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腎臓がんを詳細に:原因,症状,治療,予防,術後など

公開日: : 最終更新日:2017/05/09 がん


腎臓は腰の高さ、背骨の近くの深さにあり、左右に1個ずつある、ソラマメに似た形をしたにぎりこぶし大のサイズの臓器です。

血液をろ過して尿を生産することで体のミネラルバランスを保つ、血圧をコントロールする物質や赤血球を生産するのを促す物質をつくる、ビタミンを活性化することなどが腎臓の主な役割として挙げられます。

腎臓がんとは(概要)

腎臓がんとは病名のとおり、腎臓に起こるがんのことをいいます。
左右に1個ずつある腎臓のうち、いずれか1個に起こるケースが圧倒的に多く、左右両方の腎臓に同時に発生するのは1%ほどと非常に少ないです。

また、腎臓がんががん全体で占める割合は約1%と非常に数値が低く、この病気によって命を落とす人は1年あたり約4,000人、新たに腎臓がんを引き起こす人は1年あたり約12,000人いるといわれています。

男女別では男性のほうが女性に比べて3倍多く、年齢別では40歳以上の人に多いのが特徴です。
5年生存率はステージⅠで75%、ステージⅡで63%、ステージⅢで38%、ステージⅣで11%となっており、予後は直径5cm超のがんになっている場合は不良になることが多いです。

そのほか、腎臓がんは肺や骨に転移を起こしやすい病気であり、再発を招く恐れは治療後10~20年間はあるといわれています。

腎臓がんの原因

タバコを吸っていることで腎臓がんのほか、肺がん、口腔がん、食道がんなど、多くの種類のがんを引き起こすリスクを上昇させてしまいます。

喫煙以外では、長期的に高脂肪食を摂っていて肥満になり、血液の粘度が高まる(いわゆるドロドロ血液になる)と、血液のろ過を行なう腎臓に多大な負担がかかり、腎臓がんを引き起こす確率が上昇してしまいます。

そのほか、長く人工透析を行なっている人はすでに腎臓の機能が著しく低下しているか、まったくなくなっている状態であり、腎不全やこれ以外の腎臓の病気にかかっているということで、腎臓がんを起こしやすいといわれています。

また、利尿薬やフェナセチン含有鎮痛薬を長く使っていることも、老廃物や有害物質のろ過を行なう腎臓に大きな負担がかかり、腎臓がんを引き起こしやすくなるといわれています。

それから、約80%が遺伝で体のあちこちに腫瘍が発生するフォン・ヒッペル・リンドウ病(VHL病)が、腎臓がんに繋がってしまう場合があります。

腎臓がんの症状

腹部の疼痛(とうつう)、血尿、腹部のしこり、食欲不振、体重減少、全身倦怠感、発熱、貧血、高血圧、高カルシウム血症、精巣静脈瘤といったものが腎臓がんの主な症状です。

なお、初期の段階ではほとんど症状が出ません。
症状が出るのは腫瘍が直径5cm超になった段階からであり、この大きさに達する前の段階で症状が出ることは稀です。

腎臓がんの治療法

外科療法、免疫療法、分子標的療法が主な腎臓がんの治療法です。
外科療法は腎臓全体の切除を行なう根治的腎摘除術と腎臓を部分的に切除する腎部分切除術があります。

そのほか、腎臓の切除を行なわず、体の中でがんを殺す方法も行なわれるようになっており、ラジオ波やマイクロ波を使って腎臓がんを治療する焼灼療法、がんを凍結させて殺す凍結療法があります。

免疫療法は体内の免疫機能を高めるインターフェロンやインターロイキンなどを使用して腎臓がんを治療する方法、分子標的療法は分子標的薬を使用することにより、がん細胞が増殖する原因物質を攻撃し、腎臓がんを治療する方法です。

腎臓がんの予防法

自分で実践することが可能な腎臓がんの予防法としては、禁煙と食生活の見直しを挙げることが可能です。

タバコをやめることは腎臓がん以外のがんの予防にも効果的ですし、食生活を改善して肥満を解消することも、腎臓がん以外の生活習慣病などの予防に良いでしょう。

なお、非喫煙者の人は受動喫煙に注意し、喫煙者に近寄ることは避けたほうが良いでしょう。

腎臓がん手術の主な合併症・後遺症

出血、縫合不全、足の浮腫、周囲にある臓器の損傷、腸閉塞、脳梗塞、脳出血、肺梗塞、心筋梗塞といった問題が、腎臓がん手術を受けることによって起こり得ます。

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