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しもやけ・あかぎれの原因・予防と対処について

公開日: : 最終更新日:2016/01/28 皮膚

しもやけ・あかぎれの原因とは?

しもやけの原因はずばり「皮膚の血行不良」です。
寒くなり、体の末端に栄養や酸素が運ばれなくなることと、老廃物が溜まることで炎症が生じ、しもやけが起こります。
しもやけを起こしている部分の皮膚が乾燥すると、皮膚の角質層の厚い部分に亀裂ができ、内部が赤く見えたり、出血したりします。
これをあかぎれといいます。
では、こういった不愉快なしもやけ・あかぎれの原因である、血行不良は、なぜ引き起こされるのでしょうか。
大きく四つの原因があります。

1.体の筋肉量が少ない
2.温度差が10度以上の環境・気温が5度以下
3.ぬれたまま手足を放置する
4.遺伝や体質

とくに冬になり、運動不足になると、体の大きな筋肉が硬くなり筋肉量が減少します。
筋肉は、体を支えたり運動をするためだけではなく、体の熱をつくる働きをしているため、筋肉量が減ると体が冷えやすくなります。
私たちの体には、外気の変化に対応して、体温を調節する働き(自律神経の働き)が備わっています。

寒ければ、血管を収縮させて熱の発散を防ぎ、暑ければ、血管を拡張させて熱を逃がすようになっています。
しかしながら、気温が5度以下で、かつ、暖房の入った部屋と屋外を行ったり来たりしていると、この自律神経の働きがうまくいかなくなり、血行に障害が起こります。
しもやけが冬の季節病と言われるのは、このためです。

冬に、手を洗った後や、雪や雨などでぬれた靴下や手袋をそのままにしていると、気化熱で体温が奪われてしもやけになりやすいです。
筋肉の量や体の血行は、遺伝的な原因もあるため、家族にしもやけの人がいる場合は、そのリスクが高くなります。
寒がりの人、顔色の青白い人のほうがしもやけにかかりやすいです。

あかぎれは、寒さや空気の乾燥によって皮膚の皮脂や水分が奪われることで、ひびわれが起こります。
寒さのほか、洗剤やシャンプーなどの刺激、頻繁な水仕事、慢性的な皮膚炎、老化による皮膚のバリア機能の低下、水虫などが原因で起こります。

起こりやすい部位は?

しもやけの原因は血行不良ですので、心臓から遠い四肢の末端、つまり手の指や足の指によく起こります。
とくに手は、トイレなどのあとに冷たい水で洗うことで、血管が収縮し、血行が悪くなりやすいです。

また、雪や雨でぬれた靴下や手袋などをそのまま放置しておくことにより、気化熱で皮膚の温度が下がり、しもやけがよりいっそう起こりやすくなります。
雪の降る地方にしもやけで苦しむ人が多いのは、これが原因です。

ジョギングやスキーなどのスポーツで汗をかいたときは、こまめにふきとったり、下着や靴下を取り替えるようにしましょう。
また、肌が外気に露出している頬や鼻先、耳たぶもしもやけになりやすい部位です。鼻の先が赤くなるのもしもやけで、とりわけ子どもは顔や耳たぶによくしもやけを起こします。

女性で、ハイヒールを履く人や、きつい強制下着(ガードルや着圧タイツ)、またストレッチがきいていないタイトなジーンズなどをよく身につける人は、しもやけになりやすい傾向があります。
一見関係がないように思えますが、太い血管が圧迫されて末端に血液がいかなくなるという服装によって血行阻害が起こるためしもやけになりやすいのです。

したがって、体が冷えやすい人は締め付けの少ない下着や衣服を選んだほうがいいでしょう。
足にしもやけができやすい人は、きつい靴やハイヒールなどは避け、機能性を重視した履物を履いたほうがベターです。

しもやけは、手足全体が熟れた柿のように腫れ上がる「樽柿型(たるがきがた)」と、手足の指や耳のふち、頬などに赤い発疹がでる「多形滲出性紅斑(たけいしんしゅつせいこうはん)」があります。

「樽柿型」は子供に多く、「多形滲出性紅斑」は大人に多い形です。
いずれの場合にも、ひどくなると水疱(すいほう)ができ、それがやぶれてただれることもあります。どちらの型であっても、予防法・治療法は同じで、基本的に血行を良くすることと、保温です。

あかぎれは、皮脂腺の少ない部位にできやすいです。
手や足の指、かかとが代表的です。
皮脂腺は胴体には多く、四肢には少ないので、手を洗う機会の多い人や、水仕事が多い主婦、農作業や漁業に従事する人がなりやすいです。

入浴時に、四肢を洗い過ぎないようにし、体が温かいうちに保湿をすることが有効です。
刺激の強い洗浄剤と熱すぎるお湯は肌をより乾燥させますので、避けたほうがよいでしょう。

しもやけ(凍瘡)と凍傷の違いって?

しもやけは、「凍瘡(とうそう)」とも言われます。
一方、似た病気に「凍傷(とうしょう)」があります。
広義では、しもやけも凍傷に含まれますが、しもやけは組織が凍っていない状態です。
凍傷は非常にこわい病気で、皮膚が低温にさらされることで皮膚や皮下組織がダメージを受け、凍ってしまう状態です。
極度の低温はもちろん、0度を少し下回る程度の温度でも起きることがあります。

低温下で、皮膚の下の血管が収縮することで、血行が極端に悪くなり、体の組織が凍ってしまいます。
凍傷は心臓から遠い部分に起きやすく、四肢の指や鼻・耳、頬に生じることもあります。積雪期の山や高山では凍傷になる危険性が最も高いです。
早急な治療が必要であり、放っておくと組織の損傷は元に戻らなくなります。

凍傷になると、皮膚が紫色になり、知覚が失われてしまいます。
病状が進行すると、水疱(すいほう)ができるなど、やけどに似た状態になります。
やけどと同様に、細菌に感染しやすくなりますし、壊疽(えそ)といって組織が腐ってしまうこともあり、こうなると患部を切断しなければならないという恐ろしいことになります。

凍傷になると、暖かい場所に移動し、部位を40度~42度の湯につけるか、凍傷になっていない人の肌に触れさせて温めます。
このとき、激しい痛みが生じることがありますが、凍傷の部分を擦ったり、叩いたり、振ったりしてはなりません。

温める処置は一定時間継続して行う必要がありますが、組織が傷んでいる状態ですので、焚き火や暖炉、電気毛布などで温めるのは避けてください。
糖尿病の持病がある人は、凍傷にかかりやすいため、寒冷地への旅行や登山は控えるようにしてください。
喫煙や飲酒、疲労なども凍傷を起こしやすくなります。

液体窒素などの超低温のものに触れると短時間で凍傷になることがありますので、実験などで液体窒素を扱う場合には手袋などが必要です。
治療としては、凍傷の場合は加温と感染予防、外科的手術が必要になりますが、しもやけは保温とマッサージが治療の中心になります。

凍傷に気がついたら、できるだけ早く外科で受診してください。
一方、ひどいしもやけの場合は内科や皮膚科で受診します。

しもやけ予防のポイント

しもやけは、なってしまうとかゆみや痛みがあり、たいへん不快な気分をもたらします。
したがって、以下のポイントに気をつけて未然に防ぐことが大切です。

1.手を洗ったあとはきちんとハンカチやタオルで拭く。
指と指のあいだも忘れずに。
ハンドドライヤーは、水分を拭き取ってから使うようにするとあかぎれを防げます

2.靴下や手袋が濡れたら、すぐに取り替えましょう。
雨や雪のときは、替えのものを持って行くようにしましょう。

3.靴やブーツは汗や湿気を取るために乾かすようにしましょう。
ムートンブーツなど、厚手のものはドライヤーを使ってつま先まで乾かすとよいでしょう。
防水スプレーをこまめにかけておくのも効果的です。

4.タイトな服装を避け、足首、手首などを温めるようなスタイルにしましょう。
耳当てやマスク、マフラーなどで顔や耳の露出をできるだけ避けるようにし、ファッションより機能性を重視するようにしましょう。

5.ガードルや着圧タイツなどはなるべく避けるようにしましょう。

手首や足首などをストレッチすることも効果的です。
また、筋肉をつけるために、スクワットや肩甲骨の体操をすると、体全体の代謝が上がり、冬を過ごしやすくなります。
ダンベルなどで特別な負荷をかけなくても、部屋でできる筋トレだけでも血行を良くするには十分ですし、ストレッチやヨガで筋肉を伸ばすとコリが改善されます。

とくにヨガは、自律神経の働きを整え、ストレスを緩和させる効果がありますので、冬のあいだには積極的に行いたいものです。
食事面では、しょうが・にんにく・とうがらしなど、からだを温めるスパイスやハーブを積極的に摂りましょう。
根菜類(大根・れんこん・ごぼう・いも類)は、体を温める食材とされています。

肉や魚などのタンパク質は、筋肉や血液のもとになりますので、多めに摂取してください。
寒いときには、ついついホットコーヒーが欲しくなりますが、実はコーヒーは体を冷やしてしまう原因になりますし、利尿効果も高いためオススメできません。
しょうが湯や葛湯などに、旬のゆずを加えると香りを楽しむことがきます。

その際、黒砂糖やはちみつで甘みをつけると、風味だけではなく、ミネラルを補給する効果があります。
入浴も効果的です。ただし、熱すぎるお湯は肌を乾燥させてしまいますので、注意してください。
入浴後にボディクリームでマッサージすることで、保湿と血行改善の効果が同時に得られます。

あかぎれ予防のポイント

あかぎれは、肌のバリア機能を果たしている皮脂腺の少ない部位、すなわち手の指やかかとに起きやすいです。
水仕事をする機会の多い主婦・美容師・調理師などに起こりやすい症状です。
皮膚が乾燥することであかぎれは起こります。

まずは、しもやけにならないように、温かく乾燥した服装で過ごしてください。
そのうえで、ワセリンやクリームなどで、表面をこまめに保湿することが第一の予防のポイントです。
そのときに、角質層を取る効果のあるものは避けてください。できかけのあかぎれをより悪くしてしまいます。

ビタミンEの入っているものは、血行を良くし、肌を整える効果が期待できます。
家事をする人にとって、冬の水仕事はつらいものです。
対策としては、次のようにすることをお勧めします。

1.クリームやオイルをたっぷりと塗る
2.綿かシルクでてきた手袋をはめ、そのうえから家事用のビニール手袋をはめる
3.食器洗や風呂掃除などをお湯で行う

このようにすると、あかぎれを防ぐだけではなく、お湯を使うことで温まり、クリームやオイルの浸透がよくなるので、家事が終わったらピカピカの手になっています。
綿やシルクの手袋は、100円均一のショップで売っているような、薄手のものですと作業の邪魔になりません。

重ねておくことで、ビニール手袋のなかで汗をかいても、肌に張り付くことがないので、家事のあいだも快適です。
男性の場合は、クリームをぬり、綿の手袋、ラバーのついた軍手などを重ねておくと、屋外の作業でもあかぎれができにくくなります。

特に農作業などの仕事や掃除をする際に有効です。
あかぎれがひどいときには、オロナインなどを患部に塗って、同じようにしておくと症状が和らぎます。
夜に寝るときにも、クリームやオイル、薬を塗り、綿やシルクの手袋をはめておくと、夜のあいだに皮膚の修復を助けることができます。

手を洗わなければならないときは、洗ったあとにこまめに保湿してください。熱いお湯でと石鹸で手を洗うと、必要な皮脂まで取り除かれてしまうリスクがあります。
水分を拭き取ったあとは、ワセリンやクリームを塗ります。
馬油や椿油ですと、肌のなじみが早いので、そのあとベタベタしたりしない上、不快なにおいが気になることもありません。

しもやけ・あかぎれになったら・・・医療機関とセルフケア

治療法には、40度ぐらいのお湯と5度ぐらいの冷水に患部を交互につける方法があります。
二つ洗面器を用意して、一方にはお湯を、一方には水を張っておき、代わる代わるにつけることで、血行をよくするとともに、自律神経の働きを整えて冷えを改善できます。

この際、かならずお湯につける時間を長くするようにし、お湯ではじめてお湯で終わるようにするとよいでしょう。
入浴時におこなうと手軽です。
患部が温まると、血行が改善されます。この際に、患部をマッサージすることも効果的ですが、あまり強い力でおこなうと患部付近の毛細血管が破裂して、より症状がひどくなることがあります。

かゆみや痛みが強い場合には、手首や足首などの離れた部分、膝や股関節、脇の下などの関節部をもみほぐすほうが効果的です。
マッサージする際に、すべりがよいクリームなどを用いてもよいでしょう。
ただし、あかぎれやしもやけが激しい場合には、普通のハンドクリームではあまり効果がありません。

dlカンフル、メントール、ベンジルアルコールやユーカリ油の配合された塗り薬のほうが、しもやけのクリームとしては有効です。
あかぎれができている部分には、ワセリンやオロナインなどをすりこみ、ラップフイルムで覆っておく湿潤療法があります。

ビタミンEの積極的な摂取は、皮膚の状態を改善し、血行をよくする働きがあります。症状の軽いものであれば、ビタミンEを多く含む食品を食べることで、一週間程度で治ることもあります。
レバー、たまご、ナッツ、ごまなどにビタミンEはたくさん含まれていますので、積極的にとりましょう。

ダイエットの目的で、油分を控えている人も、冬の間は質の良い植物油を積極的に摂ることをおすすめします。
しかしながら、症状が重い場合、なかなか改善しない場合には、皮膚科で受診しましょう。

しもやけは、早期に治療することが大切ですので、セルフケアを一週間程度行っても改善しないときは、受診を考えてください。
皮膚科では、ジルチアゼムやニフェジピンなどの、血管を拡張する薬が処方されます。

くすりの選び方と注意点

かゆみがあり、皮膚が赤くなっている症状がみとめられる場合には、ステロイド外用薬が有効です。
このステロイド外用薬には、すぐれた抗炎症作用があるため、かゆくてたまらないしもやけのような皮膚トラブルには効果を発揮します。

しもやけを掻き続けていると、「かきこわし」による症状の悪化が起こります。
短期間にしもやけを治せるステロイド薬を、上手に使用することは有効です。水疱やただれがある場合には、細菌による感染の恐れも出てきます。
患部を清潔にするとともに、抗生物質が含まれているステロイド外用薬が適しています。

一週間程度、ステロイド外用薬を使っても効果が見られない場合には、皮膚科の医師のもとへ行って診てもらいましょう。
しもやけは重症化すると不快なだけではなく、治療が難しくなります。
早期治療をこころがけ、「たかがしもやけ」と甘く見ないことが大切です。

内服薬では、かゆみ止めの抗ヒスタミン剤が処方されることもあります。
薬局で買えるものでは、ビタミンEのサプリメントも、皮膚の保護や血行改善に期待ができます。
あわせてβカロテンやビタミンCも摂取すると、ビタミンEの吸収が高まります。薬局で購入できる外用薬のなかには、次のようなものがあります。

●紫雲膏(クラシエ) 漢方製剤の外用薬で、しもやけとあかぎれだけではなく、やけどやかぶれなどにも効果があります。
間宮アロエ軟膏(ライオン) 日本で唯一のアロエ配合の塗り薬です。
手荒れにも有効です。

●ユースキンA(ユースキン製薬)ビタミンE、グリチルレチン酸が配合されたボディクリームです。
ヒビケア軟膏(池田模範堂) 非ステロイドの治療薬です。
ステロイドを使いたくない人におすすめです。

●オロナインH軟膏(大塚製薬) ニキビの薬としてお馴染みのオロナインです。殺菌効果にすぐれているので、あかぎれがひどいときにこれを塗り、ラップでパックしておくと有効です。
しもやけが悪化して潰瘍(かいよう)になっている場合、あかぎれが膿んでしまった時は、市販薬を使用せず、清潔にして皮膚科で受診してください。

しもやけと間違いやすい病気

しもやけと間違いやすい病気としては、膠原病(強皮症、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、皮膚筋炎、シェーグレン症候群)などがあります。
膠原病は、紅斑、紫斑、水疱などの皮膚症状をともなう場合が多く、かゆみをともなうこともあります。

ただし、膠原病は、寒い時期だけに限定して起こるものではありません。膠原病のうたがいがある場合は、血液検査で自己抗体の値が上がっているかどうかを調べます。
とくに、若い女性に多い全身性エリテマトーデスは、皮膚の症状がしもやけに似ていて区別がつきにくい場合があります。
身性エリテマトーデスは、皮膚症状のほかにも内臓の症状をともなうことがある病気です。

しもやけを何度も繰り返したり、春になっても治らなかったり、皮膚以外の症状がある場合には、医療機関で相談してください。
強皮症のうち、全身性強皮症は、指が腫れて硬くなる症状が出ます。指輪が入りにくくなることで気づく人もいます。
全身性強皮症は、皮膚だけではなく、内臓までかたくなってしまう病気です。

膠原病ではありませんが、クリオグロブリン血症は、体温が低くなると血液がかたまって血管の詰まりを引き起こしてしまう症状です。
あざや関節痛、力が入らないなどの症状が引きおこされます。
これに似た病気に、マクログロブリン血症という病気もあります。

どちらの病気も、血液の粘度が上がることで、異常な出血などが起こることもあります。
なお、血液検査で、血液のタンパク質の値が上昇することで診断がつきます。
レイノー病では、寒さでの刺激や緊張によって、手足の末梢の血行が悪くなり、皮膚が青白くなったり、紫に変色したりする病気です。

しもやけと同じように、冷たい感覚や痛みをともなうことがありますが、温めると10~30分で元にもどります。
皮膚に浮かぶ血管が網目状に見えることもあります。
全身性強皮症の人にも、レイノー症状は出ますので、このような症状が出た場合は、医師に伝えてください。

ほかにも、動脈硬化や糖尿病によって、体の末端の血管がうまく働かないと、しもやけのような症状があらわれます。
持病のある人は、「おかしいな」と思ったら、早めに医療機関で受診することが大切といえるでしょう。

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