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鼻茸を詳細に:原因,症状,検査,治療など

公開日: : 最終更新日:2017/05/25 鼻の病気 , , , ,

鼻茸の原因
鼻茸は「はなたけ」と読み、副鼻腔(ふくびくう)粘膜または鼻腔粘膜から発生する炎症性増殖性の腫瘤(しゅりゅう)のことで鼻ポリープともいいます。
鼻の粘膜の一部がふくらみ、白くブヨブヨとしたかたまりになっており、きのこに似た見た目をしているということで、鼻茸と呼ばれるようになったとされています。

茎を有する洋ナシのような形状をしているものや、釣り鐘に似ており、みずみずしくむくみがあるもの、炎症を起こして赤くなった状態になっているもの、繊維性のものといった具合にさまざまな状態のものがあります。

また、単房性(たんぼうせい)といって1個からなるものや、多発する多房性(たぼうせい)のもの、鼻腔のなかを埋め尽くすほど巨大化するもの、後鼻孔(こうびこう)のほうへと成長する後鼻孔鼻茸といった具合に、発育のしかたもいろいろです。

鼻茸は良性であり、悪性腫瘍ではないため生命をおびやかすようなことはありませんが、鼻茸が発生して空気の通路が閉塞してしまうと、鼻が詰まってしまいます。
自覚しないまま成長していることが多く、検査を受けるまで鼻茸の存在に気付かない人が少なくありません。

とつぜん発生するようなことはなく、鼻風邪が長引いたり、アレルギー性鼻炎を放置しておいたりしたことで、鼻粘膜に対し長期間にわたり刺激が加わり、副鼻腔炎の状態が継続してしまうことが主な原因になるとされています。
鼻粘膜の血管が拡がることによってはれあがり、鼻茸に育っていくといわれています。

軽症では放置していると自然に解消されることもありますが、自然になくなる見込みがない場合には外科的治療を選択する必要性も出てきますし、すでに述べたように自分で気付かないことも多いため、まずは医療機関を受診することが大切です。

鼻茸の発生しやすさには個人差がありますが、乳幼児は鼻の穴のスペースが狭いために容易に鼻が詰まってしまいますので、気をつけなければいけません。

鼻茸の原因

鼻茸が発生するしくみ

鼻茸が起こる原因は現状において完全にはわかっていないものの、アレルギーや細菌感染などが関係しているのではないかという見方がされています。

アレルゲンや細菌などにより鼻腔粘膜が刺激を受けると、炎症細胞である好中球や好酸球などが集まるようになり、こうした炎症細胞がヒスタミンをはじめとした化学伝達物質を産生します。

そして粘膜の血管を拡げたり、むくんだりしたことによって、粘膜がはれあがって部分的にきのこのように飛び出し、鼻茸が形成されるのではないかと考えられているのです。

事実、鼻茸が確認される人はたいてい、蓄膿症(ちくのうしょう)とも呼ばれる慢性副鼻腔炎(まんせいふくびくうえん)を起こしているといわれていたり、アレルギー性鼻炎を起こしている人が多いといわれていたりもします。

そのほか、気管支喘息(きかんしぜんそく)を起こしている人にも鼻茸が発生している人が大勢いるといわれています。

副鼻腔炎(蓄膿症)

副鼻腔炎は鼻のまわりの骨に存在する副鼻腔という空洞部分に炎症が生じ、膿が蓄積されてしまっている状態のことをいいます。
鼻風邪、アレルギー性鼻炎などによって鼻粘膜に炎症が生じて発症しますが、鼻が詰まってしまったり、鼻水の量が多くなってしまったりという症状が引き起こされるのが特徴です。

一時的な症状である場合には急性副鼻腔炎といいますが、よくなることなく放置していると慢性化し、この状態のことを慢性副鼻腔炎といいます。

粘膜のはれによる鼻づまり、鼻水の量が多くなること以外には、いびき、嗅覚低下、口呼吸によって風邪にかかりやすく治りにくい、扁桃腺(へんとうせん)がはれやすい、眠っているときの口呼吸では起床時にのどがカラカラになったり痛みを感じたりするほか、声枯れの症状が引き起こされることもあります。

眠りの質も悪くなってしまい、熟睡が阻害されてしまうことにより、イライラしたり集中力がダウンしたりするほか、頭重感などが起こることもあります。
さらに膿が蓄積して副鼻腔の圧力が高まると、頭が痛くなったり頬などの顔面が痛くなったりすることもあります。

そのほか、鼻水がのどにまわる後鼻漏(こうびろう)により、気管支喘息が助長されることになるという見方がされています。
年齢や性別に関係なく誰でもなるリスクを抱えており、付随する病状の一つには鼻茸もあります。

アレルギー性鼻炎

ハウスダスト、花粉症の原因植物であるスギなどの異物に対し、過剰反応を起こすことによってアレルギー性鼻炎は起こります。

ハウスダストのように季節を問わず存在するものに起こすアレルギー性鼻炎のことは通年性アレルギー性鼻炎といい、スギのようにある時期だけ飛散量が増加するようなものに対して起こるアレルギー性鼻炎のことは季節性アレルギー性鼻炎と呼んで区別されています。

鼻づまり、鼻水、くしゃみといった鼻の症状以外に、アレルギー性結膜炎などのように目に起こる症状もあります。
このアレルギー性鼻炎が原因となって鼻茸が発生するといわれているほか、アレルギー性鼻炎によって前述した副鼻腔炎が誘発されるケースも少なくありません。

気管支喘息

鼻茸を起こす病気には気管支喘息、なかでもアスピリン喘息が鼻茸の原因になりやすいという見方がされています。
喘息を起こしていて鼻の詰まりや嗅覚障害が認められる場合には、鼻茸が発生している疑いがあります。

また、喘息患者では副鼻腔炎を併発している人が多く、喘息を併発している副鼻腔炎は併発していない副鼻腔炎より治りにくいのが特徴です。
喘息と副鼻腔炎を併発している人の25%程度がアスピリン喘息を起こしており、30歳以降に引き起こされることが多く、喘息発作は1年じゅう起こります。

アスピリン喘息はアスピリン(アセチルサリチル酸)などの非ステロイド性消炎鎮痛剤の使用により、気管支が収縮して狭くなって呼吸困難や血圧低下などを起こし、最悪の場合は喘息発作から命を落としてしまう恐れがあります。

鼻茸の症状

鼻づまり

鼻茸の主な症状の一つには、鼻づまりがあります。
中鼻道(ちゅうびどう)という名称の空気の通路の中心であるところの粘膜に鼻茸が発生することがよくあり、鼻が詰まってしまう症状が起こりやすくなります。

また、この場所に鼻茸が発生した場合には、鼻が詰まるだけでなく鼻声になる症状も引き起こされるようになります。

鼻水

鼻づまり以外の症状としては、鼻水が多く出るようになり、出血性のケースでは血混じりの鼻水が出るようなこともあります。

鼻水の量が多くなることによって空気の通路が閉塞することがあり、この問題によって鼻づまりの症状を招いてしまうことも少なくありません。

嗅覚障害・味覚障害

鼻の症状がよく起こるということがここまででご理解いただけたのではないかと思いますが、嗅覚(きゅうかく)障害を招いてしまうこともあります。

鼻の奥に存在するいわゆるニオイセンサーが、鼻茸によって覆われてしまうことにより、ニオイを感じ取りにくくなってしまうのです。

また、炎症が嗅粘膜そのものに生じると、嗅粘膜性嗅覚障害を招き、ニオイがほとんどわからなくなってしまうという状態におちいります。
この嗅粘膜性嗅覚障害は呼吸性嗅覚障害と併発することがよくあり、味覚障害まで起こして味を感じにくくなってしまうという問題まで起こしかねません。

なお、嗅覚障害の自己チェック方法としては、しょうゆの香りをかいでみる方法があります。
実際にかいでみて香りがはっきりとわからない場合には、嗅覚障害を起こしている疑いが濃厚です。

頭痛・顔面痛

そのほか、鼻に起こる症状以外では味覚障害が出てきましたが、味覚障害以外では頭や顔が痛くなってしまうことがあります。
空気の通路になっている鼻に炎症が生じてはれあがると、副鼻腔に空気が届かず換気障害を招いてしまいます。

そしてこの換気障害によって副鼻腔のなかの圧力が外部に比べて低い状態になり、脳神経のなかで一番大きい神経である三叉(さんさ)神経の刺激症状が起こり、頭や顔の痛みが発生するようになるといわれています。

頭全体にうずくような痛みを感じたり、後頭部に痛みを感じたりすることがあるほか、頭が締め付けられているような感じ、頭が重い感じがする頭重感(ずじゅうかん)の症状が起こることもあります。

顔では目の奥、眉間、こめかみ、頬などに痛みが引き起こされることが多いです。
強烈な痛みに襲われることもあり、目をあけていることができないほどで、あまりの痛さにしゃがみこんでしまうような状態になる人もいます。

鼻茸の検査・診断

問診

耳鼻科に行くとまず、問診で患者に起こっている症状を確かめます。
鼻が詰まっている、鼻水が多くなっているという具合に、起こっている症状は余さず伝えましょう。
問診では鼻茸を発生させている副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、気管支喘息、アスピリン過敏性があるかどうかなどの確認も行なわれます。

鼻のなかを見る

問診のあとに鼻茸が発生している可能性があれば、鼻のなかを観察することを目的とした検査が行なわれます。

鼻腔ファイバーと呼ばれる内視鏡が使用されることが多く、肉眼で確認することができないような場所にある鼻茸や小さな鼻茸、粘膜表面に起こっているわずかな異常などまで把握することが可能といわれています。

空気の通路の中心である中鼻道に鼻茸が確認されることが多いのですが、後方や上方にも発生していないかも内視鏡で確認されます。
また、鼻水がどろどろの黄色いものなのか、ねばねばしているものなのか、水のようにさらっとしているのか確認することもできます。

鼻腔X線検査

画像検査の一つである鼻腔X線検査では、副鼻腔の前頭洞(ぜんとうどう)、篩骨洞(しこつどう)、上顎洞(じょうがくどう)、蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)を確認することが可能です。

鼻腔X検査では空洞部分が正常な場合は黒く写し出されますが、粘膜のはれや膿の蓄積があると白く写し出されるのが特徴で、症状がどこに起こっている場所を把握することができます。

鼻腔CT検査

鼻腔X検査は頭部の内部を正面から1枚だけ撮影した場合の写りかたをしますが、鼻腔CT検査は断面図として表示させることが可能です。
よりくわしく鼻腔や副鼻腔といった箇所の様子を調べることが可能なだけでなく、鼻茸のサイズを確かめることもできます。

嗅覚検査

腐敗臭や便臭、バラの香りなど複数種類のニオイの溶液を、複数の段階の濃度にわけてかぐ検査方法です。
最初は低濃度で検査し、ニオイを感じなければ1段階上の濃度でかいでみます。

全種類のニオイをかいでニオイを感じたかどうか記録をとります。
このほか、ビタミン剤を静脈注射する嗅覚検査も行なわれています(静脈性嗅覚検査)。

注射後ゆっくりと鼻で息をすると、にんにくに似たニオイが出ます。
このニオイがしだした時間と、消えた時間を記録することにより、嗅覚の程度を調べることが可能です。

細菌検査

鼻茸の原因を探るため、鼻水の細菌検査が選択されることもあります。
鼻の穴のなかに綿棒を挿入し、炎症を起こしている細菌の有無を確認します。

鼻茸の治療

薬物療法

病院で行なわれている治療の一つには、薬を使った治療があります。

マクラロイド療法といって、14員環マクロライド(エリスロマイシンなど)を少量ずつ長期的に使用していく治療方法が、気管支喘息などを併発しておらず、膿で黄色くどろどろとした鼻水が出る副鼻腔炎によって鼻茸が発生している人に対して選択されています。

そのほか、アレルギーとの関わりが深い鼻茸や、喘息を併発している鼻茸に対しては、内服薬として抗アレルギー薬が使用されたり、点鼻薬としてステロイド薬が使用されたりしています。

ネプライザー療法

軽度の鼻茸に対して行なわれているのがこのネプライザー療法です。
粘膜がはれあがっている状態を、抗生物質やステロイド薬のような薬液の噴霧や注入を鼻に行なうことで解消することを目的に行なわれます。

鼻粘膜のはれがひくことによって鼻水の出がよくなり、鼻の圧迫感がなくなって鼻で息をするのが楽になります。
そのほか、頭痛の症状などにも有効性があるとされています。

手術療法

ほかの治療方法が功を奏さない、選択できないケースでは、外科的治療によって鼻茸を取り除く方法が選択されています。

重度の場合には薬物療法やネプライザー療法ではなく、外科的治療が第一選択になることも少なくありません。
また、鼻茸を除去するだけでは再発してしまうリスクが高いため、病巣自体を取り除く鼻内副鼻腔手術が内視鏡下で実施されます。

この手術を受けることで、鼻茸を取り除くだけでなく、はれあがった粘膜を除去したり、鼻の穴~副鼻腔までの通り道を広げたりする処置も行なわれます。
くちびるの下から切開を行なうようなことはせず、鼻の穴に内視鏡を入れてモニターを確認しながら手術が進められていきます。

手術時間は30~60分で、手術中や手術後の痛みや出血は従来の方法と比べるとはるかに少ないです。
ただし、出血量が多くなることもあり、この場合にはより長い時間がかかることがあり、出血量が多かったり、痛みがひどかったりする場合には、手術を中止することがあります。

また、顔がはれあがってしまったり、しびれてしまったりするようなこともありません。
手術は局所麻酔下で外来で行なうことも可能ですが、全身麻酔下で行なって入院しなければいけない場合もあります。
なお、再発のリスクがあるといいましたが、仮に再発した場合にはまた手術を受けなければいけなくなることがあります。

実際、複数回にわたり鼻茸の手術を経験している人も少なくありません。
そのほか、手術を受けることにより鼻茸は解消されたとしても、全部の症状がきれいさっぱりなくなるとは限りませんので、必要に応じて副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎の治療を継続していく必要があります。

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