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髄膜炎の原因・症状・検査・治療について

公開日: : 最終更新日:2015/08/13 頭・脳・神経の病気

髄膜炎とは

髄膜炎は、脳の病気として発症するものです。
細菌やウィルスが髄膜に侵入したことで、炎症を起こしている状態です。
髄膜という部位は、頭蓋骨と脳の間に位置しています。

「髄膜」という名前ではありますが1枚の膜になっているというわけではなく、脳に近い側から軟膜、クモ膜、硬膜という3つの層に分かれています。
そのうち軟膜とクモ膜との間にはクモ膜下控というスペースがあり、栄養に富んでいる脳脊髄液が溜まっています。
髄膜は、クッションのように脳を包んで守る役割を果たしているのです。

細菌やウィルスが髄膜へ侵入すると、脳脊髄液を栄養として見る間に増えていきます。
それを撃退するために、白血球も脳へ集まります。
細菌やウィルスと戦うために白血球はタンパク質を出していて、それによって髄膜に炎症が起こるのです。
髄膜炎は脳の病気ですから脳炎の症状である頭痛や意識障害、吐き気、発熱なども起こり得ます。

細菌やウィルスの増加、発熱などといった症状も併せ、髄膜脳炎として診断される場合もあります。
髄膜炎は乳幼児に多い病気ですが、成人にも発症することはあります。
炎症の部位によって重篤さは異なりますが、脳や脊髄から近い部分であると生命へかかわる危険もありますから、救急疾患として区分されています。

発症すると大部分では入院治療が行われ、症状の発見が早く症状も軽ければ投薬治療も可能です。
万が一発見が遅く、症状も重くなるとてんかんや認知障害など、さまざまな後遺症が残る可能性もあります。

髄膜炎の原因

髄膜炎は無菌性(ウィルス性)、化膿性(細菌性)というふたつに大別されます。
無菌性髄膜炎の大部分はウィルス性のものでありおたふくかぜウィルス、インフルエンザウィルスなどを原因としている場合が多くなっています。

診断にあたっては腰から髄液を抜いて培養すると確実であり、その結果として原因になっている細菌が見つかれば化膿性髄膜炎、見つからなければ無菌性髄膜炎ということになります。
しかしながら髄液の中にある原因ウィルスを調べるためには時間がかかり、治療を遅らせる危険もありますから一般的ではありません。

たとえばおたふくかぜは「流行性耳下腺炎」であり、症状として両側か片側で耳の下が腫れます。
化膿性耳下腺炎などの疾患と判別することが難しいところもあり、血液検査によって診断することができます。
熱や腫れの症状は1週間程度で治まるのですが、併せて吐き気や急な発熱などの症状もあれば、髄膜炎を含めた脳の病気も疑われます。

化膿性髄膜炎は無菌性髄膜炎よりも発症する割合が低いものであり、乳幼児のうちに発症するケースが多く見られます。
特に新生児、中でも未熟児としてお母さんから抗体が十分に得られていない状態で産まれた赤ちゃんですと、大腸菌や溶連菌が髄膜炎の原因になります。
乳幼児期の発症には、髄膜炎菌や肺炎球菌などがかかわっています。

通常ですとのどや鼻に存在していて特に身体へ害を及ぼすようなこともないのですが、幼稚園のような集団活動をする場所ですと咳やくしゃみなどによって菌が飛散します。
身体が弱っているときに体内へ菌が入ってしまい、血液を通じて髄膜へ至ると髄膜炎が発症するのです。

髄膜炎の症状

成人が髄膜炎を発症する場合、脳の病気ということもあって重度の頭痛が高い確率で症状として起こります。
発症率としては、90%へ近い数字になっています。
そのほか急に発する高熱、嘔吐が髄膜炎の三大症状とされています。

細菌性髄膜炎であれば、45%の患者さんに3つの症状がすべて見られています。
それ以外に脳の病気に共通する症状として明るい光をまぶしく感じる、大きな音が耐えがたい苦痛になるといったものもあります。
また首の筋が緊張するほか硬直して曲げにくくなる場合、首の後ろに痛みが生じる場合もあります。

一方乳幼児の髄膜炎ですと、三大症状はあまり見られません。
どこか機嫌が悪く泣き続けている、ミルクをあまり飲まない、具合を悪そうにしているだけということが少なくなく、その反対に異常なほど興奮することもあります。
赤ちゃんですと当然ながら症状を訴えることができませんから、診断の目安として手足の冷えや肌の色などが確認されます。
6ヶ月になる前ですと、頭頂部のやわらかい「泉門」に腫れが出て硬くなる場合もあります。

髄膜炎の症状が進行していくと脳炎を併発することにもなり嘔吐や意識障害、乳幼児ですと痙攣も起こりやすくなります。
症状として重度という状況であり、場合によっては生命の危険もあるほか後遺症の確率も高くなります。
成人ですと胃腸炎や風邪の症状に似ているところがあり、乳幼児ですと熱性けいれんなどの診断がなされることもあって、特に初期症状で判断することに難しさもあります。

髄膜炎の検査と診断

髄膜炎について診断する検査としては、髄液検査である「腰椎穿刺」が行われます。
局部麻酔をかけた上で、腰のあたりから骨の間に針を挿します。
針は硬膜とクモ膜の内側まで入れ、クモ膜下控に溜まっている髄液を採取します。

使われるものはかなり大きさのある注射器であり、一般的な採血のようなかたちでなく、ベッドへ横になって時間をかけて採取していきます。
そのため、所要時間は1時間ほどになります。
人によっては、局部麻酔をかけていても痛みが感じられます。

それとともに針が挿さっている中では液圧の測定も行われ、液圧が高ければ脳の炎症などが疑われます。
髄膜炎も脳の病気ですから、液圧はかなり高くなります。
また、通常ですと無色透明をしている髄液が髄膜炎であると白く濁っている場合、黄色い膿のような色をしている場合があり、肉眼によって判断がつくほどです。

髄液を採取した後は、数日から数週間をかけて培養しながらさらにくわしく調べます。
そこでブドウ糖や白血球が多ければ化膿性(細菌性)髄膜炎、リンパ球が増えてブドウ糖は低いということですと無菌性(ウィルス性)髄膜炎であると診断されます。
タンパク質の濃度が高ければ、脳炎などの病気や脊髄の病気も考えられます。

なお、おたふくかぜを原因として髄膜炎が発症している場合には無菌性(ウィルス性)髄膜炎であるケースが多く、あまり症状が重くなく良い身体状態であれば髄液検査が行われない場合もあります。

髄膜炎の治療

髄膜炎の治療については、大部分が病院へ入院しての対処療法となっています。
無菌性(ウィルス性)髄膜炎ですと細菌を原因としていないために抗生物質の効果がなく、現れている症状に合わせるかたちで薬の内服や点滴を受けていきます。

対処療法ということで直接無菌性髄膜炎を改善するということではなく、安静の状態が保たれている中で髄膜炎につながっている病気を治療することになります。
そうすると1週間から2週間程度が経過するうちに、髄膜炎も自然に良くなっていきます。
脳の病気が別に併発されなければ、後遺症も心配する必要もありません。

一方、化膿性(細菌性)髄膜炎ですと原因になっている細菌が特定されるまでに一定の時間がかかります。
ですがそれまでに症状は悪化する危険もあり、脳炎などを併発すると生命が危ぶまれかねません。
特に乳幼児であれば発見や治療の開始が遅れると、後遺症の危険が高まります。
そのため当面は、効果があると見込まれる薬を使っての治療になります。

検査の結果として病原菌が特定されてからは、それに対して効果を発揮する抗生物質などで治療します。
劇症型ですと発熱してわずか1日で死亡に至る事例もあり、いずれにしても治療は少しでも早いタイミングでスタートしなければなりません。
乳幼児については生後2ヶ月を迎えると小児用肺炎球菌ワクチンとビブワクチンの接種が可能であり、化膿性髄膜炎を予防することが可能です。
生活上で髄膜炎を予防するには風邪やインフルエンザなどへの対策と同じように、手洗いやうがいは欠かさないようにします。

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