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手湿疹の症状・原因・治療について

公開日: : 最終更新日:2016/01/21 皮膚


手湿疹は女性、特に主婦に多く見られる皮膚病です。
そのため、別名主婦湿疹とも呼ばれています。
手湿疹はどういった症状をもつ皮膚病なのでしょうか。

手湿疹の症状

手指や手のひらの肌が乾燥状態となってきめが粗くなって、紅斑が生じるのが手湿疹の症状です。
指先の肌が荒れて乾燥状態となるケース、指の間に紅斑が生じて少しずつ範囲が拡大していくケースがあります。
状態が悪くなると皮膚がかたくなって亀裂が生じることもあります。

強いかゆみがともなうことも多々あり、かゆみを我慢できずにかきむしると、より症状は悪化します。
かゆみは局所的に生じ、かくと皮膚が赤みを帯びます。
それを繰り返すことで皮膚は厚く変化して、状態が悪化してしまうのです。

症状が出ていない箇所は健康上問題ありませんが、症状は長くつづくことが多いでしょう。
手のひらだけでなく、足裏にも紅斑や乾燥があらわれることがあります。
その場合は掌蹠膿疱症や白癬菌症、カンジダ症などの疑いもあるため、医師に相談する必要があります。

手湿疹は20~30代の主婦に多く見られると言われています。
この年代は皮脂の分泌量は十分ありますが、水仕事をすることや時間が多いのが原因と考えられています。
1度に使用するシャンプーの量が多く、髪を洗うことが多い人、水仕事のあとにクリームをつける習慣がある人は特に手湿疹になりやすいとされています。

また、炊事や洗濯などで石鹸や洗剤を使用する機会が多い人や、脱脂力の強い洗剤を用いている人もなりやすいので注意が必要です。
同様の家事や水仕事をしているようでも、どんな家事が多いかということや体質などによって、手湿疹が生じる人もいればできない人もいます。
ほかにも、水に触れることが多い理容師や美容師、調理師も手湿疹になりやすいといわれています。

空気が乾燥する冬は誰もが手が荒れやすいですが、ほとんどは暖かい季節になると改善します。
しかし、手湿疹はなかなか完治せず、季節関係なく症状がつづくというひとも多くいます。

手湿疹の原因

手湿疹は主に手にできることでこう呼ばれていますが、それには理由があります。
手の皮膚には毛包と汗腺が存在し、毛包には皮脂腺がついていて皮脂が分泌されます。
皮脂は乾燥や刺激といった外部からの刺激から、皮膚を守るという役割をもっています。

皮脂と表皮細胞に存在する皮質や汗腺から分泌される汗が混ざって、保湿クリームのような働きをするのです。
しかし、さまざまな水仕事、あるいは紙を扱うことが多い仕事をしていると、皮脂や角質が除去されてしまいます。
そのため、皮膚を守る働きが低下して、なにかものをつかむなど物理的な刺激に皮膚が過敏に反応してしまいます。

さらに、刺激物が肌から入りやすくなってしまいます。
こういった経緯で起こるのが手湿疹で、一次刺激性接触皮膚炎に分類されます。

手の皮膚は厚い角質層を備えており、外からの刺激には強いという特徴があります。
しかし、手は汗腺がたくさんあり汗が出やすいものの、毛穴が少ないため皮脂の分泌量は多くありません。
そのため、1度でも乾燥すると皮脂が回復するのに時間がかかり、刺激が受けやすい状態がつづきます。
その結果、湿疹やかぶれが生じやすいのです。

アレルギー体質の人は特に起こりやすく、手湿疹になるきっかけである水仕事をやめない限り、完治はむずかしいとされています。
また、もともと乾燥肌の人も手湿疹になりやすいと言われています。

乾燥肌というのは皮膚の表面を守る役目をもつ各層間皮質がもともと少ないタイプの肌のことをいいます。
もともとの肌質に加えて、水仕事をすることが多いなどの外部要因によって手湿疹のリスクは高まります。

空気が乾燥しやすい秋から冬にかけては発症しやすく、悪化することも多々あります。
植物や金属、化学物質など手で触れるものに対するアレルギー反応の影響で、症状が起こることもあります。

手湿疹の診断

手湿疹の診断は主に問診や視診によって行われます。
症状が出ている範囲や発症時期、職業歴などが聞かれることもあります。
水や紙に触れることが多い職業、冬に症状があらわれることが多い場合は手湿疹の可能性が高まります。

しかし、アレルギー性接触皮膚炎と区別するために、パッチテストが行われることもあります。
パッチテストはかぶれの原因となる物質を特定するための方法です。
パッチテスト専用のシールにかぶれの原因である可能性がある物質を浸透させて、2日間ほど皮膚に貼り付けます。

紅斑や小水疱など、なんらかの症状があらわれたら、アレルギー性接触皮膚炎である可能性が高まります。
頻度は少ないですが、治療用の軟膏によってかぶれなどの症状があらわれることもあるので、いつまでも完治しない場合は気をつける必要があります。

ぜんそくやアトピー性皮膚炎などの持病がある場合は、その合併によって症状があらわれている可能性もあります。
それを明らかにするために、血液検査などでアトピーアレルギーの有無を確かめることもあります。
類似症状としてカンジダ性指間びらん症やカンジダ性爪囲炎、掌蹠角化症、手白癬、掌蹠膿疱症などがあるため、それらとの区別も行われます。

手湿疹の治療

手湿疹は乾燥型と湿潤型の2つに大別され、それぞれちがった治療法が用いられます。

乾燥型は皮膚の乾燥が目立ち、悪化するとひび割れが生じます。
指紋の消失や皮膚が硬化などの症状が見られる場合があります。
人にも寄りますが、利き手の親指や人差し指、中指など日頃からよくつかう指から症状があらわれ、時間の経過とともに手のひら全体に症状が拡大するという特徴があります。

湿潤型は水ぶくれや発疹などができ、指の腹や手のひらから発症することがほとんどで、手の甲にも症状があらわれます。

乾燥型の手湿疹の場合、保湿剤を用いた治療がメインとなります。
保湿剤は薬局などで手に入れることができますが、選ぶときには注意が必要です。
刺激物が入っていないタイプがいいならワセリン、保湿効果の高いものがいいならヘパリン類似物質や尿素が配合されたものを選ぶといいでしょう。

保湿剤はそれぞれちがった特徴をもち、あらわれている症状によって使い分けることが望ましいので、専門家に相談するのがおすすめです。
また、保湿剤が配合された化粧品類や入浴剤を併用するのもいい方法です。
湿潤型、あるいは症状がひどい箇所には、市販のステロイド剤の使用が望ましいでしょう。

乾燥型と湿潤型が混在するケースもあるので、そういった場合ははじめに保湿剤を塗ったうえから炎症がひどい箇所だけステロイド剤を用いるのがおすすめです。
保湿剤は1日に複数回使用しても問題ないので、水仕事をするたびにこまめに塗りましょう。
乾燥から肌を保護することで、症状が改善されやすくなります。
顕著に症状があらわれている箇所にはガーゼを巻いて、綿手袋や綿ネットでくるむという方法も有効だと言われています。

ステロイド外用薬は1日2回、朝と入浴後にぬるのが一般的です。
ステロイド外用薬は、手荒れによって起こる湿疹の炎症を抑制する作用があります。
ステロイド外用薬を塗る場合は、あまり厚く塗りすぎず薄く塗るのがポイントです。
ステロイド剤は副作用のリスクがあると言われていますが、用法や用量をしっかり守ればそれほど問題はありません。

手湿疹によって起こった炎症は、適切な薬を正しく使用することで比較的短期間で改善すると言われています。
クリームなどによって症状が改善されない場合、あるいはかゆみがひどい場合は皮膚科を受診する必要があります。
皮膚科では皮膚が炎症している箇所に対してはステロイド外用薬を用いて、かき傷やひびなどに対しては亜鉛華単軟膏を布にうすくのばして塗布するといった治療方法が行われることが多いでしょう。

皮膚科では症状の程度を観察して、適切なランクのステロイド外用薬が選択されます。
かゆみが強い場合は、抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤が用いられる場合があります。
抗アレルギー剤は現在起こっているかゆみを改善する働きと、継続して飲むことでかゆみが起こりにくくする働きもあります。
かゆみがひどく、無意識に掻きむしってしまうという人は、かゆみをコントロールするためにこういった薬を用いたほうがいいでしょう。

手湿疹の予防・改善のために

手湿疹の予防や改善には、水やお湯を使いすぎないことが重要です。
アルコールやほこり、消毒、シャンプー、洗剤なども肌への刺激になり得るので、できるだでけ触れないようにするか、刺激が少ない種類を選ぶようにしましょう。
綿手袋を装着するようにすると、肌を保護することができます。

水仕事をするときはゴム手袋、もしくは使い捨て手袋の下に綿手袋をつけて、手を保護しましょう。
ポリエチレンやゴムは肌に触れるとかぶれる恐れがあるので、下に綿手袋をしておくと安心です。
綿手袋は水仕事以外にも、掃除や布団の上げ下げ、洗濯物をたたむといった家事をするときにも装着しておくことをおすすめします。
食器洗いは短時間で済ませることが大切です。

食器を洗う前にいらない布などで汚れを軽く拭き取る、料理はできるだけ大皿に盛って洗う食器数を減らすといった工夫は有効です。
落ちにくい油などは食器洗いに手間取る恐れがあるので、症状がある程度おさまるまでは避けたほうがいいでしょう。
水仕事が済んだら、すぐにハンドクリームを塗って保湿を心がけます。
手湿疹は毎日きちんと家事をする人ほど、なりやすいといわれています。

少しでも肌への刺激を少なくするためには、食器洗浄機を活用する、家族に手伝ってもらうといった工夫が必要となります。
薬をつかって手湿疹が完治したとしても、根本的な原因である乾燥や刺激などの負担が軽減しなければ、再び発症する恐れがあります。
手を保護するよう心がけ、なんらかの症状があらわれたらできるだけ早く皮膚科で相談することが望ましいでしょう。

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