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直腸脱の原因・症状・治療などのまとめ

公開日: : 腸の病気

直腸脱(ちょくちょうだつ)とは、肛門から直腸が外へと逸脱してしまう病気のことをいいます。
直腸の粘膜が部分的にとび出す粘膜脱などとは違います。
直腸脱の場合、直腸がねじれて直腸壁の全層や筋層が肛門から脱出してしまい、長さも10cm以上になることも少なくありません。
こういったものを完全直腸脱(かんぜんちょくちょうだつ)と呼び、表面のみ肛門の外にとび出したものは不完全直腸脱(ふかんぜんちょくちょうだつ)と呼びます。
国内での患者では女性に比べると男性の割合が高い傾向があります。
男性の場合は30~50代の年齢の人の割合が高く、女性の場合は60~70代の年齢の人の割合が高くなっています。

原因

直腸脱の原因は全てが解明されているわけではありませんが、先天性のものと後天性のものにわけられます。
先天性の直腸脱の原因としては、直腸の固定が不十分なこと、骨盤底部の土台になる筋肉や筋膜といった組織が脆弱なこと、形態が正常でないことなどが挙げられます。
後天性の直腸脱の原因に関しては、骨盤底部の土台になる筋肉や筋膜の衰え、肛門の締まりが悪くなることなどが挙げられます。
後天性の直腸脱は出産経験豊富な女性、年齢が高い人、体の線が細く総合的に体力が乏しい人などに起こりやすいのが特徴です。
また、子供にもこの病気は起こりますが、便を排泄する際に長い時間力んだことが引き金になるといわれています。
大人でも排便時の長時間に渡る力みや度を超えた力みにより引き起こされることがありますし、腹圧が高まることによっても直腸脱が引き起こされるのです。

症状

軽症か重症かによって症状は異なります。
発症後まだ軽症のあいだは便を排泄する際に腸がとび出し、そのあとはなにもしなくても元通りの状態になります。
この場合の脱出する長さは3cm程度であることが多いです。
直腸脱が悪化した場合には、より長く脱出するようになり、10cm以上とび出すことも少なくありません。
これぐらいとび出すようになると、勝手に元通りになることはありません。
自分で戻そうとしても戻らず、病院へいかなくてはならない状態に陥ります。
また、直腸がとび出すことにより引き起こされる症状もあり、分泌物が多くなるほか、出血を起こしたり、便が漏れてしまうといった症状もあらわれます。

検査と診断

直腸脱かどうかを調べるためには、見てすぐわかる状態であれば簡単に診断できます。
病院にいった際、まだ軽症の段階で直腸がとび出していなければ、便を排泄する際の態勢で力んでとび出すかどうかを確かめます。
また、治療方法を決定するためにおこなわれる検査もあります。
骨盤MRI検査、肛門内圧検査、怒責診断、排便造影検査といった検査をおこない、筋肉などを調べます。
そのほか、直腸がんと直腸脱の区別をするための検査もおこなわれます。
この場合には大腸内視鏡検査が選択されることになるでしょう。

治療の方法

子供と大人では治療方法が異なり、小児はたいていの場合、外科的治療をしなくても回復します。
ただし、お通じが悪くならないようにしたり、便を排泄する際に腹圧が高まり過ぎないようにと気を遣わなくてはいけません。
大人の場合の治療方法では、外科的治療が選択されることになります。
手術としては肛門からおこなうケースと腹部からおこなうケースとがあります。
肛門からおこなう手術では、とび出した直腸をつまんで縫い縮める三輪ガント法や、肛門の出口を小さくするティールッシュ手術などが選択されます。
さらにこうした方法で直腸脱がよくならなければ、器具を挿入し直腸の切除をおこなうアルテマイヤー手術がおこなわれます。
開腹手術もほかの方法でよくならない場合に選択され、骨盤の中に直腸を固定しとび出さないようにする直腸つりあげ固定術などがあります。
また、腹腔鏡(ふくくうきょう)により直腸の固定をおこなう手術方法もあり、さらには肛門が緩い場合は肛門の筋肉形成術が選択されるケースもあります。
そのほか、直腸瘤(ちょくちょうりゅう)を引き起こしている女性に対しては、直腸瘤縫縮術(ほうしゅつじゅつ)をすることにより改善を目指します。

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