフハッチを用いて、個別に飼育して清掃や乾燥を徹底します。

感染した子牛の排泄した下痢には無数のオーシストが含まれ、そのオーシストは湿潤環境では数ヶ月以上生存します。

子牛の下痢便には触れずに、焼却するなど汚染が広がらないような工夫が必要となります。

人間が感染した場合、免疫システムに問題がなければ、治療をしなくても自然に治ります。

下痢の程度がそれほど強くない場合は、食餌制限や水・電解質の摂取が行われるのが一般的です。

摂取する電解質としては、スポーツ飲料水に近い飲料水が用いられます。

さらに鎮痙剤、止瀉剤などが用いられることもあります。

回復を早めるにはニタゾキサニドが効果的だと言われ、特に小児のクリプトスポリジウム症患者に処方されます。

これは成人にも効果を発揮するので、大人に処方される場合もあります。

エイズ発症者や免疫力に問題がある人は、この薬だけでは状態が改善しないことがあります。

もしも治療ができるようなら、免疫機能の問題は先に解決しておくことが望ましいでしょう。

免疫力を抑える薬剤を利用している人は、問題がないようならその薬剤の利用をやめる、あるいは利用する量を少なくすることがすすめられます。

免疫機能の異常をなおすことがむずかしい場合は、下痢が一生継続する可能性があります。

エイズ患者は抗レトロウイルス療法を用いて免疫機能を回復して、クリプトスポリジウムによる下痢症状を軽減させます。

しかし、この治療をしても、感染は継続される場合があります。

下痢症状がひどい場合は、経口あるいは静脈からの点滴で水分補給が行われます。

さらにロペラミドなどの下痢止め薬をつかって、状態の改善を目指します。

しかし、この薬剤はエイズ患者には効かないこともあるので、注意が必要です。

エイズ患者のなかには高活性抗レトロウイルス療法を行ったあとに、クリプトスポリジウム症の状態がよくなる場合があります。

クリプトスポリジウム症の予防

クリプトスポリジウムは家畜から感染するケースがあるため、感染動物の取り扱いには十分に気をつける必要があります。

クリプトスポリジウムの卵とも言えるオーシストは水道水に含まれる塩素では死滅しないので、水を介して人間への集団感染は日本国内はもちろん、海外でも多く発生しています。

畜産農家が行える対策としては、畜産排水を河川に流さないようにすることが挙げられます。

体験型牧場や動物と触れ合うイベントなどでは感染の可能性があるため、訪れた人や参加した人は手洗いを徹底して感染を避ける必要があります。

手洗いをするときは、必ず石鹸を用います。

流水でしっかり洗い流すことによって、手を介して食品などが汚染されることや経口での感染を予防することが可能です。

家畜だけでなく、ペットなどの動物に触れた場合も注意が必要です。

ほかのものに触れる前に手をしっかり洗浄することを習慣づけましょう。

畜産農家など動物と接触することが多い人は、仕事をはじめる前に専用の作業服や靴を準備しておき身につけるようにします。

作業中に食べたり飲んだりすると感染する危険性があるので、避けるべきです。

作業着を着た状態で作業場以外の場所に行くのも、やめておきましょう。

特に飲料水や食品が置いてある場所にそのまま行くと感染のリスクが高まるので、避けるようにします。

オーシストは乾燥や加熱が弱点なので、70℃以上30分の加熱もしくは1分の煮沸が予防として有効です。

さらに常温で1~4日乾燥させることで死滅することもわかっています。

堆肥化の発酵熱によってオーシストは死に至るので、家畜の糞便は正しい方法で堆肥にすることが大切となります。

医療施設やデイケアセンターなどで感染が広がることもあるので、衛生状態をきちんと管理することが予防として重要です。

集団感染は予防することが望ましいですが、もしも起こってしまったら飲み水は煮沸してから利用する必要があります。

食材を洗うときの水、歯磨きに利用する水も、同じように煮沸処理をほどこします。

生ものを食べるのは避けること、未殺菌のジュースや牛乳などは口にしないということも大切です。

浄水器は逆浸透膜フィルターを用いているもの、もしくは1ミクロンの粒子を取り除くことが可能なもの、クリプトスポリジウムなどのシスト除去レベルが全米科学財団(NSF)が定めたNSF 規格#53を満たしているものは効果が見込めます。

しかし、そのほかのものは確実な安全性があるとは言えないので、効果があるものを選ぶようにします。

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