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口内炎を詳細に:原因,症状,検査,治療,予防など

公開日: : 最終更新日:2017/05/26 歯・口・のどの病気

口内炎とは(概要)

口のなかは呼吸、食事、会話などをするために外部と常に接しており、ウイルスや細菌、ほこりなどが入り込み、付着しやすい場所です。
また、鼻やのどと通じているところでもあるため、口のなかは粘膜で保護されているのですが、入り込んできた細菌などによって炎症が生じることがあります。
口内炎(こうないえん)とは、口腔内やその周辺の粘膜に生じる炎症の総称です。

そのなかで、歯茎に発生するものは歯肉炎(しにくえん)、舌に発生するものは舌炎(ぜつえん)、くちびるに発生するものは口唇炎(こうしんえん)、口角に発生するものは口角炎(こうかくえん)といいます。
潰瘍(かいよう)といって粘膜がえぐれてできる穴ができたり、水疱(すいほう)という一般的にいうところの水ぶくれができたりします。
舌で探ってみるとできものがあるとわかることがあり、患部に接触すると痛みを感じることがあります。
この痛みのせいで食事や会話などがしにくくなりますし、とくに食事では口内炎を噛んでしまってより強い痛みに襲われてしまうことがよくあります。

また、放置していると自然に治るものの、しばらくすると再発し、何度も繰り返し口内炎ができて、そのたびにストレスを感じている人も多いでしょう。
口内炎をどうにかしたいと思っている人のなかには、どのようにして起こるのかメカニズムが知りたいという人もいるのではないでしょうか。
原因に関して詳細は後述しますが、疲労などによってタンパク質分解酵素であるプラスミンが生み出されて、これが増殖することによって炎症を起こす物質であるヒスタミンや痛みを起こす物質であるプロスタグランジン・ブラジキニンが発生し、血管が拡がります。
炎症が生じると血管から上記の物質が漏出しやすくなり、むくみや痛みが引き起こされます。

さらに炎症が続いていると粘膜表面がただれ、最終的にはただれたところがえぐられて、口内炎ができるというわけです。
なお、粘膜がえぐれてできる穴のことを潰瘍というと説明しましたが、潰瘍のことはアフタともいいます。

日常生活に潜む口内炎の原因

口内炎は何か一つのことが原因となって症状が引き起こされるわけではありません。
下記のどれか、または複数の原因が組み合わされることによって発症するものなのです。

免疫力低下

仕事で帰りが遅く朝が早い、受験勉強で睡眠時間を削っている、食生活が偏っているなどの問題があり、生理的なバランスに狂いが生じてしまうと、人間の抵抗力は低下してしまいます。
抵抗力がダウンすると病気にかかりやすくなり、治りにくくなることはよく知られていることですが、口内炎まで起こりやすくなってしまうといわれています。

ストレス

よくストレスは万病の元といわれていますが、口内炎はストレスによって引き起こされることがあります。
実際に仕事が大変なときなどストレスがたまる生活を送っている場合には、口内炎が引き起こされる確率が上昇することが調査の結果わかっています。

栄養不足

口のなかの組織はできていて、コラーゲンの素材になるタンパク質、鉄、ビタミンCなどの栄養素が不十分な状態では口内炎が発生しやすくなります。
また、ビタミンB2、ビタミンB6が足りないと体の抵抗力がダウンしてしまい、このことが口内炎を引き起こす引き金になってしまうことがあります。

むし歯

むし歯は最悪の場合、大事な歯を失ってしまう原因になるだけでなく、治さないと強い痛みに襲われてしまいます。
これだけでも十分に問題ですが、むし歯は口のなかで細菌が増殖する原因になり、口内炎が発生しやすい環境を作り出してしまうのがやっかいなところです。

口腔粘膜の損傷

私たち人間の口のなかは、食事などによって頻繁に細かい傷を負っています。
間違って口のなかを噛んでしまったり、かたい食べ物や歯ブラシの先端が刺さったり、入れ歯が当たったりするほか、抗がん剤や放射線の副作用などによって口のなかの粘膜が損傷し、ばい菌が付着することによって、免疫力がダウンしているときには口内炎が発生することがあります。

たばこ

たばこのニコチン、タール、一酸化炭素によって唾液が減少して口のなかが不潔な状態になり、抵抗力がダウンするため、歯周病を起こすと口内炎が発生しやすくなるといわれています。
非喫煙者に比べて最大で8倍ほど喫煙者は歯周病にかかりやすく、また長年にわたりたばこを吸っていることでニコチンが口のなかに蓄積すると、粘膜に赤い斑点が生じて灰白色になり、腫れて厚くなる口内炎が起こることもあります。

歯みがき粉

ラウリル酸ナトリウムが配合されている歯みがき粉は、口内炎を発生させる原因になるのではないかという見方がされています。
なお、ラウリル酸ナトリウムは、市販品の多くに配合されている成分です。

胃腸の不調

食べ過ぎ、飲み過ぎ、ストレスなどは、胃腸が荒れてしまう原因になります。
胃腸が荒れることによって消化不良を起こすと、栄養成分や水分をうまく取り込めなくなるため、栄養不足によって口内炎が起こってしまうことがあります。

口腔内の清掃不良

歯みがきやうがいなどによる口のなかの掃除を怠っていると、細菌が繁殖しやすい環境が整ってしまいます。
その結果、むし歯、歯周病、口内炎の症状が引き起こされることになります。

やけど

熱い飲食物を口に含んだ場合など、やけどを起こしてしまうことがあります。
口のなかの粘膜がやけどすると、粘膜が損傷して口内炎が発生することがあります。

病気

口内炎は上記の原因のほか、別の病気によって起こることがあります。
ベーチェット病、糖尿病、白血病などの病気にかかっていることにより、口内炎が起こってしまい、非常に回復しにくい、何度も再発するような場合には病気を疑ってみたほうがよいでしょう。

口内炎の種類と症状

一口に口内炎といっても複数の種類があります。
また、種類によって引き起こされる症状にも違いがあります。

アフタ性口内炎

多くの種類がある口内炎のなかで、一番多く起こっているのがこのアフタ性口内炎です。
疲労やストレスによる抵抗力のダウン、ビタミンB2が不十分なことによって発生するといわれていますが、完全に原因が解明されているわけではありません。
最初は粘膜に1~2個、数mm程度の円形または楕円形の白いただれが起こり、その周囲が赤く腫れて痛くなり、刺激物をとるとしみてしまいます。
なお、一度回復しても再発することが多いため、再発性アフタという別名があります。

カタル性口内炎合わない義歯によって刺激されたり、熱い飲食物でやけどしたりといったことが原因となって発生するのが、カタル性口内炎です。
口内の粘膜の一部分が赤く腫れて、接触すると痛みを感じます。

潰瘍性口内炎

むし歯、合わない入れ歯の尖っているところによって口腔内の粘膜が損傷すると、潰瘍性口内炎が発生することがあります。
口腔内の粘膜表面に潰瘍が発生し、その周囲が赤くなって白い膜ができることがあるほか、口内炎が深く強烈な痛みをともなうものもあります。
高齢者の場合、潰瘍性口内炎を自覚することなく放っておいてしまい、栄養失調の状態に陥ってしまうことがあります。
また、傷が慢性化してしまった場合には、ガン化してしまうことにもなりかねません。

単純ヘルペスウイルス性口内炎

ウイルスに感染することにより、くちびるに白色のただれが複数発生するのが単純ヘルペスウイルス性口内炎です。
4歳以下の子どもによく起こっている口内炎で、とりわけ1歳頃の子どもに多く起こっているといわれています。
症状としては高熱、強い痛み、よだれの量が増加するなどをあげることが可能です。
また、食事をとることが困難になり、摂食障害や脱水症状を招いてしまうリスクもあります。

カンジダ性口内炎

カビの一種であるカンジダ菌が原因となって起こる口内炎がカンジダ性口内炎です。
義歯性口内炎という別名があり、口の粘膜が入れ歯型に赤くなったり、白い膜が発生したりします。
また、白い膜は舌のあちこちに点々と生じることがあります。
入れ歯や口腔内が不衛生なことによりカンジダ菌は増殖し、入れ歯の痛みや違和感が起こります。
また、カンジダ性口内炎は免疫力が強くない子どもや、糖尿病などにより体の免疫力がダウンしている人にもよく起こります。
この場合には舌の表面に白いブツブツが多く発生し、ほとんど痛みは感じませんが、何度も再発していると慢性化して治りにくくなります。

アレルギー性口内炎

金属に対しアレルギー反応を起こして発生する口内炎が、アレルギー性口内炎です。
歯科治療で口のなかに入っている金属が原因となり、金属と接触している部分やその周囲が赤く腫れてしまいます。
また、口内炎だけでなく手足が赤く腫れる症状が起こったり、かゆみをともなったりすることもあります。

ニコチン性口内炎

たばこを長年吸っている人に多く起こっているのが、ニコチン性口内炎です。
粘膜に赤い斑点が生じて灰白色になり、腫れて厚くなるのが特徴です。
ほぼ自覚症状はないものの、時折しみることがあるとされています。
なお、ニコチン性という言葉が含まれているものの、たばこに含まれているニコチンだけが原因になっているのかは解明されておらず、たばこに含まれている別の有害物質や熱による刺激なども関係しているのではないかという見方がされています。

乳幼児に発生するべドナーアフタ

上あごに左右対称に発生する口内炎が乳幼児に発生するべドナーアフタです。
ゴム乳首をくわえることなどによって慢性的に刺激が加わっていることが原因で、口内炎が発生することがあります。

口内炎の検査・診断

口内炎の診断は、とくに検査が実施されないというケースが多いです。
問診と視診のみでの診断が可能なことが多いのですが、全身性疾患により口内炎の症状が起こっている可能性を否定するための検査が行なわれることはあります。
また、検査が行なわれる場合ですが、炎症の度合いを確認するために血液検査が選択されたり、腫瘍の有無を確認するために画像診断のCT検査が選択されたりすることがあるほか、ウイルス感染の疑いがある場合には細菌培養検査を行なうことで原因を絞り込む方法などが選択されることもあります。

種類別の口内炎治療

口内炎の治療は、どの種類の口内炎なのかによって多少の違いがあります。

アフタ性口内炎

1~2週間ほど経過すると、自然となくなることが多いです。
ただ、接触すると痛みが生じるため、ステロイド剤が配合されている軟膏であるケナログ、アフタゾロンなどや、貼付するタイプのアフタッチなど、スプレー式のサルコートといった薬を使用することにより、回復を早めることをおすすめします。

カタル性口内炎

口腔内を清潔にし、患部に抗生物質含有の軟膏を塗布します。
また、粘膜に義歯が当たって口内炎が発生している場合は、調整を行なうことになります。
調整してもなおこすれてしまうような場合には、マウスピースを装着して粘膜を保護する方法が選択されます。

潰瘍性口内炎

むし歯の治療を行なったり、入れ歯を合うように調整したりと、口腔内の粘膜に対して刺激となっている原因を取り除く治療を行ないます。
また、アフタゾロンなどの軟膏を傷口に使用し、傷の回復が遅い場合には抗生物質の使用が選択されるケースもあります。
こうした治療をしても症状が解消されない場合には、医科で組織検査を行なわなければなりません。

単純ヘルペスウイルス性口内炎

血液検査を受けることによって原因菌を確認します。
その結果、単純ヘルペスウイルス性口内炎であるとわかった場合には、抗ウイルス剤の軟膏を使用したり、薬を服用したりして治療を進めていく形になるのが一般的です。

カンジダ性口内炎

義歯用歯ブラシを使用して入れ歯をきれいにするほか、入れ歯用洗浄剤を使ってカビを取り除きます。
また、口腔内をイソジンのうがい薬、コンクールなどで洗い、必要に応じて抗真菌薬を使用して原因菌のカンジダ菌を撃退する治療も行なわれます。

アレルギー性口内炎

口のなかの金属に対してアレルギー反応を起こしているため、それを取り除いてプラスチックやセラミックなどの素材のものに変更します。
また、むし歯や歯周病を未然に防ぐことにより、そもそも口のなかに金属を入れるような問題を起こさないようにすることも大切です。

ニコチン性口内炎

原因はたばこですので、喫煙をしなければ数週間~数ヶ月で回復します。
愛煙家のかたには難しい問題でしょうが、口内炎に悩まされたくなければたばこをやめることが大切です。

乳幼児に発生するべドナーアフタ

あごになるべく刺激を与えないようにすると、数週間で治ってきます。
哺乳で使用する乳首を乳幼児の口に合っているものに変更するなどの対処法をとると、あごへの刺激を軽減することが可能です。

口内炎の予防・対処法

口腔内を清潔に保つ

口腔内が不潔な状態では、細菌が繁殖してしまいます。
逆に常に清潔な状態を維持していれば、口のなかが傷付いたり、細菌が入り込んできても粘膜に感染してしまうことの防止になります。
また、歯みがきを行なう際には、口腔内の粘膜を傷付けないように注意し、やわらかいタイプのブラシを使用するのもおすすめです。

口腔内の乾燥を防ぐ

口のなかが乾いていると粘膜の抵抗力が落ちてしまい、口内炎を引き起こしやすくなってしまいます。
水やお茶を摂って口のなかをうるおわせる方法や、あめやガムなどを食べて唾液の分泌を促してあげるようにしましょう。

体の抵抗力を高める

抵抗力がダウンしている状態は、ちょっとした傷やウイルスで粘膜に傷が付いてしまいやすくなります。
結果、口内炎を引き起こしやすくもなりますので、抵抗力を高めるのに効果的な、抵抗力を低くする原因にならないような生活を送ることが大切です。
規則正しく栄養バランスのとれた食事、十分な時間で良質な睡眠、適度な運動習慣、趣味でストレス発散など、生活習慣を改善することは抵抗力によい影響をもたらしてくれます。

ビタミンB2を補給する

ビタミンB2が不足している状態は、口内炎を引き起こす原因になります。
レバー、納豆、アーモンド、きのこ類などに豊富に含まれていますので、うまく日々の食事メニューに取り入れましょう。

むし歯を治す

むし歯を放置していると、歯が割れて尖っている部分が粘膜を傷つけてしまい、口内炎が発生する原因になってしまいます。
また、治療途中の歯が口腔内の粘膜を傷付けてしまうこともあるため、むし歯は放置せず、最後まで治療を受けることが大切です。

治るまでは刺激物を避ける

口内炎は多くの場合、1~2週間ほどで解消されてしまいますが、治りを早くするためには熱い飲食物や香辛料、飲酒・喫煙などの刺激が強いものはなるべく避けましょう。
回復するまでのあいだにこうしたものを頻繁にとっていると、口内炎が消えるまでの時間が長引いてしまうことになりかねません。

栄養剤を使用する

通常の食事だけで十分に栄養を補給することが難しい人は、栄養剤を使用してみてはいかがでしょうか。
免疫力を上昇させるビタミンA、ビタミンC、皮膚の代謝をよくするビタミンB2、ビタミンB6が含まれているものなどを使用し、口内炎の予防や改善に効果的な食生活を送るための助けになります。

市販薬を使用する

口内炎治療薬が薬局などで手に入るので、病院に行けない場合や行くまでもないと思った場合には使ってみるとよいでしょう。
患部に塗るタイプや貼るパッチタイプの製品が販売されており、傷口を保護して外部からの刺激を緩和することが可能です。

医療機関で診察を受ける

口内炎の恐ろしいところは、別の病気が原因となって引き起こされていることがあったり、ガン化してしまったりすることがあったりする点です。
本当は原因をはっきりさせるためにすぐに病院へ行ったほうがよいのですが、難しい人は口内炎が再発を繰り返していたり、治りが悪いと感じたりする場合には、深刻な問題が起こっているかもしれないという疑いを持って病院へ行きましょう。

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