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帯状疱疹の症状・原因・治療について

公開日: : 最終更新日:2016/01/01 皮膚


帯状疱疹は水ぼうそうの原因ともなる水痘・帯状疱疹ウイルスの影響で起きる病気です。
それでは帯状疱疹がどういった病気なのか、具体的に見ていきましょう。

帯状疱疹の症状

帯状疱疹は体の左右どちらかに、ピリつくような痛みと、紅い斑点、小さな水ぶくれが帯状に生じる病気です。
症状が帯状に見られることから、この名がついています。
症状は痛みからはじまることが多く、時間が経ってから紅斑が生じて水疱ができます。

その後、水疱が破けて皮膚がただれて、カサブタがつくられます。
その間ずっと痛みはつづきます。
痛みの程度は人によってちがい、軽い痛みで済む人もいれば、眠れなくなるほどの痛みがずっとつづく人もいます。
湿疹に関しても帯状に拡大していきますが、はじめはかぶれや虫刺され、ほかの皮膚疾患などに近い状態となることも珍しくありません。
そのため、帯状疱疹だと気づかないケースも多々あります。

市販の軟膏などを塗るなどして、かえって悪化してしまうこともあるため、注意が必要です。
季節の変わり目は体調が不安定となって、免疫力が弱まりやすくなります。
帯状疱疹はそういったタイミングに発症しやすいため、注意が必要です。
一般的に、帯状疱疹は湿疹に水疱が生じたあとに、水疱が破れてカサブタ状になって、それがとれると治ります。

どの程度で治るかは人に寄りますが、3週間~1ヶ月ほどで治ることがほとんどです。
しかし、中高年の場合、完治するまでに時間がかかることも珍しくありません。
その一因が、発見が遅れることにあると言われています。

年齢を重ねるにつれて皮膚の保湿性やバリア機能は弱まるため、アレルギー性や乾燥性の湿疹が起こることが増えてきます。
また、糖尿病やその予備群の人も増えるため、高血糖状態となってかゆみや痛みをともなう湿疹ができやすいこともわかっています。
こういった症状がすでにあると、初期の帯状疱疹を自覚しづらく、皮膚科に行くのが遅れて治療に時間が要することが多いのです。

また、目周辺に帯状疱疹ができると、目自体が炎症の影響で角膜炎や結膜炎が引き起こされる場合があります。
中高年はいろいろな眼病を抱えていることが多いため、その場合は眼の治療も同時に行う必要があります。

中高年、高齢者の人が帯状疱疹になった場合に特に注意が必要なのが、帯状疱疹後神経痛です。
帯状疱疹による水疱や湿疹が改善されたあとも、痛みだけが残ることをこう呼びます。
原因となるウイルスによって神経節が損傷を受けることで、痛みがつづくことから帯状疱疹後神経痛になると言われています。

若い人は損傷を受けても短期間で回復しますが、年齢を重ねるにつれて回復は遅くなり、症状や治療も長期化しやすいとされています。
医療機関では帯状疱疹を発症して3ヶ月ほど痛みがつづく場合に、帯状疱疹後神経痛と診断されるのが一般的です。

帯状疱疹の原因

体はウイルスや細菌などの異物を撃退する免疫を備えています。
水ぼうそうはこの免疫の働きによって、通常は治ります。
しかし、完治したとしても水ぼうそうのウイルスは完全に消失するわけではありません。
神経節という背骨付近の神経が集中している場所に潜んでいます。

水ぼうそうに対する免疫も、水ぼうそうが治ったあとも消えるわけではありません。
そのため、ウイルスが増えることはありませんが、この免疫は外部から入り込もうとするウイルスにも反応するため、水ぼうそうが再発することはほとんどないでしょう。
しかし、免疫が疲労やストレス加齢などの影響で低下することがあります。
そうすると潜んでいたウイルスが再び活性化し、神経節の神経に沿うように皮膚や神経を攻撃しつつ増殖します。
これが帯状疱疹の正体です。

ウイルスの皮膚への攻撃の影響を受けて、水ぶくれが生じて、神経への刺激によって強い痛みが生じます。
帯状疱疹は皮膚表面のみにあらわれる病気と思われがちですが、実は体内の神経とも関わりの深い病気なのです。
帯状疱疹は免疫低下によって引き起こされる病気なので、体力が低下しやすい50歳代以上でよく見られます。

また、水ぼうそうウイルスに対抗する免疫は、水ぼうそうを発症して20年ほどで弱ってきます。
そのため、疲労やストレスを感じやすい20~30歳代の若い世代での発症も珍しくありません。
帯状疱疹の原因である水ぼうそうのウイルスは、多くの人が感染しているため、帯状疱疹は6~7人にひとりは発症するとも言われるほど、ありふれた感染症と言えます。

日本国内では帯状疱疹になる人は増え続けていると言われています。
高齢者が昔と比べて増加していること、子供の数が減っていることで成人後ウイルスに接触する機会が減って免疫機能が強化させるきっかけが少なくなったからだと推定されます。
また、アトピー性皮膚炎などの基礎疾患によって皮膚のバリア機能が弱っていると、帯状疱疹は発症しやすいと言われています。
人工透析や放射線照射、手術、ステロイド剤の服用、白血病、糖尿病なども免疫が弱まる原因で、帯状疱疹は発症しやすくなります。

帯状疱疹の診断

帯状疱疹の疑いがある場合は皮膚科を受診することになりますが、問診や視診のみで診断が行われることがほとんどです。
ただし、水疱が見られる場合はそれを採取して、顕微鏡でウイルス感染細胞の変化を観察することもあります。
診察では、どこに痛みを感じるかを確かめられます。

水疱がまだあらわれない、初期の帯状疱疹は診断が困難です。
その場合は、体の片側だけに帯状に痛みが起こるという帯状疱疹の特徴から、診断が行われることもあります。

初期に正確な診断をすることで、早期治療が可能となるため、症状が悪化する前に食い止めることができます。
早期治療は帯状疱疹後神経痛の発症を予防するためにも、重要です。
皮膚になんらかの異常を感じたら、放っておかずにできるだけ早く皮膚科で相談するようにしましょう。

帯状疱疹の治療

帯状疱疹の治療では、いくつかの抗ウイルス薬のなかから適切なものが選択され用いられます。
よく使用されるのが、アシクロビルやファムシクロビル、バラシクロビルなどの経口抗ウイルス薬で、これらの薬は主に高齢者や免疫機能が弱まっている人が服用します。
こういった薬剤は、帯状疱疹の可能性がある場合はすぐに、可能であれば水疱が生じる前に投与を開始します。

水疱が生じてから3日以上経過すると薬の硬化が十分発揮されないことがあるため、注意が必要です。
これらの薬剤は病気を治す効果があるわけではありませんが、症状を軽減して病気を持続期間を短くする働きがあります。
さらに、医師によってはコルチコステロイド薬の服用をすすめることもありますが、効果があるかどうかははっきりとわかっていません。

耳や眼に症状があらわれている場合は、眼科医や耳鼻咽喉科医の診察が必要となります。
痛みは湿布を貼ると少し緩和されますが、それでも痛みが強い場合は鎮痛薬を服用することになります。
非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)やアセトアミノフェンを用いることもありますが、オピオイド系の経口鎮痛薬の服用が必要となるケースも少なくありません。

細菌による二次感染症を予防するには、患部の皮膚を清潔に保つことを心がけて、水疱は掻きむしらないことが重要です。
帯状疱疹によって帯状疱疹後神経痛が起こることがありますが、その場合はその治療も行うことになります。
それぞれの人にあてはまる決定的な治療法というものは存在しません。

そのため、患者が感じる痛みや治療に対する反応、生活環境などを考慮したうえで理学療法や神経ブロックなどを組み合わせて治療を進めていきます。
治療をしても帯状疱疹後神経痛を完治させることは困難であるため、治療は長期化することも珍しくありません。
そのため、どうやって痛みをコントロールして日常生活にできるだけ支障を来さないようにするかが大切なポイントとなります。
具体的には、神経障害性疼痛治療薬、ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液がつかわれるのが一般的です。

保険適応はされませんが、鎮痛補助剤として三環系抗うつ薬や抗てんかん薬がつかわれる場合もあります。
痛みがひどい場合は、神経ブロック療法が行われることもあります。
神経ブロック療法は麻酔科やペインクリニック、整形外科などで行う方法で、ステロイド薬や局所麻酔薬で痛みの伝達を遮断するというものです。

帯状疱疹の予防

小児の場合は水痘ワクチンの予防接種が実施して、水ぼうそうを予防することが望ましいとされています。
免疫をもたない成人の場合も、ワクチン接種はしたほうがいいと言われています。
小児と触れ合うことが多いという人、感染が拡散しやすい寮や刑務所、介護施設などに勤務している人、免疫機能に問題がある人と接触することが多い人、海外へ旅行する予定がある人はワクチン接種は必要です。

しかし成人で、かつ水ぼうそうか帯状疱疹を発症したことがあるという人、1980年以前に生まれた人、血液検査で免疫があることが証明された人は免疫を保持していると推定できます。
そのため、ワクチン接種は通常は必要ないとされています。
ただしこの場合は、医療従事者と妊娠の予定がある女性は除外されます。

ワクチンは副反応が起こる場合がありますが、ほとんどが軽度です。
ただし、割合としては少ないですが、ワクチンそのものが軽度の帯状疱疹を発症させることがあります。
そのため、妊娠中の女性や免疫機能が弱まっている人は摂取を控えるのが一般的です。

帯状疱疹の予防用につくられた別のワクチンは、帯状疱疹の発症経験の有無にかかわらず、60歳以上であれば受けることができます。
このワクチンは帯状疱疹になる確率をおよそ半分に、帯状疱疹後神経痛になる確率をおよそ3分の1に下げることができます。
ワクチンを接種しても帯状疱疹を発症することはありますが、受けていない場合と比べて軽度で済みます。

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