*

マラセチア毛包炎の症状・原因・治療について

公開日: : 最終更新日:2015/12/01 皮膚


マラセチア毛包炎は皮膚の常在菌によって引き起こされる皮膚病です。
自覚がないまま、この皮膚病を発症している人は多く、身近な病気のひとつと言えます。

ここではマラセチア毛包炎について紹介します。

マラセチア毛包炎とは

マラセチア毛包炎というのは赤みを帯びた小さな丘疹や小膿疱が生じる皮膚病です。

皮膚の常在菌である癜風菌(マラセチア・ファーファー)が、胞子の形状を維持したまま毛包内部で増えることで発症します。

皮膚の環境悪化や直射日光に当たることで、症状は出やすくなると言われています。

ニキビそっくりのため、見分けるのが困難ですが、ニキビとは根本的に異なる皮膚疾患です。

癜風菌はニキビの原因であるアクネ菌と同じで、皮膚に生息する常在菌のひとつです。

アクネ菌と同じように皮脂分解酵素のリパーゼを分泌して、皮脂を遊離脂肪酸、グリセリンに分解します。

そして遊離脂肪酸が参加する過程で毒素を含む過酸化脂質に変わり、皮膚を炎症状態にします。

マラセチア菌にはいくつかの種類がありますが、癜風菌は毛穴に入り込んだ時点で異物と認識されやすく、短時間で免疫反応が起こって炎症が引き起こされます。

この菌は皮脂の多い部位を好むため、額や鼻周辺、頭などべたつきやすい場所で炎症が起こりやすいとされています。

カビの一種のため、湿度が高い場所にも多く、服で覆われている背中、肩、腕、胸なども発症しやすい場所と言えます。

マラセチア毛包炎は性別による差はなく、青年や中年の発症者が比較的多い病気です。

マラセチア毛包炎の症状

マラセチア毛包炎を発症すると、やや光沢のある赤みを帯びた丘疹が毛穴に生じます。

この丘疹はニキビに酷似していますが、ニキビと比べて小さく固まらずにあちこちに分布します。

かゆみはほとんどありませんが、人によっては強いかゆみを感じる場合もあります。

丘疹に膿がたまることもあり、これもニキビと似ている点です。

しかし、ニキビをつぶすと中身が出てきますが、マラセチア毛包炎の場合は中身が出ることはありません。

マラセチア毛包炎による丘疹はニキビと混在している場合もあり、判別するのが困難です。

ニキビのような丘疹が体にでき、さらになかなか治らない場合はマラセチア毛包炎を疑ったほうがいいでしょう。

頭皮で原因菌が増殖すると、脂漏性脱毛症などが引き起こされる場合もあるため、注意が必要です。

マラセチア毛包炎の診断

マラセチア毛包炎かどうかは、丘疹に含まれる膿を検査することで確かめることができます。

採取した膿を顕微鏡で観察すると、マラセチア毛包炎を発症している場合はたくさんの胞子が確認できます。

ズームブルーを利用すると菌が染色されて、よりわかりやすく診断することが可能です。

観察することで癜風菌が確認されれば、マラセチア毛包炎ということになります。

検査だけでなく、問診や診察が行われることもあります。

マラセチア毛包炎の治療

マラセチア毛包炎の原因菌は皮脂や湿度の高い部位を好むため、皮脂が多い肌質の人はなりやすいとされています。

体中にニキビのような丘疹があり、マラセチア毛包炎が疑われる場合は、皮膚科を受診するようにしましょう。

皮膚科で頭皮でマラセチア毛包炎ということがはっきりすれば、抗真菌外用薬や内服薬などをつかって治療します。

汗をたくさんかくと症状が悪化しやすくなるため、患部を清潔にして湿気がたまらないようにすることも医師によって指示されることもあります。

一般的に、はじめは外用薬をつかって、症状の改善が見られるか経過が観測されることが多いでしょう。

しかし、症状の程度によっては、内服薬を用いられる場合もあります。

また、皮膚のターンオーバーを早めるために、ケミカルピーリングやIPL光治療、カーボンピーリングなどの治療が勧められることもあります。

治療開始から数ヶ月程度で状態が改善されることが多いですが、人によっては長引くこともあります。

マラセチア毛包炎はきちんと診断されれば完治がむずかしくない皮膚病ですが、ニキビと誤診されることも残念ながらあります。

ニキビと勘違いされたまま治療がなされ、症状が長引いてしまうこともあるので注意が必要です。

マラセチア毛包炎の予防

マラセチア毛包炎の原因菌は湿気や皮脂を好む性質をもつため、汗を多くかいたときなどに活発に繁殖します。

そのため、汗をかいたらそのままにせずに、シャワーをあびるなどして皮脂を洗い流す必要があります。

シャワーをあびるのがむずかしい場合は、ぬれタオルなどで汗をふきとって、皮膚を常に清潔に保つようにします。

特にスポーツなど体を動かしたあとはたくさんの汗をかいているので、きちんと拭き取るようにしましょう。

拭くときにこすると肌を傷めてしまうことがあるため、ぽんぽんと軽く抑えるようにして拭き取ります。

女性の場合はファンデーションを落とさないでいると皮脂がたまりやすくなって、菌の増殖につながるので注意が必要です。

帰宅したらすぐメイクを落とすようにして、肌を清潔に保ちます。

枕カバーやシーツなども、寝ている間に汗を吸って湿気がこもってしまうことがあるため、こまめに洗濯するようにしましょう。

部屋着やパジャマなどもなるべく毎日着替えて、こまめに洗濯することが予防のポイントです。

シルクやコットンなどの天然素材の衣類を着るのもおすすめです。

ナイロンやポリエステルなどの化学繊維でできた衣類は汗を吸収しにくく蒸れやすいので、できれば天然素材の衣類を選ぶようにしましょう。

高温多湿の環境は菌を増やす原因となるので、室内の温度や湿度を適切に調整することも大切です。

特に夏は温度も湿度も高くなるので、エアコンや扇風機をつかって暑くなりすぎないよう注意しましょう。

マラセチア毛包炎は1度治療によって治ったとしても、清潔さを維持していないと再び発症する可能性があります。

普段の生活のなかで気をつけて、再発を防止するようにしましょう。

関連記事

ふけ症(頭部粃糠疹)の原因・症状・治療・予防

ふけ症(頭部粃糠疹)とは(概要) 一般的に「ふけ症(ふけしょう)」と呼ばれている頭のトラブルは

記事を読む

皮膚そう痒症の症状・原因・治療について

ひどいかゆみが特徴の皮膚そう痒症はどういった皮膚病なのでしょうか。 ここではこの皮膚そう痒症に

記事を読む

単純性顔面粃糠疹の症状・原因・治療について

単純性顔面粃糠疹は通称はたけとも言われる、小児もしくは10代に多く見られる皮膚病です。 子供に

記事を読む

日光角化症を詳細に:原因,症状,検査,治療,予防など

日光角化症とは 日光角化症(にっこうかくかしょう)とは、太陽光などの紫外線を浴び続けて

記事を読む

伝染性膿痂疹の症状・原因・治療について

伝染性膿痂疹は接触によって飛び火のように広がることから、「とびひ」とも呼ばれています。 伝染性

記事を読む

『あせも』はこーして予防せよ!おススメの市販薬は?

あせもになってわかった「これがあせもの原因だ!」 「あせも」をしてみてから、初めて知ったのだけ

記事を読む

伝染性軟属腫の症状・原因・治療について

子供がかかりやすい皮膚感染症はいくつかありますが、そのひとつが伝染性軟属腫です。 伝染性軟属腫

記事を読む

老人性血管腫の症状・原因・治療について

ほくろは本来は黒色ですが、赤い斑点のようなものが肌にできることがあります。 これは老人性血管腫

記事を読む

ブユ刺症の症状・原因・治療について

夏には多くの虫が活発になりますが、そのひとつがブユです。 このブユに刺されると、さまざまな症状

記事を読む

肥厚性瘢痕の症状・原因・治療について

肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)は、外傷が治ったあとに残るあとのことを指します。 肥厚性瘢痕は

記事を読む

妊娠高血圧症候群を詳細に:原因,症状,検査,治療など

妊娠高血圧症候群とは 妊娠高血圧症候群(にんしんこうけつあつしょうこうぐん)

細気管支炎を詳細に:原因,症状,検査,治療,予防など

細気管支炎とは 細気管支炎(さいきかんしえん)は、主に生後18ヶ月未満の子ど

漂白剤誤飲を詳細に:症状,対処法,応急処置,治療,予防など

漂白剤誤飲とは 漂白剤誤飲(ひょうはくざいごいん)とは、洗濯用やキッチン用の

上腕骨顆上骨折を詳細に:原因,症状,検査,治療など

大人と比較して、子どもに多い骨折の種類に上腕骨顆上骨折(じょうわんこつかじょうこっ

キーンベック病(月状骨軟化症)を詳細に:原因,症状,検査,治療など

キーンベック病(月状骨軟化症)とは キーンベック病(きーんべっくびょう)とは

→もっと見る

PAGE TOP ↑