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偽痛風を詳細に:型,原因,症状,検査,治療,予防など

公開日: : 最終更新日:2017/05/10 足の病気

偽痛風とは(概要)

偽痛風(ぎつうふう)には痛風という言葉が含まれているため、同じような病気のように思える人も少なくないかもしれませんが、痛風と偽痛風はまったく別の病気です。
痛みが発作的に起こるという点では共通しており、間違われやすい病気ではあるものの、原因となる物質や病気などまで同じなわけではありません。
痛みの症状自体も、起こりやすい場所には違いがあります。

また、病院で行なわれている検査も痛風と同様のことが行なわれる場合がありますが、治療方法まで一緒になるようなことはほとんどありません。
痛風の場合、年齢に関係なく起こるという特徴がありますが、偽痛風の場合は60~80歳の発症者が多いとされています。
このほか、男女別では痛風の場合、圧倒的に男性に多く起こっているとされていますが、偽痛風の場合は女性のほうが若干多い、男性のほうが若干多いという具合に意見がわかれていますが、痛風とは違い偽通風には男女差がないということがご理解いただけるのではないでしょうか。

偽痛風の型

痛風は人によって症状の出かたが異なる場合はありますが、○○型という病型は存在しません。
一方の偽痛風は痛風とは違って、複数の病型が存在します。
A型:偽痛風発作型、B型:偽性(ぎせい)関節リウマチ、C型:偽性変形性関節炎型、D型:偽性変形性関節炎型、E型:無症状型、F型:偽性神経障害性関節症型の全6種類があり、個々に異なる特徴があります。

A型:偽痛風発作型

急性の関節炎、亜急性の関節炎が繰り返し引き起こされます。
70%以上は膝関節に生じるとされており、膝関節以外には手、肘、足の関節に生じることも時折あります。

B型:偽性関節リウマチ

慢性で症状が進行することが多く、多関節に炎症がおよぶことが多いです。
朝に関節のこわばりが起こることがよくあり、赤沈値が上昇したり、CRP陽性を示したりすることがあるため、関節リウマチと間違われることがあります。
なお、赤沈値というのは、試験管内を赤血球が沈むスピードを調べる検査で出る数値であり、CRPはC-reactive protein=C-反応性たんぱくを略した言葉であり、体内の炎症性の病気によって血中で多くなるのが特徴です。

C型:偽性変形性関節炎型

徐々に悪化していく慢性関節炎のことですが、急性発作もともないます。
A型と同じように大抵、膝関節に症状が起こるのがこの病型の特徴です。

D型:偽性変形性関節炎型

C型とは異なり、急性発作が引き起こされないのがこの病型の特徴です。

E型:無症状型

偽痛風の50%の割合を占めており、関節炎は生じず自覚症状がありません。
X線上では関節炎の石灰化があることがわかる程度の病型です。

F型:偽性神経障害性関節症型

著しい機能障害を起こしている病型で、高度の関節障害が引き起こされる場合があります。

偽痛風の原因

痛風は主に尿酸結晶によって関節に炎症が生じますが、偽痛風の場合はピロリン酸カルシウムが沈着することが原因となって関節炎を引き起こしてしまいます。
なお、偽痛風の原因物質であるピロリン酸カルシウムはCPPDともいって、CPPD沈着症や軟骨石灰化症という病名で偽痛風は呼ばれることも少なくありません。

また、痛風で尿酸結晶が生じてしまうのは、プリン体が多く含まれている飲食物をよく摂ることをはじめ、生活習慣の乱れなどが原因となって血中尿酸値が上昇し、異常値になっているのが原因です。
これに対し、偽痛風の場合にピロリン酸カルシウムが結晶化して沈着してしまうのは、生活習慣が原因になるわけではありません。
偽痛風を起こしている人に高血圧、糖尿病などの生活習慣病を併発している人が多く、食生活などと関わりがあるのではないかという見方もされていますが、このあたりのことは完全に解明されたわけではありません。
主に遺伝の影響や加齢、副甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症、変形性関節症、関節リウマチなどによって、ピロリン酸カルシウムが結晶化して沈着してしまうといわれています。

また、心筋梗塞や脳梗塞が誘因となって、偽痛風を発症するケースがあるともいわれています。
なお、ピロリン酸カルシウムが結晶化して沈着したとしても、すべての人が偽痛風を発症してしまうわけではありません。
実際のところピロリン酸カルシウムが結晶化して沈着している人の約75%は、偽痛風を発症することなく生涯を過ごすといわれています。
ピロリン酸カルシウムが結晶化していて沈着している人が偽痛風を発症するのは残りの25%の人だけということになり、発症する人の割合のほうが低いのが偽痛風の特徴の一つです。

偽痛風の症状

痛風という病気の名称の由来は、風に吹かれただけで痛むというものです。
耐えがたい激しい痛みが発作のように起こる痛風発作が主な症状ですが、偽痛風の場合はどうなのでしょうか?このようなことが気になっている人は少なくないでしょうが、偽痛風でも発作は起こります。
痛風と同じように突然痛みの症状が引き起こされはするのですが、痛みの程度は痛風に比べると軽いのが特徴です。
偽痛風の発作は数日またはもっと長く続くのが特徴で、痛風と同じように自然に解消されます。

また、偽痛風の場合、関節の炎症は1ヶ所または複数ヶ所に発生します。
どこに発作が起こるのかに関してですが、痛風の場合、最初に足の親指のつけ根に激しい痛みが起こるという人が多いです。
一方の偽痛風の場合ですが、一番多いのは膝関節で、膝関節と別のところでは手首の関節や足首の関節、股関節、肘関節など、比較的大きい関節に発作が起こりやすくなっています。

関節の強烈な痛み以外には、関節腫脹、局所発熱の症状があり、関節の動きが悪くなるほか、腕の関節や足の関節に慢性的な痛みやこわばりが起こることもあるのですが、このせいで偽痛風は関節リウマチと間違われやすいといわれています。
そのほか、偽痛風を起こす人のなかには、膝の変形や慢性的な運動痛、動作開始時の痛みが引き起こされる変形性関節症に移行する人が多いです。
また、変形は膝ではなく足の関節や指の関節に起こるケースもあります。

偽痛風の検査・診断

偽痛風かどうか調べるための検査としては、複数の方法が必要に応じて行なわれています。
採血、画像診断、関節液検査を主な方法としてあげることが可能です。

まず採血ですが、偽痛風を起こしている人の場合には、白血球とCRP(C反応性たんぱく)が高まり、尿酸に異常はなく、RAテストは陰性を示します。
尿酸に異常がなければ痛風を起こしていないという判断材料になりますし、RAテストが陰性を示すことにより関節リウマチを起こしている疑いは薄いと判断する材料になります。

次に画像診断ですが、X線検査、CT検査、MRI検査などが行なわれています。
こうした検査を実施することにより、軟骨石灰化を確認することが可能です。
そして関節液検査ですが、関節腔のなかに針を刺し、関節液の吸引を行いピロリン酸カルシウムを確認することにより、偽痛風の確定診断となります。

偽痛風の治療

偽痛風を完全に治すことが可能な治療法は存在するのでしょうか?このようなことが気になる人は少なくないでしょうが、現状において完治するような治療方法は確立されておらず、偽痛風の治療のほとんどは症状を抑えることを目的とした対症療法です。
関節内の炎症を抑えるためにステロイドを関節内に注射したり、穿刺排液(せんしはいえき)といって、注射針を関節内に刺し込んで、なかの液を取り除く治療が行われています。

また、安静にすることにより関節を使わないようにし、炎症を鎮めるのも偽痛風の治療方法に含まれていますし、患部を冷湿布などによって冷やすことにより、熱や痛みを軽減する方法も行なわれています。
ボルタレン、ロキソニンといった非ステロイド消炎鎮痛薬(NSAID)を服用する、薬物療法も偽痛風の治療に役立てられています。
そのほかには、関節機能再建を目的として、人工関節置換術が選択されるケースもありますし、運動療法としてリハビリテーションが選択されることもあります。

偽痛風の予防

遺伝の影響によって偽痛風を引き起こす場合には、未然に防ぐことはまず不可能です。
しかしながら、肝機能を高めることにより、ピロリン酸の分解が促されて偽痛風の原因物質であるピロリン酸カルシウムの産生を阻害することが可能という話があります。

日常生活では肝機能を落とす高たんぱく・高脂肪の食事を避け、スナック菓子、アルコール飲料、揚げ物をなるべく控えていくことが大切です。
規則正しくバランスのとれた食生活を送ることは、偽痛風だけでなくほかの病気を予防する上でも非常に重要です。

また、偽痛風の発作は一度起きるだけではありません。
繰り返し起こるのがこの病気の特徴ですので、痛みがなくなったイコール治ったと自己判断するのではなく、医療機関へ行くことが大切です。
症状などの特徴から偽痛風と自分のなかで片付けてなにもしない人もいるかもしれませんが、痛風や関節リウマチのように、間違われやすい病気は少なくありません。
自分が本当に偽痛風なのかはっきりとさせるため、また適切な治療を受けて痛みなどの症状を抑えるためにも、医療機関を受診することをおすすめします。

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