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鼻出血(鼻血)の原因・症状・治療・予防

公開日: : 最終更新日:2017/02/16 鼻の病気


鼻出血は「びしゅっけつ」、鼻血は「はなぢ」と読みます。
鼻の粘膜や血管が傷つくことによって起こる出血であり、老若男女問わず起こり得るありふれたトラブルで、数分が経過すると出血が止まるケースが多いです。
出血量も大したことはなく、左右の片側の鼻からポタポタと少量の血液が落ちる程度のことが少なくありません。

原因も鼻を強くかんだり、ほじりすぎたり、むずむずしてこすったりといった具合に、少し気をつけていれば予防できる程度のものの場合が多いです。
ただし、すべての鼻出血が上記のように心配の要らないものであるとは限りません。
鼻出血を起こしているのが白血病、血友病、高血圧、動脈硬化、肝臓病などの危険な病気だったというケースもあります。

とくに出血量が多かったり、なかなか出血が止まらなかったりするほか、鼻をいじったりケガをしたりしたわけでもないのに出血を繰り返すような場合には、たかが鼻血と片付けてしまうのではなく医療機関へ行くことが大切です。
またこれと同様に外傷による鼻の奥からの大量出血も危険なため、すぐに止血処置を受けなければいけません。

鼻出血(鼻血)の原因

鼻のかみすぎ・鼻ほじり・ケガ

鼻のなかの粘膜は軟弱であり、多くの血管が集中しているため損傷しやすく、出血を起こしやすいのが特徴です。
とりわけ、鼻の入り口から約1cmのところにあるキーゼルバッハ部位の出血が起こりやすいといわれています。
このキーゼルバッハ部位というのは、指を鼻のなかに少し挿入して内側を触ってみるとわかる中央の硬い部分のことです。

ここには毛細血管が集中しており、指でいじったり強く鼻をかんだりした程度の刺激であっても粘膜が損傷して出血を起こすことがあります。
なお、キーゼルバッハ部位の出血は鼻出血全体の8割以上を占めているといわれています。
また、いわゆる鼻かぜやアレルギー性鼻炎(せいびえん)にかかっていることなどにより、鼻の粘膜が充血し、損傷しやすい状態になっているのに強く鼻をかんでしまう癖が付いている、蓄膿症(ちくのうしょう)と一般に呼ばれている副鼻腔炎(ふくびくうえん)で強く鼻をかんだりほじくったりする人も、鼻出血を起こすことがあります。
そのほか、スポーツや交通事故などによる顔面のケガが原因となり、鼻出血が起こるケースもあります。

刺激物の摂取・のぼせ・緊張・興奮

鼻出血は、鼻の粘膜が弱っているときや、血圧が上昇しているときに起こりやすくなります。
高血圧や動脈硬化で血管が脆弱(ぜいじゃく)化している人の場合、緊張、興奮、のばせ、飲酒などによる血圧が高まるリスクがあるものにはとくに気をつけなくてはいけません。

なお、こうした要因によって起こる鼻出血は鼻の奥のほうで起こります。
鼻の奥のほうには太い動脈が存在しており、そこが切れてしまうと出血量が多くなってしまうケースもありますし、出血が止まりにくくなる傾向があります。
大量出血の場合には、鼻から血が出るだけでなく、口からあふれ出るほどの出血量になります。

病気・薬

鼻中隔弯曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)、鼻腔腫瘍(びくうしゅよう)、上咽頭腫瘍(じょういんとうしゅよう)、上顎癌(じょうがくがん)によって鼻出血が起こるケースがあります。
腫瘍によって起こる鼻出血では、不快なニオイのする鼻汁(びじゅう)に血液が混ざる形で、長く症状が続くのが特徴です。
ほかにも、血液疾患である白血病(はっけつびょう)、血友病(けつゆうびょう)、紫斑病(しはんびょう)や肝障害(かんしょうがい)など、血管からの出血が起こりやすくなる病気があることで、鼻出血が起こる場合があります。

さらに、血管壁が脆弱になる高血圧、糖尿病、動脈硬化などのほか、遺伝の影響で血管が脆弱になるオスラー病のような病気によって、鼻出血が起こることがあります。
上記のような病気のほか、薬が原因となって鼻出血を起こすこともあります。
代表的なものでは、心筋梗塞(しんきんこうそく)や脳梗塞(のうこうそく)の治療・予防を目的に使用されている抗凝血薬(こうぎょうけつやく)という、血液を固まりにくくする作用のある薬があります。

女性特有の原因

初潮前や生理時、妊娠時など、女性にしかない体の変化が原因になるケースがあります。
代償性鼻出血(だいしょうせいびしゅっけつ)や代償月経(だいしょうげっけい)として、まれに鼻出血が起こります。

チョコレート

チョコレートをとり過ぎると鼻血が出るという情報を、一度は見聞きした経験があるという人は多いでしょう。
なかには信じている人もいるでしょうが、チョコレートを食べることで鼻出血が起こるという医学的な根拠はまったくないといわれています。
したがって、鼻血が出やすくなることを気にしてチョコレートを食べないということはしなくてかまいません。

鼻出血(鼻血)の種類

単純性鼻出血(たんじゅんせいびしゅっけつ)

外的な刺激が原因となって起こる鼻出血のことは、単純性鼻出血と呼ばれています。
強く鼻をかむ、鼻をほじくるなどして損傷を負い、主にキーゼルバッハ部位から出血します。
鼻出血全体の8割以上を占めているのがこの単純性鼻出血であり、キーゼルバッハ部位は毛細血管が多く集まっているところであり、粘膜が薄いために傷つきやすく、出血を起こしやすくなっているというわけです。

動脈性鼻出血(どうみゃくせいびしゅっけつ)

鼻の奥のほうに存在する太い動脈である蝶口蓋(ちょうこうがい)動脈などが破れることによって起こる鼻出血が、動脈性鼻出血です。
中高年の人で、高血圧の状態の人にとりわけ起こりやすい鼻出血であり、原因ははっきりしていないものの、動脈硬化を引き起こしていて血管壁が脆弱になっているために症状が出るのではないかという見方がされています。
動脈性鼻出血の場合には、鼻からの出血だけではなく、口から多量の血があふれ出てくることもあります。

症候性鼻出血(しょうこうせいびしゅっけつ)

病気や薬剤が原因となって起こる鼻出血のことを、症候性鼻出血と呼んでいます。
病気としては白血病、血友病、紫斑病などの血液疾患のほか、肝臓病、腎臓病、高血圧などをあげることが可能です。
薬剤が原因になる場合には、主なものとしてワーファリンなどの抗凝血薬によって鼻出血が起こることがあります。

鼻出血(鼻血)の症状

子どもの場合

健康に異常のない子どもに起こる鼻出血は多くの場合、アレルギー性鼻炎や蓄膿症などを引き起こしている鼻をほじること、小さい玩具などを鼻のなかに詰め込むことが原因で起こります。
出血量はおとなに多い鼻出血に比べると大したことはありませんが、原因を取り除かなければ繰り返し鼻出血を起こしてしまいます。

おとなの場合

子どもの鼻出血と比較して、多量の出血が起こることが多いのが、おとなの場合の鼻出血です。
動脈性鼻出血を起こしていることもあり、鮮紅色をした血液が噴き出るように出ている場合には、このタイプの出血である可能性が高いでしょう。
これに対し、じわ~っと血液がわき出てくるという表現があてはまる出血で、暗赤色の血液が出ている場合には静脈性出血といいます。

危険な出血の見分けかた

左右の鼻のいずれか一方のみ、ポタポタと血液が落ちるぐらいのレベルであれば、基本的には神経質になる必要はありません。
座った姿勢でややうつむき加減になり、小鼻を強くつまんで圧迫することで出血量が少なくなるようであれば、キーゼルバッハ部位が傷ついていることが原因である可能性が高く、そのまま鼻を強くつまんでいると出血が止まることが多いです。
こうした鼻出血以外の、動脈性鼻出血の特徴にあてはまるようなものは、早く病院に行ったほうがいいです。
応急処置をしても出血が止まらない、左右の鼻から流れるように出血が起こっている、鼻だけでなく口からも血液があふれ出てくる、血液の色が鮮やかな赤色をしているといった場合には危険ですので、なるべく早く医療機関を受診しましょう。

鼻出血(鼻血)の検査・診断

鼻出血(鼻血)では何科を受診する?

鼻出血が起こった場合、後述する止血法を実践することで症状が治まることがありますが、鼻や血液の病気を起こしている場合には出血が続くことがあります。
止血法を行なって症状が解消されない場合には病院へ行くことをおすすめしますが、その場合にどの診療科がある病院を受診すればいいのか、疑問に感じている人もいるのではないでしょうか。
鼻出血で困っている場合には、かかりつけ医師または耳鼻咽喉科のある医療機関で診察を受けることをおすすめします。

鼻出血(鼻血)を調べる方法

まず、どこで出血が起こっているのかを確かめる検査が病院では行なわれています。
キーゼルバッハ部位など浅いところで起こっている鼻出血であれば、前鼻鏡検査といって、鏡を駆使することによって照明光を反射させて鼻の穴のなかである鼻腔を照らし、内部の様子を直接みる方法で出血している場所がわかります。
鼻の奥のほうで起こっている出血に関しては、内視鏡(鼻咽喉内視鏡)を使用することによって出血点を探ります。

また、原因を探ることを目的とした検査も医療機関では実施されています。
出血を起こしている原因が、鼻腔とは別の外傷や腫瘍によるという疑いがある場合、画像検査である鼻副鼻腔X線検査、CT検査が行なわれています。
出血が大量に起こっている人のケースでは、貧血の状態を確かめることを目的として、または白血病をはじめとする血液の病気による出血が考えられる場合に、血液検査が実施されることがあります。
そのほか、血管が遺伝の影響で脆弱な状態になる病気が潜んでいないか調べることを目的とした検査が行なわれるケースもあります。

鼻出血(鼻血)の治療

血管を圧迫することによる治療法

耳鼻咽喉科では、鼻鏡や内視鏡(鼻咽喉内視鏡)を使用して出血点を探ります。
出血点が確認できたら、血管収縮薬を使用することによって出血を止めたり、止血用の圧迫タンポンを鼻の穴のなかに挿入することで出血を止めたりする治療法が行なわれます。

薬剤の使用による治療法

繰り返し起こる鼻出血に対し、アレルギー症状によるケースではその症状を抑制する薬剤を使った治療が選択されることがあります。
また、腐食性薬剤を使用することによって出血を止める治療方法が行なわれることもあります。

血管を焼くことによる治療法

繰り返し起こる鼻出血に対し、レーザー、高周波電気凝固メス、ラジオ波凝固治療器などを使用し、鼻出血を起こす原因となっている血管を焼いて出血を止める治療法が選択されることがあります。
こうした治療は高額な費用がかかるのではないかと不安になる人が少なくないでしょうが、血管を焼く治療法は健康保険が適用となるため全額自己負担にはなりません。

手術による治療法

病気によって起こっている鼻出血ではなく、レーザー治療などがうまくいかずに鼻出血が繰り返すようなケースでは、手術による治療法が選択されることがあります。
動脈結紮術(どうみゃくけっさつ)といって、鼻出血を起こしている動脈を縛って出血を止める方法や、動脈塞栓術(どうみゃくそくせんじゅつ)といって鼻出血を起こしている動脈を詰まらせることによって出血を止める治療が医療機関では行なわれています。

鼻出血(鼻血)の対処法・予防

鼻出血(鼻血)の止血法

病気が原因ではない鼻出血の場合には、圧迫止血を行なうことによって出血が止まる可能性があります。
座った状態でややうつむき加減になり、鼻の外側のふくらみである小鼻を強くつまみます。
目頭や骨のある硬い部分である鼻骨をつまんでも効果はありません。

また、鼻血が出るとうなじを叩くとよいという話がありますが、これはデマ情報です。
うなじを叩くと出血が止まるどころか余計に出血を助長してしまうことになりかねません。
また、血液が口のなかへとまわることによって吐き気をもよおしたり、呼吸困難を起こしたりする原因になる恐れがあります。
話がそれましたが、圧迫止血では小鼻を強くつまんで圧迫している状態を10分間ほどキープしましょう。

これによって出血の症状が治まらない場合には、病院で診察を受けることが大切です。
あまり長く鼻出血が止まらない場合には、鼻の病気や血液の病気を起こしている疑いがあるためです。
なお、出血が止まらない場合以外に、鼻血に膿のようなものが混ざりこんだ鼻汁が出ている人も、病院へ行くことをおすすめします。

止血法の注意点

前述したもののほか、鼻を吸ったり上を向いたりして圧迫止血を行なってはいけません。
血がのどへと流れ込むことにより、飲み込んでしまって吐き気の症状が出る原因になります。
正しく止血法を実践していて血液がのどへとまわった場合には、そっと舌を使うことで押し出します。

また、仰向けの体勢で止血法を行なうのもよくありません。
子どもや高齢者の場合には、肺へと血液が流入してしまう原因になってしまうため、たいへん危険です。

圧迫止血・鼻出血(鼻血)が出たあとの注意点

圧迫止血によって鼻出血が止まったあとには、なるべく患部を安静にしておくことが大切です。
鼻をかまない、ほじらない、口で息をするといった方法で、鼻への刺激を避けるようにしましょう。
また、鼻出血が起こった場合は、1週間ほど鼻のなかをいじる、こする、過激な運動や水泳を行なう、熱いお風呂や温泉に入る、お酒を飲むということは控えるべきです。

鼻出血(鼻血)を未然に防ぐには?

鼻を強くかむ、ほじる、こするのが癖になっている人は改善します。
子どもの場合はモノを鼻のなかに入れないように注意深く観察することが大切です。

また、寒い時期には部屋のなかの加湿を行ない、鼻のなかが乾燥しやすい人はキーゼルバッハ部位にワセリンを塗布して保湿することをおすすめします。
そのほか、病気が原因となって起こる鼻出血に関しては、生活習慣の改善など原因となる病気別に適した予防法を実践することで、その病気の伴う鼻出血まで未然に防ぐことにつながるといえるでしょう。

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