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脳腫瘍の概要・症状・治療などのまとめ

公開日: : 頭・脳・神経の病気

脳腫瘍とは

脳腫瘍とは、脳自体や周囲の組織に発生する腫瘍の総称です。
患者さんの数は10万人につき10人程度という割合であり、乳幼児から高齢者に至るまで広い年齢層で発症しています。
同じ脳の病気ではありますが脳をつくっている細胞を原因とする原発性脳腫瘍、そのほかの部分で生じた腫瘍が転移してきている転移性脳腫瘍に大きく分けられます。
原発性脳腫瘍には神経膠腫、神経鞘腫、聴神経腫瘍、髄膜腫、髄芽種、下垂体腺腫などの種類があり、そのうちもっとも多いものは神経膠腫です。
神経膠腫は増殖する速度がきわめて速く、発症すると数ヶ月が経過する中で危篤状態にまで至るほどのおそろしいものです。
ただ早い段階で見つかって治療し、切除することができれば予後も良く、日常生活へ戻ることも可能です。
脳腫瘍の原因についてはくわしいところまで解明されていず、遺伝子の突然変異が関係しているとされる段階にとどまっています。
生活上の要因としてはタバコや極度のストレス、脂肪が多く含まれている食品を食べすぎることなどが状態の悪化につながっています。
症状でいうと頭痛や吐き気が慢性的に続き、症状が進むにつれて感じられる割合も高まっていきます。
また、腫瘍の肥大化につれて視神経までを圧迫して異常となり、目が見えにくくなるという可能性もあります。
端的に腫瘍がなくなれば、脳腫瘍は完治します。
そのためにもっとも効果の高い治療は手術で摘出することであり、そのほかに薬物化学療法や放射線療法も行われています。

髄膜腫の概要・症状・治療など

髄膜腫は簡単にいうと脳の病気であり、脳腫瘍として分類されているもののうち良性腫瘍が該当します。
脳はそのままむき出しの状態で頭蓋骨の内部にあるわけではなく、その表面は薄い組織細胞であるクモ膜によって守られています。
脳膜種は、クモ膜に腫瘍が発生しているものです。
脳そのものではありませんが、脳の表面を覆っている部分であるため、脳膜種が発生すると次第に脳が圧迫されていき、さまざまな症状も現れるようになります。
ただ、脳腫瘍であっても悪性ではなく良性の腫瘍であるため、大きくなるまで症状が現れません。
わかりやすい症状が見られるようになる頃には、すでにかなりの大きさになっているのです。
おもな症状としてはてんかんの発作や身体の一部で見られる麻痺、感覚障害、情緒が不安定になるなどといった性格の変化なども挙げられます。
脳の病気であるために、腫瘍の生じる部位によって現れる症状も異なります。
視神経が圧迫される位置ですと視野が狭まる、目が見えにくくなるなどの症状が現れ、顔の方であれば痛みやめまいなどの症状も起こります。
治療の方向性を決めるにはまず、MRI検査によって脳膜種の位置と大きさについて診断します。
栄養を与えている血管を特定するために、脳血管撮影による診断が行われます。
治療としては基本的に、手術で腫瘍を除去します。
脳血管撮影で血管から豊富に栄養が与えられていると判断された場合には、あらかじめ血管を詰めておくことで手術中の出血を抑制する治療も必要とされます。
脳膜種の位置や大きさによって頭蓋骨を削る、ほかの血管を移植するといったように、かなり大規模な手術にもなります。

下垂体腫瘍の概要・症状・治療など

下垂体腫瘍は脳の病気であり、脳の下垂体という部分にできる脳腫瘍です。
頭蓋骨の中心部で、底につくあたりの部分に「トルコ鞍」という部位があります。
その中には、下垂体があります。
正面から見れば目の奥、鼻の奥の部分に位置していて、視神経や動脈も通っている重要な部位です。
下垂体腫瘍は大部分が良性腫瘍ですから、がんのように転移することはありません。
性質としては異常にホルモンの分泌をうながすもの、その逆にまったくホルモンを分泌させなくなるものがあります。
下垂体腫瘍によって見られる症状にはホルモンが過剰に分泌されるホルモン異常症候群、脳腫瘍が肥大化していくにつれて脳が圧迫される圧迫症状があります。
圧迫症状については腫瘍が良性であっても悪性であっても、脳の病気に共通して起こる症状です。
腫瘍が上へ向かって大きくなっていくと、視神経が圧迫されて視力や視野に障害が起こります。
同様に頭痛などといった典型的な症状も、初期のうちから見られます。
また女性ですと月経不順、無月経も見られる場合があります。
治療方法としては外科療法や放射線療法、抗がん剤などを使用する化学療法、ホルモン補充療法などがあります。
下垂体にはホルモンを分泌するはたらきがあるために、下垂体腫瘍が起こるとホルモンも欠乏しやすくなりますから、内服薬や外服薬によって補充します。
外科療法には経鼻的手術と開頭手術があり、どちらも顔の側から下垂体へ向かって切開して腫瘍の部分を切除します。

聴神経腫瘍の概要・症状・治療など

聴神経は脳から出ている主要な神経のひとつであり、聴神経腫瘍は聴神経の鞘から発生する脳腫瘍です。
脳の病気であり、腫瘍自体は良性腫瘍であるためがんとは異なるものです。
聴神経腫瘍のうち片側の神経だけに生じるものは1型、両側の神経に生じるものは2型として分類されていて、2型については遺伝性のものであるとわかっています。
見られる症状としては片側だけの難聴や耳鳴り、めまいなどが一般的であり、そのほかにも顔面神経麻痺や顔面痙攣などが起こります。
難聴の症状は突然に発症する突発性難聴とよく似ているため、医師が聴神経腫瘍にともなう症状であることについて診断することができるかどうかも重要です。
難聴は突然に起こり、また治ることもあって状況が日々変わります。
診断にあたっては聴力検査、聴性脳幹反応、平衡機能検査が行われます。
その上で聴神経腫瘍が疑われる場合には、さらに脳神経検査が行われて脳腫瘍でも別の種類ないかどうかを確認します。
聴神経腫瘍は良性腫瘍ですから、ゆっくり大きくなっていきます。
治療法はその大きさや部位、残っている聴力に合わせて選ぶことになります。
年齢にともなって聴力が低下している人、腫瘍が小さく特段の治療を行う必要がない場合には、特別なことをせず定期検査によって観察を続けることもあります。
ただし、いかに良性腫瘍といっても大きくなると周辺を圧迫するようになりますから、手術療法や放射線療法によって治療します。
放射線療法については腫瘍を完全になくすものでなく、腫瘍が大きくならないようにすることが目的です。

悪性神経膠腫(グリオーマ)の概要・症状・治療など

悪性神経膠腫(グリオーマ)は、原発性脳腫瘍のうちおよそ30%を占めています。
脳の病気であり、脳に発症する悪性腫瘍です。
細胞の形状によって星細胞腫、乏突起膠腫、上衣腫、脈絡乳頭腫、髄芽腫といった種類に分けられていて、このうち星細胞腫がもっとも症例として多くなっています。
悪性も高い種類であり、大人よりも子どもに発生しやすい傾向があります。
初期段階であるうちは手術によって治療することができるものの、グレードが上がっていくと難しくなります。
脳の病気であるため、症状としては頭痛や吐き気、嘔吐がおもに見られます。
腫瘍によって脳が圧迫されていき、頭蓋内圧亢進症状という症状を起こすために現れるものです。
悪性であれば進行も速く広範囲に及ぶため、頭痛は激しくなっていきます。
脳は丈夫な頭蓋骨によって覆われているため、グリオーマが大きくなっていくと場所をとられて圧迫され、症状につながるのです。
また、悪性神経膠腫は脳腫瘍ですから発生した部位による局所症状もあり、症状は異なります。
運動野であれば運動麻痺、感覚野であれば感覚麻痺が起こるなどします。
診断はCTやMRIなどによって行われ、腫瘍ができている部位や種類、大きさなどを特定します。
治療は必要に応じて手術や放射線療法、化学療法を組み合わせ、できるだけ生存期間を延ばす方針のもとで行われます。
再発すると抗がん剤などによる治療が行われても、その効果が再発前に比べて低くなります。

悪性リンパ腫の概要・症状・治療など

悪性リンパ腫は、全身のリンパ節やリンパ組織に発生する悪性腫瘍です。
悪性腫瘍全体のうち、およそ1%を占めています。
脳に発生することもあり、その場合は脳の病気として脳リンパ腫とも呼ばれます。
免疫が低下しているときに、発生しやすくもなっています。
ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫というふたつの種類に分けられるのですが、症状や経過はどちらも類似しているものであるため、治療するまでは特定することにそれほど大きな意味はありません。
発症する原因については、いまだ解明されていない状況です。
ホジキンリンパ腫は20代と壮年期、非ホジキンリンパ腫は50代からの発症が多くなっていて、総じて日本人などアジアの人では発生率が低く、発症率は欧米の人たちががより高くなっています。
症状はリンパ節の腫脹から起こりますが、この段階では自覚症状がほとんど見られないため、初期のうちから特別な違和感を覚えることはありません。
大きく腫れたことによって気づくという人が、少なくありません。
全身のどこに発生するかは予測することができず、それが脳へと転移して脳腫瘍になり、脳の病気に独特の症状が現れる場合もあります。
日本人に関しては胃から発生する場合が多く、初期症状としては腹痛、腹部の張りなどが見られます。
さらに周囲の臓器が圧迫されて発熱や発汗、体重の減少なども見られるようになります。
リンパ節は全身にありますから、悪性腫瘍はリンパの流れに乗って全身へと転移していきます。
治療にあたっては化学療法から行われ、病変の部位に対して放射線療法が行われ根絶を目指します。

胚細胞腫瘍の概要・症状・治療など

脳腫瘍は、脳の病気として注意しなければならないものです。
ただ、本来であれば脳ではない場所にできる腫瘍であっても脳に発生することがあり、頭蓋内の胚細胞腫瘍がこれに該当します。
胚細胞腫瘍は精子や卵子になる細胞が腫瘍になっているものであり、通常ですと発生する場所は男性であれば精巣、女性であれば卵巣です。
ですが、脳内にも胚細胞腫瘍は発生するのです。
脳に胚細胞腫瘍が発生する年齢層は小学校高学年から成人したばかりという世代であり、中学生や高校生で特に多くなっています。
脳の中で腫瘍が大きくなっていくにつれて、腫瘍に圧迫されることで嘔吐や目のかすみ、意識障害、頭痛などの症状が起こります。
腫瘍が小さなものであれば、脳のどこにできているかによって現れる症状も異なります。
男性ですと脳の松果体に多いのですが、この場合は難聴や水頭症、目が上向きにならないなどの症状が現れます。
神経下垂体部であると食欲の低下や多尿、無月経などの症状が考えられます。
腫瘍の治療にあたっては、その状態が悪性であるのか良性であるのかによって方法が異なります。
良性であれば外科的に切除するだけで良いのですが、悪性であれば手術に加え、シスプラチンなどの抗がん剤を組み合わせた治療が行われます。
頭の中にできている胚細胞腫瘍については、放射線で治療します。
良性であれば、5年生存率が97%という高い数字になっています。
ただ、3%は再発する可能性があり、この場合は悪性腫瘍として再発しています。
一方悪性であると、5年生存率は85%となっています。
ただし遠隔転移があれば、生存率は60%にまで低下します。

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