*

リンパ脈管筋腫症(肺リンパ脈管筋腫症)の原因・症状・治療

公開日: : 肺・気管支の病気

リンパ脈管筋腫症
リンパ脈管筋腫症(りんぱみゃくかんきんしゅしょう)・肺リンパ脈管筋腫症(はいりんぱみゃくかんきんしゅしょう)とは、基本的に閉経前の妊娠可能な女性にしか引き起こされない肺の病気のことをいいます。
基本的にとしているのは、閉経後にリンパ脈管筋腫症(肺リンパ脈管筋腫症)と診断された人がいること、男性の患者もいることが理由として挙げられます。
肺のあらゆるところに筋肉組織である平滑筋(へいかつきん)の増殖が起こり、嚢胞(のうほう)がたくさんできます。
嚢胞ができて病気が悪化した結果、閉塞性換気障害(へいそくせいかんきしょうがい)による呼吸不全に陥ります。
病気としては希有なもので、100万人に数人しかいません。
30代半ばでこの病気だと診断されることが多く、10年生存率は7~8割ほどといわれています。
割合としては高くありませんが、命を落とす可能性もある要注意な病気です。

原因

リンパ脈管筋腫症(肺リンパ脈管筋腫症)では、病変部に平滑筋細胞の遺伝子異常が認められます。
このことにより、LAM細胞と呼ばれる増殖能力の強い細胞があらわれます。
そしてTSC遺伝子と呼ばれるがん抑制遺伝子の機能が障害されることにより、増殖する仕組みになっているのです。
また、女性ホルモンと関わりがあるという見方もされています。
どういうことかといいますと、この病気は基本的に閉経前の女性のみに引き起こされますし、妊娠や経口避妊薬の使用によりひどくなることが明らかになっているからです。
それから、閉経後の患者のケースでは、女性ホルモンのエストロゲンを治療のために使っていたこともわかっています。

症状

肺の気管支壁、静脈壁、リンパ管のどこに平滑筋の増殖が起こるかで、あらわれる症状が異なります。
肺の気管支壁の場合、労作時呼吸困難、咳(せき)、肺に穴があく気胸(ききょう)が主な症状として挙げられます。
肺の静脈壁の場合、血混じりの痰(たん)を吐く血痰(けったん)のほか、肺血鉄症(はいけつてつしょう)と呼ばれる肺の柔軟性が消失する病気を引き起こすリスクが増大します。
リンパ管の場合、リンパ液の流れが悪くなります。

検査と診断

リンパ脈管筋腫症(肺リンパ脈管筋腫症)かどうかを確かめるための有効な判断材料としては、閉経前の女性の気胸、原因不明の呼吸困難を挙げることができます。
そして、リンパ脈管筋腫症(肺リンパ脈管筋腫症)を引き起こしている場合には、胸部CT検査をすると亀甲(きっこう)様像が認められ、薄い壁の嚢胞が多くできていることがわかります。
診断をつけるためには肺生検を行います。
胸腔鏡下(きょうくうきょうか)肺生検で肺組織を一部採取し、採取した病理組織を顕微鏡で調べます。
結節性の平滑筋細胞の増殖が起こっているか否かを確かめた結果、診断が確定される運びとなるでしょう。

治療の方法

現状において有効な治療方法は確立されておらず、対症療法がメインになります。
症状や合併症に対する治療をしますが、呼吸不全に陥った場合は酸素吸入、気胸は胸膜癒着術(きょうまくゆちゃくじゅつ)と呼ばれる外科的治療が選択されることになります。
それから、リンパ脈管筋腫症(肺リンパ脈管筋腫症)は女性ホルモンと関わりがあるという見方がされていることから、ホルモン療法が行われることもあります。
また、血中エストロゲンを少なくすることを目的に、卵巣摘出術が選択されるケースもあります。
そのほか、ホルモン療法が効果を発揮しなかったり、呼吸不全の症状がよくならなかった際には、肺移植によりリンパ脈管筋腫症(肺リンパ脈管筋腫症)を治す方法が検討されることになるでしょう。

関連記事

「風邪は万病のもと」と言われるのは何故?

ことわざに「風邪は万病のもと」とあり、見聞きしたことがある人も多いでしょう。 ただ、どうし

記事を読む

薬剤性肺炎の原因・症状・検査・治療

薬剤性肺炎(やくざいせいはいえん)とは、ほかの種類の病気にかかっている場合に使用された薬剤により

記事を読む

肺結核の原因・症状・治療

結核(肺結核)とは 細菌の一種である結核菌(けっかくきん)が原因で引き起こされる感染症のことを

記事を読む

膠原病肺の原因・症状・治療

膠原病肺 どんな病気(概要) 膠原病と合併して引き起こされた肺の病気を総称して、膠原病肺(こう

記事を読む

風邪に似た病気の特徴や対処法をまとめました

インフルエンザ 一般的に、風邪はさまざまなウイルスによって起こります。 普通の風邪の多くは、

記事を読む

マイコプラズマ肺炎の原因・症状・治療

マイコプラズマ肺炎とは マイコプラズマ肺炎(まいこぷらずまはいえん)とは、マイコプラズマという

記事を読む

最も気をつけたい子供の肺炎とお年寄りの肺炎

子供の肺炎 肺炎は大人だけがなるものではなく、子供もなる恐れのある病気なのです。 ある程度大

記事を読む

子供の肺炎、特に乳児は注意が必要です!

肺炎は大人だけがなるものではなく、子供もなる恐れのある病気なのです。 ある程度大きな子供で、肺

記事を読む

肺胞たんぱくの原因・症状・治療

肺胞たんぱく症(はいほうたんぱくしょう)とは、肺胞内にたんぱく様物質が溜め込まれ、正常なガス交換

記事を読む

肺炎の検査と治療について

肺炎かもしれない場合の検査には何があるのか、どういった治療が行われるのかについて解説していきます

記事を読む

妊娠高血圧症候群を詳細に:原因,症状,検査,治療など

妊娠高血圧症候群とは 妊娠高血圧症候群(にんしんこうけつあつしょうこうぐん)

細気管支炎を詳細に:原因,症状,検査,治療,予防など

細気管支炎とは 細気管支炎(さいきかんしえん)は、主に生後18ヶ月未満の子ど

漂白剤誤飲を詳細に:症状,対処法,応急処置,治療,予防など

漂白剤誤飲とは 漂白剤誤飲(ひょうはくざいごいん)とは、洗濯用やキッチン用の

上腕骨顆上骨折を詳細に:原因,症状,検査,治療など

大人と比較して、子どもに多い骨折の種類に上腕骨顆上骨折(じょうわんこつかじょうこっ

キーンベック病(月状骨軟化症)を詳細に:原因,症状,検査,治療など

キーンベック病(月状骨軟化症)とは キーンベック病(きーんべっくびょう)とは

→もっと見る

PAGE TOP ↑