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歯周病の基礎知識

公開日: : 最終更新日:2016/02/16 歯・口・のどの病気 , ,

歯周病の基礎知識
歯周病ってご存知でしょうか?
実は歯周病は、虫歯以上に日本人が歯を失う原因となっている病気で、実際にどんな病気でどんな症状なのかどうかを知っている方というのは、とても少ないんですね。
本当はもう歯周病にかかっているのに、自覚症状が出にくいために気付いていないという方も多いのです。
このサイトでは、そういったことが少しでも少なくなるように歯周病の症状から原因・治療・改善方法まで紹介していきます。
症状が悪化して初めて歯医者に行った時、すでに手遅れということがないようにしましょう。

歯周病とは

歯周病とは一体どんな病気かといいますと、歯の周りの組織である歯周組織が歯垢(プラーク)に含まれている、歯周病菌(細菌)に感染してしまい、歯肉部分(歯茎)が腫れてしまったり出血してしまったり、どんどん症状が悪化すると歯が抜けてしまうという日本人が歯を失う最も大きな原因となる病気の総称です。

歯周病の怖いところは、初期の段階ですと自覚症状がほとんどないということで、実際には日本人の成人のおよそ80%以上の人が、歯周病または歯肉炎・歯周炎に感染しているといわれているほどなのです。

テレビなどで歯周病と同じくらい、歯槽膿漏という言葉を耳にすることがあるかと思いますが、歯槽膿漏は字そのままに歯周組織から膿が出てしまう症状のことをいい、歯槽膿漏は歯周病の症状の一つではあるのですが、最近では歯槽膿漏と歯周病とは別に考えられるようになってきているようです。

歯周病の怖いところは、初期の段階ではほとんど自覚症状がないことなのですが、以下の中で一つでも当てはまる症状があるという人は、早めに歯医者さんへ行って診察してもらうようにしましょう。

①歯磨きをすると歯茎から出血がある
②口臭がするようになった
③口の中がネバネバとする
④歯茎が腫れている
⑤歯茎の色が赤かったり、紫になった
⑥歯茎から膿が出る
⑦硬い食べ物をかむと、歯が痛い
⑧歯がグラグラとしている
⑨歯茎が下がってしまい、歯が長く見える
⑩歯と歯の隙間が広くなり、物が詰まりやすくなった
⑪歯茎が何だかかゆい
⑫糖尿病にかかっている

歯肉炎とは

歯周病は、初期症状がほとんどないので、自覚症状がないままに少しずつ少しずつ毎日確実に症状が進行していく病気です。

歯周病、といっても様々な症状があるのですが、大きく分けると歯肉炎から始まって歯周炎となっていくようで、徐々にその症状が進行していくそうです。

では歯肉炎という初期段階で処置できたら一番良いですよね!歯肉炎とは一体どのような症状があるのでしょうか?

歯肉炎は歯周病の初期段階で、まずは歯周病菌(プラークの中に含まれている細菌)が歯に付着することによって、歯茎が赤く腫れてしまったり、歯磨きをしただけで出血してしまうような歯肉炎になってしまいます。

歯肉炎の段階ですと、まだ歯周組織の中のセメント質・歯根膜・歯槽骨というものは溶かされていませんので、歯がグラグラしたりするような症状は見られませんが、歯肉炎の初期段階ですと歯と歯の間にある歯茎が炎症を起こすだけのことが多いために、自覚症状がないことが殆どで、仮に自覚症状があったとしても歯茎が腫れるなんてたいしたことがないと放置してしまう人がほとんどなのです。

そしてそのまま放置してしまうと、歯周組織がどんどんおかされていってしまい、歯周炎へと発展していくことになりますから、歯肉炎の段階で早めに治療を行っておくということがかなり大切なんです。

歯肉炎の段階で歯医者さんへ行って治療を行えば、確実に歯周病を完治することが出来ますから、日頃から歯磨きなどをしながら歯の状態を見て、何か少しでも異常を感じることがあったのなら、早めに歯医者さんへ行って治療をしてもらうようにしましょう!

歯周炎とは

歯周病が歯肉炎から始まり、歯周炎へとやがて進行していくというお話をしましたが、では歯周炎とは一体どのような症状を引き起こすのでしょうか?

歯周炎は歯肉炎のように歯茎が赤く腫れたり、出血したりするだけではなくなってしまい、ついに歯周病菌(プラーク)によって歯の周りの組織である歯周組織のうちのセメント質・歯根膜・歯槽骨などが溶かされていってしまうので、歯がグラグラと不安定になったり、歯茎が下がって歯が長く出っ歯に見えるような症状が出てきます。

歯周炎と一口で言っても、細かく分けることが出来るんです。

*成人性歯周炎
*早期発症型歯周炎
*思春期前歯周炎
*若年性歯周炎
*急速進行性歯周炎
*難治性歯周炎

このうちで、最も多くの方が当てはまっているのが成人性歯周炎で、またの名を慢性歯周炎と言う風に呼びます。

歯周炎にまで進行してしまうと、歯周組織がどんどん侵されてしまって溶かされてしまいますから、歯周ポケットがどんどん深くなっていき、さらに歯周病の原因である歯垢(プラーク)がたまりやすくなってしまい、普通の歯磨きをするだけではプラークを取り除くことが困難な状態になってしまいます。

歯医者さんで治療を行わなければ、どんどん症状が悪化してきてしまい、最終的には歯が抜けてしまったりしまうから、注意が必要です!

歯周炎までいくと治療がとても大変で、最悪手遅れの場合もあるようなので、定期的に歯医者さんへ行って健診を受けたりすることがとても大切なのです。

歯周ポケットとは

先ほど歯周炎について紹介してきた中に<歯周ポケット>という言葉が出てきたのですが、お気づきでしょうか?

歯周ポケットとは一体何かといいますと、歯と歯茎の間に出来ている溝のことで、健康な歯茎の場合ですと歯と歯茎はピッタリとひっついていますから、歯周ポケットなんてものは出来ないのですが、歯周病になって歯茎が腫れてしまうと歯肉が歯から離れてしまうために、歯周ポケットがどんどん深く大きくなっていってしまうのが大きな特徴なんです。

歯周ポケットにプラークがたまりやすくなってしまうということは、たまったプラークを歯磨きだけで取り除くことが大変困難な状況となってしまうことですから、プラークによって慢性的に歯茎が腫れてしまい、歯周病がより進行していくこととなって、悪循環に陥ってしまうんです。

歯周ポケットが深くなるとどんな症状があるかといいますと、歯周ポケットにプラークや歯石・食べかす等が溜まりやすくなりますから口臭がきつくなります。

また歯に直接水などが触れるようになりますから、お水や温かいものなどを食べると歯がしみたり、歯と歯肉の間が大きくなってしまうので歯がグラグラと動くようになったりもします。

歯周ポケットの深さというのは、歯医者さんへ行けばポケット探針と呼ばれている専用の器具を使えば測ることができ、歯周ポケットの深さによっては、歯周病が一体どのくらい進行しているのかどうかというのが大きな目安になるそうです。

健康な歯茎の場合でも、1~2mm程度歯と歯茎の間には隙間があるんです。

これは歯周ポケットとは呼ばないで、歯肉溝と呼ばれることもあります。

プラークコントロールとは

歯周病を予防・改善するために必要なのが<プラークコントロール>です。

プラークコントロールとは一体何かというと、プラークを調節して管理し、歯周病の原因となるプラークという細菌のかたまりの増殖を抑えて、歯周病を予防していこうというものなんですね。

歯周病は進行していってしまい、歯槽骨が溶かされてしまうまでになってしまうと、治療するのが非常に難しくなってきてしまい、残念ながら治療をしていてもその甲斐なく歯を失ってしまう可能性がとても高いのです。

ですから歯周病になってから歯医者さんへ行って治療をしよう!という気持ちではなくって、歯周病にならないように予防することが非常に重要になっているのです。

歯周病を予防するためには、歯周病の原因となるプラークが歯周組織に付着したとしても、すぐに除去していくことが大切なのですが、口の中は細菌にとって格好の家であるために、完全に自分で除去していくことは不可能に近いのです。

プラークというものは、食事をするたびに歯に付着してくるものなので、毎日毎食後自分で歯磨きをすることが大切ですし、歯磨き・歯間ブラシ・デンタルフロスなどを使用して、丁寧にそして確実に除去していくことが必要なのですが、すでに歯周病にかかってしまっている場合、歯周ポケットが深くなっているために、自分だけで除去するということはとても難しいのです。

プラークコントロールが確実に出来ているかどうかによって、歯周病によるリスクが決まるといっても過言ではないので、プラークコントロールすることによって歯周病をある程度予防することが可能ですが、歯医者さんでの治療も必要なのです。

歯周病が招く病気について

歯周病が原因となって、全身の病気になることはあるのですか?といった疑問がよく歯医者さんにされるそうなのですが、実際に歯周病によって招かれる病気というのはあるそうです。

歯周病菌が感染することによって、他の病気になる可能性があるようで、歯周病は感染症の一つですから、歯周病菌が歯周組織に感染することによって歯周病となり、歯周病菌が血液・唾液などに混じって体内に入ることによって全身に流れていってしまえば、歯周病以外の病気になる可能性というのは否定できないのです。

実際に近年、歯周病菌が原因でさまざまな病気の引き金となっているということが報告されています。

まず歯周病になると肺炎にかかりやすくなるといわれており、歯周病菌の中に含まれている細菌が、肺炎の原因となるものが含まれているために、何らかの病気や高齢者など、抵抗力が落ちているときに歯周病菌が含まれた唾液を間違って吸引してしまい肺に入ることによって、肺炎になる可能性が高くなるというふうにいわれているんです。

また妊婦さんも歯周病には十分に気をつける必要があります。

歯周病患者が妊娠している場合、歯周病によって作り出された物質が早産を引き起こす可能性があったり、羊水の中に歯周病菌が肺r込んでしまうと、低出生体重児が生まれる確立というのが健康な妊婦さんに比べると約7倍にまで上がるといわれているんです。

2009年2月には、歯周病菌が増殖する過程において、酪酸というものが大量に作り出されるのですが、それが潜伏しているエイズウイルスを活性化させていき、エイズを発症する危険性があるというのもニュースになっています。

歯周病が原因で、さまざまな病気の引き金になるということが分かっていただけたかと思います。

歯周病と遺伝について

歯周病は子供に遺伝していくのでしょうか?という質問がよくあるようですが、歯周病自体が遺伝してしまうようなことはないのですが、歯周病になりやすいという一つの要因は遺伝する可能性はあるようですね。

歯周病は感染症の一つですから、歯周病の原因であるプラークや歯石の中に含まれている歯周病菌が感染することによって引き起こされるものなので、歯周病の親から生まれたからといって、赤ちゃんが歯周病になってしまうといったことは絶対にありません。

ですが、歯周病自体が遺伝することはなかったとしても、異臭病菌に感染しやすいなどといった抵抗力の遺伝であったり、プラークが付着しやすいといった歯の構造(歯並び)が遺伝したりすることは十分にありえますよね。

その要因が重なることによって、結果的に歯周病の親から生まれた子供というのは、歯周病になりやすいというようなリスクがあるということはあるかもしれません。

しかしいずれにしても、歯周病菌という細菌に感染することがなければ、たとえ親二人が歯周病にかかっていたとしても、その子供が歯周病になってしまうというようなことはないのです。

毎日正しい歯磨きをしてあげたり、子供が小さいうちから歯磨きの大切さを教えてあげたり、定期的に親が子供を連れて歯医者さんに健診に行ったり、確実に歯周病の原因となるプラークを除去していってあげることが何よりも大切でしょう。

ちなみに、歯周病はうつるのかどうかですが、歯周病は感染症ですから他人に感染する可能性は十分にあり、もし歯周病の人とキスをしたりしたら感染する可能性は否定できないのです。

歯周病と口臭について

歯周病は口の中の感染症ですが、歯周病になることによって口臭がきつくなったり、嫌なにおいがしたりすることはあるのでしょうか?

口臭があるからといって、すべての人に歯周病が感染しているというのは違っているのですが、ある日から突然口臭がきつくなってきた場合は、歯周病であったり他の何か違った病気である可能性がありますから注意が必要なんです。

歯周病の場合ですと、歯周病菌の繁殖によって引き起こされるにおいになってしまうから、かなり強烈なにおいが発するというのが特徴で、周囲の人が思わず顔をしかめてしまうようなにおいを発生させるんです。

ただ厄介なのが、口臭に限らないのですが、自分の発しているにおいというのは脳が慣れてしまって感知することが大変難しいので、自分では気付きにくく、他人に指摘してもらわないことには口臭がきつくなっていてもなかなか分からないために、歯周病が原因となって口臭が出ている場合でも、気が付かないままに歯周病がどんどん進行していっている場合があるのです。

ですから口臭がするなぁと感じたり、誰かに指摘されるようなことがあった場合はもちろん、口臭以外に少しでも歯周病の症状が現れたような場合は、すぐに歯医者さんへ行って診察を受けるようにしましょう。

歯周病が原因でもし口臭がしている場合は、歯磨きやマウスウォッシュ・ガムなどで一時的に口臭がなくなったとしても、それは一時的な対処でしかありませんし、歯周病を完治させない限りは根本的な解決にはならないということを覚えておいてくださいね。

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