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手足口病の症状・原因・治療について

公開日: : 最終更新日:2016/01/13 皮膚


手足口病はその名の通り手足や口内に水疱性の発疹が生じる病気です。
どういった病気なのか、ここではご紹介します。

手足口病の症状

手足口病は口内や手足などの水疱性の発疹が生じる、ウイルス感染が原因で発症する感染症です。
子どもが発症しやすく、特に夏に流行します。
感染者は毎年出ますが、そのほとんどは5歳以下の乳幼児です。

流行のピークは7月末頃で、2011年には東京などで流行したことが記録に残っています。
この年は例年の2倍以上の手足口病発症例が報告されています。
ウイルスに感染すると3~5日後に口内や手のひら、足底などに小さな水疱性発疹が生じます。
発熱することもありますが、それほど高くはありません。
大半の発症者は数日間で治るので、それほど心配はないでしょう。

しかし、脳炎や髄膜炎、小脳失調症など中枢神経系が合併症状として起こることがあります。
ほかにも、急性弛緩性麻痺や筋炎、神経原性肺水腫などいろいろな症状が起こることもあります。
手足口病を発症者のほとんどは子どもですが、まれに大人が発症することもあります。
大人が感染すると子どもと比べて重症化しやすいので、注意が必要です。

手足口病を発症しても子どもの場合は、高熱が出ても38度以下で済むことがほどんどです。
しかし、大人の場合は40度以上の高熱が出ることもあり、さらに指先にも発疹やかゆみが起こることがあります。
そのため、数ヶ月後に爪が剥がれてしまうことも珍しくありません。

子どもの場合は悪寒や筋肉痛、頭痛など水疱以外の症状があらわれることがありますが、大人の場合もこういった症状が起きることがあります。
妊娠中の女性も手足口病にかかる可能性があるので、注意が必要です。

妊婦が病原体に感染することで、胎児以上の確率が高まることが報告されています。
しかし、広範囲で調査しているわけではないため、胎児への大きな影響はそれほどないのではないかという説もあります。
胎児異常や流産のリスクは少ないと考えるのが一般的ですが、妊娠中に感染の疑いが生じた場合は医療機関で相談したほうがいいでしょう。

手足口病の原因

手足口病はエンテロウイルス71型やコクサッキーウイルスA群などに感染することで起こります。
特にコクサッキーウイルスA16(CA16)やエンテロウイルス71(EV71)などが原因ウイルスとなることが多いですが、最近の流行では、コクサッキーウイルスA6(CA6)が原因となっていることが多いようです。
原因となるウイルスの種類によって、症状は多少違います。

手足口病の主な感染経路は、ウイルスが付着した手で触れたものを介してうつる接触感染、くしゃみや咳によってうつる飛沫感染の2種類です。
大人が感染する場合は、感染している子どものおむつ交換をしたあとに十分に手を洗う前に食品を取り扱うことで起こる糞口感染がほとんどです。
この感染経路によって子どもから母親に手足口病を感染するケースは非常に多いので、おむつ交換をしたあとはきれいに手を洗い流す必要があります。

飛沫感染や糞口感染は対策することである程度防ぐことができますが、接触感染は防ぐのが困難です。
たとえば感染者がウイルスが付着した手で手すりなどに触れると、そこにウイルスが付着します。
そこに手を触れて、目などの粘膜をこするなどすると感染してしまうので、完璧に防ぐのはむずかしいと言えるでしょう。
また、唾液と便では感染力がちがいます。

唾液の場合は1週間未満、便の感染力は継続期間が長く2~4週間はウイルスが排出されます。
そのため、しばらくの間は子どもの排便後はまわりの大人とともに、手洗いを徹底することが大切となります。
手洗いなど基本的な予防が十分できていれば、集団感染予防を目的とした隔離などはしなくていいでしょう。

手足口病の診断

手足口病の診断は症状によって行われるのが一般的です。
発疹は体幹にも生じることがありますが、水ぼうそうなどとは違って発症個所は手足に集中しています。
水疱は化膿せず、大きなカサブタもできないので、それも診断基準のひとつになります。

同じような症状に単純ヘルペスがありますが、これは局所的に集中して左右対称のような形ではできません。
また、水疱は大きく真ん中にくぼみが確認されるので、違いは明確です。
口内には舌や内側、頬粘膜に症状が見られますが、ヘルペス性歯肉口内炎に見られるような歯肉の腫れや発赤などは起こりません。

手足口病の診断は特徴と発疹範囲で確定的になりますが、はっきりしない場合は血液検査が行われることもあります。
血液検査を行う場合は2週間空けて2回採血するのが一般的です。
原因となるウイルスに対する抗体を確認し、初回よりも2回目検査で高まっているようなら、手足口病ということになります。
過去に感染したかどうかを確かめたい場合は、血液検査は1度行えば問題ありません。
喉や便から綿棒をつかって採取したウイルスを分離して調べる方法がありますが、費用や時間がかかることから現在はほとんど行われることはないようです。

手足口病の治療

手足口病のはウイルスが原因の感染症なので、特効薬のようなものはありません。
抗生剤などの投与も意味がないため行われることはないでしょう。
発疹箇所にかゆみが生じることはほとんどありませんが、かゆみがある場合は抗ヒスタミン剤を塗ることもあります。
副腎皮質ステロイド剤が用いられることはありません。

口内に症状があらわれている場合は、刺激を与えないようにやわらかく薄味のものを食べることが望ましいでしょう。
水分補給は注意を払って、行う必要があります。
経口補液などを用意して、水分を少しずつこまめに補給するようにしましょう。
場合によっては経静脈的補液が治療に取り入れることもあります。

発熱が見られる場合は、解熱剤はすぐに用いずに経過観察をすることになります。
しかし、高熱や嘔吐、頭痛、元気がないといった状態が2日以上継続した場合は、脳炎や骨髄炎などが起こる可能性があるので気をつけなければいけません。
手足口病が治っても、長期間便などからウイルスが排泄される場合があります。

また、感染はしていても症状があらわれず、ウイルスのみを排泄することもあります。
こういった特徴から、発症者だけを長期間隔離しても意味があるとは言えず、現実的な対策とも言えないでしょう。
衛生管理が徹底していない乳幼児の集団生活する施設では、内部での感染拡大を完全に防ぐことは困難です。

手足口病はたとえ発症しても、それほど重症化しないことが大半なので、感染を完全に避けるべき病気ではありません。
そして、これまでたくさんの子どもが感染し、免疫をつけてきた感染症でもあるので、それほど心配はいらないでしょう。
現実的な感染対策としては、接触感染を防ぐために手洗いを徹底すること、排泄物を適切な方法で片付けることが重要となります。

特に保育施設など、多くの乳幼児が過ごす場所では、感染が拡散しないように職員ともども子どもの手洗いを徹底することが大切と言えるでしょう。
おむつ交換をする場合は排泄物を適切に処理したうえで、忘れずに手洗いします。
手洗いをする場合は、水洗いだけで済ませず、石けんも使用する必要があります。

タオルを介して感染することもあるので、タオルの共用は避けたほうがいいでしょう。
大人が手足口病を発症すると重症化しやすいので、しっかり予防することが大切です。
特に妊娠中の女性はリスクが高いと言われているので、予防に力を入れる必要があります。

主な感染経路はくしゃみや咳などの飛沫感染、ウイルスがついた手で粘膜に触れることによる接触感染なので、人混みでのマスク着用、手洗い、うがいは徹底することが望ましいでしょう。
夏場であっても、対策を忘れずに出産に備えることが大切です。

手足口病は登園や登校停止に指定されているわけではないため、学校や幼稚園、保育園に行くかどうかは患者本人の状態で判断する必要があります。
熱が下がってから1日以上経過しても発熱せず、食事が問題なくできていることが登園や登校の目安となるので、しっかり経過観察することが大切です。

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