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硬膜下血腫の原因・症状・検査・治療について

公開日: : 最終更新日:2015/04/03 頭・脳・神経の病気

硬膜下血腫とは


硬膜下血腫には、急性と慢性があります。
急性硬膜下血腫は強い衝撃を受けての外傷が原因になっているため、脳の病気として損傷の度合いが強く、症状もかなり強いものになります。
頭部の外傷によって脳挫傷が起こると血管の損傷によって出血が起こり、硬膜下へと溜まっていきます。
溜まった血液が間もなくゼリー状に固まることで、脳を圧迫するのです。
主要な原因は交通事故や高い場所からの転落による外傷のほか、殴られたことなども理由となり得ます。
年齢層としては高齢者に多く、子どもであれば虐待を受けたことが原因になる場合も少なくありません。
急性では脳の受けている損傷が激しいということで、多くの場合には意識障害も引き起こされます。
脳の損傷がない状態で急性硬膜下血腫を発症した場合については、血腫が増えていくにつれて次第に意識障害が現れてきます。
対応としては手術が多いものの、それでも死亡率は65%であり、その後日常生活への復帰を果たした人の割合はわずかに18%です。
慢性硬膜下血腫については、軽い打撲を原因とする場合が多くなっています。
脳の表面で出血が起こっていて、血が溜まっていくことによって血腫は大きくなっていきます。
原因がわからないということも少なくなく、実際に軽い打撲があったとしても特に症状はない場合もありますし、あっても頭痛がする程度です。
そのために、そこで病院を受診するという人もそれほどいないのです。
ですが、3週間から数ヶ月程度をかけて次第に血腫は大きくなっていき、頭痛などの症状を引き起こします。
血腫がわずかなものであれば経過観察で済む可能性もありますが、多くは局所麻酔による手術で血腫を除去します。
手術後は、1週間から2週間のうちに退院することが可能です。

硬膜下血腫の原因


硬膜下血腫は硬膜の下、脳との間に血液が溜まっている状態のことをいい、脳の病気です。
硬膜は脳を包んでいて結合識性が強く丈夫な膜のひとつであり頭蓋骨のすぐ内側、頭蓋内で一面に張り付いて脳を覆っています。
血腫は血液の塊であり、硬膜下血腫には急性硬膜下血腫と慢性硬膜下血腫があります。
急性硬膜下血腫は強い衝撃によって頭部が外傷を受け、脳の表面にある血管が損傷したことによって短い時間のうちに起こるものです。
硬膜の内側、脳の表面に出血すると、その血液が硬膜の直下で脳と硬膜の間に溜まっていきます。
溜まった血液はわずかな時間でゼリー状にかたまってしまい、脳が圧迫されることになります。
硬膜下血腫の大部分は大脳の表面で発生していて、ごく一部は左右にある大脳半球の間、小脳の表面である後頭蓋窩にも発生しています。
その原因は転落や殴打、交通外傷などであり、発症に関して年齢層は関係ありません。
ただ、高齢者で特に多く見られています。
近年では、幼児が虐待による頭部の外傷で発症しているという場合もあります。
慢性硬膜下血腫は数週間から数ヶ月をかけて少しずつ大きくなっていくものであり、発症についても緩やかです。
その原因は軽い頭部の外傷などで脳の表面にわずかな出血があり、もしくは脳脊髄液が溜まることでつくられる膜から繰り返し出血するうちに、大きくなっていくのです。
きっかけとなる頭部の外傷については、はっきりしない場合もあります。

硬膜下血腫の症状


脳の病気である硬膜下血腫は急性硬膜下血腫、慢性硬膜下血腫に分類されます。
急性硬膜下血腫は強い外傷を受けて発症する場合が多く、脳の損傷も大きなものになっています。
そのため、一般的には傷を受けてすぐに意識障害が起こります。
血腫があることによって脳が圧迫され、また脳挫傷も起こっているために激しい頭痛や嘔吐なども起こります。
血腫による圧迫が脳ヘルニアの状態にまで進行してしまうと、最終的には死にまで至ることになります。
脳挫傷による局所の症状としては半身の麻痺や感覚障害、けいれん発作、言語障害なども現れる場合があります。
ただ急性硬膜下血腫であっても、場合によっては傷を受けて何時間かが経過してから意識がなくなる可能性もあるため、注意しなければなりません。
いずれにしても意識障害は少しずつ悪化していって、昏睡に至るレベルになります。
ごく稀には急性硬膜下血腫が自然消失するか縮小することもあり、血腫が縮小すれば意識障害が改善される可能性もあります。
慢性硬膜下血腫については頭部が外傷を受けた後で、若年層ですと嘔吐や頭痛などの頭蓋内庄亢進症状に加えて失語症、片麻痺などの局所神経症状も見られます。
高齢者については脳の萎縮も進んでいるため、頭蓋内圧尤進症状はあまり起こりません。
おもな症状として痴呆などといった精神的な症状、失禁なども起こります。
そもそも認知症から慢性硬膜下血腫が診断される場合もあり、急に症状が現れたような場合に疑われます。

硬膜下血腫の検査と診断


脳の病気について診断するにあたっては、頭部CT検査や頭部MRA検査が行われています。
硬膜下血腫の診断についても同様であり、頭部CT検査では頭部のX線撮影が行われ、コンピュータ処理によって頭蓋骨の内側が輪切りのような画像になります。
患者さんはベッドに寝ている状態であり、ベッドが自動でスライドしながら撮影されます。
CT機器の高度化にともない検査にかかる時間も短くなってきていて、患者さんにかかる負担もかなり軽減されてきています。
頭部CT検査では血腫のできている場所や大きさについて特定することができ、出血している部分も白い影として写るため、その範囲までがわかります。
硬膜下血腫であれば、頭蓋骨の内側で三日月状になっている血液が脳を押しつけるような状態になっています。
頭部MRA検査では「ガントリー」と呼ばれる機器が使用され、患者さんはベッドへ横になっている状態です。
そこで頭だけが装置の中へ入り、強い磁気に当てられます。
頭部MRA検査は、血流の閉塞などについて特定する材料となります。
急性の硬膜下血腫は頭部の外傷によって起こるものですが、実際の症状が現れるまでにインターバルもあります。
つまり傷を受けてすぐに検査を受けても、すぐに異常が見られない可能性があります。
実際に症状が現れてからであれば、頭部の撮影によって血腫が脳を圧迫していることがわかりやすく、硬膜下血腫の判断をすることは難しくありません。

硬膜下血腫の治療

硬膜下血腫は急性と慢性のそれぞれで、治療の方針にも違いがあります。
急性硬膜下血腫では急を要する状況が多く、かなりの場合で緊急手術が行われています。
ただ頭部CTなどといった検査によってそれほど脳の圧迫が見られず、意識障害も深刻でない程度ということであれば、とりあえずは経過観察になる場合もあります。
それでも、血腫が完全になくならなければ完治しません。
とにかく出血している部分を特定した上で止血しなければならず、脳の病気ですから開頭手術が行われます。
患者さんの状態が悪く、手術を終えるまで持ちこたえることも難しいという場合については、穿頭などによって対応します。
脳にむくみが見られるケースでは、手術を終えた後に低体温療法などが行われます。
発症の原因が外傷を受けたことによる場合ですと、手術が行われた後でさらに新しい血腫が生じる可能性もありますから、術後も引き続き頭部CTによる観察を続けなければなりません。
特に急性硬膜下血腫では、脳が損傷を受けていると容易に回復させることはできず、60%という死亡率になっています。
一方、慢性硬膜下血腫に関しては急性ほど困難な状態でないため、放っておくことで後遺症の懸念があるような場合に手術が行われます。
慢性硬膜下血腫で行われる手術の大部分は、尖頭の血腫洗浄除去術です。
局部麻酔がかけられた上で、頭蓋骨は5cmほど切開して血腫を除去します。
ここで血腫が残った場合には、全身麻酔をかけての開頭手術となります。

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