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がんの進行状況による分類

公開日: : 最終更新日:2016/08/01 がん

上皮内がん

上皮内がんは上皮内新生物や上皮内腫瘍ともいいます。
このがんがいったいどういうものなのか、疑問に思っている人もいるのではないでしょうか?

上皮内がんは、上皮(粘膜層)内にがんがとどまっていて、基底膜以降の組織にまで浸潤していないがんのことです。
上皮というのは皮膚の浅いところと理解しておけばOKです。
浸潤が何なのか疑問に感じている人もいるでしょうが、これはがん細胞が発生したところで増殖するとともに、まわりの器官に直接広がっていくことをいいます。

上皮内がんが発生している上皮には、血管やリンパ管が通っていません。
血液やリンパ液にのって別の部位に転移してしまう心配が上皮内がんにはないのが特徴です。
そのまま進行しなかったり、消えてなくなってしまったりすることもあります。
また、上皮内がんは切除してしまえば再発を起こしてしまう恐れがほぼありません。
なお、上皮内がんはがんのステージ(病期)では0期に該当し、3年生存率はほぼ100%といわれています。

がんが基底膜を越えてほかの組織に浸潤している場合には、悪性新生物が発生している、ということになります。
上皮内がんとは異なり、血液やリンパ液にのってがん細胞が別のところに運ばれた結果、移動した先の臓器に転移している恐れがあります。
上皮内がんに比べて治療は難しくなり、費用も含めて負担が大きくなるほか、悪性新生物が進行したり、再発・転移を起こしたりすると、最悪の場合は命を落としてしまうことになりかねません。

上皮内がんとは何なのか、また悪性新生物との違いを簡単に説明しましたが、がんに関する情報を収集している人のなかには、保険の加入を検討している人もいるのではないでしょうか。
上皮内がんと悪性新生物では保険の保障内容が異なり、保険会社の保険商品によっては、上皮内がんが保障の範囲に含まれていないものもあります。
また、保障の範囲に入っていたとしても、保障が悪性新生物に比べて薄いことが多いため、上皮内がんの保障が必要な人は、各保険会社の商品の保障内容をしっかりと比較し、納得のいく商品を選択するようにしましょう。

限局

限局は「げんきょく」と読み、最初にがんが生じた部位から広がっていない、限られた狭い範囲だけに引き起こされているがんのことをいいます。
なお、最初にがんが発生した部位のことは原発部位といいますので、頭に入れておくと良いでしょう。
限局は浸潤や転移を招いていない、早期のがんのことを指している場合が多いです。
限局という言葉の使用方法ですが、がんが○○(喉頭など)に限局しているというような言いかたをします。
浸潤?転移?と疑問に感じた人のために解説しますが、浸潤はがん細胞が生じたところで増殖するとともに、まわりの器官に直接拡大していくことをいいます。
これに対し転移は、がん細胞が周囲に存在する血管やリンパ管の血液、リンパ液の流れにのって移動し、たどり着いた場所で拡大することをいいます。

がんには進行具合によって早期がん、進行がん、限局がん、浸潤がん、末期がんといった種類わけがされることがあります。
順番にどのような特徴があるのか解説していくことにします。

早期がんは発生してまだ期間が経っていないもののことをいいます。
がんはまだ小さく、まわりの組織にまで拡大してはいません。
そのため、完全にがんを除去することが可能であり、早期がんの段階で除去してしまえば、再発を起こす恐れはほぼありません。

進行がんには限局がんと浸潤がんの2種類が含まれています。
早期がんが周囲に拡大してきている状態になっているもののことを、進行がんと呼びます。

限局がんは進行がんに当てはまるものではあるものの、原発組織にとどまっている状態のがんのことを指します。
限局がんは別の組織に転移を起こしていないがんであり、完治する見込みが十分にあるのが特徴です。

浸潤がんはがんが原発部位から別の組織や臓器に転移を起こしていくものであり、一度よくなったあとに再発してしまう恐れがあります。
また、浸潤がんは進行がんのうち、悪性のがんのことを指します。

末期がんは浸潤がんが別の組織への転移を起こし、転移した場所で進行し治療が困難な状態になったもののことをいいます。
浸潤がんにもいえることですが、末期がんは治療が難しくなり、完治する可能性が低くなってしまいます。

所属リンパ節転移

所属リンパ節転移とは、いったいどのようなものなのでしょうか?
この問いに対する回答ですが、がんには進行度に応じて限局、領域、遠隔の3種類があります。
この3種類の特徴を知ることにより、所属リンパ節転移がどういうものなのか把握することが可能なため、所属リンパ節転移とは何かが気になっている人は以下の内容をご覧になってみてください。

限局、領域、遠隔に関してですが、限局は最初にがんが発生した部位の付近にとどまっている状態です。
領域は所属リンパ節転移が起こっていたり、隣接臓器への浸潤が起こっていたりする状態、遠隔は遠隔リンパ節や遠隔臓器への転移が起こっている状態です。
なお、生存率は進行度がもっとも低い、限局の状態が最高です。

また、この限局、領域、遠隔の3種類がさらに細かくわけられていることもあります。
この場合、上皮内がん、限局、所属リンパ節転移、隣接臓器浸潤、遠隔転移の5種類があります。
上皮内がんはがんが上皮(粘膜層)内にとどまっており、別の臓器に浸潤したり転移したりする心配がないもの、限局はがんが最初にがんが発生した臓器の狭い範囲にとどまっているもののことをいいます。
また、最初にがんが発生した所属リンパ節に転移が起こっているものの、隣接臓器への浸潤が起こっていないものを所属リンパ節転移といい、隣接臓器への浸潤は起こっているものの、遠隔転移を招いていないもののことを隣接臓器浸潤といいます。
最後の遠隔転移は、遠隔リンパ節や遠隔臓器などに浸潤や転移が起こっているもののことをいいます。
上記の中で一番深刻な状態になっているのは遠隔転移であり、手術を行なったとしても根本から完全に治る見込みがありません。

所属リンパ節転移の解説も上記の中にありましたが、中には所属リンパ節とは何か、疑問に感じている人もいるのではないでしょうか?
このことに関してですが、所属リンパ節はがんの近くに存在するリンパ節のことをいいます。
所属リンパ節はほかのリンパ節より転移を起こしやすいというやっかいな特徴があり、基本的に手術ではがんと一緒に除去されることになります。

隣接臓器浸潤

どのていど進行しているのかによって、がんには「限局」「領域」「遠隔」の3種類があります。
限局は最初にがんが発生した部位の付近にがんがとどまっている状態、領域は所属リンパ節への転移を招いていたり、隣接臓器への浸潤を招いていたりする状態、遠隔は遠隔リンパ節や遠隔臓器への転移を招いてしまっている状態です。
この3種類のなかで、生存率は限局で発見された場合がもっとも高くなります。
なお、地域がん登録で使用される臨床進行度では、この3種類を細かくわけて全5種類で表されています。
がんと診断された時点での病巣の広がりにより「上皮内がん」「限局」「所属リンパ節転移」「隣接臓器浸潤」「遠隔転移」の5種類があります。
各種類がどのような状態なのかを以下にわかりやすくまとめていますので、隣接臓器浸潤とは何なのか疑問に感じている人や、ほかの種類のことも知りたいという人はぜひ内容をチェックしてください。

上皮内がんは、上皮層=粘膜層にがんがとどまっている状態で、血管やリンパ管が通っていない層のため、転移を起こす恐れがありません。
限局は最初にがんが発生した臓器の狭い範囲でとどまっている状態です。
所属リンパ節転移は、最初にがんが発生した臓器の所属リンパ節に転移が起こっているものの、隣接臓器への浸潤が認められないもののことをいいます。
隣接臓器浸潤は、隣接する臓器に直接浸潤しているものの、遠隔転移は認められないもののことをいいます。
遠隔転移は遠隔臓器や遠隔リンパ節などに浸潤や転移が起こっている状態です。

なお、上記のなかに登場した言葉で、浸潤や転移がいったい何なのか、疑問に感じた人もいるのではないでしょうか。
この2種類の言葉に関してですが、浸潤はがん細胞が発生したところで増殖するとともに、まわりの器官へと直接拡大していくことをいいます。
一方の転移は、がん細胞がまわりにある血管やリンパ管に入り込み、血液やリンパ液の流れにのって別の場所に移動し、移動した先で広がることをいいます。

遠隔転移

がんが最初に発生したところとは別のところに腫瘍が形成されるものを転移といいます。
がんの転移には、大きくわけて「局所転移」と「遠隔転移」があります。

局所転移は、がんが最初に発生したがんと同じ臓器や、周辺に生じることをいいます。
局所転移が起こる理由としては、最初の手術で除去しきれなかったがん細胞が増殖することのほか、浸潤したがんが、がんが最初に発生した臓器の外に出てしまい、腫瘍が周辺に飛び散ってしまうことが挙げられます。
局所転移では、がん細胞が限られた一部の臓器にしか転移が起こっていない状態であり、がんのある臓器や器官、周辺のリンパ節などを除去することにより、寛かいや治癒の見込みがあるといわれています。
治療効果が得やすく、予後も比較的良いのが局所転移の特徴のひとつです。

一方の遠隔転移は、最初にがんが発生したところから、血管やリンパ管の血液やリンパ液にのって遠く離れた臓器や器官にがんが移動し、広がることをいいます。
肝臓、肺、骨、脳といった具合に、血液やリンパ液の流れが集中しやすいところにはがん細胞が集まりやすいため、遠隔転移が起こりやすいといわれています。
また、微細な血管が多く通っているところなども、がん細胞が到達して増殖しやすいといわれています。
遠隔転移が多臓器に起こっていると手術による根治は見込めず、多くの場合は抗がん剤を使った治療をしながら、がんとともに生きていく形になります。
ただし、転移したところにあるがんを完全に除去することが可能な場合、確認されているもののほかに転移を起こしていない、患者に十分な体力があるといった条件を満たしている場合には、外科治療が選択されることもあります。

なお、遠隔転移は地域がん登録で使用される臨床進行度の分類のひとつに含まれています。
臨床進行度は5種類あり、上皮内がん、限局、所属リンパ節転移、隣接臓器浸潤、遠隔転移があります。
上皮内がんは上皮層(粘膜層)にがんがとどまっている状態で、限局は最初にがんが発生した臓器の狭い範囲でとどまっている状態、所属リンパ節転移は最初にがんが発生した臓器の所属リンパ節に転移を起こしているものの、隣接臓器への浸潤は認められない状態、隣接臓器浸潤は隣接臓器への浸潤は起こっているものの、遠隔転移は起こしていない状態です。
遠隔転移は遠隔臓器や遠隔リンパ節などに転移を起こしていたり、浸潤が認められたりするもので、臨床進行度のなかでは最悪の状態です。

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