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くも膜下出血の症状、原因、治療、後遺症、予防について

公開日: : 最終更新日:2017/06/21 頭・脳・神経の病気, くも膜下出血, 脳卒中


こちらではくも膜下出血という病気について詳しくご説明いたします。
脳は、外側から硬膜,クモ膜,軟膜の3層の膜で覆われています。
くも膜下出血は、そのクモ膜の中に出血がある状態を言います。

くも膜下出血の症状

くも膜下出血を発症したときにはハンマーで殴られたように強い頭痛を感じた、意識を失ったといった話がよく聞かれます。
脳の病気としても早期の対処が必要とされるものですから、前兆や前触れについては把握しておきたいところです。

ハンマーで殴られたような痛み、意識を失うなどといった症状は、実際にくも膜下出血を起こした人のうち30%に起こるとされています。
これは裏を返すと残りの70%、つまり半数以上で前兆や前触れがなく発症しているということになります。
くも膜下出血が引き起こされる原因としては、大部分が脳にある動脈瘤の破裂です。

そのほかには未破裂動脈瘤がある場合で、それを原因として異常な症状や少量の出血が起こっていることでも、くも膜下出血が引き起こされる可能性はあります。
頭痛がする、物が二重に見える、片目の瞳孔が拡大しているなどの症状があれば、それが一時的なものであってもくも膜下出血である可能性はあるのです。
複数回の頭痛やしびれ、めまい、視野の欠落などといった症状が一時的に現れ、数分程度で消えているとしても危険な状態であると考えられます。

まったく前触れもなく突然の激しい頭痛や吐き気があったなどといったように、普段と異なる症状が現れたときには、すぐに医療機関を受診する必要があります。
くも膜下出血に明確な前兆がないことも多い以上、頭痛などがあってすぐに治まったから受診する必要がないということにはなりません。

くも膜下出血の初期診断

突然に起こる病気へ対しては、なかなか心の準備をすることもできないために大きなダメージを受けがちです。
くも膜下出血などは、自覚症状もなく急に発症することが多い疾患です。
脳は硬膜、軟膜、くも膜という3枚の膜によって覆われていて、そのうちくも膜の下で出血する場合がくも膜下出血です。

脳の病気については原因を突き止めることも難しいのですが、脳の動脈がこぶのように膨れて破裂することが、もっとも多い理由であるとして考えられています。
くも膜下出血の症状としては、これまでに経験したことがないような強い頭痛が起こることがもっともわかりやすいものとして挙げられます。

病院でくも膜下出血という疑いがあれば、すぐにCT検査が行われます。
そこで脳の周囲、頭蓋骨の内側に出血が確認されることによって、くも膜下出血であるとして診断されることになります。
くも膜下出血の初期診断としては、発症してから24時間以内に行われるCT検査であれば、90%以上の診断が可能となっています。

かつては高齢者に目立つ疾患であると認識されていましたが、最近では若年者での症例も多く見られるようになってきました。
長く頭痛が感じられたような場合には、すぐに病院へ行って検査を受けることが重要であり、遅れれば取り返しがつかないことにもなってしまいます。
対応としては、再発を防ぐためにも多くの場合で手術が行われています。

くも膜下出血の原因となるもの

脳動脈瘤

くも膜下出血を引き起こす原因のひとつとして、脳動脈瘤が挙げられます。
脳動脈瘤は脳の動脈が腫れていて、こぶのようになっている状態です。
脳の動脈で壁が弱くなっている部分について、次第にふくれていくことで脳動脈瘤は発生します。
そのため、年齢とともに少しずつ血管が弱っていく中年期以降になると発症も増えていきます。

ただ、脳動脈瘤ができているだけで特別な症状は起こりません。
脳動脈瘤がある血管部分で壁の弱い部分について破れて出血し、それが脳の表面にまで広がっていくと、くも膜下出血になります。
至急の処置をしなければ、生命が失われる危険もあっておそろしい状態です。
血管が破裂してから24時間以内にもう一度の出血があると、生命にかかわる危険もより深刻なものとなります。

診断については、頭部CT検査がもっとも多く行われています。
ただ出血が少ない場合、出血してから数日が経過している場合はCTで判断することができません。
腰椎穿刺によって、髄液に血液が混合していないかどうかを確認します。
そしてCT検査を受けて、動脈瘤の場所が特定されます。

血管撮影では造影剤を血管へ流しながらレントゲンを撮影し、血管の様子について確かめます。
ただ撮影にはリスクもあり、合併症が起こる危険もあります。
最近はMRAなどの検査が進歩し、血管撮影をしなくても動脈瘤の場所は調べることができるようになりました。

脳動静脈奇形や脳腫瘍

脳の病気である脳動静脈奇形は、まだ3週頃の胎児期に何らかの事情があって引き起こされている異常です。
血管は通常、太い動脈から細い動脈、さらに細い毛細血管から静脈へとつながっています。

脳動静脈奇形では脳内で異常な状態になっている動脈と静脈が、「ナイダス」と呼ばれる袋によって直接つながっています。
3週の時期に血管は動脈、毛細血管、静脈というように分かれるようになっていて、その再に何かしらの異常が起こっているのです。
動脈と静脈が直接つながっているため、脳動静脈奇形を起こしている場所では血液が異常に多く流れています。

また、正常な状態に比べて血管の壁が弱くなっているため、通常よりも破れやすく不安定な状態になっています。
結果的に破れてしまうと、くも膜下出血を引き起こすことが多いのです。

さらに脳の病気として多い脳卒中のほか、脳腫瘍もおそろしい病気です。
脳腫瘍は少しずつ大きくなっていくものであるため、はじめのうちはほとんど症状も見られません。
最初は痙攣などが起こってすぐに症状が治まる程度ですが、がんが進行していくにつれて、片麻痺、手足の感覚障害、視野障害、視力障害、言語障害なども現れるようになります。

それを引き起こすものが、腫瘍からの出血であるのです。
脳腫瘍からの出血であっても、診断としてはくも膜下出血とされます。
急な激しい頭痛、急な手足の不自由といった症状があるときには、脳腫瘍である可能性もあるのです。

くも膜下出血を止める為の手術「コイル塞栓術」とは?

脳卒中の中でも、くも膜下出血は死亡率の高い疾患です。
後遺症も残りやすいものであるため、発症がわかればただちに手術を受けることが優先されます。
くも膜下出血と止めるための術式として、「コイル塞栓術」という方法があります。

動脈硬化を起こしている塊に対してコイルを直接埋めることで、出血を止めるというものです。
腫瘍ができている患部まで、脳の血管に細いカテーテルを通した上でコイルを設置することが可能です。
手術としては患部だけにピンポイントで一部麻酔をすれば済むものであるため、患者さんにかかる負担も少なくなっています。
必要以上に脳へふれなければならない手術とは違って、脳の内側で発生している症状も止めることができるのです。

くも膜下出血の手術については頭蓋骨を開いた上で行われるものもあり、手術用のクリップで患部を挟むという方法もあります。
しかしながら、血管の動脈硬化から腫瘍が脳の奥底にできているという場合には、クリッピング手術を行うことができません。
また、患者さんにとっては健康面の問題もあります。

特に高齢である患者さん、健康上の問題がある患者さんにとっては、より負担の少ないコイル塞栓術に利点があります。
ただし時間の経過にともなって、動脈硬化が起こった塊に設置したコイルがずれる、飛び出すといったことによって、正常な血管が傷ついてしまう可能性もあります。
動脈の塊自体が成長し、破裂するという危険もあります。

くも膜下出血発症後の手術「クリッピング手術」とは?

くも膜下出血は、脳を包んでいるくも膜下において、出血が生じます。
発症すると死亡率がかなり高く、出血した血液は身体の反射神経を司っている髄膜の付近にまで広がってしまいます。

くも膜下出血の治療方法としては、クリッピング手術による外科手術が行われる場合もあります。
くも膜下出血を起こしている患部の付近では動脈硬化が起こっていますから、そこからの出血を食い止める目的で手術用のクリップをはさむのです。

手術が終わってからも特殊なクリップは脳の内部で残るということになりますが、金属が劣化して良くない影響を及ぼすような素材ではありません。
人体にとって心配されるものではないチタン製のものですから、脳の病気について調べる目的でMRI検査を受けるなどの機会があっても大丈夫です。

クリッピング手術は安全性も高いとされていますが、外科手術が行われるためには条件もあります。
手術を行うことのできる健康状態を満たしていなければならず、健康状態や年齢によっては認められないケースもあります
特に高齢者となった70歳以上の人や元から心臓に持病がある人、糖尿病や高血圧などの生活習慣病がある患者さんに対しては、行うことができないとされています。
なお、くも膜下出血を起こしている患部が脳の外側であれば理想的であるのですが、内部で奥の方に達する場所であれば、クリッピング手術を行うことが難しくなります。

くも膜下出血の合併症とその治療について

脳卒中は、高齢者に多い病気であるというイメージも強いのですが、くも膜下出血は若い世代にも増えてきていますから、油断することはできません。
発症すればすぐに意識を失い、昏睡状態へ陥るというケースも少なくない危険な病気です。
そのくも膜下出血で危険視されているものが、発症後に起こりやすいさまざまな合併症です。

脳血管れん縮

そのひとつが脳血管れん縮であり、脳の血管が収縮して異常に細くなっている状態のことをいいます。
くも膜下出血が起こって3日から3週間頃までの間に見られ、血管が細くなることで血液のめぐりも悪くなってしまいます。
その程度に応じて現れる症状にも違いがあり、軽度であれば目立った異変が見られることはありません。

その一方で度合いによって言語障害、手足の麻痺、意識状態の異常なども起こり得るものであり、重度であれば脳梗塞までも引き起こされ生命が危うくなります。
困ったことに脳血管れん縮が発生するメカニズムについてはいまだ解明されていないところがあり、治療法としても確実であるというものはありません。
一般的には血管を流れる血液成分に問題がないよう水分や栄養を補給するほか、血流が不足しないように血圧を高めにコントロールするといったことも行われます。
血管拡張剤によって、血管を直接的に広げるということが行われる場合もあります。

水頭症

水頭症も、合併症として現れやすいものです。
水頭症は髄液の循環や吸収に障害が起こることによって、脳室が異常に拡大しているという状態であり、子どもも大人を問わず起こり得るものです。
具体的な症状としては、脳圧が上昇することによって頭痛、吐き気、視力の低下や異常、失明といったことも考えられます。

くも膜下出血が発症している際には、出血があることによって髄液が吸収されないために、脳室が大きくなっていきます。
くも膜下出血の度合いによっては間を置かずに発症する場合もあり、その一方で1ヶ月から2ヶ月が経過した頃に見られるケースもあります。
急性のものであれば脳圧を下げるために、脳室へ管を挿入することで外部へ髄液を逃がすといった処置がなされます。

状態が長く続く場合ですと、水頭症に対する一般的な治療であるシャント手術が行われます。
髄液の流れを脳室から別の場所に迂回させることによって症状を緩和するものであり、脳室から腹腔までにチューブを通します。
なお、脳の病気であるとできるだけ早い時期からリハビリテーションを始めることも推奨されていますが、くも膜下出血に関しては水頭症などの発症する懸念もあるということで、患者さんのそれぞれについて慎重に状況を判断しなければなりません。

くも膜下出血の慢性期の治療について

くも膜下出血は、発症してから1ヶ月になると、一般的に慢性期と呼ばれている期間になります。
慢性期となったくも膜下出血の治療としては、再発を抑える治療が中心となります。
ポイントとしては、脳卒中を再発させないということがもっとも重要です。

治療では血管が破裂する、詰まるといった症状を起こさないことが目標となります。
血栓ができることによって血液の流れが遮られないよう、抗血小板治療薬を服用します。
それとともに、脳の病気が起こるそもそもの原因となり得る高血圧や脂質の状態について、改善しなければなりません。
生活習慣の改善ということも考えて、治療にあたる必要があります。

高血圧であるとされる数値は最低血圧が90mmから、最高血圧が140mmを超える数値です。
血圧の数値について、一定の正常値である最低血圧85mmから最高血圧130mmという間におさまるよう、コントロールをすることが大切です。
場合によっては血圧を安定させるために薬剤を投与することも視野に入れながら、慢性期の治療にあたります。

そして血液循環の環境を改善させるためには、脂質の値についても正常な範囲を保たなければなりません。
余分な脂質があると、動脈硬化が起こることにもつながりますから注意しなければならないのです。
数値を維持するためには塩分を控え、肥満に結びつく糖質や脂質を食事でコントロールする食事療法も行われます。

くも膜下出血の後遺症に注意しましょう

くも膜下出血を含め、脳卒中として分類される脳の病気は脳の血管が詰まる、破れるなどしていることで脳に障害が起こるものであるため、もっともおそろしいということもできます。
くも膜下出血では、脳を覆っている薄いくも膜の下に出血が広がっていくことによって、さまざまな後遺症が懸念されることになります。
運動障害として片麻痺は、くも膜下出血の後遺症としてもっとも多く現れるものです。
出血の影響が、身体を動かす機能にかかわっている神経へ及ぶことによって障害が現れるものであり、損傷を受けている脳の部分と逆側に障害が生じます。

つまり脳の右側が損傷を受けている場合ですと、身体の左側で運動障害が生じるということになります。
麻痺の程度は出血の度合いや広がりに応じて患者さんでも違いがあり、中には幸いにして生活上の支障がまったくないという人もいます。
また、嚥下の障害も往々にして起こります。
これは脳の損傷にともなってのどの筋肉に障害が生じているものであり、食べ物を飲み込むことができなくなってしまいます。

さらに言語障害も、くも膜下出血に関連して後遺症としてよく見られるものです。
脳の左側で出血があった場合に、ちょうど脳の左側にある言語中枢が影響されて障害につながることがあります。
この場合には失語症の症状も起こり話すこと、書くことに不自由が生じます。
ただ、しっかりリハビリテーションへ取り組むことによって改善される場合も多いため、訓練は欠かすことができません。

くも膜下出血の予防について

くも膜下出血を発症してしまうと、その後の人生にも多大な影響を及ぼす危険があります。
普段から可能な限りの努力をすることによって、発症は予防したいところです。
そのためには日常生活から、いくつかのことに気をつける必要があります。

まず重要であることは、高血圧の状態とならないようにしっかり血圧をコントロールすることです。
くも膜下出血を発症する要因として高血圧は無視することのできないものであり、血圧の高い状態が続いていると、脳を含めて血管には強い圧力がかかっています。
そのため、血管が損傷を受けるリスクも高まります。
血圧測定を日課とするほどに、血圧の数値は意識する必要があります。
測定の重要性は、さまざまな高機能の家庭用血圧計が登場していることからもわかります。

また、塩分の過剰な摂取も危険です。
適度な塩分は身体にとって必要なものであるのですが、過剰になると血圧が上昇する要因にもなります。
これを避けるためには食事を薄味にするよう心がけ、ナトリウムを排出するはたらきがあるカリウムは、多く含まれている野菜から意識して摂取するようにします。
そのほかたばこを吸う人は、吸わない人と比べてくも膜下出血を発症するリスクが2.2倍から3.6倍にもなっています。
喫煙する習慣そのものが発症のリスクを高めることにつながるため、禁煙するに越したことはありません。

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