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風疹の症状・原因・治療について

公開日: : 最終更新日:2017/05/29 皮膚


風疹はウイルス性発疹症のひとつで、人によっては重篤な症状があらわれることもあります。
最近は妊娠中の女性がウイルス感染すると、胎児に悪影響を及ぼすこともわかっており、社会的にも大きく取り上げられています。
それでは風疹について、くわしくご紹介しましょう。

風疹の症状

風疹の潜伏期間は14~21日ほどで、はじめは発疹症状があらわれます。
桃紅色の小班状丘疹であることが多く、丘疹同士がくっついて集合することはあまりありません。
最初は顔面にあらわれることが多く、短期間で体中に拡大します。

皮がむける、あるいは色素沈着するといったことはなく、3~5日で消失します。
熱が上がることもありますが、それほど高熱になることはないでしょう。
発疹と同時期に熱は上がり、数日で平熱まで下がるのが一般的です。

風疹ではリンパ節が腫れることがよく知られていますが、特に耳介後部や頸部が特に顕著にあらわれます。
リンパ節の腫れは発疹症状が出る前からあらわれ、発疹が消失してからも数週間以上継続するケースもあります。
合併症として関節炎が生じることがあり、発疹が消失してから起こることがほとんどです。

これは小児よりも大人、さらに女性がなりやすいと言われています。
脳炎が起こることもありますが、その発生頻度はごくわずかです。
紫斑病が合併症状として見られることもあります。

15~30%の人は感染しても、症状があらわれないこともあります。
自覚がないまま感染して、周囲の人にうつしてしまうということもあり得ます。
風疹は子どもがかかる病気というイメージがありますが、実際はそんなことはありません。
年によっては患者のほとんどが男性で、その大半が20~40代の人だったということもあります。

なぜこの年代の感染者が多いのかというと、幼少期に予防接種の対象でなかったこと、対象であっても接種していなかったことから、抗体をもたない人が多数いたからだと言われています。
成人の風疹の場合、1週間ほどで完治すると言われていますが、重篤な合併症状は起こることもあるので油断は禁物です。

重症とならなくても、40度近い発熱が数日間つづいたり、血小板が少なくなって入院を余儀なくされることもあります。
1週間程度は仕事ができなくなるケースも珍しくなく、日常生活にも大きな支障が出ます。
風疹は妊娠20週頃までの女性が感染すると、胎児への影響が及ぼされます。

具体的には胎児の耳や目、心臓に障害が起こる先天性風疹症候群の状態で生まれる恐れがあります。
障害が起こる確率は妊娠初期に感染するほど高く、妊娠1ヶ月で50%以上、2ヶ月で35%、3ヶ月で18%、4ヶ月で8%ほどだと言われています。
妊娠の自覚がなく、注意を払っていない時期に感染してしまうこともあるため、注意が必要です。

平成24年~25年の期間は風疹が流行しましたが、この影響を受けて先天性風疹症候群と診断される赤ちゃんが多く確認されました。
そのなかには、妊娠中の母親になんらかの症状があらわれず、感染を自覚していなかった人も3割ほどいます。
生まれてすぐに障害がはっきりわからず、時間が経ってから症状が出たり症状を自覚したりする場合もあります。

障害に気づくのが遅くなると発達にも影響が及ぼされるため、早めに診断して適切な療育やサポートをしていくことが今後の課題となります。
また、感染した妊婦のほとんどは、身近に発症した人がいなかったと言われています。
症状があらわれないことも多々あるため、生まれてくる赤ちゃんを守るにはたくさんの人が風疹を発症しないように予防に力を入れることが大切だと言えるでしょう。

風疹の原因

風疹は風疹ウイルスへの感染によって、引き起こされます。
この風疹ウイルスは飛沫感染によって人にうつり、特に5~15歳が感染しやすいですが、成人も感染することはあります。
感染者の咳や声を発するときに生じる飛沫によってうつります。
患者は発疹が生じる前後1週間程度風疹ウイルスを放出しています。

発疹がおさまると、ウイルスの放出もある程度おさまって感染力が低下します。
3~10年の間隔で流行して、特に春~初夏にかけて頻繁に見られます。
1999年以降は流行することはなくなり、季節性も消失しつつあります。

感染しても発症しない人も増え、自覚がないままほかのひとにうつすことも少なくありません。
風疹ウイルスの特徴のひとつが、強い感染率です。
風疹の免疫をもたない人のなかに患者がひとりいた場合、5~7人に感染すると言われています。

インフルエンザの場合、1~3人に感染すると言われているので、風疹のほうが強い感染力をもっていることがわかります。
1度ウイルスに感染すると免疫がえられますが、人によっては再び感染することもあります。

風疹の診断

風疹の流行時期に風疹特有の症状が見られれば、診断はそれほどむずかしくありません。
しかし、はっきりした症状があらわれないこともあり、はしかや溶連菌感染症などの病気と鑑別しづらい場合もあります。
診断を確かなものにするためには、のどからウイルスを分離する検査、血液中に風疹に対する抗体がどの程度あるかを調べる検査を行う必要があります。
抗体価は急性期と回復期、あるいは2~4週間間隔で調べて、抗体価が4倍以上となれば風疹ということが確定します。

風疹の治療

風疹ウイルスに効果がある薬は存在しないため、症状に合わせた対症療法が治療の中心となります。
風疹の症状はそれほど強いものではないため、ほとんどは放っておいても自然治癒します。
熱が高い場合に解熱剤を用いる程度で、問題ないでしょう。

ただし、熱がそれほど高くない場合は、解熱剤は控えたほうがいいと言われています。
二次感染を防ぐために、抗菌剤が用いられることがあります。
かゆみがひどい場合は、かゆみ止めを利用します。

子どもはかゆみを我慢しづらいので、爪を短く切って傷つかないように気をつける必要があります。
風疹を早く治したいのなら、安静にしていることが大切です。
発熱時は薬を飲むとともに、首元や脇を冷やすようにするといいでしょう。

発疹が出てから1週間程度は感染力が強いので、不要な外出は控えたほうが無難です。
特に赤ちゃんがいる人や妊娠中の女性に接するときは十分注意しましょう。

風疹の予防

風疹を予防するには、風疹とはしかの2種類を予防する混合ワクチンの接種が推奨されています。
風疹のみの単独ワクチンもありますが、成人ははしかの抗体をもたない人が少なくないため、国や専門家は混合ワクチンの接種を推奨しています。

妊娠中にはしかになると流産や早産の危険性が高まるため、特に女性は混合ワクチンの接種が望ましいでしょう。
風疹のワクチンは1度の接種で95%、2度の接種で99%の確率で風疹を防ぐことができると言われています。
抗体をきちんとつけるために、接種は2度が望ましいとされています。

子どもの頃の接種歴が不明な場合も、3回接種しても特に問題がないことから、2度の接種がおすすめです。
風疹ワクチンは内科や小児科で、接種することができます。
接種は保険適用の対象ではないため、病院によって費用はちがいます。
単独ワクチンの場合は4000~8000円程度、混合ワクチンの場合は7000~12000円ほどが多いでしょう。

自治体によっては助成していることもあるので、問い合わせてみることをおすすめします。
ワクチンの安全性について不安を感じている人がいるかもしれませんが、風疹ワクチンは副反応が起きにくい比較的安全性の高いワクチンのひとつだと言われています。
しかし、全身のじんましんやアナフィラキシー様症状、ショックなどが起こったという症例も報告されています。
急性血小板減少性紫斑病の報告もありますが、100万人のうち数人程度の割合だとされています。

そのほかの副反応として、関節痛やリンパ節の腫れ、発熱、発疹、紅斑、掻痒などが起こる場合があります。
関節痛は子どもよりも、成人女性にあらわれやすいと言われています。
妊娠中は予防接種することはできないため、注意が必要です。

妊娠出産年齢の女性がワクチン接種をする場合は、確実に妊娠していない期間に行います。
生理中もしくは、そのあとがもっとも確実です。
ワクチン接種のあとは、その後2ヶ月は避妊しなければいけません。
妊娠中の風疹ワクチン接種によって胎児になんらかの傷害が起こったという確実なデータはまだありません。

しかし、まったくリスクがないとは言い切れないため、気をつける必要があるのです。
また、1979~1987年生まれの人も風疹の予防接種について注意が必要となります。
風疹の予防接種は原則的には学校で集団で受けることになっていましたが、この年代の人は学校での集団接種がなく、それぞれが医療機関で接種することになっていました。
そのため、この年代の接種率は非常に低いことがわかっています。

自分が予防接種を受けていたか確かな記憶がない場合は、親に確かめてみることをおすすめします。
また、子どもの頃に接種していたとしても、抗体がきちんと生成されていない場合、あるいは時間の経過とともに抗体が減ってしまった場合があります。
その場合は風疹に感染する可能性があるため、再度接種したほうが望ましいでしょう。
風疹は1度感染すれば再び感染することはないというのが通説でしたが、再感染する可能性はゼロではないことが現在ではわかっています。

再感染の場合は妊娠中であっても、胎児へ悪影響が及ぼされる可能性はほとんどないと言われています。
しかし、妊娠を希望している女性は、念のため抗体検査を受けておき、必要ならワクチン接種をしておきましょう。
妊娠初期は特にリスクが高いため、できるだけ人混みを避けるなどの工夫も必要です。

20週以降の感染は重度な障害となる可能性はわずかですが、一応24週までは人混みは避けたほうが無難です。
どうしても出かけなければいけない場合は、マスクの着用と手洗いを徹底しましょう。

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