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COPDの症状・原因・治療

公開日: : 最終更新日:2017/05/05 肺・気管支の病気

COPD
COPDとは、慢性的に気道が閉塞状態になる病気(慢性気管支炎、肺気腫、びまん性汎細気管支炎など)の総称です。
WHOが中心になってCOPDの最大の元凶である喫煙の撲滅、COPDそのものの撲滅キャンペーンを展開したことから広く知れ渡るようになりました。
しかし、日本もようであるように喫煙が体に悪いとは分かっていてもCOPDの存在を知っている人はあまり多くありません。
近年、日本人の死亡原因の上位にランキングされているほどCOPDと診断される人は多いのが現状です。
タバコ税の値上げや喫煙エリアの設定など、禁煙運動が進んでいますが、その喫煙がもたらす症状まで理解している人は少ないでしょう。
こちらでは今注目されているCOPDについて解説していきます。

COPDとは

COPDは長期にわたって気道が機能しなくなって閉塞するいくつかの病気の総称です。
病気が発生する原因やそれぞれの症状も良く似ているといわれています。
COPDだと診断された患者に統計を取ったところ、患者の95%以上が喫煙者であるという結果が出た為、現在のところ、病気が発症する最大の原因は”喫煙”であると定義づけられています。
人間の肺は、呼吸により取り入れられた酸素と体内で排出された二酸化炭素を交換して、人体の活力を維持する働きがあります。
しかし、COPDの状態になった肺は、ガス交換器官である肺胞と鼓動、その周りの無数の毛細管が破壊され、呼吸することが難しくなっていきます。
しかも一度その状態に陥ってしまうと、破壊された諸々の組織は修復も、再生も出来ないのです。
禁煙したとしてもその破壊は数か月は続くとされ、小さな肺胞から徐々に大きい細胞へと移る傾向があります。
人間が呼吸をしている時、肺胞は風船のように人が呼吸をすると膨らみ、そこで交換した二酸化炭素を吐きだします。
COPDは、この風船の弾力性を奪い空気が出入りする気道の通りを悪くなっている状態です。
もともと人間の肺は薄いピンク色のはつらつとした臓器ですが、死亡したCOPD患者の肺は似ても似つかない暗褐色で表面の弾力性もなく、指で押しても弾ける感じはないそうです。
COPDの検査と診断スパイロメーター(肺活量計)で簡単に検査できます。
気になる方は、早めに検査を受けておいたほうが良いでしょう。

肺気腫とは

COPDの病気の一つにあげられるのが『肺気腫』です。
肺気腫は気管支が炎症で狭くなり、肺胞の壁が消えてだんだんと大きな一つの”がらんどう”になってしまう病気です。
気管支の炎症や気道の狭窄、肺胞の”がらんどう”は順次引き起こされます。
進行は早くはないですが、禁煙してもしばらくは進行が続きます。
ですから、肺気腫による生存率は非常に悪く、発症から5年の生存率は40~60%との統計結果がでています。
喫煙による有害物質が、気管支に炎症を起こさせ、次第に気管支が硬く厚くなってしまうと、肺胞が壊れてガス交換の機能も低下していきます。
こうなってくると、ダブルパンチで酸素の吸引量が減少してしまい、じっとしてるだけでも息切れがしたり、寝ていても呼吸困難になって眠れない、という日常生活に重大な障害をきたすようになります。
肺気腫に限らず、COPDは現代医学で完治不能といわれています。
驚くことに、いまだワクチンさえ発見されていないのが現状です。
長年の悪しき喫煙の習慣の故とはいえ、患者にとっては悲しい現実です。
しかし、少しづつですが医療は進んでいます。
最近の研究によると、日本の大学において手術成功率80%の手術例の報告も出てきているそうです。
しかも、成功した患者の多くは、リハビリを経た後普通の人々と全く同じ生活をしたり、登山やトレッキングを楽しんでいる人たちもいるということです。
決定的な治療法がなく、まだまだ研究段階の病気ですので、ひどくなる前に検査を受けるなどの対策が必要です。

慢性気管支炎とは

COPDでなくとも『慢性気管支炎』と判断されることはありますが、ここではCOPDと判断された場合の『慢性気管支炎』についてご説明します。
COPDですから、その多くは喫煙が原因であるといわれています。
喫煙で発生する有害物質によって気管支が炎症を起こし呼吸がし辛いといった症状が長く続く場合、慢性気管支炎が疑われます。
判定の目安としては、気管支炎の状態が少なくとも一年の内で3ヶ月、それが2年以上続く、という顕著な特徴がない限りは、慢性気管支炎とは診断されません。
最近は、慢性気管支炎という診断名が簡単に使われ過ぎているという批判もあります。
咳や痰が続く、似たような呼吸器疾患、びまん性汎細気管支炎や気管支拡張症などです。
二つの病気は、ほとんどの場合、慢性副鼻腔炎も併発しています。
ということは、耳鼻咽喉科で診断してもらわないといけない症状なのです。
慢性気管支炎は、正確な医学的診断をすれば、多くの場合、肺気腫をともないます。
閉塞性肺機能障害のため、最初の一秒間に吐きだす息の量が減って、息切れや呼吸困難を起こします。
たばこを吸った経験がないのに、慢性気管支炎と診断されたら、先に述べたように、別の病気が原因で気管支炎の症状が出たのではないかと疑ってみる必要があります。
副流煙が原因での慢性気管支炎の報告もありますが、やはり実際に喫煙している人に比べるとその発症率はかなり低いものです。
毎日一定量の副流煙を吸い続けているという場合以外は、過度に神経質になる必要はないでしょう。

主な原因

COPDの主因は喫煙と受動喫煙です。
COPD患者の喫煙率は日本で95%、アメリカで90%を超えているという統計結果が出ていることからも明らかですね。
日本では、受動喫煙と職場や公共の場所での二次的喫煙を含めると100%でした。
COPDの患者は肺機能が低下し、一度に呼吸する空気の量が減少するため、呼吸困難になる可能性があります。
タバコ以外でCOPDの原因と考えられるのは大気汚染です。
一酸化炭素ガスや窒素ガス等の自動車の排気ガスや工場からの排煙ですが、現代の日本ではCOPD患者の1%程度で、むしろ調理や暖房の固形燃料使用による室内空気汚染のほうがレベルが高いといわれています。
喫煙が原因であることははっきりしていますが、ほとんどの人は発症する20年以上前から、一日少なくとも10~20を吸っていたというデータがあります。
このような人たちは40歳代(40/49)でCOPDと診断されました。
息切れや息の短い喘鳴は(呼吸困難と呼ばれる)COPDを診断するのに最も重要な兆候ですが、50歳代(50/59)では発症しないといわれています。
喘鳴や口笛のようにシューという音の出る呼吸は、COPD患者が調子が悪くなっているのに作業などをすると出ます。
COPDと診断されたにも拘らず喫煙をやめられない患者がいますが、こういう人たちの生存率は5年で15~20%と下がります。
このため、NGOやボランティア団体が禁煙促進会などを開催しています。

症状

ほぼ喫煙が原因とされるCOPDですが、ここではその症状について解説したいと思います。
COPDの症状としては、最初に抹消気道で炎症が見られ、炎症が慢性化するとともに、周囲に広がり、進行していきます。
じわじわと炎症が広がり、細抹消に炎症が達した場合、肺胞壁の破壊で気腫化が始まります。
肺の中枢側に炎症が広がった場合、気管支粘膜線の肥大、気道上皮の浮腫気道平滑筋の肥厚、気道分泌液の貯留、などの気道病変が起こります。
さらに進行してくと、肺過膨張、閉塞性換気障およびガス交換障害が起こります。
やがて、呼吸の為のエネルギー効率が低下し、軽い労働作業をするだけでも息切れが顕著になってきます。
ひどくなってしまうと、安静時にも息切れが生じるほど重症化します。
さらに重症化すると、低酸素血症となり、この段階まで到達すると日常生活に支障をきたし、酸素吸入療法が必要になります。
この段階では体の免疫機能も低下していますので、他の感染症などで、病状が悪化することがあります。
これは急性増悪と呼ばれます。急性増悪を一度引き起こすと、体力などの低下が酷く、容易に回復しません。
増悪を繰り返すほど、全身性の炎症や筋力低下、虚血性心疾患など様々の合併症が見られるようになります。
特効薬どころか明確な治療法が確立されていないCOPDですので、ひどい状態になってしまう前に、最大の原因である喫煙を止めることは、自分で出来る最低限の対策であるといえます。

COPDの重症度判定

COPDには慢性気管支炎や肺気腫などさまざまな症状があります。
特に、慢性気管支炎の場合は明確に診断されるまでに気管支炎の継続期間を考慮しなければならないので、判断までの時間が必要です。
気管支や肺というのは、鼻など他の器官と繋がっていますので、呼吸がし辛い、喫煙しているというだけでCOPDだと診断できません。
しっかりとした検査の結果、COPDだと判断されてしまった後は、重症度の判定が進行の目安になります。
一般的に、判定の際には『スパイロ検査』が使用されます。
これは、スパイロメーターという肺活量を測る機器で呼吸機能を検査する方法です。
COPDの診断には欠かせない検査で、肺活量のレベルによりI期からIV期までの4つの病期に分かれます。
肺活量と息を吐くときの空気の通りやすさを調べた際に、1秒量(FEV1)を努力肺活量( FVC)で割った1秒率(FEV1%)の値が70%未満の場合、COPDだと診断されます。
病期としては、軽度の気流閉塞であるI期、中度の気流閉塞とされるII期を経て、高度の気流閉塞とされるIII期の段階に到達します。
最終段階のIV期になると、極めて高度の気流閉塞と診断され、慢性呼吸不全を併発している状態が多くなります。
この段階になると、行動時での呼吸困難はもちろん、安静時でも息苦しさが残り、常に酸素吸入器を携帯しなければならない場合もあります。
COPDの重症度はスパイロ検査だけでなく、慢性の咳・痰の症状、呼吸困難の程度、運動能力の低下の程度、などからも判定できます。

合併症について

吸いこんだ酸素は肺胞に達して、ガス交換が行われ、二酸化炭素は体外放出され、酸素は体の隅々まで送られて、エネルギーになったり、免疫になったりします。
COPDは肺の呼吸機能が低下すわけですから、全身にわたって様々な病気のもとになることが解っています。
ここでは、COPDが引き起こす合併症について解説していきます。
まず上げられるのが『動脈硬化』です。
これは、低酸素血症が続く状態を慢性呼吸不全といいます。
症状が進むにつれ、肺動脈が細くなって、肺高血圧症を起こします。
肺高血圧症は心臓に負担をかけますから、最終的には右心不全、冠動脈硬化を引き起こします。
次にあげられるは『がん』です。
COPD患者の95%は喫煙者です。煙草の有害物資は発がん性物質と認定されています。
喫煙者のがん発症率は、吸わない人に比べ数倍高いといわれます。
喫煙が原因であったとしても、肺がんだけでなく、喉頭がん、食道がん、肝臓がん等他にも注意が必要です。
また、全身の骨量が減って、些細なことで骨折しやすくなる『骨粗しょう症』を併発するケースもあります。
呼吸困難の為、外出や運動する機会が減り、骨が弱くなることも大きな原因となります。
他にも、喫煙が原因で胃潰瘍を起こしやすくなるとの報告があります。
増悪の治療にステロイド薬を使用することも関係しています。
また、胃食道逆流症をおこして、ぜんそくの原因になることもあります。

禁煙

現段階では決定的な治療法がないとされているCOPDですが、少しでも進行をくい止める為に出来ることはあります。
ここでは、COPDへの対策方法についてご説明したいと思います。
COPDと診断されたら、まず禁煙です。
禁煙を続ければ、現在の病状が進行することはありません。
煙草に対する依存度の高い人は、最近、増えてきているといわれますが、COPDだと判断されたら禁煙外来で専門医の指導を受けるようお勧めします。
COPDの原因となる肺胞の破壊による呼吸機能の低下、肺胞の破壊は再生はもちろんのこと、修復することさえ出来ません。
治療方法がないとはいえ、対策方法がこれほど明確に分かっているのですから、重症度が増して合併症を引き起こす前に喫煙の習慣だけは断っておかねばなりません。
喫煙はただでさえ体に悪影響を及ぼしています。
血行の流れを妨げ、代謝機能を低下させるため、動脈硬化や低体温等さまざまな生活習慣病を引き起こす原因となります。
COPDが進行するとさまざまな合併症を伴いますので、喫煙を続けたままの状態でCOPDの症状がひどくなった際に、他の症状の進行を早めてしまう可能性が高くなります。
もちろん、自分が吸っているタバコの煙が他の人のCOPDの原因になる可能性があることも忘れてはなりません。
年齢が若ければなおのこと、早い禁煙の決断が、将来の完全治癒という大きな夢をもたらすかもしれません。
長年の習慣を変えることは大変なことですが、思い切って決断する機会です。

ワクチン

現在のところ、COPDには特効薬や明確な治療法が確立されていません。
COPDの最大の原因だと考えられている”喫煙”を止めるなどの対策をとることは可能ですが、薬で治すことが出来る病気ではないのです。
COPDの代表的な症状は、息苦しさ、痰のからみなど呼吸に関するものが多く、リハビリとしても呼吸法のレクチャーや酸素吸入による方法がとられています。
しかし、呼吸機能が低下して酸素を取り込む量も、肺でガス交換して体内へ送り出す機能の両方が低下してしまうと、私たちの体のさまざまな場所で弊害が発生します。
酸素が十分に行き渡らない状態が続くと、血流の流れが滞り、代謝活動の低下、免疫力の低下などの症状が出てきます。
COPD患者は、慢性的に酸素不足状態なので、免疫力が非常に低い傾向にあります。
その為、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすく、更に、一度かかってしまうと重症化しやすい状態にあるといえます。
特にインフルエンザは、健常な人でも油断をすると重症化する力を持っています。
COPDだと診断されている人は、感染そのもの、更には重症化を防ぐためにも、流行化する前にはインフルエンザワクチンの接種をするよう心がけましょう。
患者本人だけでなく、患者の家族や介助者にも接種をおすすめします。
また、肺炎球菌ワクチンは65歳以上の患者、もしくは65歳未満でもFEV1が40%未満の患者に接種が勧められます。
COPDは合併症を引き起こす可能性の高い病気です、普段から意識的に免疫力を高める努力が必要です。

薬物療法

私たちの生存活動に欠かせないのが呼吸です。
外から酸素を取り込み、必要分を体内に送り出すのに重要な役割を果たしているのが肺であり、毎日忙しく働いてくれています。
しかし、人間の肺というものはとても繊細で、一度その機能が低下してしまうと元に戻すことは非常に困難だといわれています。
肺の機能が低下してしまうCOPDは、呼吸だけでなくさまざまな弊害が伴う病気ですが、特効薬が未だ見つかっておらず、残念ながらその治療法は、完治を目指すというよりも、辛い症状を楽にするという点に重きを置いているのが現状です。
その治療法としては、呼吸法や酸素療法も選択されますが、薬物による治療も行われています。
薬物療法は主に、気管支拡張薬の投与で行います。
患者のそれぞれの症状の軽減、更なる進行の予防はもちろんのこと、病状が緩和されることで生活の質や運動対応力の改善に役立ちます。
気管支拡張薬には、毎日定期的に服用する長時間作用型のものと、息ぐるしい時にのみ服用する短時間作用型の2種類があります。
薬物での治療が効果的だと医師に判断された時にだけ、患者の症状に合わせて、どちらか、又は両方の組み合わせで使用します。
気管支拡張薬は、肺に直接作用されるように、専用の吸入器を使います。
吸入器に慣れるまではもちろん、メーカーごとに、微妙に方式が違うので、最初のうちは戸惑いをみせる患者さんも多いようです。
慣れるまでは大変ですが、症状が和らいでくると外出や運動の機会が増え、精神面にも良い効果が期待できます。

呼吸リハビリテーション

COPDになると肺機能が衰えてしまいます。
しかも、肺の機能というのは回復させるのが非常に難しく、トレーニングで機能の維持を図るしかありません。
今回は、COPDのリハビリとして利用されている『呼吸リハビリレーション』についてご紹介します。
呼吸リハビリレーションは呼吸機能が低下しているCOPD患者に、腹式呼吸と口すぼめ呼吸の両方をトレーニングで習得させます。
習得することにより、残った肺の呼吸機能を最大限に利用して、少しでも楽に呼吸出来るようにすることが目標です。
方法としては、口すぼめ呼吸は口を軽く閉じ、鼻から息を吸います。
その後、口をすぼめてゆっくりと吸う時の2倍くらい時間をかけて吐きだします。
次に、腹式呼吸は、仰向けになり、左手を胸に、右手をおなかに乗せます。
口すぼめ呼吸で息を吐き、おなかを膨らませるように息を吸います。
両方とも、少ない肺機能を最大限に利用出来るように工夫された呼吸法なのです。
その他、気道内に溜まった痰をとる破たん法、呼吸の時に使う筋肉のストレッチトレーニング、胸郭可動域訓練(胸郭の関節の動く幅を広げる訓練)などがあります。
これらのトレーニングも、前述の2つの呼吸法と組み合わせて実施することでより高い効果が期待されています。
呼吸リハビリテーションは、病院やクリニックの理学療法士や資格を持つ看護師が指導してくれます。
また、グループでトレーニングすることで、同病者のコミニュニティ作りにも役立っているようです。

酸素療法

人間が生存していくために欠かせない要素の一つが『酸素』です。
呼吸により体内に取り入れられた酸素は、脳や血管などさまざまな場所で作用しています。
高度の高い場所に行って低酸素状態が続くと、頭痛などの高山病になったりするのは、人間が酸素を必要としている証拠です。
人間は呼吸によって酸素を取り入れます。
呼吸により肺へ取り込まれた酸素は、ガス交換を経て体中へ送り出されますので、肺機能は非常に大切なのです。
しかし、COPD患者の肺機能が低下が進行すると、体内に酸素をうまく取り入れられない、低酸素血症の状態になります。
低酸素血症が長く続くと、右心不全を起こして心臓に大きな負担がかかります。
場合によっては死に至ることもあります。
この段階のCOPD患者に対しては、酸素療法を行ないます。
在宅酸素療法は酸素ボンベからカニューラ(ストローのようなもの)を通して酸素を吸入します。
ダイレクトに肺に送り込まれる液体酸素の効果は鮮明で、患者の顔色が見る見るうちに、赤みがかり、動きも活発になります。
ただ、過剰な酸素を一度に流すと、血液中の二酸化炭素の量も増えて危険な場合があります。
また、携帯用のボンベや吸引マスクのセットも販売されており、在宅だけでなく、アウトドアでの活動にも役立っています。
以前ではボンベの取り扱いやサイズの問題で、酸素療法を受けている患者は外出機会が減りがちだといわれていましたが、現在では改良が進み、患者自身でも容易に取り扱いが可能なものが多くなっているそうです。

外科療法

患者数が増えているにも関わらず明確な治療法が確立されていないCOPDですが、少しずつ研究は進んでいます。
COPDの症状を緩和する療法には、呼吸法や酸素療法、薬物療法もあります。
今回は外科療法についてご説明したいと思います。
もちろん完治を目指す処置ではなく、症状の緩和や進行を抑制する為の処置になりますが、外科療法には肺容量減少手術(LVRG)と肺移植があります。
肺容量減少手術というのは、肺組織のうち既に破壊されて機能を失っている組織を除去して、健康な組織のためのスペースを確保して、2年後死亡率を改善することを目指します。
しかし、結果は思わしくなく、薬物療法に比べても、死亡率は同等か、高くなることが確認されていいます。
結果を受けて外科療法に対して必要性を疑う声も出ていましたが、おかやま大学が7年間で90名の肺気腫患者に対してLVRS手術を行ったところ、手術を受けた患者の8割以上に、顕著な呼吸困難感の改善が見られたという結果が確認されています。
在宅酸素療法から解放された患者も半数近くいた、という報告もあり、以前の手術結果からは到底想像出来ない素晴らしい結果でした。
この為、おかやま大学には患者が殺到し、順番待ちまで出ている状態だそうです。
COPDのように呼吸が困難になる症状は、慢性的な呼吸不足による辛さや、酸素ボンベを用いた両方など日常生活に支障をきたすことも多く、早急な手術方法の開発が望まれています。

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