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単純疱疹(口唇ヘルペス)の症状・原因・治療について

公開日: : 最終更新日:2015/12/01 皮膚


単純疱疹はヘルペスとも呼ばれ、小水疱が口唇や陰部などに局所的に生じる病気です。
比較的発症しやすい病気で、経験があるという人は少なくありません。

ここでは単純疱疹のうち口唇に生じる単純疱疹について、くわしく見ていきます。

単純疱疹(口唇ヘルペス)の症状

単純疱疹は口唇もしくは陰部などに生じる小水疱のことで、ウイルス性皮膚疾患に分類されます。

単純疱疹は免疫をもたずにはじめて感染した場合、そして潜伏感染していたウイルスが増えて再発する場合で症状が多少ちがってきます。

どちらも皮膚や粘膜に小水疱やびらんなどの症状があらわれますが、初感染の場合はウイルスに対する免疫を保持していないため、高熱などの全身症状があらわれ、悪化しやすいという特徴があります。

しかし、初感染時は症状があらわれない場合も多く、発症を自覚するのは再びウイルス感染して抗体をもった状態であることが多いと言われています。

再発した場合はウイルスへの免疫が生成されているため、症状は軽く済むことがほとんどです。

ヘルペス(疱疹)は小型の水ぶくれが集合した急性炎症性皮膚疾患のことで、ヘルペスはギリシャ語で「這う」という意味をもちます。

本来は真菌症や皮膚癌、丹毒など這うように広がっていく皮膚疾患で使用された言葉でしたが、19世紀に入ってから帯状疱疹や妊娠性疱疹、疱疹状膿痂疹、疱疹状皮膚炎、単純疱疹といった疾患につかわれるようになりました。

しかし、最近は単純にヘルペスという場合は、単純疱疹あるいは帯状疱疹のことを言うのが一般的です。

単純疱疹は病型によっても症状は異なり、さまざまな症状が見られるのが特徴です。

単純ヘルペスウイルス1型の場合は幼小児期の初感染では症状があらわれないことがほとんどです。

しかし、人によっては口腔内の小さなびらん、発熱、腫瘍が含まれる歯肉口内炎といった症状があらわれることがあります。

それから、人によっては小水疱が口唇周辺に症状があらわれることがあります。

この口周辺にあらわれる単純疱疹のことを、口唇ヘルペスと呼ぶことがあります。

口唇ヘルペスでは口周辺に水ぶくれが生じ、痛みやかゆみを感じるようになります。

口唇ヘルペスはストレスや疲労などによって体の抵抗力が低下すると、特に発症しやすいと言われています。

この口唇ヘルペスはかかりやすい病気で、日本人の10人にひとりは発症経験があるとされています。

自覚症状がなくてもウイルスに感染しているという人はこれ以上に多いと考えられています。

20~30歳代の感染者はおよそ半数、年を重ねるにつれて感染率は高まり、60歳代以上では多くの人が感染していると言われています。

以前は幼少期に自覚がないまま口唇ヘルペスに感染していたことも多かったため、多くの人が免疫を保持していました。

しかし、最近は衛生環境の整備などの影響で子供のころに感染せず、成人になってから感染するという人もおり、症状が悪化することも多々あります。

単純疱疹(口唇ヘルペス)の原因

口唇ヘルペスは、人との接触によって感染に至ります。

単純ヘルペスウイルスは感染力が強いため、直接的な接触以外にもウイルスが付着した食器やタオルなどを通じて感染することもあります。

そのため、親子や夫婦など接触が多い間柄で感染することがほとんどです。

感染直後に症状があらわれないこともあり、数年経過したあとに症状があらわれるケースもあります。

口唇ヘルペスの症状があらわれている時期は、たくさんのウイルスを排出しています。

単純ヘルペスウイルスの感染経験がない人、あるいは感染したことがあっても抵抗力が低下している人と、こういった時期に接触すると感染のリスクが高まります。

感染は他人だけでなく、自分で患部に触れてほかの場所に触れることで症状が拡大することがあります。

また、アトピー性皮膚炎の患者は皮膚のバリア機能が落ちているため、皮膚から感染して広い範囲で症状があらわれることもあります。

自覚症状がなくても、ウイルスは神経細胞に潜伏していることが多いですが、唾液などにウイルスが放出されることもあります。

そのため、夫婦間の性交やスキンシップなどによって口唇ヘルペスや性器ヘルペスを発症させてしまう場合もあります。

感染した相手がヘルペスウイルスの免疫を保持していない場合は、重篤な症状があらわれることもあるので注意が必要です。

単純疱疹(口唇ヘルペス)の診断

口唇ヘルペスの疑いがある場合は、皮膚科あるいは内科で受診する必要があります。

感染にいたったヘルペスウイルスを体から除去することはむずかしいですが、適切な対処をすることで症状が重篤化するのを阻止することが可能です。

口唇ヘルペスはその対処が早いほど症状の悪化を食い止めることができ、早く回復させることができます。

そのため、できるだけ早く医師に相談することが大切となります。

医療機関では医師によって問診や視診が行われ、口唇ヘルペスかどうか診断するのが一般的です。

口唇に熱感をともなう小水疱が確認された場合は、口唇ヘルペスの可能性があります。

検査は行われないことも多いですが、血液検査によってウイルスの抗体について調べる場合もあります。

また、患部の細胞を採取して、ギムザ染色でウイルス感染によって起こる細胞の変化を観察するツァンク法、あるいは蛍光抗体法によってウイルスの有無を確認することもあります。

こういった検査は診断確定に、おおいに役立ちます。

単純疱疹(口唇ヘルペス)の治療

口唇ヘルペスの治療は抗ヘルペスウイルス薬を用いるのが一般的で、抗ヘルペスウイルスには内服薬や外用薬などいろいろな種類があります。

どの薬を選択するかは、患者の体質や状態などを確認したうえで医師が判断します。

外用薬はクリームや軟膏で、皮膚に生じた症状を拡大させないことを目的に用いられます。

症状がそれほどひどくない場合で、再発が起こりにくい人に選択されます。

内服薬は顆粒や錠剤などがあり、皮膚症状に限らず、神経細胞に潜伏するウイルスの増加を抑制する働きをもちます。

発症の予兆が確認された段階で服用することで回復が早くなり、皮膚から神経細胞に戻るウイルス量を少なくすることができます。

そのため、再発を防止することが可能です。

はじめての感染で症状がひどい場合、あるいはアトピー性皮膚炎の患者でカポジ水痘様発疹症を合併している場合、免疫不全の基礎疾患をもつ人の場合は、点滴で治療を行う場合があります。

細菌の二次感染を防ぐために、抗生物質の全身投与、あるいは外用が実施されるケースもあります。

現在ある抗ウイルス薬でウイルスの増殖を抑制させることはできますが、神経に潜伏しているウイルスDNAを除去することは不可能です。

そのため、1年に6回以上再発を繰り返す人に対しては抗ウイルス薬を毎日内服するという抑制療法が用いられることがあります。

バラシクロビルという薬剤を1日1回毎日服用し、経過観察します。

およそ1年間つづけて、中断したあとに再発が複数回確認されたらさらに継続するかどうか検討されます。

抑制療法をしている間に再発にいたったら、一定期間内服の回数を増やすことになります。

この療法をしばらく継続しても再発頻度に変化が見られないようなら、薬の量を増やすことが検討されます。

それでも再発頻度が変わらないようなら、本当に診断が確かなものなのか、あるいはバラシクロビルに耐性ができていないかを調べる必要があります。

再発がそれほど見られないものの、再発の前に明らかな兆候が確認できる場合は、事前にウイルス薬をもっておき、兆候があらわれた段階で内服することで再発を防ぐことができます。

通常、単純疱疹の多くは少しずつ間隔が長くなって、いずれは再発することがなくなります。

しかし、場合によっては再発することもあるので、十分に注意する必要があります。

単純疱疹(口唇ヘルペス)の予防

口唇ヘルペスは体の抵抗力が低下すると感染、再発しやすいため、抵抗力のある体作りが予防のためには大切です。

栄養バランスのとれた食生活を心がけ、適度な運動によって体力をつけるようにしましょう。

アルコールの過剰摂取は体によくないので、ほどほどにしておくことが大切です。

ストレスも体の抵抗力が落ちる原因となるため、上手にストレスを解消することが重要です。

症状があらわれている時期はたくさんのウイルスを放出しているため、ほかの人に感染しやすくなります。

こういった時期には人との接触をできるだけ避けるようにすべきです。

周囲の人がヘルペスウイルスの免疫を保持している場合は発症に至らないか、発症したとしても悪化せずに済みます。

しかし、新生児などは免疫機能が十分に発達していないので、感染することで全身症状があらわれる場合があります。

そのため、感染の疑いがある場合は濃厚な接触はできるだけ避けたほうがいいでしょう。

母親がヘルペスウイルスへの感染歴があり免疫がつくられている場合は、新生児が感染しても軽症で済むことは多いようです。

いずれにしても、症状があらわれているときは新生児との接触は慎重になったほうがいいでしょう。

これは新生児以外であっても、同様のことが言えます。

家族やパートーナーなど身近に口唇ヘルペスを発症した人がいる場合は、日常的に気をつける必要があります。

症状があらわれているときは、できるだけ接触を避けるべきです。

特に水ぶくれの症状が出ている場合は、感染しやすいのでマスクなどをして対策しましょう。

万が一患部に触れてしまった場合は、すぐに手を洗うようにします。

感染者が使用したタオルはきちんと洗濯して、日光消毒します。

使用した食器も洗剤をつかって、洗うようにしましょう。

基本的に食器やタオルの共用は避けて、別のものを使用することが大切です。

ウイルスが含まれているのは患部だけでなく、精液や唾液にも確認されています。

そのため、性交などは避けたほうがいいでしょう。

以前に口唇ヘルペスを発症してウイルスを保持している人は、再発に気をつける必要があります。

疲労や風邪による発熱時はもちろん、薬剤の服用や生理、紫外線などによって体の抵抗力が低下することがあります。

そういったときは再発しやすいので、早めに対処することが大切です。

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