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核黄疸を詳細に:原因,症状,検査,治療など

公開日: : 最終更新日:2017/05/10 子供の病気

核黄疸とは(概要)

約80%のの新生児には、誕生した当初、皮膚が黄色くなる新生児黄疸(しんせいじおうだん)が引き起こされます。
新生児黄疸は出生にともなう生理現象であることから、放置していても自然に解消されます。

生後2~5日のあいだに新生児黄疸は引き起こされて、長くかかっても3週間以内には自然によくなります。
しかしながら、なかには核(かく)黄疸という、最悪の場合には命に関わる深刻な病気が引き起こされてしまう場合があります。

核黄疸は、血液中のビリルビン値が異常に高まることによって、脳内の大脳基底核にビリルビンが沈着することによって起こり、脳内のビリルビンが増加して神経細胞を破壊し、脳性まひを引き起こします。
なお、日本国内では光線療法や交換輸血などの予防が行なわれており、発症することは非常に少なくなっています。

核黄疸の原因

新生児黄疸は生理的黄疸という別名があり、生理現象であり過度に心配する必要はありません。
約80%の新生児が生後2~5日のあいだに新生児黄疸を起こし、遅くとも3週間以内には自然に解消されます。

なお、黄疸というのは血液中のビリルビンが増加したことにより、皮膚などが黄色くなる症状のことであり、ビリルビンというのは赤血球が壊れるときに発生する黄色い色素であり、通常は肝臓に運ばれて処理されています。
新生児の場合、大人と比較して赤血球の寿命が短く、出生後には大量の破壊が起こるほか、肝臓が未発達であることなどが理由となり、ビリルビンが大量に発生して処理が追いつかなくなってしまい、増加してしまうのです。
ビリルビンが増加すると、血清ビリルビン濃度が高まります。

血清ビリルビン濃度が異常に上昇した状態のことは高ビリルビン血症といい、この状態が原因となって核黄疸は起こります。
具体的な数値ですが、4~5mg/dL(68~86μmol/L)より大きな数値になると黄疸の症状が出はじめて、18mg/dLより大きな数値になると高ビリルビン血症の状態といわれます。
核黄疸は脳内の大脳基底核にビリルビンが沈着、増加して神経細胞が破壊されてしまい、脳性まひを起こす病気です。

血液中のビリルビンは通常、血液脳関門によって脳に流れ込むことが阻止されていますが、新生児は血液脳関門の発達が不十分であり、高ビリルビン血症を引き起こしてしまうと、核黄疸を招いてしまうリスクが上昇してしまうというわけです。
ビリルビン値の上昇による黄疸は、前述したような生理的な原因だけでなく、病的な原因で起こる場合もあります。
血液型不適合妊娠(ABO式・Rh式)、新生児敗血症、胆道閉鎖症、新生児肝炎などによってビリルビン濃度が上昇し、高ビリルビン血症の状態となって黄疸の症状が引き起こされることがあります。
病的な原因で起こる黄疸では、重症の核黄疸のせいで神経障害の後遺症が残ってしまう危険性がありますし、胆道閉鎖症は適切な処置をしないと肝硬変を引き起こして命を落としてしまうことになりかねません。

核黄疸の症状

黄疸

血液中のビリルビン濃度が高まることによって、黄疸が発生します。
黄疸というのは皮膚などが黄色くなる症状のことであり、数値が上昇するとともに頭から足のほうへと拡大していくことになります。
そしてこの状態が長く続いていると核黄疸が起こってしまう場合があります。
手のひらや足の裏に黄疸が出現している場合には高ビリルビン血症に要注意です。

発病2~3日の症状

第1期の症状ともいいますが、この時期には筋肉がダラッとしている、母乳を飲む力が弱くなる、うとうとしてばかりいるという状態になります。
これは核黄疸が原因となって意識障害に陥っているために招いてしまう症状ですが、この段階で適切な治療が行なわれることにより、よくなる見込みがあります。

発病約3~7日の症状

第2期の症状ともいいますが、第1期ではダラッとしていた筋肉の緊張が増します。
また、背中を後方に反らせるような姿勢になる、発熱、甲高い泣き声、けいれんといった症状が起こるのもこの時期の特徴です。

発病1週間以降の症状

第3期の症状ともいいますが、筋肉の緊張がまたなくなってしまい、ダラッとした状態になります。
この時期には命を落としてしまったり、命を落とさなかったとしても後遺症が残る可能性が高くなります。

生後1年~1年半の症状

慢性期の症状ともいいますが、第3期で命を落とさなかった場合に、脳性まひ、知的障害、難聴といった症状が起こることがあります。
核黄疸は脳血液関門の発達が不十分な新生児特有の病気であり、脳性まひの三大原因の一つに含まれています。
なお、核黄疸以外は仮死、未熟児が脳性まひの三大原因のなかに含まれています。
以上が核黄疸の典型的な症状といえるものですが、認められないことが多く診断が困難になるケースがあります。
未熟児(低出生体重時)の場合がこれにあたります。

核黄疸の検査・診断

視診

黄疸の症状が出ているのかどうかを目で見て診察を行ないます。
白目や手足の皮膚に黄疸の症状である黄色くなるという異常が認められる場合には、核黄疸が疑われることになります。

血液検査

核黄疸は血液中のビリルビン値が異常に上昇した状態になるのが特徴です。
したがって、血液検査を行なうことによってビリルビン値を測定する方法も選択されています。

聴力検査・画像検査

病院で行なわれている検査には、ほかにも聴性脳幹反応や脳のNRIがあります。
核黄疸の原因となるビリルビンが神経系にどう影響をおよぼしているのかを探ることを目的に行なわれている検査です。

核黄疸の治療

核黄疸にまで症状が進んでしまった場合、現状において有効な治療法は存在しません。
そのため、核黄疸にまでいってしまう前に高ビリルビン血症の治療を行ない、発症を予防することが大切です。
ビリルビン値を正常に戻すことを目的とした主な治療方法としては、光線療法と交換輸血があります。

光線療法

血液中のビリルビン濃度というのは、日光や蛍光灯などの光にあたることで下がることがわかっています。
このため、血液中のビリルビン値が上昇している場合には、人工的な紫外線(青い光や緑色の光)をあてる光線療法が選択されます。
たいていの場合、光線療法が行なわれることによって状態はよくなります。

交換輸血

光線療法で数値が低下しない場合に選択されることになるのが交換輸血です。
体内の血液を入れ替えてしまうことによって、ビリルビン濃度を低下させることを目的に行なわれています。

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